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『スポーツ危機管理研究』の 創刊に寄せて

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Academic year: 2021

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『 スポーツ危機管理研究 』 の 創刊に寄せて

学長 

具志堅 幸司

 大阪市立桜宮高等学校で男子バスケットボール部主将の2年生が顧問教師による体罰を苦 にして自死するという痛ましい事件が起ったのは、2012(平成24)年12月のことであった。

だが、事態はそれだけに止まらなかった。周知の通り、体育・スポーツ界における体罰問題 の報道はそれ以降も後を経たない。パワハラや不適切なコーチング等が招く事件や事故も 続々表出している。さらに最近では、「指導死」というコトバを耳にすることさえある。

 一方、本学は2013年2月に「反体罰・反暴力宣言」を公表した。ただ、これについても宣 言を表明するだけでは不十分である。“どうすれば、体罰や暴力等を真に撲滅できるのか”

といったことを科学的に追究することが不可欠である。その一貫として、本学では「学校・

部活動における重大事故・事件から学ぶ研修会」を開催してきた。そして、多方面から好評 を得てきた。このような動向も踏まえつつ、さらに新たな一歩を踏み出そうということで、

2018年4月に誕生したのがスポーツ危機管理研究所というわけである。

 本研究所は、スポーツ活動全般をめぐる危機管理上の問題事象(事件、事故、傷害、体罰・

ハラスメント、ドーピング等)を研究対象とし、その予防・対応・改善の具体策について探 究することを目的としている。また、必要に応じて、得られた研究知見に基づく啓発活動や マニュアルづくり等にも努めて欲しいと考えている。産声を上げたばかりの今年度は、各領 域の専門家(危機管理学、教育学、健康教育学、社会教育学、救急医学、コーチ学等)に集っ ていただき、スポーツ危機管理研究の対象・領域と方法、スポーツ危機管理研究の関連文献・

資料・判例等の収集、スポーツ危機管理の歴史と現状、スポーツ危機管理のための啓発・講 習会の実施等々、本研究所が担うべき研究課題についての議論を活発に展開していただいた。

その光景は、本研究所から多くの研究成果が蓄積されていくことを予見させるものであった。

今後の研究成果にご期待いただくとともに、スポーツ危機管理に関して忌憚のないご意見を どしどしお寄せいただければと思う。

 いずれにしても、わが国における体育・スポーツ界における体罰・暴力の撲滅に向けて、

本研究所がわが国をリードする研究所に発展することを心より期待したい。

参照

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