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『豊橋創造大学紀要』の創刊に寄せて

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Academic year: 2021

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『豊橋創造大学紀要』の創刊に寄せて

豊橋創造大学学長・経営情報学部長 佐 藤 芳 雄

(1) 21 世紀,ないしは第三至福千年(Millennium)を目前にして,昨 1996 年 4 月,豊 橋創造大学(経営情報学部)は開学した.

「創造性を培い,起業家マインドを育成する」を開学の理念として掲げ,多様で 柔軟な学生の能力を,それぞれの個性に応じて伸ばすことをめざすものである.

教育のあり方が問い直されている.戦後半世紀,日本で「個性重視の教育」が絶 えずいわれながら,現実には受験戦争がますます激化し,偏差値中心の思考が横 行してきた.平均的優等生が最も良いとする教育がもたらしたものは,無気力・無 関心であり,有名大学に入学した途端に「燃え尽きし症候群」とやらがはびこる.

リスクを取らない学生たち.

ここで教育論議をするのは適当ではない.ともかくも豊橋創造大学では,多様な 学生に「自分で考え,判断し,計画を建て,実行する」ことを教育全体を通して 教えることをめざす.一種の実験を試みようとしているのである.

(2) 大学では教育と研究を両立させなければならない.新しい研究の深化がより良い 教育の礎である.さらに学校運営の仕事も重要である.

時代はまさに激動の時代で,「急激な変化が常態化」している.それぞれの研究 分野ではつぎつぎと新たな研究課題が発生している.大学の教員は研究者であり,

教育と学校運営の仕事のかたわら,自分の研究課題に取り組まなければならない.

苦しい孤独な過程である.しかし教員が研究者として真剣に自分の研究に没頭し てこそ,学界に研究成果を問うとともに,学生に対して自信と誇りを持って教育・

指導を行うことができるのである.

(3)『豊橋創造大学紀要』は,まずは当大学の教員の研究成果を発表する機関誌であ る.同時に,「連続講座」などの内容を記録し,公表するための機関誌などにもな る予定である.すなわち定期刊行物でありながら,若干の柔軟性をもって活用し て行くものである.

本大学は小規模であり,豪華な冊子刊行は望めないかもしれない.しかしそれぞ れのスタッフが自由に自分の研究成果を発表して,広く学界・教育界に問うてい くことは大いに有意義である.この『紀要』が,本大学の研究と教育,そして大学 内の活発な諸事運営に寄与するところが大きいであろう.そのことを心から待望 するものである.

(4) 豊橋創造大学スタートの今年度内に第 1 号が創刊・発行されたことはまことに 喜ばしい.その準備に熱心に取り組まれた編集委員の方々に心から敬意を表し,

御礼を申し上げる.また今後のご活躍を期待したい.

 まだ錨を揚げて間もない豊橋創造大学が,この『紀要』の続行とともにますます充 実し,大学名にある「創造」を生かし,予想される荒海を乗り越えて,個性ある教育 と研究の航路を,じっくりと力強く進んで行くことを希望してやまない.

(1997.3.20.)

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