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複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

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(1)

経営 と経済

8 6

巻 第

3

2 0 0 6

1 2

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

Abst ract

Thepur po s eo ft hi spa pe ri st oe xpl ai nt hec ompo undo pt i ona c ‑ c o unt i nga ndt her a i nbo wo pt i o nac c o unt i ng,a nddi s c us st hec or po r a t e va l ua t i o nf unc t i o no fr e a lopt i o na c c ount i ng.Thes i mul t a neo usc om‑

po undo pt i o na c c o unt i nga ndt hes e q ue nt i a lc o mpo undo pt i o nac c o unt ‑ 1 nga r edi s c us s e do nt i l ec ompo undo pt i o na c c o unt i ng.Ther a i nbo wo p

t i o nac c o unt i ngi se xpl a i nedus i ngt heq uad r a no mi a la ppr o ac h. Ther a i n‑

bo w o pt i o na c c o unt i ngwi t hi nde pe nde ntunc e r t a i nt i e sa ndt her a i nbo w o pt i o na c c o unt i ngwi t hc or r e l a t e dunc e r t a i nt i e sa r edi s c us s e di no r de r . Fur t he r mo r e,t heme t hodo ft hec or po r a t eva l ua t i o nbyt her e a lo pt i o n a c c o unt i ngl Se xpl a ine d.Fi na ll y,i ti spoi nt e do utt ha tt her e a lo pt i o na c ‑ c o unt i ngwi l lbewi de l ya ppl i e da ndwi l lbeve r yI mpo r t a nti nt hef ut ur e.

Keywords:c ompo undopt i o n,r ai nbow opt i on,qua dr a nomi ala p‑

pr oa c h,c o r po r a t eva l ua t i o n

じ め に

リアル ・オプシ ョンは,金融資産を評価す るために開発 されたオプシ ョン 理論 を,実物資産 を評価するために,動的で不確実な企業環境 に応用 しよう とするものである。 リアル ・オプシ ョンは 1種類ではな く,次の ようない く つかの種類があ り, これ らを組 み合わせ ることによって実際の リアル ・オプ シ ョンが行われる。

(2)

(1)延期オプシ ョン :プロジ ェク トの開始を延期するオプシ ョン

( 2 )撤退オプシ ョン :プロジ ェク トの全部を売却 して中止するオプシ ョン ( 3 )縮小オプシ ョン :一定の価格でプロジ ェク トの一部 を売却するオプシ

ョン′

( 4)拡張オプシ ョン :投資額 を増加 してプロジ ェク ト規模 を拡張す るオプ

シ ョン

( 5 )延長オプシ ョン :行使価格 を支払 うことによってプロジ ェク ト期間を

延長す るオプシ ョン

( 6)切替 オプシ ョン :一定 の コス トをかけ るこ とに よって2

種類 の操業 モー ドの間で変更が可能になるオプシ ョン

( 7)複合オプシ ョン :段階的な投資の場合のオプシ ョンに対するオブシ ョ ー /

( 8)

レインボー ・オプシ ョン :複数の不確実性要因に影響 されるオプシ ョ ン/

この リアル ・オプシ ョンを会計的にみた場合,それは次の ような特質 およ び機能を有 している とい うことがで きる。

( 1 )

リアル ・オプシ ョン会計は,企業の資産 ない しプロジ ェク トを柔軟 か つ弾力的に評価 し,それによって現代の企業が直面 している不確実性に

対処す る。

( 2)

リアル ・オプシ ョン会計は,複数の代替案 を時系列的な各段階で相互

に比較 し,各状況 に適合する,弾力的で最適な意思決定 を行 うことがで きる。

( 3)

リアル ・オプシ ョン会計は,その弾力的評価 に基づいて, より現実の

営状況に即 した,正確な企業価値評価 を行 うことがで きる。

これまで, これ らの うち, リアル ・オプシ ョン会計の種類 に関 して,延期

オプシ

ョン,撤退オプシ ョン,縮小オプシ ョン,拡張オプシ ョンおよび延長

オプシ

ョンの内容について説明 し,リアル ・オプシ ョン会計の機能 に関 して,

(3)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

3

その意思決定機能を中心 に論 じて きた。そ こで本稿は,残 りの リアル ・オプ シ ョン会計の うち,複合オプシ ョンおよび レインボー ・オプシ ョンの内容を 説 明し, リアル ・オプシ ョン会計の企業価値評価機能について論 じることを

目的 としてい る。

本稿の内容は以下の とお りである。

(1)まず,複合オプシ ョン会計を説 明する。その場合,複合オプシ ョン会 計には同時複合オプシ ョン会計 と段階複合オプシ ョン会計 があるので,

それ らを別 々に論 じる。

( 2 )次に, レインボー ・オプシ ョン会計を, 4

項アプローチを用いて説 明 する。その場合,レインボー ・オプシ ョン会計 には不確実性要因の間に 相関関係がない場合 とある場合があるので,それ らを順 に論 じる。

( 3)

さらに, リアル ・オプシ ョン会計による企業価値評価の方法 について 説 明し,現在価値会計 による企業価値評価 との相違を確認する。

( 4)

そ して最後 に,以上の ことを踏 まえて, リアル ・オプシ ョン会計の今 後の展望 について述べる。

Ⅱ 複合オプシ ョン会計

上述 した ように, これまで, リアル ・オプシ ョン会計の うち,延期オプシ ョン,撤退オプシ ョン,縮小オプシ ョン,拡張オプシ ョン,延長オプシ ョン な どについて述べて きた。 これ らは比較的単純な リアル ・オプシ ョン会計で あ り,これを現実の企業活動 に適用するには,さ らに進んだ応用的な リアル ・ オプシ ョン会計を理解 しなければな らない。そ して,その代表的な ものの 1 つが,複合オプシ ョン会計である。

この複合オプシ ョン会計 には大 き く分けて

2

つの種類があ り,その 1つは, 原オプシ ョン とそれに対するオプシ ョンが同時に存在する場合であ り,同時 複合オプシ ョン

( s i mul t a n e o u sc o mpo u ndo p t i o n)

会計 と呼ばれる。そ して 他は,原オプシ ョン とそれに対するオプシ ョンが時系列的に順次行使可能な

(4)

場合であ り,段階複合オプシ ョン

( s e que nt i a lc o mpo undo pt i o n)

会計 と呼 ばれる。以下では, これ らを順 に説明することにする。

1

同時複合オプシ ョン会計

まず,同時複合オプシ ョン会計であるが,これを説 明す るための典型例は, 負債のある企業の株式 に関 してオプシ ョン価値 を計算する例である。 この場 令,負債のあ る企業の株式 は,その企業の価値 に依存するオプシ ョン (コー ル ・オプシ ョン)であ り,その場合のオプシ ョンの行使価格は企業の負債の 額面価格であ り,満期 日は負債の満期 日である。 したがって, この企業の株 式 を原証券 とするコール ・オプシ ョンは,オプシ ョンに対するオプシ ョンで

あ り,それ らが同時に存在する ところにこのオプシ ョンの特徴 がある。

この同時複合オプシ ョン会計を,具体的な数値例で説 明することにす る1)0 いま,ある企業の現在価値 が1000ドルである とする。 この企業価値 のボラテ

ィ リテ ィは

12%

で あ り, した が って , そ の現 在 価 値 の上 昇 率

( 〟)

1. 1 2 7 5 0(‑e O 1 1 2 )

であ り,下落率

( d)

0. 8 8 6 9 2( ‑e0 ・ 1 2 )

である. リス クフ リー ・レー トは

8%

である とする。

この企業の株式は,額面価格800ドル,満期 3年 ,ゼ ロ ・クーポンの負債 の劣後 にある。 この株式の行使価格 は400ドルで, 3年満期であ る。 この場 令, この株式 に対するコール ・オプシ ョンの価値 を計算することが, ここで の課題である。

このオプシ ョン価値の計算は, 2段階で行われ る.まず,株式 を,企業の 価値 に対するコール ・オプシ ョン として評価する。その際,行使価格は負債 の額面価格 に等 しい とする。それに基づ くイベン ト ・ツ リーがコール ・オプ シ ョンの原資産 とな り,いま,その企業価値のイベン ト ・ツ リーを示す と, 表 1の ようになる。

通常の リアル ・オプシ ョン会計では,表 1に基づいて企業価値 のデ ィシジ ョン ・ツ リーを作成するが,複合オプシ ョン会計では,それが複合オブシ ョ

(5)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

1

企業価値の イベ ン ト・ツ リー

0 1 2' 3

0 1, 0 0 0 . 0 0 1 , 1 2 7. 5 0 1, 2 7 1. 2 6 1 , 4 3 3. 3 4

1 8 8 6. 9 2 1, 0 0 0. 0 0 1 , 1 2 7. 5 0

2 7 8 6. 6 3 8 8 6. 9 2

5

ソの基礎 とな るイベン ト ・ツ リー とな り,株式価値 の イベン ト ・ツ リー とな る。 これを, リスク中立確率アプローチを用いて作成す る と,表 2の ように な る。

2

株式価値の イベ ン ト・ツ リー

0 1 2 3

0 ( 1 0 ) 3 7 1. 1 9 ( 8 ) 4 4 5. 7 8 ̲( 5 ) 5 3 2. 7 6

(

1 ) 6 3 3. 3 4

1 ( 9 ) 2 0 8. 1 5 ( 6 ) 2 6 1. 51 ( 2 ) 3 2 7. 5 0 2 ( 7 )6 5. 4 9 ( 3 )8 6. 9 2

この場合, リス ク中立確率 (p)は次の ように して求め られ る。

e r f ‑d e O ・ 0 8 ‑0. 8 869 2

u‑d 1. 1 2750‑0. 8869 2 0. 81 622,119‑0. 1 8 37 8

表 2における各数字 は,次の ように算定 される。

(1)Ma

x[

(

1, 4 33. 34‑800‑63 3. 3 4), 0]

( 2)Ma x[

(

1, 1 27. 5 0‑800‑32 7. 5 0), 0 ] ( 3 )Ma x[( 886. 9 2‑8 0 0‑86. 9 2 ), 0]

( 4)Ma x[( 697. 6 8‑80 0‑‑1 0 2. 3 2 ), 0 ]

( 5)Max[( 1, 271. 26‑800‑471. 26), ( 0. 81 622( 633. 34)

+

0. 1 8378( 327.

50)) β 0・ 0 8 ‑5 32. 76 ]

( 6)Max[

(1

, 0 00‑8 00‑20 0), 〈 0. 81 62 2( 32 7. 5 0) + 0. 1 837 8( 86. 92 )) β 0・ 0 8

(6)

261. 5

1]

( 7) Ma x[ ( 786. 63‑800‑‑1 3. 37), ( 0. 81 622( 86. 92)

+

0. 1 8378( 0)) β 0・ 0 8

‑65. 49 ]

( 8) Ma x[

(

1, 1 27. 50‑800‑327. 50), (0. 81 622( 532. 76)

+

0.1 8378( 261.

51 )) e1 0・ 0 8 ‑445. 78]

( 9) Ma x[ ( 886. 92‑800‑86. 92), (0. 81 622( 261. 51 )

+

0.1 8378( 65. 49))

β 0・ 0 8 ‑2 08. 1 5 ]

( 1 0) Ma x

[1

, 000‑800‑200), ( 0. 81 622( 445. 78)

+

0. 1 8378( 208. 1 5)) β 0・ 0 8

‑371. 1 9]

その結果,企業の株式価値 は

371. 1 9

ドルであることが判明す る。そ して, 企業全体の価値 を

1, 000

ドル と仮定 していたため,負債の市場価値 は

, 1 000

ドル ‑

371. 1 9

ドル

‑628. 81

ドル となる。

次 に,複合オプシ ョンの価値 を評価する。 これは,行使価格 を

400

ドル と し, (それ 自体 コール ・オプシ ョンであ る)企業の株式 に関す る3年満期 の コール ・オプシ ョンであ る。 このオプシ ョンの基礎 となるイベン ト ・ツ リー は,表 2に示 した株式価値のイベン ト ・ツ リーであ り, これに基づいて株式 価値 (複合オプシ ョン)のデ ィシジ ョン ・ツ リーを作成する と,表 3の よう

になる。

3

株式価値のディシジョン ・ツリー

0 1 2 3

0 ( 1 0 ) 9 9. 81 ( 8 )1 3 2. 4 7 ( 5 )1 7 5. 81

(

1 ) 2 3 3. 3 4

1

( 9 ) 0 ( 6) 0 ( 2 ) 0

2 ( 7 ) 0 ( 3 ) 0

3

における各数字の計算過程は,次の とお りである。

(1)

Ma x[ ( 633. 34‑400‑233. 34), 0]

(7)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

7 ( 2)Ma xl( 327. 50‑400

‑72. 5 0), 0]

( 3)Ma x[( 86. 92‑400‑‑31 3. 08), 0]

( 4)Ma x[( 0‑400

‑400), 0]

( 5)Ma xl( 532. 76‑400‑1 32. 76), ( 0. 81 622( 233. 34) + 0. 1 8378( 0)) e‑ 01 0 8

‑1 75. 8

1]

( 6 )Ma x[( 261. 51‑400 ‑ ‑1 38. 49), ( 0. 81 622( 0) + 0. 1 8378( 0)) β 0 ・ 0 8‑0 ] ( 7)Ma xl( 65. 49‑400‑1334. 5

1

) , ( 0. 81 622( 0) +0. 1 8 3 7 8( 0 )) e‑ 0・ 08 ‑0 ] ( 8)Ma x[( 445. 78‑400‑45. 78), ( 0. 81 622( 1 75. 8

1

)+ 0. 1 8378( 0)) β 0・ 0 8 ‑

1 32. 47]

( 9 )Ma x[ 208. 1 5‑400‑‑1 91. 85), ( 0. 81 622( 0)

+

0. 1 8378( 0 )) e 10 ・ 0 8‑0]

( 1 0)Ma x[ 371. 1 9‑400‑‑28. 81 ), ( 0. 81 622( 1 32. 47) + 0. 1 8378( 0)) ♂‑ 0・ 0 8

‑99. 8

1]

その結果, この複合オプシ ョンの価値 は99.

81

ドル となる。

2 段階複合オプシ ョン会計

次は,段階複合オプシ ョン会計である。現実の企業活動 において,段階的 な投資はすべて このオプシ ョン形式を とり, この会計は現実において非常に 有用である。 この段階複合オプシ ョン会計を具体的に説 明するために,次の

ような計算の前提 をお く。

いま,ある企業 において,時系列的に順次繋がった

2

つのコール ・オプシ ョンがある とする。第

1

オプシ ョンの行使価格 を400ドル とす る。 これは, オプシ ョンの満期時である 1年 目の終わ りに,次の段階へ進むための必要投 資 と考 えることがで きる。 この段階でプロジ ェク トを中止するか,追加投資 によってプロジ ェク トを継続す るかの選択が, このオプシ ョンによ り可能 と なる。

2

オプシ ョンは,行使価格 を800ドル とし,

3

年 目の終わ りに満期 とな る。 この企業 における企業価値 のイベン ト ・ツ リーは前述の表 1と同じであ

(8)

る とする。したがって,その前提条件 も同じであ り,ボラティリテ ィが

1 2 %

, リスクフ リー ・レー トが

8

%,そ して, リスク中立確率が

0. 81 622

である。

この場合,複合オプシ ョン会計の計算に際 しては,最初 に第 2オプシ ョン を計算 し,次に第

1

オプシ ョンを計算 しなければな らない。 これは,

1

つの 複合オプシ ョンの価値 は, もう

1

つのオプシ ョンの価値 を基礎 とするもので あるか らである。 この考 えに基づいて企業価値のデ ィシジ ョン ・ツ リーを作 成する と,表

4

の ようになる。

4

企業価値のデ ィシジ ョン ・ツ リー

0 1 2 3

0 ̲ ( 1 0 ) 3 4. 4 9 ( 8 ) 4 5. 7 8 ( 5 ) 5 3 2. 7 6 ( 1 ) 6 3 3. 3 4 1 (

9 )

0 ( 6 ) 2 61. 51 ( 2 ) 3 2 7, 5 0

2 ( 7 )6 5. 4 9 ( 3 )8 6. 9 2

3 ( 4 ) 0

これ らの数字を少 し詳 し く説明する必要がある。 まず,第 2オプシ ョンの 計算過程 は次の ようであ り, これは, リアル ・オプシ ョン会計における通常 の計算過程 である。

(1)

Max[

(

1 , 433. 34‑800‑6 33. 34), 0 ] ( 2)Max[( 1, 1 27. 50‑800‑327. 50), 0]

( 3)

M

a xl( 886. 92‑8 00‑86. 92)

,0]

( 4)Max[( 69 7. 68‑800‑‑1 02. 32), 0]

( 5)Max[ ( 1 , 271. 26‑800‑471. 26), ( 0. 81 622( 633. 34)+0. 1 8378( 327.

5 0 )) e ‑ O・ 0 8 ‑5 3 2. 7 6 ]

( 6)Ma x[( 1, 000‑800‑200), ( 0. 81 622( 327. 50)+0. 1 8378( 86. 92)) β 0・ 08

‑261. 5

1]

( 7)Ma xl( 786. 63‑800‑‑1 3. 37), ( 0. 81 622( 86. 92)+0. 1 8378( 0)) e‑ 0・ 08

(9)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価 9

‑6 5. 49 ]

問題は第

1

オプシ ョンの計算であるが,この第

1

オプシ ョンは,

1

年 目q) 終わ りに満期 とな る。 したが って

,40 0

ドルの コス トで行使す るか,行使 し ないままにするかを決めなければな らない。行使 した場合のペ イオフの額を 決める直接の要因は,原資産 とな るプロジ ェク トの価値ではな く,次の段階 で投資するオプシ ョンが もた らす価値である。 したがって,その計算過程は 次の ようになる。

( 8 )( 0. 81 6 2 2( 5 3 2. 76 ) + 0. 1 8 3 7 8( 2 61. 5 1))e‑0・ 0 8 ‑4 45. 7 8 Ma x[( 4 45. 7 8‑4 0 0‑4 5. 7 8 ), 0 ]

( 9 )( 0. 81 6 2 2( 2 61. 51 ) + 0. 1 8 3 7 8( 6 5. 49 ) ) e ‑ 01 0 8 ‑2 0 8. 1 5 Ma x[( 2 08. 1 5‑4 0 0‑‑1 91. 8 5 ), 0 ]

( 1 0 )( 0. 81 62 2( 4 45. 7 8 ) + 0. 1 8 3 7 8( 2 0 8. 1 5 )) β 0・ 0 8 ‑3 71. 1 9

Ma x[( 371. 1 9‑4 0 0‑‑2 8. 8

1

) , ( 0. 81 622( 4 5. 7 8)

+

0. 1 837 8( 0)) β 0・ 0 8

‑3 4. 49 ]

その結果, この複合オプシ ョンの価値 は

3 4. 49

ドル とな る。 この ように, 段階複合オプシ ョン会計の場合,経済上の優先度は時間的な順序 とは逆 にな

り,第 2オプシ ョンが より優先順位の高いオプシ ョン とい うことになる。

なお, これ らの計算結果 に基づいて段階複合オプシ ョンによる意思決定過 程を示 してお くと,表

5

の ようになる。

5

段階複合オプシ ョンによる意思決定

0

2 3 0 ( 1 0 )

オプシ ョンを保持

( 8 ) 4 0 0

ドル投資

( 5 )

オプシ ョンを保持 (

1 ) 8 0 0

ドル投資

1 ( 9 )

投資せず

( 6 )

オプシ ョンを保持

( 2 ) 8 0 0

ドル投資

2 ( 7 )

オプシ ョンを保持

( 3 ) 8 0 0

ドル投資

3 ( 4 )

投資せず

(10)

レインボー ・オプション会計

応用的な リアル ・オプシ ョン会計の もう1つの代表 は, レインボー ・オプ シ ョン会計であ る。既述の ように,レインボー ・オプシ ョン とは,複数の不 確実性要因が存在す る場合のオプシ ョンであ り,その うち本節では

,2

つの 不確実性要因が存在する場合を取 り扱 うことにする。そ して, この会計を行 うに際 して,最 も有用な手法が

「4

項アプローチ

」( qua dr a no mi a la ppr oa c h)

で あ る と思 わ れ るの で , ま ず これ を コー プ ラン ドエア ソ テ ィカ ロ フ

( Co pe l a nda ndAnt i ka r o v[ 2 0 03 ]pp. 2 79‑2 86

:邦訳

2 82‑2 8 8

頁)に沿 っ て,説 明することとする。

1 4

項アプ ローチ

4

項アプローチは,

2

つの変数をも

つ 2

項ツ リーである。次の図

1

は,質 産の初期価値 を

V

oとし,第 1の不確実性要因に左右 される場合の上昇率を

ul

,下落率を

d

l,第 2の不確実性要因に左右 され る場合をそれぞれ u2と

d 2

と仮定 した ときに

,1

期 日の終了時に起 こりうる

4

通 りの結果を示 している。

co

Cul u2‑M

axlulu2

Vo ‑X , 0 ]

Culd2‑Maxluld2

Vo ‑X , 0 ]

C d l u2 ‑Ma x[ dl u2 Vo ‑X , 0 ]

Cdld2‑Max[dld2

Vo ‑X , 0 ]

1

1

期終了時における原資産 とコール ・オプシ ョンの

4

通 りの価値

1

において,各 ノー ドに

4

本のブランチがある

4

項 イベン ト ・ツ リーは, 各 ノー ドに 2本のブランチがある 2項 イベン ト ・ツ リーを単純 に, より一般 化 した ものであ る。

4

項 ツ リーを作成す るには,不確実性 orl02の影響 を 受けた ことによる資産価値の変動率の年間標準偏差の推計値 と, これ らの不

(11)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価 ill

確実性要因問の相関関係であ る

p l,

が必要であ る. この情報 は,

2

つの不確 実性要因により生ず る増減の動 きを結合 した分布を知 ることに相当す る。 ま た,行使価格 も必要である。 これは,実験段階の費用や市場開拓の費用な ど に該当す る。

この

4

項ツ リーに基づいて リアル ・オプシ ョン価値 を計算す場合,まず

4

項 ツ リーの各ブランチについて リスク中立確率 を求め,それ らを次の価値評 価式 に適用す ることによって, リアル ・オプシ ョン価値が算定 され ることに なる。

C o ‑( pul u2Cul u2

+

Pul d2Cul d2

+

Pdl u2Cdl u2 + Pdl d2Cdl d2 ) e ‑r f

= リスク中立確率確率の算定 に関 して,まず

2

つの不確実性要因が相互 に独 立 した ものである とする と,

4

項 ツ リーの各ブランチの リスク中立確率は, ブランチご とに,それぞれ独立 した不確実性要因に基づ くリスク中立確率を 乗 じた値 に等 しい。 この事実か ら,次の

4

つの式が得 られ る。

Pul u2

=

Pul Pu2 Pul d2

=

Pul Pd2 Pdl u2 = Pdl Pu2 Pdl d2

=

Pdl Pd2

(

2

)

これ らの リスク中立確率を (1)式 に適用すれば, リアル ・オプシ ョン価値 を計算す ることがで きる。

しか し, 2つの不確実性要因の間に相関関係がある場合,問題は複雑 にな

,

条件付 き確率

を求める必要性 が生 じる。 そのために,無条件確率 と 条件付 き確率を説明 してお く必要がある。

いま,

X

Y

とい う

2

つの不確実性要因があ る とす る.

X

が次の期間に おいて とりうる値は 2つあ り,その確率はそれぞれ

pu x

と(1‑

P u x )

である。

XfElXu,Xd]

(12)

Y

が とりうる値 も

2

つあ り,その確率はそれぞれ

pu

Yと(1‑Pup)である.

Y

f e l Y u

,Yd]

2

つの不確実性要 因が独立 してい る場合,

X

がすでに増加 した こ とが分 かっていて も, Yが増加す る確率は変化 しない. この場合,

X

Y

の条件 付 き確率は,

X

Y

それぞれの無条件確率 と等 しくなる.

p( Y u

lXu)

‑P uY p( X

uEY

u ) ‑P u x

この ように,

2

つの不確実性要因が独立 している場合は,

4

通 りある[Xu, Xd]と

[ Y u

,Yd]の組合せのそれぞれの確率は,

X

Y

それぞれの確率を単純

に乗 じれば得 ることがで きる。

しか し, 2つの不確実性要因が相関関係にある場合,条件付 き確率 と無条 件確率は もはや等 し くはない。条件付 き確率 と無条件確率 との関係は,次の ベ イズの公式で表 され る。

p( Y

uEXu)‑

2(Yu)p(XulYu) p(xu) p(xu)

これが 「ベ イズの定理」 と呼ばれるものであ り, この場合,♪(

‰ n

J‰)は

pul u2

の意味で,

X

Y

が ともに増加す る結合確率を表 し,

4

項 ツ リーの最 上部のブランチに相当する。 この ように,ベ イズの定理は,相関関係 にある 不確実性を説 明する上で役 に立つ

2)

0

2つの不確実性要 因がある場合の リス ク中立確率の説 明をさ らに続 け よ う。資産の価値 は幾何ブラウン運動 をた どって変化するが,資産の利益率は 算術ブラウン運動 をた どって変化する。例 えば,株価は決 して負の値 たな ら ず,その時系列変化は幾何ブラウン運動過程 としてモデル化で きる。しかし, 株価の利益率は負の値 を とることもあ り,算術ブラウン運動 としてモデル化 で きる。

資産価値 の変化は,次式の ような幾何ブラウン運動過程 をた どる

3)

0

(13)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

dV ‑ F L Vdt +aVd z

1 3

( 3)

オプシ ョン理論 における基礎定理の

1

つは,伊藤の レンマであ る

4 )

。伊藤 の レンマを用いれば他の証券 (原資産等)に左右 される (オプシ ョン等の) 証券の価値の短期間の変化を,モデル化することがで きる。条件付 き請求権

C

が時間 才と原資産 Ⅴのみか ら成 る関数であ る場合,

C

は次の ように表 さ れる。

dC‑( 諾 pv瑠 +

語 C

2T

P) dt ・ 詰 ovd z

次に,オプシ ョンが

C‑1 n( S)

であれば,次の ようになる。

∂ C ̲1 aV S

∂ 2 C 1

∂TP

S2

( 4 )

( 5)

‑ り

これ らの関係を伊藤 の レンマに代入すると,算術ブラウン運動の式が得 られ る。

dC

(p )dt

Odz

( 6)

この式は,条件付 き請求権 (オプシ ョン)の価値の変化であ り,

∂ C‑∂ V / V

であ るため,原資産価値の増加率 もし くは変化率を表す。 したがって

,1 n

(V)の増加率は,平均 (FL0

2

/2),標準偏差

O J

iの正規分布を示すO

これ らの知識を前提 として,算術ブラウン運動 にしたが う 2つの不確実性 要因がある場合のモデル化を行 うことにしよう。いま,開発段階にあ る新製 品の単価 と数量 を,

2

つの不確実性要 因 とす る。価格の期待増加率 を

gl ,

数量の期待増加率 を g2とす る。標準偏差はそれぞれC1と02である。 リスク

(14)

中立の状況下では,価格 と数量の増加率は リスクフ リー ・レー トに等 しく, 価格 をP,数量 を

Q

とした場合,価格 について,次の ような式で表す こと がで きる。

2

dl n( P)‑( r f ‑ % ) dt

'

ql d z

2 gl ‑( r r % ) dt

そ して,数量については,次の ようになる。

2

dl n( Q) ‑( r f一昔) dt 'C 2 d z 2

gZ ‑( r r % ) dt

( 7 )

( 8 )

( 9 )

( 1

0)

ここでは,上昇率および下落率は算術ブラウン運動 にしたがい,プラスマ イナスが逆の一定 の値 (すなわち

u

‑‑d)で増減す る.次の図 2は, とり うる値の組合せを示 した ものである。

Al n

(Po),

Al n

(Qo)

Al n

(P

o)+

1

,

Al n

(Qo)

+ u2

Al n

(Po)

‑ hu上

,Aln(Qo)‑d

2

Al n

(Po)‑dl,△1n(Qo)

+ u2

Al n

(Po)‑dl,Aln(Qo)‑d

2

2

価格 と数量がとりうる値の組合せ

これ ら2つの変数の値が相互 に独立 している場合は, 6つの未知数 か らな

6

つの式を解いて, リスク中立確率 と増減率を導 く。

6

つの式は次の とお

りであ る。

2

Ebl)At

(

r f一昔 ) At ‑( Pu l u 2 ・ Pu l d 2 ) ul ‑( hl u 2

+

Pd l d 2 ) ul

(11)

(15)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

6号At

‑(

pulu2+Puld2)u卜

(

pdlu2+

Pd

l

d

2)u誓 2

E

b2)At‑(

r f 一

昔 )At

‑(

Pulu2+

Pd l u 2 ) u2

‑ (buld2+Pdld2)u2

0三At

‑(

P ulu2+Pdlu2)u三

一( pu l d 2 +Pd l d

2

)

u三

p

l,2010r2At

‑(

Pulu2‑Pdlu2

Puld2

Pdld2)ulu2 Pullt2

+

Pdlu2

+

Puld2

+

Pdld2

= 1

1 5

(12) (13)

(14)

(1 5) ( 1 6)

1

組 目の式

(

(

ll )

式 と(

1 3)

式) は期待増加率 を,

2

組 目の式 ((

12)

式 と

( 1 4)

式)は増加率の分散を,それぞれモデル化 した ものである。

( 1 5)

式は共 分散の定義を表 してお り,

( 1 6 )

式は単に,確率の和は

1

にな らなければな ら ない とい う要件 を示 した ものである。 これで,

6

つの式 と

6

つの未知数がそ ろった ことになる。

これ らを解 くと,起 こりうる各状態の リスク中立確率が得 られ る。

Pul2

九 12=

ulu2+u2gl+ulg2+ p1.2(7162At 4〝1〝2

̲ulu2+u2gl+dlg2‑ Pl.2(7102△t 4〝1〝2

ーulu2+d2g

l

+ulg2I P1.2(7102At Pdlu2=

Pdld2=

4〝1〟2

̲ulu2+d2g

l

+dlg2+

p

l,20102At 4uluZ

(17)

( 1 8)

(1 9)

( 20)

そ して,これ らの式か ら導かれる残 りの

2

つの未知数は,増減率である。

u

. ‑o l J i

u2

‑6 2 J i

(16)

2

不確実性要因に相関関係がない場合

以上が

4

項アプローチの概念的な説明であるが, これをさらに理解す るた めに, レインボー ・オプシ ョン会計の具体例を示 してみ よう。その場合,

2

つの不確実性要因の間に相関関係がない事例か ら行 うことにする。

いま,あ る企業 においてある製品の開発プロジ ェク トがあるとする。不確 実性要因は,価格 と数量の

2

つである。プロジ ェク ト期間は

2

年で,

2

期 か ら成 り,キ ャッシ ュ ・フローは,収入

( PxQ)

か ら,現金で支払 う固定費

4, 00 0

ドルを控除 した額 である。キ ャッシ ュ ・フローは,

2

期 日の終わ り 以後は一定額の永続的キ ャッシ ュ ・フロー とな り,合計

6

倍 となる。そ して,

これが継続価値 となる。プロジ ェク トは,期間終了時に

5 0, 0 0 0

ドルで競合他 社 に売却する (すなわち撤退する)ことがで きる。また,リスクフ リー ・レー

トは,年率

1. 2 5 %

であ る。

3

は,数量のイベン ト ・ツ リーを示 してお り,その前提条件等は次の と お りである。

初期数量

( Oo ) ‑1, 0 0 0

1期間当た りのボラテ ィリティ

‑l o 財

1期間当た りの上昇率

( 〟) ‑β 0・ 1

1. 1 051 7 1

期間当た りの下落率 (d)

‑e 0・ 1 ‑0. 9 0 4 8 4

リスク中立 (の増加)確率 (p)‑(e7f‑d)/(u‑d)

‑ (eo・ 01 2 5‑ 0. 9 0 4 8 4) /

(

1: 1 0 51 7‑0. 9 0 4 8 4 )

‑0. 5 3 7 8 0

リスク中立 (の減少)確率 (1‑a)

‑0. 46 2 2 0

Qo 1 , 0 0 0. 0 0

1 , 1 0 5. 1 7 9 0 4. 8 4

3

数量のイベ ン ト・ツ リー

1 , 2 2 1 . 4 0

1 , 0 0 0. 0 0

8 1 8. 7 3

(17)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

1 7

また,図

4

は,価格水準を

2

期間のイベン ト ・ツ リーで示 した ものであ り, その前提条件等は次の とお りであ る。

初期値

(po)

‑1 0

1

期間当た りのボラテ ィリテ ィ

‑6 %

1期間当た りの上昇率

( 〟)‑β 0 ・ 0 6 ‑1. 0 61 8 4

1期間当た りの下落率 (d)

‑e0 1 0 6 ‑0. 9 41 7 6

リスク中立 (の増加)確率 (p)

‑( e

rf‑d)/(u‑d)

‑( β 0 ・ 0 1 2 5 ‑ 0. 94176)/ ( 1 . 061 84‑0. 941 76)

‑0. 58977

リスク中立 (の減少)確率 (卜 ♪)

‑0. 41 023

po

lO・00

i i :: 4 6 2 2≡ ≡

4

価格のイベント・ツリー

そ して,次の

2

つの図は,これ らに基づいて,価格 と数量の組合せ (

5)

と,それ らの横 か ら

4, 000

ドルを控除 して算定 したキ ャッシ ュ ・フロー (

6)の イベン ト ・ツ リーを示 している。

Q

1,000.00:P 10.00

1, 1 05. 1 7: 1 0. 6 2

1, 1 05. 1 7:9. 42

9 04. 8 4: 1 0. 6 2

9 04. 8 4:9. 42

5

数量と価格のイベント,ツリー

1, 221. 40: l l. 27

1, 221. 40: 1 0. 00

1, 221. 40:8. 87

1, 00 0. 00: l l. 27

1, 00 0. 00: 1 0. 00

1, 000. 00:8. 87

81 8. 73: l l. 27

81 8. 73: 1 0. 00

81 8. 73:8. 87

(18)

F

C

F 6

,000

7, 7 3 6. 9 1

6

, 4 1 0. 7 0

5, 〉 6 0 9. 4

0

4, 5 2 3. 9 3

CF

継続価値

9, 7 6 5. 1 8 5 8, 5 9 1 . 0 8 8, 21 4. 0 0 4 9, 2 8 4. 0 0 6, 8 3 3. 8 2 41 , 0 0 2. 9 2 7, 2 7 0. 0 0 4 3, 6 2 0. 0 0 6, 0 0 0. 0 0 3 6, 0 0 0. 0 0 4, 8 7 0. 00 2 9, 2 2 0. 0 0 5 , 2 2 7

. 0

9 3 1 , 3 6 2. 5 4 4

,

1 8 7

.3 0

2 5, 1 2 3. 8 0

3,2 6 2.14

1 9, 5 7 2. 8 4

6

キ ャッシュ ・フ ローと継続価値のイベ ン ト・ツ リー

これ らの数値 に基づいて,次 に行わなければな らないのは,プロジ ェク ト の現在価値の算定 とそれに対応するイベン ト ・ツ リーの作成である。そ して, その場合 に必要 なのが リスク中立確率の計算であ り,それは,

( 2)

式の

4 つ

の式を用 いて,次の ように行われる。 これ らの和は当然

1

になる。

pu l u 2 ‑ Pu l Pu 2 ‑0. 5 3 7 8 0( 0. 5 8 9 7 7 )‑0. 3 2 pu l d 2

P u l Pd 2 ‑0. 53 780( 0. 41 023 )‑0. 2 2 pd l u 2 ‑ Pd l Pu 2 ‑0. 46 2 2 0( 0. 5 8 9 7 7 )‑0. 2 7 pd l d 2 ‑ Pd l Pd 2 ‑0 . 46 2 2 0( 0. 41 0 2 3 )‑0. 1 9

プロジ ェク トの現在価値 は,各 ノー ドでキ ャッシ ュ ・フローに リスク中立 確率を乗 じ,その結果を リスクフ リ‑ ・レー トで除す ことによって求め られ

る。そ して,それをイベン ト ・ツ リーで示す と,図

7

の ようになる。

この場合,ノー ド

E

か ら

A

までの計算は,次の ような計算過程で行われ る。

B‑〈 0. 3 2( 6 8, 3 5 6. 2 6 )+0. 2 2( 5 7, 4 9 8. 0 0 )+0. 2 7( 5 0, 8 9 0. 0 0 ) +0. 1 9( 4 2, 0 00. 0 0 ) ) β 0・ 01 2 5+ 7, 7 3 6. 91‑6 3, 2 8 2. 1 0

C ‑( 0. 3 2( 5 7, 4 9 8. 0 0 )+0. 2 2( 4 7, 8 3 6. 7 4 )+0. 2 7( 42, 0 0 0. 0 0 )

+0. 1 9( 3 4, 0 9 0. 0 0) ) β 0・ 01 2 5 +6, 41 0. 7 0‑5 2, 5 7 0. 6 2

(19)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

A 5 6, 7 0 5. 6 3

6 3, 2 8 2. 1 0 5 2, 5 7 0. 6 2 4 6, 0 7 3. 5 3 3 7, 3 0 4. 0 5

義 図 7

現在価値のイベ ン ト・ツ リー

6 8, 3 5 6. 2 6 5 7, 4 9 8. 0 0 4 7, 8 3 6. 7 4 5 0, 8 9 0. 0 0 4 2, 0 0 0. 0 0 3 4, 0 9 0. 0 0 3 6, 5 8 9. 6 3 2 9, 3 1 1 . 1 0 2 2, 8 3 4. 9 8

1 9

D‑( 0. 3 2( 5 0, 89 0. 0 0 )+0. 2 2( 42, 0 0 0. 0 0 )+0. 2 7( 3 6, 5 8 9. 6 3 ) +0. 1 9( 2 9, 31 1. 1 0 )) e‑01 01 2 5 +5, 6 0 9. 40‑4 6, 0 73. 5 3

E ‑( 0. 3 2( 42, 0 0 0. 0 0 )+0. 2 2( 3 4, 09 0. 0 0)+0. 2 7( 2 9, 31 1. 1 0 ) +0. 1 9( 2 2, 8 3 4. 9 8 )) β 0・ 01 2 5 +4, 5 2 3. 9 3‑3 7, 3 0 4. 05

A ‑( 0. 3 2( 6 3, 2 8 2. 1 0 )+0. 2 2( 5 2, 5 7 0. 6 2 )+0. 2 7( 46, 0 7 3. 5 3 ) +0. 1 9( 3 7, 3 0 4. 0 5 )) β 0・ 01 2 5 +6, 0 0 0. 0 0‑5 6, 7 0 5. 6 3

最後 に, この イベン ト ・ツ リーに基づいて,現在価値のデ ィシジ ョン ・ツ リーを作成 しなければな らない。 この場合のペ イオフには,プロジ ェク トを

5 0, 0 0 0

ドルで売却する撤退 プ ッ ト ・オプシ ョンが反映される。各 ノー ドにお ける最適決定を反映 したオプシ ョンの価値評価は, これまで と同様 に,ペ イ オフにそれぞれの リスク中立確率を乗 じ, リスクフ リー ・レー トで割 り引い て求める。そ して, これを行 うと,図

8

の ようにな る。

この場合, ノー ド

E

か ら

A

までの計算 は,次の ような計算過程 で行われ る。

B‑( 0. 3 2( 6 8, 3 5 6. 2 6 )+0. 2 2( 5 7, 4 9 8. 0 0 )+0. 2 7( 5 0, 89 0. 0 0 ) +0. 1 9( 5 0, 0 0 0. 0 0 )) β 0・ 01 2 5 +7, 7 3 6. 91‑6 4, 7 8 3. 2 2

C ‑〈 0. 3 2( 5 7, 49 8. 0 0 )+0. 2 2( 5 0, 0 0 0. 00 )+0. 2 7( 5 0, 0 0 0. 0 0 )

+0. 1 9( 5 0, 0 0 0. 0 0 )) β 0・ 0 1 2 5 +6, 41 0. 7 0‑5 8, 1 5 9. 1 4

(20)

A 6 3, 9 6 0. 9 0

ち6 4, 7 8 3. 2 2 C5 8, 1 5 9. 1 4 D 5 5, 2 6 9. 5 5 E 5 3, 9 0 2. 8 2

8

現在価値のディシジョン ・ツリー

6 8, 3 5 6. 2 6 5 7, 4 9 8. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0 5 0, 8 9 0. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0

D

‑( 0. 3 2( 5 0, 89 0. 0 0 )+0. 2 2( 5 0, 0 0 0. 0 0 )+0. 2 7( 5 0, 0 0 0. 0 0 0 ) +0. 1 9( 5 0, 00 0. 0 0 ) ) β 0・ 01 2 5 +5, 6 0 9. 4 0‑5 5, 2 6 9. 5 5

E‑( 0. 3 2( 5 0, 0 0 0. 0 0 )+0. 2 2( 5 0, 00 0. 0 0 )+0. 2 7( 5 0, 0 0 0. 0 0 ) +0. 1 9( 5 0, 0 0 0. 0 0 ) ) β 0・ 01 2 5 +4, 5 2 3. 9 3‑5 3, 9 0 2. 8 2 A‑〈 0. 3 2( 6 4, 7 8 3. 2 2 )+0. 2 2( 5 8, 1 5 9. 1 4)+0. 2 7( 5 5, 2 6 9. 5 5 )

+0. 1 9( 5 3, 9 0 2. 82 ) ) β 0・ 0 1 2 5+ 6, 0 0 0. 0 0‑6 3, 9 6 0. 9 0

これによって明 らかな ように,オプシ ョンのないプロジ ェク トの現在価値 を表す図

7

の結果 と,オプシ ョンのあ るプロジ ェク トの現在価値 を表す図

8

の結果を比較すると,その差額は

6 3, 96 0. 9 0‑5 6, 7 0 5. 6 3‑7, 25 5. 2 7

ドル とな

る。この差額は

,2

つの不確実性要因に相関関係がない場合の,レインボー ・ オプシ ョンの価値である。

3

不確実性要因に相関関係がある場合

次に, 2つの不確実性要因の間に相関関係がある場合の具体例を説明しよ う。 この場合 ,相関係数 がプラス30%

(p l , 2 ‑0. 3 )であ る と仮定するOキ

ャッシ ュ ・フローは,不確実性要因が独立 していると仮定 した場合の図

6

変わ らないが, リスク中立確率が異な ることに注意する必要がある。 ここで はまず,

( 21 )

式 および

( 2 2 )

式を用いて,

2

つの不確実性要因の期 間ボラテ ィ

(21)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

21

リティに対応する

ul

u2

を計算する。

u1

0 1 J i ‑0. 1

d1

‑u 1

1 0.1

u2

0 2 J i

0.

06

d2

‑ u 2

1 0.

06

次 に,

( 8 )

式 と(

1 0)

式 を用 いて, リスク中立の状況における価格 と数量 の 自然対数の期待増加率を計算する。

2

gl

‑(rr

昔 ) dt ‑( 0・ 01 2 5‑

等)

‑o・ 00 7 5

2

g2

‑(

r f 一 昔 ) dt

‑(0・0125

一旦

掌 )

‑o・ 01 0 7

そ して最後 に,

( 1 7)

式 か ら

( 2 0 )

式を用いて,

4

つの リスク中立確率の値 を 次の ように求める。 これ らの和は当然

1

になる

5) 6 )

0

pul u2 ‑( 0. 1×0. 06 + 0. 0 6×0. 0 0 7 5 + 0. 1×0. 01 0 7 + 0. 3×0. 1×0. 0 6 ) / ( 4×0. 1×0. 0 6 )‑0. 3 9

pul d2 ‑( 0. 1×0. 0 6 + 0. 0 6×0. 0 0 7 5‑0. 1×0. 01 0 7‑0. 3×0. 1×0. 06 ) / ( 4×0. 1×0. 0 6 )‑0. 1 5

pdl u2 ‑( 0. 1×0. 0 6‑0. 0 6×0. 0 0 7 5 +0. 1×0. 01 0 7‑0. 3×0. 1×0. 06 ) / ( 4×0. 1×0. 0 6 )‑0. 2 0

pdl d2 ‑( 0. 1×0. 0 610. 0 6×0. 0 0 7 5‑0. 1×0. 01 0 7

+

0. 3×0. 1×0. 0 6 )/

( 4×0. 1×0. 0 6 )‑0. 2 6

プロジ 土ク トの現在価値 は,前項 と同様 に,各 ノー ドでキ ャッシ ュ ・フロー に リスク中立確率を乗 じ,その結果を リスクフ リー ・レー トで除す ことによ って求め られ る。そ して,それをイベン ト ・ツ リーで示す と,図

9

の ように なる。

この場合, ノー ド

E

か ら

A

までの計算 は,次の ような計算過程で行われ

(22)

A 5 6, 9 5 7. 6 8

B6 3, 4 1 8. 1 7 C5 2, 6 9 1 . 6 9 D4 6, 1 8 4. 9 3 E3 7, 4 0 3. 1 7

9

現在価値のイベン ト・ツ リー

6 8, 3 5 6. 2 6 5 7, 4 9 8. 0 0 4 7, 8 3 6. 7 4 5 0, 8 9 0. 0 0 4 2, 0 0 0. 0 0 3 4, 0 9 0. 0 0 3 6, 5 8 9. 6 3 2 9, 3 1 1. 1 0 2 2, 8 3 4. 9 8

る。

B ‑( 0. 3 9( 6 8, 3 5 6. 2 6 )+0. 1 5( 5 7, 49 8. 0 0 )+0. 2 0( 5 0, 8 9 0. 0 0 ) +0. 2 6( 4 2, 0 0 0. 0 0 )) ♂‑0・ 0 1 2 5 +7, 7 3 6. 91‑6 3, 41 8. 1 7

C ‑( 0. 3 9( 5 7, 49 8. 00 )+0. 1 5( 4 7, 83 6. 7 4 )+0. 2 0( 4 2, 0 0 0. 0 0 ) +0. 2 6( 3 4, 09 0. 0 0 )) ♂‑0・ 01 2 5+ 6, 41 0. 7 0‑5 2, 691. 6 9 D‑( 0. 3 9( 5 0, 89 0. 0 0)+0. 1 5( 42, 0 0 0. 0 0 )+0. 2 0( 3 6, 5 8 9. 6 3 )

+0. 26( 2 9, 31 1. 1 0 ) ) β 0・ 01 2 5+ 5, 6 0 9. 4 0‑4 6, 1 8 4. 9 3 E ‑( 0. 39( 42, 0 0 0. 0 0 )+0. 1 5( 3 4, 09 0. 0 0)+0. 2 0( 2 9, 31 1. 1 0 )

+0. 2 6( 2 2, 8 3 4. 9 8 )) β 0・ 01 2 5 +4, 5 2 3. 9 3‑3 7, 4 0 3. 1 7 A‑( 0. 3 9( 6 3, 41 8. 1 7 )+0. 1 5( 5 2, 6 91. 6 9 )+0. 2 0( 46, 1 8 4. 9 3 )

+0. 2 6( 3 7, 40 3. 1 7 )) β 0・ 01 2 5 +6, 0 0 0. 0 0‑5 6, 9 5 7. 6 8

9

が示す ように,正の相関関係は最大値あるいは最小値の確率を高め, その結果,プロジ ェク トのボラテ ィリテ ィが増大する。確率が変化 して もツ リー末端の現在価値 に影響 はないが,それ以前のノー ドにおける価値が変化 す る。そのため,プロジ ェク トの現在価値 は

,5 6, 7 0 5. 6 3

か ら

5 6, 9 5 7. 6 8

に増 大す る

7 )

0

最後 に, この イベン ト ・ツ リーを基礎 として,撤退プ ット ・オプシ ョンを 適用 し,現在価値のデ ィシジ ョン ・ツ リーを作成する。その場合,各 ノー ド

(23)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

2 3

における最適決定を反映 したオプシ ョンの価値評価は, これまで と同様 に, ペ イオフにそれぞれの リスク中立確率を乗 じ, リスクフ リー ・レー トで割 り 引いて求め る。そ して, これを行 うと,図

1 0

の ようなデ ィシジ ョン ・ツ リー になる。

A 6 4, 6 7 8. 6 9

B6 5, 4 7 2. 3 3

C

5 8, 6 7 7. 4 8 D 5 5, 3 3 1 . 0 8

E

5 3, 9 0 2. 8 2 義

6 8, 3 5 6. 2 6 5 7, 4 9 8. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0 5 0, 8 9 0. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0 5 0, 0 0 0. 0 0

1 0

現在価値のデ ィシジ ョン tツ リー

この場合,ノー ド

E

か ら

A

までの計算は,次の ような計算過程で行 われ る。

B‑( 0. 3 9( 6 8, 35 6. 2 6 )+0. 1 5( 5 7, 49 8. 0 0 )+0. 2 0( 5 0, 89 0. 0 0) +0. 2 6( 5 0, 0 0 0. 0 0 ) ) β 0・ 01 2 5 +7, 73 6. 91‑6 5, 4 72. 3 3 C‑( 0. 3 9( 5 7, 4 9 8. 0 0 )+0. 1 5( 5 0, 0 0 0. 0 0 )+0. 2 0( 5 0, 0 0 0. 0 0 )

+0. 2 6( 5 0, 0 0 0. 0 0 ) ) β 0・ 01 2 5 +6, 41 0. 7 0‑5 8, 6 7 7. 4 8

D‑( 0. 39( 5 0, 89 0. 0 0 )+0. 1 5( 5 0, 00 0. 0 0 )+0. 2 0( 5 0, 0 0 0. 0 0 0 ) +0. 2 6( 5 0, 00 0. 0 0 ) ) β 0・ 01 2 5 +5, 6 0 9. 4 0‑5 5, 3 31. 0 8

E‑(0

'

.

3 9( 5 0, 00 0. 0 0 )+

0.

1 5( 5 0, 00 0. 0 0 )+0. 2 0( 5 0, 0 0 0. 0 0 ) +0. 2 6( 5 0, 0 0 0. 0 0 ) ) β 0・ 01 2 5 +4, 5 2 3. 9 3‑5 3, 9 0 2. 8 2 A‑( 0. 3 9( 6 5, 47 2. 3 3 )+0. 1 5( 5 8, 6 7 7. 4 8 )+0. 2 0( 5 5, 3 31. 0 8 )

+0. 2 6( 5 3, 9 0 2. 8 2 ) ) β 0・ 01 2 5 +6, 0 0 0. 0 0‑6 4, 6 7 8. 6 9

その結果,オプシ ョンおよび相関関係のあるプロジ ェク トの現在価値 は

6 4

,

6 78. 6 9

とな り,オプシ ョンのない場合の現在価値であ る

5 6, 705. 63

と比較 し

(24)

,7, 9 7 3. 06

ドルの差額が生 じる。 この差額 が,

2

つの不確実性要因間に相 関関係がある場合の,レインボー ・オプシ ョンの価値である。 ここで,価格 と数量 との間に正の相関関係をもたせた ことによって,オプシ ョンの価値 が 増大 した ことに留意する必要がある。オプシ ョンの価値 は,プロジ ェク トの ボラテ ィリティが増加 した ことに伴い,増大 したのである。

Ⅳ 企業価値評価

これまで,複合オプシ ョン会計および レインボー ・オプシ ョン会計 とい う 応用的な リアル ・オプシ ョン会計 について述べて きたが,最後 に,その延長

として, リアル ・オプシ ョン会計 による企業価値評価の方法について説明す ることにしよう。

1

企業価値評価の方法

リアル ・オプシ ョン会計 による企業価値評価の基礎 になるのは,現在価値 会計 による企業価値評価であ る。そこでまず,現在価値会計 による企業価値 評価の方法について述べることにする。

現在価値会計では,企業価値 は将来期間のフ リー ・キ ャッシ ュ ・フローの 現在価値合計 とな る。すなわち,次の ようになる。

企業価値 ‑将来期間のフ リー ・キ ャッシ ュ ・フローの現在価値

( 23)

問題は将来期間のフ リー ・キ ャッシ ュ ・フローを どの ように予測するかで あるが, これには通常

「2

段階アプローチ」 が とられる。それは,将来期間 を予測期間 と予測期間以降に分け,直近の一定期間に対 して詳細なフ リー ・ キ ャッシ ュ ・フロー予測を行い,それ以降の長期予測は簡略化する とい う方 法である。 これによると,企業価値 は次の ように表 される。

企業価値 ‑予測期間におけるフ リー ・キ ャッシ ュ ・フローの現在価値 +予測期間以降のフ リー ・キ ャッシ ュ ・フローの現在価値

( 24 )

(25)

複合オプシ ョン会計 と企業価値評価

2 5

予測期間以降のフ リー ・キ ャッシ ュ ・フローの現在価値 は,遠い将来 に対 して予測が継続する と仮定 して算定する価値であるので 「継続価値」 と呼ば れ,一般 に次の式で計算 される

8)

0

継続価値

T T .1

(

1

/ ROI C)

WACC‑g ( 25 )

ここで,各記号は次の こと表 している。

NOPA T T .1

‑予測期間以降の 1年 目におけ る標準化 された税引後営業 利益

g‑NOPAT

の永続的な期待成長率

ROZ C

‑新規投資 に対 して期待 され る投下資本利益率

‑NOPAT/

投下 資本

WACC

‑加重平均資本 コス ト

( we i g ht e da ve r a gec o s to fc a pi t a l )

以上が現在価値会計 による企業価値評価の概要であるが, これを実際に行 う場合の重要なポイン トは,予測期間においてフ リー ・キ ャッシ ュ ・フロー をどの ように具体的に予測するかである。 これに関 して,予測は次のステ ッ プで行 うことになる

( Co pe l a nd,Ro l l e ra ndMur r i n [ 2 0 00 ]pp. 2 33

:邦訳

2 7 3

頁)0

(1) どれだけの期間について, どれほ ど詳細 に将来予測 をたてるのかを決 定す る。上述 した ように, これには一般 に 2段階アプローチが適用 され

る。

( 2 )将来の業績 について,戦略 レベルで見通 しをたてる。 この場合,業界

の特徴 と企業の競争優位 ・競争劣位の双方 を考慮する。

( 3)戦略 レベルの見通 しを,損益計算書,貸借対照表,フ リー ・キ ャッシ

ュ ・フロー,主要指標等の財務予測に具体化する。

( 4)上の ( 2)

と(

3)

で作成 したケースに加 え,異なったシナ リオに基づ く予 測をたてる。

( 5)全体 として予測 に矛盾はないか,戦略 レベルの見通 しと適合す るかを

(26)

チ ェックす る。特 に,

ROI

C,売上高お よび利益成長率の予測結果 に注 意する。

これ らの作業が終了する と,最後 に企業価値 を算定 し評価するために,以 下の手続を行 う。

(1)予測 した各期のフ リー ・キ ャッシ ュ ・フローを,加重平均資本 コス ト

( WACC)

を用いて現在価値 に割 り引 く。

( 2 )

継続価値 を,

WACC

を用いて現在価値 に割 りく。

( 3 )各期のフ リー ・キ ャッシ ュ ・フローの現在価値合計 に継続価値の現在

価値 を加算 して,企業価値 とする。

以上が現在価値会計 における企業価値評価の手続であ るが,これに対 して, リアル ・オプシ ョン会計は,現在価値会計 によって算定 された企業価値 を出 発点 とする。二項モデルによるリアル ・オプシ ョン価値の計算は,次の3段 階のプロセスで行われる。

(1)割引キ ャッシ ュ ・フローによる現在価値の計算

( 2 )

イベン ト ・ツ リーの作成

( 3 )デ ィシジ ョン ・ツ リーの作成

これ らの うち,現在価値会計は第 1段階の割引キ ャッシ ュ ・フローによる 現在価値の計算 に該 当 し,そ こで企業価値評価は終了する。 リアル ・オプシ ョン会計は これを出発点 として,さらにイベン ト ・ツ リーの作成 とデ ィシジ ョン ・ツ リーの作成 を行 う

2

段階のイベン ト ・ツ リーの作成は,

1

段階の現在価値 を基礎 として, 企業価値のボラテ ィリティに基づいて,好調時の現在価値 と不調時の現在価 値 とい う

2

つのシナ リオを予測 して行われ る。第

3

段階のデ ィシジ ョン ・ツ リーの作成は,このイベン ト ・ツ リー,リスク中立確率お よび リスクフ リー ・ レー トを用いて行われる。 ここではさらに,まず最初 に最終年度のオプシ ョ ン価値 を算定 し,それを基礎 として,順次年度を遡 って各年度のオプシ ョン 価値 を計算 してい く方法で行われる。

参照

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