第二 個別部門の経済過程
一︑疫資と貯高
一︑史実に通ずる人は︑中共管理が張力軋行われる時には︑線化互額の投資のなされることが普通であることを
知っている︒苗代エジプーや千五官年代のインカ帝国の省きより︑一九三六年のドイツ︑完二八年以降のロシア
など史上にその例証は乏しくない︒この事実をいかに説くか︒ここには経済理論を超える要因が作用しており︑経
済理論から二或的・決定的論拠を求めることは不可能である︒そこにほ政治的勢力を強化しようとして︑都市・道
路 中央管理的統削は︑投盟を促進するという特殊目的のために採用されるとの考察は︑一九三〇年代のドイツに関
するかぎり▼その遁りである︒中央管坦ほ消費財の生産に関すること少く︑特に生産財の生優に係わる慮喪部門︵鉄
晶鉄琴︶が拡大される︒もしこの方雷投資が政治的勢力の強化鱒有効であがならば︑消費財の生産ほおのずか
ら無視されることになる理である︒ 経済学者ほ︑なぜ中央管理が投資率を増大しょうと欲するかについでは解明をあたえないが︑他面ひとしく露大
な問題であるところの︑中央管理ほいかにしてその雲仙を強行するかについては答えうる︒それほ経済的賓因に依 三九 オイケン・中央管理経済の理論 オペケシ︒中央管理経済の魔論︵二︶
行 大 泉
存する問題であり︑この点で中央管理経済の機梼が特に興味をよびおこすのである︒
二︑商柴的経済の投盟過程と中央管理経済の場合との差異
︵a︶ いまひとつの工作機械工場が拡張されようとする場合を考える︒商莫的経済の下でほ︑計画遂行の決定
と方法の決定は企粂者に依る︒その企業者の計画ほ現在の価格および将尭に予想される価格に依存する︒換言すれ
ば新たな施設々傭の費用と原料および生風物の予想価格に依存する︒ここでは新設備の原鳳償却に関する予想期間
が決定的であつて︑不断に変動する条件を注意し︑償却が三年ないし五年以上にも及ぶときにほ投資は行われない
かも知れぬ︒要するに経済計罫はブレーキのような作用をもち︑稜々の計画問の選択をなさしめ︑投資一機械購入
について規削カをもつ︒
中央管理経済ではこれと異なり︑そこには決定力のない総体駒評価が存在する︒一つの機械工場な建設すべきか
香かの決定は︑ドイツの場合︑経済省べ後にほ兵器生産省︶によつてなされた︒当局の決建ほ︑〟つの工場が全体
計画の上から総合的に有用か香かによつてなされたのであるが︑しかし新しい建設のために投じられた価値と︑そ
れから生ずべき価値とを比較することができず︑償却期間と利子率ほ考慮されなかつた︒すなわち︑それらほブレ
ーキの役目を持たなかつた︒そのために互大な企画が著しく長期にわたつてなされた︒そこでほ単竺つの部門に
用いられた労働および他の箪索の用途と︑他の部門におけるそれらとを繚合的に比較するだけで︑商菜的経済の原
塩による投魔の規制ほ存在しなかったのである︒そこでもし一つの企画が認められれば︑必要な労働力忘メント
︒鋼鉄等々ほ当局によつて割当てられごれほ部門統削機関を通じて行われる︒したがつて銀行はまつたく補助的役
目をつくすにすぎぬ︒けだし投資の決定は中央管理紅よるもので︑銀行の信用供与によるのでほないからである︒
︵b︶ 例によつて説く︒一段家が小孝一十単位を収穫し︑その劇部分は製粉工場・パン屋を通じて消費者へ︑ 第二十五巻 第四号 四〇
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他の一部分は飼料︒経子・へ充当するとすれば︑後者ほ直凝滞費者には向けられず︑財の保層であり資本投下であ
るJ一九三九年のドイツ経済について︑全体経済な取上げ︑その時の土地︒鉱山・鉄道︒原料在庫高・労働供給を
みよう︒その時の一定時における経済過穣ほどのように指適されうるのであるか︒労働供給・物的生産手段は︑鉄
道や道魔路等の拡張を目ぎす新建設︑土地の集約的耕作の強化など︑消費財の供給とほ異なる方面へ多く向けられ︑
従って最大限の投盟が行われうることもありうる鼠あるいはこれと遊に︑労働と物的生産手段が現在または近い将
尭の消費財生産にできるだけ多く向けられ︑磯城や家畜の巣新をなさずに消費することもありうる︒小党時におけ
る経済過経の方向ほ︑消費財の供給と生産設僻の大きさの関係によつて決定される︒実際にはこの両極の中間にさ
せざの場合がありうるのである︒そしノてこの決定ほ経済秩序の構造によつ三様ではない︒所縛の享受者すなわ
ち消費者が体制を支配すれば︑山鹿時の方向決定は彼等紅依存することになる︒完全兢争と適切な貨幣制度の下で
は︑消費の任東的抑削が投盟に先立つ︒ところが貸衛供給が︑信用創造や独占把よつて軟張されれば︑投資は貯蓄
紅発行して計画され︑その後にある集団の所得者に消費抑制が強削される︒その点では︑消費者よりも企共家︒銀
行が投資畳を決定する︒
中央管理経済では︑消費者は支配性を失う︒消費者は凝済過程を支配しえず︑価格変動の手段を通じて︑生産妥
索を引奄せたり︑あるいほその幾許を投資に向けるかを決定したりすることができない︒中央管埋ほ消費者に財を
配給し︑生産財産業へ生産要義をふりむける︒そこで中央管理経済の投盟過経として特質を成すことほ二点であ
る︒∴は投盛ぬおいて︑労働力と生産手段を最大限に集中する能力︑二は投資の比率に関する特殊の困難の存在︒
三︑中央管理は︑いかにして労臥供給と生産手段を高度に集中しうるか︒一九三八年以後の一ドイツの兵器盛業︑
山九四五年彼の東ドイツでの復興投螢紅おいて︑︑これはどうであ⁚つたか︒二つの事実が決定的であつた︒
四一 オイケン︒中央管理経済の理論
/
筋十五巻 第四号 四二
︵a︶ 消費者からの干渉なくして︑生産粟索は前述の雰洪で投資にむけられる︒消費薯にたいする衣料︒食塩
︒住宅を生産する代りに︑道路︒鋒鉱炉・飛行器工場等々の感設を命令することができた︒
この方向替またほ投盟畳にたいする限度は何であるか︒それほ軽々なる階層の人々の生活水準である︒一切の労
働と生産質素が建物︒磯城︒生産財に使用されれば︑消費財ほ何ものも生産されず︑人々ほ磯俄に陥り投盟計画の
尭遂は不可能となる︒もとより中央管理はをのように極端にはなしえないから︑隼璽監禁二窟畳ほ食騒・衣服等
々の生産に必要であり︑これほ投資白襟を達成するに必賓な労働供給を維持するのである︒これはいいかえれば最
低生活資料の概念であり︑中央管理経済にとつて実際上の蚤大間嵩であり︑また理論的理解のためにも不可鉄のも
のである︒最低生活盟料は各経の労働が︑その能率を維持するために受くべき分配慮であり︑それぞれの生産部門
によつて同山ではない︒たとえば木樵ほ金属工よりも靴を多く必要とするが如き︒地域︒風土・風習によつても.ま
た異なる︒しかし計画当局ほ常に最低生活姿料を考慮せねばならぬのであり︑もしこれが与えられぬときほ︑ドイ
ツ︑紅おける衆坑夫の例にみたように石次の生産ほ減少する︒
この最低生治盟料は単に一時的意義をもつにとどまるか︒この投資率ほ将来において確実に消費者財の供給を増
加すること濫なるか︒そうはいわれない︒中央計画が投盟の最大拡張に存㌻るときほ生産財の生産が目的となり︑
かくして強力な歴史的勢力がこの方向に働きかけるのである︒
︵b︶ 中央管理経済の方漁によつて︑投資の急速な拡張がなされることにほ第二の理由がある︒中央管理ほ財
の供給にたいして︑これと交換的に何等か同価値のものを与えることなくして収めうる︒例えば紡績や緻物工場の
スーツク︑・
るとしても︑この貸衛によつて得られる財は何一つなく︑かくして生産手段ほ投資のために貯蔵された︒これら企
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染は手持の貨幣を政府に貸卑した︒これほ明白忙中央管理慈済が交換に基づかず駐割当紅撃つくことを示す鴇ので / ある︒
ある部門に投澄が行われるのとならんで︑他の部門では投資の抑制あるいは盟本消耗がなされる︒と牒消耗が他
面でほ渡資のための大きなカとなり︑ドイツ産業はここに奇妙な分裂を示した︑のである︒嘉粧は在庫品をなく
すでに述べたように中央管理経済は︑総合評価七統計Ⅵ計罫に基礎をおくが︑これでは生産された財の比率が仝 し︑機械の減耗してゆく企柴があ町︑他方では設備の新たな拡張と建威がある︒これがしかも同左柴の内部にす らみられる︒すなわちある部分では資本は消耗し︑他の部分でほ投資が増加する︒
賞するに中央管理は︑交換経済の方法によるよりも生産要素を投魔のた打に多く向けしめえた︒露大な二点ほた
んに生産手段が消費財盛栄から投資匿方向替すると︑いうだけでなく︑その方向替が補償な七で行われたという点で
.ある︒
四︑・以上ほ中央管理経済にみられる投資過程の一面︑すなわち勇働と生産手段を特定投資計画に基づいて︑急速
張についで︑軽々異鳩投資を相互に調和均衡ならしめるのに︑評価と計画上の困難が存在するのである︒近代の経 紅集中する能力ヱ警ある︒しかる掌れと同上ぺ露大な他の∵画があるか
〆 それぞれの投資はいずれも補足投資を必賓とする︒たとえば小規模の封牒経済内部で一つの家畜小屋を新穀する ととになれば︑それと鱒んで家畜○革︒飼料等の増加が考えられることになる︒しからぎれば新しい小屋は十分足 利用ぶれえず︑投資はほとんど無益となる︒ところがこの小さな封鎖経済においてさえ︑豪番数晶料・小屋の拡 済では︑複雑な組織と分業の拡大に立ち︑数官万め企兼が並立し︑したがつて右の操作は極度に困難となつてく る︒これはドイツの場合にも明白である︒
四三 オィケン・中央管理経済の理論さ
欝l亭五巻ノ第四号 四四
体として調和するようになる機構とはなりえない︒たとえば二九三〇年中実における自動車道終にたいする投盟ほ
宜額にすぎ︑石油の生産拡張に調和しなかった︒また長く鉄道への授産が無視され︑そのために他方両への投應に
ょって喚超された輸送葵求の増加と調和がとれなかつた︒結局中央管理ほ︑均衡駒投資計画を出現させることがで
きなかつたことは明白である︒
五︑この点で中央管理経済にほ︑相互に矛盾する傾向が内在する︒すなわちその特殊な投盟の動向は︑消費の要
東をおさえ︑危険をおかしても投資計画の払張を企図する能力から考えられる︒さらにその特質ほ∵方的で︑比例
のない投準であり︑仙部門の塵柴ほ極度に拡張されるが他の部門の産業は不当に縮小される.ことにみられる︒
この矛属する傾向は︑中央管理でほ投資を数盤的に増進することほできても︑質的に満足なる計画がえられない
ととから発生する︒ゆえにもし補足的寵愛がなされなければ︑個々の投資計画の価値ほそれだけ減退することにな
る︒たとえば私経済の場合に︑家畜小屋について少しの補足投資もなされぬが如き時である︒苗大な道路の経済価
値は少なかつた︒投資の経蘭約盈すなわち価値ほ︑投資の諸計画の均衡すなわちそれらの聞の比率によるのであ
1る︒
このような掛由から貯蓄螢と投盟諒とを比改することは困難である︒投資畳ほ経済的にほ価格を通じて表現され
与るのみであり︑その水準は個々の投資が物的︒時間的に均衡することに依存する︒使用された労働と生盛手段の
盈が決眉カをもつのでほなく︑個々の投盟の方向と比率が決建カをもつ︒投資の盈と価値とが山体性をもたぬこと
はさきに自動草道路の例でみた通りであり︑経済的にみれば︑貯蓄と投資の評価ほ︑価値の評価としてのみ考えう
るわけである︒
二︑変動と虜傭
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一︑中央管理経済でほ完仝腐傭は比較的容易である︒第一に︑中央管理経済でほつねに比較的大規模の投資が行
われる︒交換経済でほ人も知る如く沈滞と回復の循珪が投資の変動と結びついている︒投盟の減退を防ぐことによ
って沈滞が阻止されるので︑中央管理経済でほ投資の長い過綽がつぎつぎにつづけられる︒第二に︑労働者ほ生産
費に係わりなく雇傭されるから失菓がない︒交換経済では労働の効率によつて需給が決定される︒すなわち労働者
ほその屠僻からの収益が︑生産費をつぐなうのでなければ解雇される︒稔合矧評価に立つ中央管理経済でほ︑隠人
労働者が道路工事で生産費をつぐなうかどうかほ決定されない︒さらに数千人の道路工事労働の属僚が生産費をつ
ぐないえないと測愛されても︑中央管琴檻済ほ事業を削減する必要應なく︑したがってつねに完全慮僻でありう
る︒
二︑右は事態の山間である︒沈滞と失菓の解消と投盟払張にたいサる制限のないということは︑中央管理経済が
均衡を伐らえないという事実を変えることはでき兎い︒たとえば鉱山・鉄道建設・鋼鉄歯糞・靴製造における投資
は︑正しい比率によつて調薬されねばならぬが︑これが不可能である?石灰の焦眉の不足は右翼増産をうながす
tが︑それと英世単軸不足が生ずる︒それは屈蜘工場への投資が不足し︑修理工場が不十分だからである︒したがつ
て石袈ほ増加したが︑その価値ほ補足財の欠乏で比較的に低い︒中央の指導当局による一部門の投資払張は︑不断
紅かかる比率の不均衡となつたのであつた︒
この均衡欠除はそれぞれの企業︒摩発部門で︑∧軸分品中原料︒特殊薬品や輸送機国辱の不足として感得される︒
生産の横柿は︑ある方向では不当に拡大きれるが︑′他の方向でほ不当に縮小され︑結局︑′資本財ないし消費財を生
産する横棒の能率がそこなわれる︒
三︑近代の経済変動諭は︑上れらの訝葵を考察するため笹拡大されねばならぬ︒鑑済単著は交換経済における好
阻五 オイケン○中央管理経済の慧珊
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