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研究紀要の創刊について

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

研究紀要の創刊について

著者 松本 喜一郎

雑誌名 奈良学芸大学教育研究所紀要

1

発行年 1965‑03‑30

URL http://hdl.handle.net/10105/6096

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研究紀要の創刊について

奈良学芸大学教育破究所長松本妻一郎

 現下の教育界でも教育の研究の必要性を重視しない常識論者 もある一が、一敬 育研究の心要性を強調する科学的態度をとる立場の人々が多く一一なってきてい ることは事実である。低次の教育は明確匁意識や意図がなくても行われ得る が高度の水準の教育が効果的に行われるためには教育の科学的研究なくして は期荷し得るものではあり得ない。

 しかし、教育の研究領域は極めて広いものである。これは教育そのものの 本質的な性掻によるもので人間そのものに全面的に関連し、人間の生活や文 化と密接不離なものであるからである。教育の概念を拡げ、教育研究に関連

した領域を含めるならば更にその範囲は拡大されたものになる。

 教育研究をこのように考えてくるとそれを積極的に効果的に行なうために は多くの研究着の参加と充実した研究施設が必要であることが明らかになっ てくる。しかし現実は必ずしも十分な教育研究の条件が整えられていないの

で、取り残された研究領域が少なからずある。

 教育の研究で即り残されてい名ものの一つに教育の現場における現実の問 題解決に寄与し祷る教育研究や教育理論と教育実践との中間領域の研究があ る。この領域の研究は純瀞理論の研究者からも教育実践者からも必ずしも重 視されない傾向がある。しかしこの領域の研究は教育を効果的なものにする ためにも、教育を近代化ないし現代化するためにも極めて重要であり、この 領域の研究が教育理論や教育実践の進歩のために有意義な示唆を与え得るも ものであることを信じて疑わない。この研究紀要の内容として盛られている 数篇の論文は教科教育法ないしは教材研究、別の表現をすれば教育内容や方 法に関する諸問題ととり組んだものであるが、上述の見方からすれば極めて 有意義な研究の成果であることはいうまでもない。

 経費不十分のため論文の内容にふさわしい良質の紙質と印刷にし得なかっ たことは不本意であるがこれによって評価を形式的に低めるような無理解者 のないことを期待する。当研究所の研究活動の積極化に伴い、研究活動の成果

を発表する方法として今後も研究紀要の刊行を継続する予定であることをつ け加え研究着の積極的研究活動と研究協力をお願いする次第である。

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