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紀要創刊の意気

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Academic year: 2021

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紀要創刊の意気

昭和25年4月、福井県教育研究所は、空襲で焼尽した松平家別邸養浩 館の跡地(福井市宝永)に新築された県立図書館内に併設されて発足し た。所長千田専平(教育長の兼務)と所員8人のスタッフであった。県 立図書館自体が、創設であり、図書館、教育研究所ともさぞかし、発足 の意気は高かったと思われる。 その新しい教育への意気込みは、翌26年4月に実施された「福井県標 準学力検査」(全学年対象、小学校18校、中学校17校、高校5校で)の 目的意識とその詳細な報告書からもうかがえるが、「福井県教育計画の 基盤研究其の1、其の2」の副題のついた研究紀要第1号と第3号から も力強く発信されている。 27年6月刊の第1号と同年8月刊の第3号は「福井県教育計画の基盤 研究」の共通テーマのもと、第1号は(原理、社会調査、地域課題篇429 頁)、第3号は(児童、生徒調査及び課題篇229頁)となっている。 第1号では、理論的研究をふまえて福井県の教育課程を構成するため、 その前提として広汎な社会調査に基づく福井県の社会実態把握がなさ れ、そこから本県の課題が導き出されている。現在から見ると、昭和25 年時点での福井県現代史になっている重厚さがある。 第3号でも本県の課題を前提に、広く全県下の小中高校生23,550人に アンケート調査を行い、そこから福井県児童生徒の特徴を析出し、課題 を提言している。 合計650頁を超える大部なものになっているのは、全国的にも珍しい、 「県全体」という広範な、社会と児童生徒への調査をもとに教育課程構 成の基盤的提言がなされているからである。「教育は子供の事実を離れ て成り立つベくもなく、事実の中に真理を把握して方策を樹立」という 考え方が一貫して流れており、それはまた、中央集権的、画一的教育か ら地域社会に即する教育、則ち「教育の地域化」への発展をめざしたも のであった。 第118号となる本教育研究所の紀要の源流にふれ、「はじめに」とし たい。 福井県教育研究所 所長 中島嘉文

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