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船舶建造高品質化・効率化技術の調査研究 (プロジェクトの運営・管理等)

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Academic year: 2022

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(1)船舶建造高品質化・効率化技術の調査研究 (プロジェクトの運営・管理等) 2013年度. 成果概要報告書. 2 014 年6月. 一般財団法人. 日本船舶技術研究協会.

(2)

(3) 目. はじめに Ⅰ.. Ⅱ.. Ⅲ.. 次. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 1. 船舶建造高品質化・効率化技術の調査研究 ( レ ー ザ 溶 接 技 術 の 船 舶 建 造 工 程 へ の 適 用 に 関 す る 調 査 研 究 )・ ・ ・ ・. 3. 船舶建造高品質化・効率化技術の調査研究 ( 工 程 管 理 シ ス テ ム の 調 査 研 究 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・. 25. 船 舶 建 造 工 程 の 技 術 革 新 に 関 す る 技 術 セ ミ ナ ー ・・・・ ・ ・・・・. 43.

(4)

(5) はじめに (一財)日本船舶技術研究協会は、日本財団助成事業「船舶建造高品質化・効率化技 術の調査研究」において、次に述べる 3 つの業務を実施した。その成果の概要を下記に 述べる。 (1)プロジェクトの運営・管理 「 レ ー ザ 溶 接 技 術 の 船 舶 建 造 工 程 へ の 適 用 に 関 す る 調 査 研 究 委 員 会 」、「 工 程 管 理 シ ス テムの調査研究委員会」及び「各種ワーキング・グループ」等の委員会を組織し、全体 を統括した。それぞれの委員会の事務局として、委員会を必要に応じ合同で行う等、委 員会の運営及びプロジェクト管理を効率的かつ有機的に実施した。 「レーザ溶接技術の船舶建造工程への適用に関する調査研究委員会」の運営・管理の 詳細については、Ⅰ章の「船舶建造高品質化・効率化技術の調査研究(レーザ溶接技術 の 船 舶 建 造 工 程 へ の 適 用 に 関 す る 調 査 研 究 )」 に そ の 詳 細 を 示 す 。 ま た 、「 工 程 管 理 シ ス テ ム の 調 査 研 究 委 員 会 」 の 運 営 ・ 管 理 の 詳 細 に つ い て は 、 Ⅱ 章 の 「 船 舶 建 造 高 品 質 化 ・ 効 率 化 技 術 の 調 査 研 究 ( 工 程 管 理 シ ス テ ム の 調 査 研 究 )」 に そ の 詳 細を示す。 (2)レーザ・アークハイブリッド溶接実験の運営・管理 レーザ・アークハイブリッド溶接プロセス実験及びレーザ・アークハイブリッド溶接 実証実験の 2 つのレーザ溶接実験に対して、実験の運営及び安全管理を行った。また、 実験で消 費する 消耗品(試験 用継手 材料、溶 接棒、シ ールド ガス、レンズ フィル ター等) の手配を行った。 (3)船舶建造高品質化・効率化技術の調査研究のとりまとめ レーザ溶接技術と工程管理システムのそれぞれの研究成果をとりまとめた。その詳細 をⅠ章及びⅡ章のそれぞれの「第 1 節:研究概要」に示す。 また、両技術を船舶建造工程に適用することにより、船舶の建造 の高品質化・効率化 が図られることを具体的に示すために、次の 2 つの検討を実施した。 ① レーザ・アークハイブリッド溶接に最適化した船体構造・建造工程の検討 レーザ・アークハイブリッド溶接に最適化した船体構造としてガーダー方式ダブル ハル構造を選定し、本構造の建造工程を検討すると共に、本構造を有するアフラマ ックスタンカーと従来構造のアフラマックスタンカーを比較して、本構造の工数削 減 効 果 を 明 ら か に し た 。 そ の 詳 細 を Ⅰ 章 の 第 1.2.4 節 に 示 す 。 ② モニタリング等による建造マネジメント高度化の検討 レーザ溶接技術及び工程管理システム(モニタリングシステム等)の研究成果を踏. 1.

(6) まえつつ、将来にわたる造船生産技術の方向性について整理するために、次の検討 を 実 施 し た 。 そ の 詳 細 を Ⅱ 章 の 第 1.6.(4) 節 に 示 す 。 -建造技術と革新的技術の現状調査 -技術ロードマップの作成 -将来造船所のコンセプトイメージの作成 更 に 、 本 調 査 研 究 の 成 果 を 広 く 関 係 者 に 紹 介 す る た め に 、「 船 舶 建 造 工 程 の 技 術 革 新 に関する技術セミナー」を実施した。その講演内容をⅢ章に示す。. 2.

(7) Ⅰ.船舶建造高品質化・効率化技術の調査研究 (レーザ溶接技術の船舶建造工程への 適用に関する調査研究). 3.

(8) 1.研究概要 1.1. 背景及び目的. 我が国造船業界は、韓国、中国との激しい国際競争を続けているが、生産規模や生産 コストで勝る韓中に対し厳しい戦いを迫られており、国際シェアは低下している。 こういった状況を克服するためには、建造工程の生産性を高め、生産コストの低減を 図る取組みを進めていくことが不可欠である。既存技術の改善に留まらず、新しい技術 を積極的に取り入れ、船舶建造工程に適用することで、次世代の船舶建造技術 の基盤を 築いていくことも重要である。 このため、船舶建造高品質化・効率化技術の調査研究として、生産技術の面では、レ ーザ溶接技術の船舶建造工程への適用に係る調査研究、生産管理の面では、モニタリン グ 技 術 等 の 船 舶 建 造 工 程 へ の 適 用 に 係 る 調 査 研 究 の 2 つ の プ ロ ジ ェ ク ト を 2012年 度 ~ 2013年 度 に わ た っ て 実 施 し た 。 レーザ・アークハイブリッド溶接は入熱量が小さくひずみを抑えることが出来る高精 度・高品質の溶接技術であり、自動化や情報技術との組合せにより、現行のブロック建 造工程自体も大きく合理化できる可能性を持った技術であ る。一方で、レーザ・アーク ハイブリッド溶接はアーク溶接と比較して、接合部材間のギャップ裕度が非常に小さい ことや、厚板の溶接が困難なこと等の課題を抱えている。 以 上 の こ と よ り 、 2012年 度 は 、 厚 板 の レ ー ザ ・ ア ー ク ハ イ ブ リ ッ ド 溶 接 継 手 の 適 正 な 溶接条件を見出すための研究室におけるプロセス実験を中心に調査研究を実施した。 2013年 度 は 、 大 型 の レ ー ザ ・ ア ー ク ハ イ ブ リ ッ ド 溶 接 実 証 実 験 装 置 を 設 計 製 作 し 、 本 装 置 を 用 い て 2012年 度 の 研 究 で 得 ら れ た 適 正 な 溶 接 条 件 の 元 で 、 レ ー ザ ・ ア ー ク ハ イ ブ リ ッド溶接の実用化を目指した実証実験を実施し、実用化のための課題等を抽出した。ま た、製作された溶接継手の強度等の性能評価試験も実施した。さらに、アフラマックス タンカーを供試船として、レーザ・アークハイブリッド溶接に適した船体構造・建造工 程のケーススタディを実施した。 (一財)日本船舶技術研究協会は調査研究プロジェクト全体の運営・管理を担当した が 、 本 報 告 は こ の 内 、 2013年 度 に 実 施 し た レ ー ザ 溶 接 技 術 の 船 舶 建 造 工 程 へ の 適 用 に 関 する調査研究について述べるものである。. 1.2 1.2.1. 研究内容と研究成果 レーザ・アークハイブリッド溶接 実証実験装置の設計製作. 実 証 実 験 装 置 は 5m 長 さ の 継 手 を 溶 接 す る 必 要 が あ る の で 、装 置 の 大 き さ を 抑 え る た め に昨年度のプロセス実験装置のように溶接トーチが固定で継手が走行する形式ではなく、 逆に継手は固定で溶接トーチが走行する形式を選択した。プロセス実験装置の一部を再 利 用 し ( フ ァ イ バ ー レ ー ザ 発 振 器 、 ア ー ク 溶 接 装 置 、 レ ー ザ ト ー チ 、 ア ー ク ト ー チ 等 )、 5m 長 さ の 継 手 の 溶 接 が 可 能 に な る よ う に 新 た に 架 台 や 門 型 走 行 台 車 等 を 設 計 製 作 し た 。 また、レーザ光から目を保護するために装置全体を安全柵で囲ったが、一方の側に観測 窓を設けて部外者でも実験の様子を見学できるように配慮した。 シ ス テ ム の 全 体 構 成 を 図 1.2.1 及 び 図 1.2.2 に 示 す 。 ま た 、 シ ス テ ム の 構 成 要 素 を 表 1.2.1 に 示 す 。. 4.

(9) すみ肉ウエブ押え装置. アークトーチ レーザトーチ. 仮付位置決め用治具. 図 1.2.1. 図 1.2.2. ファイバーケーブル. 門型走行台車. 走行レール. 実証試験装置の全体構成. レーザ・アークハイブリッド実証試験装置. 5. アーク溶接機.

(10) 表 1.2.1 構. NO. 1. システムの構成要素 成. 要. 素. プロセス実験装置再利用部. 数. 量. 一式. ①アーク溶接装置関係 ・アーク溶接電源 ・溶接トーチ ・ワイヤ供給装置 ・冷却装置 ②レーザ溶接装置関係 ・ 20Kw レ ー ザ 発 振 器 (YS-20000-S2T 型 ) ・ レ ー ザ ヘ ッ ド (独 国 HIGHYAG 製 、 20kW 用 ) ・ QBH プ ロ セ ス フ ァ イ バ ー (コア径 =0.3mm、 長 さ =20m) ・ 冷 却 装 置 (オリオン社 製. RKE18000A-V- IPG). ③その他 ・操作用パソコン、操作リモコン、モニター ・レーザ溶接ヘッド及びアーク溶接トーチの位置 決め装置. 1.2.2. 2. 門型走行台車. 一式. 3. 反転機構. 一式. 4. 仮付位置決め用治具. 一式. 5. 隅肉ウエブ押え装置. 一式. 6. トゥアジャスタクランプ機構. 一式. 7. ティーチング機構. 一式. 8. 実験パラメータ制御システム. 一式. 9. 電気制御盤(操作盤ふくむ). 一式. レーザ・アークハイブリッド溶接実証実験. プ ロ セ ス 実 験 か ら 導 出 さ れ た 適 正 溶 接 条 件 に 従 っ て 5m 試 験 体 の 溶 接 施 工 を 実 施 し た 。 最 終 的 に 良 好 な ビ ー ド 外 観 が 得 ら れ た 試 験 体 の 条 件 を 表 1.2.2 に 示 す 。 本実証実験を通して得られたレーザ・アークハイブリッド溶接の実用化に向けた課題 は以下の通りである。 (1)T 継 手 、 突 合 せ 継 手 共 通 の 結 果 ① プロセス実験で確立した溶接条件が実証実験装置による実験においても適用可能で あることが検証された。. 6.

(11) ② ア ー ク 切 れ の ト ラ ブ ル が 多 発 し た 。こ の 原 因 と し て ワ イ ヤ ー と 母 材 が 短 絡 し て い る こ と が 確 認 さ れ た 。こ の よ う な ト ラ ブ ル が 生 じ な い ア ー ク 溶 接 機 に 対 す る ハ ー ド 面 か ら の検討が必要である。 ③ 実 証 実 験 で は テ ィ ー チ ン グ に 多 大 な 時 間 を 要 し た 。実 機 適 用 を 考 え る 場 合 に は 、イ ン プ ロ セ ス に お い て 自 動 で 溶 接 線 や ギ ャ ッ プ を 検 出 し 、こ れ に 応 じ て ト ー チ の 倣 い や 溶 接条件を制御する機構が必要である。 (2) T 継 手 の 結 果 ① 開 先 面 が レ ー ザ 切 断 さ れ た 材 料 で あ っ て も 、実 証 実 験 装 置 の 位 置 出 し 装 置 を 用 い て 適 宜 、 ウ エ ブ を 加 圧 し た 状 態 で 仮 付 を 行 う こ と で 溶 接 線 全 線 に わ た っ て ギ ャ ッ プ を 0.05 mm以 下 に コ ン ト ロ ー ル す る こ と が 可 能 で あ る 。 こ れ よ り 、 実 機 で は 大 掛 か り な 拘 束 装置を用いずにギャップを小さく押える可能性があることがわかった。 ② ウエブ押え装置を使用せずに片側の溶接施工を行 うと、 ウエブ に横倒 れ変形 が生じ 、 こ れ に よ り 仮 付 ビ ー ド に 割 れ が 生 じ る こ と が 確 認 さ れ た 。本 件 及 び ① よ り 、 実 機 に は ウエブ押え装置が必須であると考えられる。 ③ しかし、ウエブ押え装置とウエブの間に生じる摩 擦の振 動がレ ーザヘ ッドに 伝わり 、 レーザの狙い位置が変動するため、これに対する適切な対策が必要である。 (3) 突 合 せ 継 手 の 結 果 ① 仮 付 前 状 態 に お い て 、 実 証 実 験 に 装 備 し た 簡 単 な 治 具 を 用 い る こ と で 、溶 接 線 全 線 に わ た り ギ ャ ッ プ を 0.05 mm以 下 に 押 え る こ と が 可 能 で あ っ た 。 こ れ よ り 、 実 機 で は 大 掛かりな拘束装置を用いずにギャップを小 さ く押える 可能性 がある ことが わかっ た。 ② 但し、仮 付によ るギャ ップの 収縮の 度合 いにばら つきが あり、ま た本溶 接の際 は、エ ンドタブを取り付けても溶接が進行するにつれてギャップが開いていく変形も発生 するので、長手方 向にギ ャップ がばら つくこ とがわか った。し たがっ て、ティ ーチン グ に よ っ て 溶 接 条 件 を 制 御 す る に は 限 界 が あ り 、イ ン プ ロ セ ス で ギ ャ ッ プ を 自 動 で 検 出して溶接条件を制御する機構が必要である。 ③ 実 用 化 に 向 け て は こ の よ う な ギ ャ ッ プ の ば ら つ き に 対 応 で き る よ う に 、広 範 な ギ ャ ッ プに対する適正な溶接条件の確立が必要である。 (4) 目 違 い を 許 容 し た 溶 接 条 件 の 確 立 実証実験では、目違いが無い状態で実施されたプロセス実験で導出された溶接条件に 従ったため、5 m の長さ方向にわたって目違いが生じないようにして仮付を行った。し か し 、実 際 に 溶 接 施 工 を 行 う 製 造 現 場 で は あ る 程 度 の 目 違 い が 生 じ る 可 能 性 が あ る の で 、 目違いを許容した溶接条件の確立が必要である。また 、この目違いもインプロセスで自 動検出をして溶接条件を制御する機構が必要である。. 7.

(12) 1.2.3. レーザ・アークハイブリッド溶接継手の性能評価試験. 昨 年 度 に 引 き 続 き , 一 部 の 1m試 験 体 に つ い て は 継 手 性 能 評 価 試 験 を 実 施 し , さ ら に 疲 労 試 験 ( 曲 げ 載 荷 を 中 心 に , 一 部 軸 力 載 荷 ) を 実 施 し た . さ ら に 5m試 験 体 に つ い て は , 外 観 検 査 の 結 果 と し て 比 較 的 良 好 と 見 な せ た 試 験 体 に つ い て , 非 破 壊 検 査 ( UT) を 実 施 した.また,レーザ・アークハイブリッド溶接により生じる溶接変形について,入熱量 との関係を調査した.これ等の性能評価を実施したレーザ・アークハイブリッド溶接継 手 の 一 覧 表 を 表 1.2.3に 示 す 。 ま た 、 得 ら れ た 結 果 の 要 旨 を 以 下 に 記 す . 1). 1m 試 験 体 に つ い て 、 強 度 試 験 は 両 試 験 体 と も 合 格 レ ベ ル の 結 果 を 得 た が 、 T 継 手 で は非破壊試験において不合格レベルの欠陥が検出された。 なお、T継手では欠陥を含んでいたが強度面での要求性能は満足していた。. 2). 疲 労 特 性 に つ い て は ,IIW 設 計 曲 線 FAT80( 荷 重 非 伝 達 型 の 付 加 物 継 手 ,す み 肉 溶 接 , 溶 接 ま ま ) 及 び JSSC 設 計 曲 線 ( Class E: 荷 重 非 伝 達 型 溶 接 継 手 , 溶 接 ま ま ) 以 上 の 性能を有することを確認した. ただし,仮付け部については評価対象外であること, 並 び に 試 験 デ ー タ 数 が 必 ず し も 十 分 で な い こ と に 注 意 が 必 要 で あ り ,仮 付 け 部 を 含 む 多くのデータ収集が望まれる.. 3). 5m 試 験 体 に お け る 溶 接 施 工 で は 欠 陥 が 多 数 検 出 さ れ た が , 前 章 で 述 べ た 技 術 的 課 題 ( 装 置 化 の 工 夫 に 関 連 す る も の が 多 い )を 克 服 す る こ と で ,健 全 な 継 手 を 製 作 で き る ものと期待される.. 4). レ ー ザ・ア ー ク ハ イ ブ リ ッ ド 溶 接 の 際 の 変 形 が 小 さ い 原 因 は ,従 来 の ア ー ク 溶 接 と 比 較して,最適溶接条件における入熱量が少ないことが理由であることを確認した.. 1.2.4. レーザ・アークハイブリッド溶接に適した船体構造・建造工程の検討. レーザ・アークハイブリッド溶接は入熱量が小さくひずみを抑えることができる高精 度・高品質の溶接技術であり、個々の継手の溶接の高品質化・効率化だけでなく、船体 の構造様式や船舶建造工程を変革する可能性を有している。そこで、この変革可能性を 具 体 的 に 検 討 す る た め に 、レ ー ザ・ア ー ク ハ イ ブ リ ッ ド 溶 接 に 適 し た 船 体 構 造 を 検 討 し 、 そしてこの構造を有するアフラマックスタンカーを供試船として、設計から建造までを 一貫して検討するケーススタディを実施した。さらに、このアフラマックスタンカーと 従来の構造を有する従来型アフラマックスタンカーの製造工数を比較検討しそのメリッ トを明らかにした。 (1)レ ー ザ ・ ア ー ク ハ イ ブ リ ッ ド 溶 接 に 適 し た 船 体 構 造 の 検 討 船体の最大のボリュームゾーン(約7割)である船体平行部の溶接にレーザ・アーク ハイブリッド溶接を適用し、最大のコスト低減効果を狙った。平行部の構造はレーザ・ アークハイブリッド溶接の特長を活かせる構造としてガーダー方式ダブルハル構造を選 定 し た 。 本 構 造 を 一 般 的 な ア フ ラ マ ッ ク ス タ ン カ ー の 構 造 と 比 較 し て 図 1.2.3 に 示 す 。. 8.

(13) 出典;「船体構造イラスト集」成山堂書店. ガーダー方式ダブルハル構造 図 1.2.3. 従来構造. ガーダー方式ダブルハル構造と従来構造との比較. (2)ガ ー ダ ー 方 式 ダ ブ ル ハ ル 構 造 を 有 す る ア フ ラ マ ッ ク ス タ ン カ ー の 建 造 工 程 の 検 討 次の検討を実施した。 ① 船 体 平 行 部 に ガ ー ダ ー 方 式 ダ ブ ル ハ ル 構 造 を 有 し 、そ れ 以 外 の 船 首 尾 部 は 従 来 構 造 を 有 す る ア フ ラ マ ッ ク ス タ ン カ ー の 試 設 計( 主 要 目;Lpp=241 m、B=44 m、D = 21.85 m、 d=15.3m)。 ②船体のブロック分割法及び接合方法の検討 船 体 平 行 部 を 6 セ グ メ ン ト に 分 割 し 、1 セ グ メ ン ト は 9 個 の ガ ー ダ ー 方 式 ダ ブ ル ハ ル パネルブロックと4隅のコーナー部(ここは従来構造)で構成した 。 ③ガーダー方式ダブルハルパネルブロック専用工場の検討 専 用 工 場 の 概 略 レ イ ア ウ ト を 図 1.2.4 に 示 す 。部 材 の 切 断 は レ ー ザ 切 断 を 用 い た 。外 板とガーダーの溶接は、レーザ・アークハイブリッド片側完全溶込みT溶接、内底 板とガーダーの溶接は、レーザ・アークハイブリッドステイク溶接とし、ガーダー 付外板の反転は不要とした。 (3)レ ー ザ ・ ア ー ク ハ イ ブ リ ッ ド 溶 接 を 活 用 し た ア フ ラ マ ッ ク ス タ ン カ ー と 従 来 の ア フ ラ マックスタンカーの工数比較 工 数 の 比 較 結 果 を 表 1.2.4 に 示 す 。 比 較 の 対 象 と 比 較 の 考 え 方 は 次 の 通 り で あ る 。 ①比較対象 レーザアフラA;ガーダー方式ダブルハル構造で内業工程にレーザ・アークハイブ リッド溶接を適用 レーザアフラB;従来構造で内業工程にレーザ・アークハイブリッド溶接を適用 従来アフラA;ガーダー方式ダブルハル構造で内業工程にアーク溶接を適用 従来アフラB;従来構造で内業工程にアーク溶接を適用. 9.

(14) ②比較の考え方 上記の船の平行部のパネル分割は同様として、1パネルブロック当たりの工数を見 積り、これに平行部全体のパネル数を掛けて内業のパネルブロックの製作工数を概 算した。工数の差が溶接法や構造の違いによる削減量を表す。 表 1.2.4 よ り 、 レ ー ザ ア フ ラ は ア ー ク 溶 接 を 用 い る 従 来 ア フ ラ に 比 べ て 40%~ 50%程 度内業の工数が削減できることが分かる。 一方、外業はレーザアフラ及び従来アフラ共にアーク溶接を行うので、 溶接による 工数の差は出ないので、取付工数のみの見積を行った。両方の差がレーザ・アーク ハイブリッド溶接によりブロックの精度が向上したことによる手直し工数の削減を 表 す 。表 1.2.4 よ り 、レ ー ザ ア フ ラ は 取 付 長 が 同 じ な ら ば 従 来 の ア フ ラ マ ッ ク ス タ ン カ ー の 取 付 工 数 を 10%~ 20%程 度 削 減 で き る 可 能 性 が あ る こ と が わ か っ た 。. 表 1.2.4. レーザアフラと従来アフラのパネルブロックの製作工数比較(単位;人時) 区分. レーザアフラ A. レーザアフラ B. 従 来 アフラ A. 従 来 アフラ B. 内業工程. 1パネルブロック. 320. 未検討. 520. 600. (製作工数). 平行部全体. 17280. 未検討. 28080. 32400. 外 業 工 程( 取. 平行部全体. 6971. 3102. 7596. 3810. 付工数のみ). (4)ま と め ガーダー方式ダブルハル構造を有するアフラマックスタンカーに対して、レーザ・ア ークハイブリッド溶接を活用した建造工程を検討するに当たり、この溶接法の特長を十 分に活かすために、建造の各工程において技術的にクリアすべき仮定や各種の前提条件 を置いて検討を進めた。これらを工程別に整理し且つそれぞれの技術的課題を示したも の を 表 1.2.5 に 示 す 。本 表 か ら レ ー ザ ・ア ー ク ハ イ ブ リ ッ ド 溶 接 を 船 舶 建 造 工 程 に 実 用 化 する場合の今後の研究開発の方向性を読み取ることができると思われる。 また、今回の検討よって、レーザ・アークハイブリッド溶接に適した構造や工程ライ ンを導入することで、より経済的メリットを発揮させる見込みが示された。但し、先に あげた技術的課題に加えて、ガーダー方式ダブルハルブロック 専用工場の規模の合理的 な設定方法やファイバーレーザ発振器の 近年の価格下落傾向等のコスト要因が検討には 含まれていない。レーザ・アークハイブリッド溶接実用化に向けては、こういった要素 もより精緻に検討していく必要がある。. 10.

(15) 表 1.2.2. T継手:基材、突合せ:合材 NO. 継手種類. 長さ(mm) 幅(mm). 実証実験において製作した継手とその結果. T継手:補強材、突合せ:合材. 板厚(mm) 長さ(mm) 幅(mm). 板厚(mm). ギャップ. ガス. 切断面. 開先. プライマー. 溶接ワイヤ. 溶接方法. 裏当て板. 備考. 1. 完全溶込みT継手. 5000. 400. 21. 5000. 400. 14. 0.05mm以下. CO2. レーザ+ブラシ. ―. 有. MG50-1.6φ. 両側すみ肉. ―. 良好なビード外観 → 非破壊検査. 2. 完全溶込みT継手. 5000. 400. 21. 5000. 400. 14. 0.05mm以下. CO2. レーザ+ブラシ. ―. 無. MG50-1.6φ. 両側すみ肉. ―. 良好なビード外観 → 非破壊検査. 3. 完全溶込みT継手. 5000. 400. 21. 5000. 400. 14. 0.05mm以下. CO2. 機械加工. ―. 有. MG50-1.6φ. 両側すみ肉. ―. 良好なビード外観 → 非破壊検査. 4. 突合せ継手. 5000. 200. 14. 5000. 200. 14. 約0.4mm. CO2. レーザ+ブラシ. I 型. 有. MG50-1.6φ. 突合せ. 無. スペーサー間隔を500mmに変 更 → 良好なビード外観 → 非破壊検査. 5. 突合せ継手. 5000. 200. 14. 5000. 200. 14. 約0.4mm. CO2. 機械加工. I 型. 無. MG50-1.6φ. 突合せ. 無. スペーサー間隔を500mmに変 更 → 良好なビード外観 → 非破壊検査. 6. 突合せ継手. 5000. 200. 14. 5000. 200. 14. 約0.4mm. CO2. 機械加工. I 型. 有. MG50-1.6φ. 突合せ. 無. スペーサー間隔を500mmに変 更 → 良好なビード外観 → 非破壊検査. 11.

(16) 表 1.2.3. T継手:基材、突合せ;合材 NO. 継手種類. 幅(mm). T継手:補強材、突合せ;合材 ガス. プライマー. 開先. 切断面. 1. 完全溶込みT継手. 1000. 400. 21. 1000. 200. 14. ≒0 両側すみ肉. CO2. 有. -. レーザ切断 +ブラシ. -. 外観、硬さ、マクロ、MT,UT,RT等. 2. 突合せ継手. 1000. 200. 14. 1000. 200. 14. ≒0. 片面1パス. CO2. 有. I 形. レーザ切断 +ブラシ. 無. 外観、引張、表曲げ、裏曲げ、シャル ピー、マクロ、硬さ、MT,UT、RT. 3. 完全溶込みT継手. 1000. 400. 21. 1000. 200. 9. 1 両側すみ肉. CO2. 無. -. 機械加工. -. 曲げ疲労試験、止端形状、マクロ、MT 等. 4. 完全溶込みT継手. 1000. 400. 21. 1000. 100. 14. ≒0 両側すみ肉. CO2. 無. -. 機械加工. -. 曲げ疲労試験、止端形状、マクロ、MT 等. 5. 完全溶込みT継手. 1000. 400. 21. 1000. 200. 14. 1 両側すみ肉. CO2. 無. -. 機械加工. -. 曲げ疲労試験、止端形状、マクロ、MT 等. 6. 完全溶込みT継手. 1000. 400. 21. 1000. 200. 14. ≒0 両側すみ肉. CO2. 有. -. 機械加工. -. 曲げ疲労試験、止端形状、マクロ、MT 等. 7. 完全溶込みT継手. 1000. 400. 21. 1000. 200. 14. 1 両側すみ肉. CO2. 有. -. 機械加工. -. 曲げ疲労試験、止端形状、マクロ、MT 等. 8. 完全溶込み十字継手. 1000. 400. 21. 1000. 50. 14. ≒0 両側すみ肉. CO2. 無. -. 機械加工. -. 軸力疲労試験、破面観察 他. 9. 完全溶込み十字継手. 1000. 400. 21. 1000. 50. 14. 1 両側すみ肉. CO2. 無. -. 機械加工. -. 軸力疲労試験、破面観察 他. 10 突合せ継手. 1000. 200. 14. 1000. 200. 14. 片面1パス. CO2. 無. I 形. 機械加工. 無. 軸力疲労試験、破面観察 他. 11 完全溶込みT継手. 5000. 400. 21. 5000. 400. 14. 0.05mm以下 両側すみ肉. CO2. 有. -. レーザ切断 +ブラシ. -. 硬さ、マクロ、MT,UT,RT 等. 12 完全溶込みT継手. 5000. 400. 21. 5000. 400. 14. 0.05mm以下 両側すみ肉. CO2. 無. -. レーザ切断 +ブラシ. -. 硬さ、マクロ、MT,UT,RT 等. 13 完全溶込みT継手. 5000. 400. 21. 5000. 400. 14. 0.05mm以下 両側すみ肉. CO2. 有. -. 機械加工. -. 硬さ、マクロ、MT,UT,RT 等. 14 突合せ継手. 5000. 200. 14. 5000. 200. 14. ≒0.4. 片面1パス. CO2. 有. I 型. レーザ切断 +ブラシ. 無. 硬さ、マクロ、MT,RT 等. 15 突合せ継手. 5000. 200. 14. 5000. 200. 14. ≒0.4. 片面1パス. CO2. 無. I 型. 機械加工. 無. 硬さ、マクロ、MT,RT 等. 16 突合せ継手. 5000. 200. 14. 5000. 200. 14. ≒0.4. 片面1パス. CO2. 有. I 型. 機械加工. 無. 硬さ、マクロ、MT,RT 等. 300. 400. 21. 300. 200. 14. 両側すみ肉. CO2. -. -. -. -. 角変形と入熱計測. 17 完全溶込みT継手. 長さ(mm). 継手評価試験条件. 板厚(mm) 長さ(mm). 幅(mm). 板厚(mm) ギャップ(mm). ≒0.5. -. 溶接方法. 12. 裏当て板 試験種類.

(17) 図 1.2.4. レー ザ・ア ークハ イブリ ッド溶 接組 立ライン 構想. 13.

(18) 表 1.2.5 検討項目. 検討の前提条件と技術課題. 検討の前提となる条件/基本的考え方. 技術的課題. 建造工程 1 ブロック分割・接合方法. 全体 2 (平行部ブロックの建造工程). 3 切断工程. 4 外板の板継ぎ溶接装置. 5 ガーダー小組立、ガーダー枠組定盤. 6 ガーダーの配材・取付. 7 片面完全溶込みすみ肉溶接装置. ①. ガーダー方式ダブルハルブロックを専用工場で製作し、多くの造船会社に供給するコンセプトとした。そのため、船体平行部のブロック分割は、本プロジェクトの 特になし 参加造船会社の設備能力に見合い、且つ出来るだけ大きなブロックサイズになるよう検討した。. ① ガーダー方式ダブルハルブロックを製作する専用工場のライン、設備、人員等を検討する. 1つの造船所にブロックを供給するのでなく、専用工場として多くの造船所に供給するシステムの検討が必要. ② 取り扱うブロックの最大寸法は、24m×16mとする。. 特になし. ③ タクトピッチは1日1ブロック専用工場から排出されるものとする。. 専用工場としては排出ピッチが小さい。需要に対して供給が十分かどうか検討する必要あり。. ④ 部材はクレーンを使わずコンベアで流す(クレーン配材はミニマムとする)。反転は無しとする。. 反転無しを実現するには、ハイブリッドステイク溶接の実用化が必要. ⑤ 低歪化・レーザ台数を抑えるために「大板工法」を採用する. 特になし. ⑥ 外板とガーダー及びガーダー同士の取り合いはハイブリッドすみ肉溶接、インナーシェルとガーダーの取り合いはハイブリッドステイク溶接とする. 多くの課題あり、下記に詳細を記述. ⑦ 板継溶接、片側完全溶込みすみ肉溶接及びステイク溶接のNKによる溶接施工法承認が取れていること。. 板継溶接についてはNKのレーザアークハイブリッド溶接ガイドラインはあるが、他の溶接法のNKのガイドラインはないので、研究と平行して作成する必要が ある。. ① 鋼材はレーザ切断を行ない、開先精度が確保されるものとする. 24mという長尺のレーザ切断において、切断面の直線度と許容ギャップを満足するレーザ切断装置の開発. ① バッキングレス片面溶接. ~18mmまでは、I開先でバッキングレス片面溶接が可能であるが、これより板厚が大であると開先加工と多層盛りが必要。. ② ギャップ及び目違いコントロールのための精度の高い位置決め装置及び拘束装置. 目違い≒0、ギャップ0.5±0.2mm以下を達成する位置決め装置及び拘束装置の開発. ③ 溶接品質を劣化させない仮付溶接方法. 仮付位置、仮付方法(アークorレーザ)等の検討、但し拘束装置により仮付不要の可能性あり。. ④ インプロセスで溶接線やギャップをセンサーで認識して、溶接条件(トーチの動き、レーザパワー、電流・電圧、ワイヤ供給速度等)を適応制御できる機構。. インプロセスでこれが出来るシステムはまだ開発されていないと考えられる。これが開発されると許容ギャップが広がるので、拘束装置の負荷が軽減される可 能性がある。精度の高い倣い装置(サーボロボ等)は商品化されているが、高価であり実績が少ない。. ⑤ インプロセスで溶接継手の品質を評価する機構(非破壊検査等). インプロセスでこれが出来るシステムはまだ開発されていないと考えられる。. ① 従来設備を流用する(ハイブリッド溶接は行わない). ガーダーの本数が多いので、生産能力の確保、専用ラインの検討等が必要. ② ガーダー枠組の組立設備化、作業者による組立. 特になし. ① 2本セットのガーダーを板に配材して人が位置決めして仮付する方法. 特になし. ② 溶接品質を劣化させない仮付溶接方法. 4-③と同じ. ③ ガーダー配材用の枠組み拘束治具を用意する. 特になし. ① 幅900のスペースに入るコンパクトなハイブリッド溶接ロボット. 現状はこのようなコンパクトなハイブリッド溶接ロボットはないので、新設計が必要. ② 片面完全溶込みすみ肉溶接(腐食・疲労の心配のない健全な裏波形状の確保). 片側完全溶込みすみ肉溶接は実用化されていない。完全溶込みを達成する条件、裏波ビードの止端部をなめらかに仕上げる溶接条件等の研究が必要. ③ インプロセスで溶接線やギャップをセンサーで認識して、溶接条件(トーチの動き、レーザパワー、電流・電圧、ワイヤ供給速度等)を適応制御できる装置. 4-④と同じ. ④ インプロセスで溶接継手の品質を評価する機構(非破壊検査等). インプロセスでこれが出来るシステムはまだ開発されていないと考えられる。. ⑤ 立向き溶接は従来のアーク溶接とする. 特になし. ① シングルハル中組を反転せずに、インナーシェルを被せて、人により前後左右の位置を決める装置あるいは治具. 現状このような装置は無い。新開発が必要. ② 溶接品質を劣化させない仮付溶接方法. 4-③と同じ. ① 板の下に隠れた溶接線を検知するセンサー(倣い装置). 現状このようなセンサーは無い。新開発が必要. ② インナーシェルのステイク溶接(腐食、疲労の心配のないステイク溶接方法). 厚板のステイク溶接は実用化されていない。厚板(18~25mm程度)のステイク溶接の研究、腐食や疲労の心配のないステイク溶接の研究等が必要. 8 インナーシェルの被せ及び取付. 9. インナーシェルのステイク溶接及び板 継溶接装置 ③ インプロセスで溶接継手の品質を評価する機構(非破壊検査等). インプロセスでこれが出来るシステムはまだ開発されていないと考えられる。. ④ インナーシェルのバッキングレス片面溶接. 4-①と同様. 10 仕上げ溶接. ① 作業者による半自動溶接でハイブリッド溶接の手直し、未溶接箇所の施工を行う. 特になし. 11 工場建屋. ① 取り扱うブロックの最大寸法は16m×24m、高さ10m程度. 特になし. 12 総組(平行部ブロック). ① ハイブリッド溶接は使用しない。. 特になし. 13 渠中搭載工程. ① ハイブリッド溶接は使用しない。. 特になし. 14.

(19) 1.3. 研究体制 船技協 をプラ ッ トフ ォーム とする 調査研 究 委員会を 組織し、下記の 体制に おいて 、4. 回の委員会を実施した。また、調査研究委員会の下部に「レーザ溶接 を活用した船舶建 造検討ワーキング・グループ」を設置して、レーザ溶接に適した船体構造・建造工程の 検討を3回にわたって実施した。 <レーザ溶接技術の船舶建造工程への適用に関する調査研究委員会> (以下順不同) ・国立大学法人. 大阪大学. 片山教授(委員長). ・国立大学法人. 九州大学. 後藤准教授. ・国立大学法人. 東京大学. 青山教授. ・( 独 ) 海 上 技 術 安 全 研 究 所 ・( 一 社 ) 日 本 造 船 工 業 会 ・( 一 財 ) 日 本 海 事 協 会 ・ジャパンマリンユナイテッド株式会社 ・株式会社. 名村造船所. ・住友重機械マリンエンジニアリング株式会社 ・三井造船株式会社 ・三菱重工業株式会社 ・JFEスチール株式会社 ・国土交通省海事局船舶産業課 ・( 一 財 ) 日 本 船 舶 技 術 研 究 協 会 ( 事 務 局 ) <レーザ溶接を活用した船舶建造検討ワーキング・グループ> ・国立大学法人 九州大学 篠田教授(主査) ・( 独 ) 海 上 技 術 安 全 研 究 所 ・ジャパンマリンユナイテッド株式会社 ・株式会社. 名村造船所. ・住友重機械マリンエンジニアリング株式会社 ・三井造船株式会社 ・三菱重工業株式会社 ・( 一 財 ) 日 本 船 舶 技 術 研 究 協 会 ( 事 務 局 ). 1.4. 研究スケジュール. 研 究 ス ケ ジ ュ ー ル を 表 1.4.1 に 示 す 。. 15.

(20) 表 1.4.1. 研 究 項 目. 主 担 当. 研究スケジュール. 2013年度 4月. 5月. 6月. 7月. 8月. 9月. 10月. 11月. 12月. 1月. 2月. 3月. レーザー溶接技術の調査研究. ○. ① 委員会等運営・プロジェクト管理. 船技協. ○. 2 0 1 3 年 度 研 究 内 容. 九州大学. ③ レーザ・アークハイブリッド溶接実証実験. 九州大学. ④ 実証実験用継手材料の設計製作. 九州大学. ⑤ プロセス実験用継手の性能確認試験(疲労試験等). 九州大学. ⑥ 実証実験用継手の性能評価試験. 九州大学. ⑦ レーザ溶接に適した船体構造・建造工程の検討. ⑧ とりまとめ. 第4回委員会. 第3回委員会 第1回WG. ② レーザ・アークハイブリッド溶接実証実験装置の設計製作. ○. ○. ○ 第2回委員会. 第1回委員会. ○. ○ 第2回WG. 第3回WG. 設計製作. 実証実験. 実証実験用継手材料の設計製作. プロセス継手の性能評価試験. 実証試験用継手の性能評価試. 建造工程の検討、従来工法との比較 等. 船技協. 報告書作成. 船技協. 16.

(21) 2. 事業活動状況報告 本事業 を円 滑にす すめる ため、 2012年度と 同 様に大学 ・研 究機関 ・造船 所他か ら委 員とし て 参画して いた だき、 「レー ザ溶接 技術 の船舶 建 造工程へ の適 用に関 する調 査研究 委員 会」を 設 置した。 委員 会では 、 実験 室レベ ルの プロセ ス 実験 で導 出さ れた溶 接条件 をもと に、 造船所 で の実証実 験の 実施要 領等に ついて 検討 をおこ な った。ま た 、 プロセ ス実験 で得ら れた 試験片 な らびに実 証実 験での 試験片 をどの よう に評価・検査をす るか の具体 策の検 討につ いて は、別 途 、 「レーザ 溶接 継手の 評価・ 検査ワ ーキ ング・ グ ループ」 を 2012年度 に引き 続き 設 置し て検討 を 進めた。 さら に、新 たに「 レーザ 溶接 を活用 し た船舶建 造検 討ワー キング ・グル ープ 」を設 置 し、レー ザ・ アーク ハイブ リッド 溶接 に適し た 船体構造 ・建 造工程 の検討 をおこ なっ た。 こ れ らのワー キン グ・グ ループ の検討 内容 は調査 研 究委員会 に報 告され 、調査 研究委 員会 を側面 か ら補完す ると 共に相 互に情 報共有 する ことで 研 究の方向 性を 一致さ せた。 2.1. 調 査研究 委員 会 ○「 レーザ 溶接技 術の船 舶建 造工程 への 適用に関 する 調査研 究委員 会」 委員名簿. 委員長. 片山. 聖二. ( 敬称略 ・順不 同・役 職は2013年4月時点). 国立大 学法 人大阪 大 学. 大 学院 工学研 究科. 機械工 学専 攻. レーザ接 合機 構学分 野 兼 委員. 青山. 和浩. 国立大 学法 人東京 大 学. 接合 科学 研究所. 所長. 大 学院 工学系 研究科 システム 創成 学専攻. 後藤. 浩二. 国立大 学法 人九州 大 学. 教授. 教授. 大 学院 工学研 究院 海洋シス テム 工学部 門. 村上. 睦尚. (独)海上 技術安 全研 究所. 准 教授. 構 造系 構造解 析・加 工研究 グル ープ 主任研究 員. 福井. 努. 大井. 健次. (一財)日 本海事 協会. 材料艤 装部. 主管. JFEスチー ル株 式会 社. スチー ル研究 所 接 合・ 強度研 究部. 辻井. 浩. 三菱重 工業(株). 部長. 船舶海 洋事業 本部 香焼船 海工作 部 生 産計 画課技 管チー ム. 濵﨑. 俊之. (株)名村 造船所. 船舶海 洋事業 部 溶 接技 術課. 平野. 淳平. 三井造 船(株). 篠原. 紀昭. 生産管 理部. 課長. 船 舶・ 艦艇事 業本部 管 理部. ジャ パンマ リンユ ナイ テッド (株). 千葉 造船 工場. 技術 開発グ ループ 技術 研究所. 生 産技 術研究 グルー プ 高橋. 寛. 住友重 機械 マリン エ ンジニア リン グ (株). (2013年4月 より). 主 席統 括. 計画 グル ープ. 製 造本部. 主幹 工 作部. グルー プリー ダー. アドバ イザ ー 水谷. 正海. 国立大 学法 人大阪 大 学. 17. 接 合科 学研究 所技術 部技術 専門 職.

(22) 関係者. 山口. 祐二. (一社)日 本造船 工業 会. 技 術部. 部長. 岩田. 知明. (独)海上 技術安 全研 究所. 構 造系 構造解 析・加 工研究 グル ープ グ ルー プ長. 沢登. 寛. 菊地. 淳史. (一財)日 本海事 協会. 材 料艤 装部. IPGフ ォトニ クスジ ャパン (株). 副技師. 代表 取締役. (2012年11月から) 関係官 庁日 詰. 行宏. 国土交 通省. 海 事局 船舶産 業課 中 小造 船係長. 事務局. 田村. 顕洋. (一 財)日本 船舶技 術研 究協会. 研究 開発ユ ニット ユニッ ト長. 森山. 厚夫. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. 研 究開発 ユニッ ト プ ロジェ クトリ ーダー. 杉山. 哲雄. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. 研 究開発 ユニッ ト. 片山. 敦子. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. 研 究開発 ユニッ ト. ○「 レーザ 溶接継 手の評 価・ 検査ワ ーキ ング・グ ルー プ」 委員名 簿 主査. 後藤. 浩二. (敬称 略 ・順不同 ・役 職は2013年4月時点 ). 国立大 学法 人九州 大 学. 大 学院 工学研 究院 海洋シス テム 工学部 門. 委員. 岩田. 知明. (独)海 上技 術安全 研究 所. 准 教授. 構造 系構 造解析 ・加工 研究グ ルー プ グループ 長. 村上. 睦尚. (独)海上 技術安 全研 究所. 構 造系 構造解 析・加 工研究 グル ープ 主任研究 員. 福井. 努. (一財)日 本海事 協会. 材 料艤 装部. 主管. 沢登. 寛. (一財)日 本海事 協会. 材 料艤 装部. 副技師. 大井. 健次. JFEスチー ル株 式会 社. ス チー ル研究 所 接合・強 度研 究部. 辻井. 浩. 三菱重 工業(株). 部長. 船 舶海 洋事業 本部香 焼船海 工作 部 生 産計 画課技 管チー ム. 濵﨑. 俊之. (株)名村 造船所. 船 舶海 洋事業 部 溶 接技 術課. 平野. 淳平. 三井造 船(株). 篠原. 紀昭. 生 産管理 部. 課長. 船 舶・ 艦艇事 業本部 管 理部. ジャパ ンマ リンユ ナ イテッド (株). 千葉 造船 工場. 技術 開発グ ループ 技 術研究 所. 生 産技 術研究 グルー プ 高橋. 寛. 主 席統 括. 住友重 機械 マリン エ ンジニア リン グ (株). 製 造本部. 主幹 工 作部. (2013年4月 より). 計画グ ループ. グ ループ リーダ ー. 水谷. 正海. 国立大 学法 人大阪 大 学. 接 合科 学研究 所技術 部技術 専門 職. 田村. 顕洋. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. アドバ イザ ー 事務局. 18. 研 究開発 ユニッ トユニ ット 長.

(23) 森山. 厚夫. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. 研 究開発 ユニッ ト プ ロジェ クトリ ーダー. 杉山. 哲雄. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. 研 究開発 ユニッ ト. 片山. 敦子. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. 研 究開発 ユニッ ト. ○「レーザ 溶接を 活用し た船舶 建造 検討 ワ ーキ ング・グ ルー プ」 委員名 簿 座長. 篠田. 岳思. (敬称 略 ・順不同 ・役 職は2013年4月時点 ). 国立大 学法 人九州 大 学. 大 学院 工学研 究院 海 洋シ ステム 工学部 門. 委員. 青山. 和浩. 国立大 学法 人東京 大 学. 大 学院 工学系 研究科 システム 創成 学専攻. 村上. 睦尚. (独)海上 技術安 全研 究所. 教授 教授. 構 造系 構造解 析・加 工研究 グル ープ 主 任研 究員. 辻井. 浩. 三菱重 工業(株). 船 舶海 洋事業 本部香 焼船海 工作 部 生 産計 画課技 管チー ム. 濵﨑. 俊之. (株)名村 造船所. 船 舶海 洋事業 部 溶 接技 術課. 平野. 淳平. 三井造 船(株). 篠原. 紀昭. 生 産管理 部. 課長. 船 舶・ 艦艇事 業本部 管 理部. ジャパ ンマ リンユ ナ イテッド (株). 千葉 造船 工場. 技術 開発グ ループ 技 術研究 所. 生 産技 術研究 グルー プ 高橋. 寛. 住友重 機械 マリン エ ンジニア リン グ (株) 計 画グ ループ. 関係者. 山口. 祐二. 渡辺. 明. (一 社)日本 造船 工業 会 愛知産 業(株). 技術 部. 主 席統 括. 製 造本部. 主幹 工 作部. グル ープリ ーダ ー. 部長. 本 社営 業本部. 接合 システ ム部. レ ーザ プロジ ェクト チーム 課長 鳥海. 誠. 関係官庁 日詰. 行宏. 代表取 締役. (株)海 国 土交通 省. 海事 局船 舶産業 課 中 小造 船係長. 事務局. 田村. 顕洋. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. 研 究開発 ユニッ トユニ ット 長. 森山. 厚夫. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. 研 究開発 ユニッ ト プ ロジェ クトリ ーダー. 2.2. 杉山. 哲雄. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. 研 究開発 ユニッ ト. 片山. 敦子. (一財)日 本船舶 技術 研究協会. 研 究開発 ユニッ ト. 調 査研究 の作 業状況 20 13 年度 4月1日. 日本 財団の 助成を 得て 事業開 始. 19.

(24) 4月1日. 国立 大学法 人九州 大学 および ( 株)名村 造船 所との 間で「 船舶建 造 用継 手のレ ーザハ イブ リッド 溶 接実証実 験に 関する 共同研 究」契 約 締結. 4月18 日. 厚板 レーザ 切断の 諸元 に関す る 打合せ実 施( 小池酸 素工業 ). 5月8日. 20 13年 度第1 回レ ーザ溶 接 継手の評 価・ 検査ワ ーキン ググル ー プ開 催運営. 5月13 日 6月12 日. レー ザ溶接 実証試 験装 置に関 す る打合せ 実施 (九州 大学) (株) 海との 間で「 ガー ダー方 式 ダブルハ ル構 造のブ ロック 分割お よ びブ ロック 接合法 の検 討」請 負 契約締結. 6月27 日. 20 13年 度第1 回レ ーザ溶 接 技術の船 舶建 造工程 への適 用に係 る 調査研究 委員 会開催 運営. 7月 24 日. レーザ 溶接実 証試 験装置 に 関する打 合せ 実施( 九州大 学). 7月 26 日. 201 3年度 第2 回レー ザ 溶接継手 の評 価・検 査ワー キング グル ー プ開 催運営. 7月30 日. レー ザ溶接 のプロ セス 実験の 進 捗状況に 関す る打合 せ実施 (大阪 大 学接 合科学 研究所 ). 7月31 日. 国立 大学法 人九州 大学 および ( 株)名村 造船 所との 間でレ ーザハ イ ブリッド 溶接 実証実 験運営 時の賠 償責 任区分 に 関する打 合せ 実施 (九州 大学知 財本部 ). 9月4日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験装置の 詳細 技術的 要件確 認会議 に アド バイバ ーとし て出 席(九 州 大学・愛 知産 業). 9月9日. 20 13年 度第2 回レ ーザ溶 接 技術の船 舶建 造工程 への適 用に係 る 調査 研究委 員会開 催運 営. 9月13 日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験装置の ウエ ブ押え 設置検 討(住 友 重機 械マリ ンエン ジニ アリン グ ). 9月24 日. レー ザ溶接 による ブロ ック精 度 向上効果 と手 直し工 程低 減 に関す る 打合 せ実施 (ジャ パン マリン ユ ナイテッ ド津 事業所 ). 10月2 日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験装置の 有効 性検討 (三井 造船). 10月1 0日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験装置の 移設 に関す る打合 せ実施 (九州 大学). 10月1 6日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験運用時 の安 全対策 打合せ 実施 (九州 大学). 10月1 6日. 20 13年 度第1 回レ ーザ溶 接 を活用し た船 舶建造 検討ワ ーキン グ グル ープ開 催運営. 11月7 日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験装置の ティ ー チン グに関 する打 合 せ実 施(愛 知産業 ). 11月1 1日 (株) JSOLとの間 で「レ ーザ・ アークハ イブ リッド 溶接に よるブ ロッ クの 溶接変 形低減 量の 計算業 務 」請負契 約締 結 11月1 5日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験装置の 出荷 前検査 立会い 代行( 高 砂鉄 工・愛 知産業 ). 11月2 8日 ~2 9日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験装置の 検収 立会い および プロセ ス. 20.

(25) 実験 装置固 定資産 部分 検数実 施 (名村造 船所 ) 12月3 日 ~7 日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験安全講 習実 施およ び習熟 運転立 会 い( 名村造 船所). 12月9 日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接によ る 継手評価 ガイ ドライ ンに関 する打 合 せ実 施(日 本海事 協会 ). 12月1 0日 ~2月1 9日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験作業補 助者 (海上 技術安 全研究 所) およ び統括 安全衛 生責 任者補 佐 (日本船 舶技 術研究 協会) の派遣 実 施( 名村造 船所) (延人 数:3 7人日 ). 12月2 5日. 20 13年 度第2 回レ ーザ溶 接 を活用し た船 舶建造 検討ワ ーキン グ グル ープ開 催運営. 1月9日. 20 13年 度第3 回レ ーザ溶 接 技術の船 舶建 造工程 への適 用に係 る 調査 研究委 員会開 催運 営. 2月5日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験のメデ ィア による 視察お よび記 者 会見 実施( 名村造 船所 ). 2月12 日. 20 13年 度第3 回レ ーザ溶 接 を活用し た船 舶建造 検討ワ ーキン グ グル ープ開 催運営. 2月14 日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験の日本 財団 および 産報出 版によ る 視察 実施( 名村造 船所 ). 2月23 日 ~27 日. レー ザハイ ブリッ ド溶 接実証 実 験装置 の 移設 立会い および プロセ ス 実験 装置固 定資産 部分 検数実 施 (名村造 船所 ・九州 大学). 3月12 日. 20 13年 度第4 回レ ーザ溶 接 技術の船 舶建 造工程 への適 用に係 る 調査 研究委 員会開 催運 営. 3月12 日. 船舶 建造工 程の技 術革 新に関 す る技術セ ミナ ーの開 催運営 (日本 財 団ビ ル). 3月31 日. 2.3 (1). 成果 報告書 とりま とめ. 委 員会議 事概 要 「レー ザ溶接 技術 の船舶 建造工 程へ の適 用に関す る調 査研究 委員会 」は 2 01 3年度 内 に以下に 示す 通り、 計 4回 開催し た。 ○. 第1回「 レーザ 溶接 技術の 船舶建 造工程 への 適用に関 する 調査研 究委員 会」 日 時:2 013 年6月 27 日(木 ) 13:3 0~ 17: 00 場 所:( 一財) 日本船 舶技 術研究 協 会 議 題:① 研究進 捗状況 につ いて ② プロセ ス実験 結果 報告. 21. 4 F大会 議室.

(26) ③ 継手の 強度等 試験 要領書 に ついて ④ プロセ ス実験 用継 手( No.4)の強度 等評 価試験 報告 ⑤ プロセ ス実験 の進 捗と今 後 の計画 に つい て ⑥ 継手の 強度等 試験 の追加 実 施(案) につ いて ⑦ 実証実 験用継 手材 料(案 ) について ⑧2012年 度事業 成果 報告書 の 執筆分担 につ いて ⑨ 新建造 法ケー スス タディ 実 施計画書 (案 )につ いて ⑩ レーザ 溶接セ ミナ ー実施 計 画(案) につ いて ○. 第2回 「レー ザ溶接 技術 の船舶 建造 工程への 適用 に関す る調査 研究委 員会 」 日 時:2 013 年9月 9日 (月) 1 4:00 ~1 7:0 0 場 所: TKP赤坂 ツイン タワー カンフ ァレンス セン ター. ルーム 8B. 議 題:① 研究進 捗状況 につ いて ② レーザ 実証試 験計 画(案 ) について ③2012年 度事業 成果 報告書 の 内容報告 ○. 第3回 「レー ザ溶接 技術 の船舶 建造 工程への 適用 に関す る調査 研究委 員会 」 日 時:2 014 年1月 9日 (木) 1 3:00 ~1 6:0 0 場 所:( 株)名 村造船 所伊 万里事 業 所. 2 F大会 議室. 議 題:① 研究進 捗状況 につ いて ② レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接実 証実 験装置 概要に ついて ③ 継手の 評価試 験状 況につ い て ④ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶 接実 証実 験進捗 状況報 告 ⑤ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接継 手の 性能評 価試験 につい て ⑥ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接 継 手の 軸力疲 労試験 計画に つい て ⑦ 角変形 と入熱 パラ メータ に ついて ⑧ レーザ 溶接を 活用 した船 舶 建造検討 WGの 活動報 告 ⑨2013年 度成果 報告 書の目 次 案ならび に執 筆分担 案につ いて ⑩ 「船舶 建造工 程の 技術革 新 に関する 技術 セミナ ー」の 案内 ⑪ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接実 証実 験のサ イト視 察 ○. 第4回 「レー ザ溶接 技術 の船舶 建造 工程への 適用 に関す る調査 研究委 員会 」 日 時:2 014 年3月 12 日(水 ) 9:30 ~1 1:3 0 場 所:( 一財) 日本船 舶技 術研究 協 会. 4 F大会 議室. 議 題:① 研究進 捗状況 につ いて ②2013年 度事業 成果 報告書 の 内容確認 ③ 情報開 示(論 文発 表等) 等 のルール につ いて ④ 実証実 験に関 する 新聞記 事 の紹介. 22.

(27) (2) 「レー ザ溶接 継手の 評価・ 検査 ワーキ ング ・グルー プ」 は 20 13年 度内に 以下 に示す 通 り計2回 開催 した。 ○. 第1回 「レー ザ溶接 継手 の評価 ・検 査ワーキ ング ・グル ープ」 日 時:2 013 年5月 8日 (水) 1 3:30 ~1 7:0 0 場 所: TKP赤坂 ツイン タワー カンフ ァレンス セン ター. ルーム 7B. 議 題:① 研究進 捗状況 につ いて ②2013年 度プロ セス 実験計 画 (案)に つい て ③ 継手の 強度等 試験 分担表 ( 案)につ いて ④ 継手の 強度等 試験 要領書 ( 案)につ いて ⑤ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接継 手の 評価結 果につ いて ⑥ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接に おけ る入熱 量測定 につい て ⑦ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接に おけ る靭性 評価に ついて ⑧ 破面試 験速報 ⑨ 現在ま でのプ ロセ ス実験 進 捗状況報 告 ○. 第2回 「レー ザ溶接 継手 の評価 ・検 査ワーキ ング ・グル ープ」 日 時:2 013 年7月 26 日(金 ) 13:3 0~ 16: 00 場 所:( 一財) 日本船 舶技 術研究 協 会. 4 F大会 議室. 議 題:① 実証試 験に向 けて のスケ ジ ュール( 案) につい て ② レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接継 手の 強度評 価の分 担につ いて ③ 溶接条 件出し 及び 継手の 強 度等評価 試験 状況報 告 ④ 実証試 験用継 手材 料(案 ) について ⑤ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接に おけ る入熱 量計測 結果速 報 ⑥ 実証試 験装置 配置 図(案 ) について (3) 「レー ザ溶接 を活用 した 船舶建 造検討 ワー キング・グル ープ 」は 201 3年度 内に以 下に 示す通り 計3 回開催 した。 ○. 第1回 「レー ザ溶接 を活 用した 船舶 建造検討 ワー キング ・グル ープ」 日 時:2 013 年10 月1 6日( 水 )13: 00 ~17 :00 場 所:九 州大学 大学院 工学 研究院 海 洋システ ム工 学部. 会議室W2-614-1. 議 題:① レーザ 溶接を 活用 した船 舶 建造検討 WG実 施計画 書( 案)に ついて ② レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接組 立ラ イン構 想(案 )につ いて ③ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接装 置構 想(案 )につ いて ④ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接組 立ラ イン大 組ブロ ック組 立( 案)に つ いて ⑤ ガーダ ー方式 ダブ ルハル 構 造タンカ ーの 総組・ 渠中搭 載工程 の検 討(案 ). 23.

(28) について ⑥ ガーダ ー方式 ダブ ルハル 構 造タンカ ーの 全体組 立ライ ン構想 と検 討課題 に ついて ⑦ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接に よる ブロッ ク建造 精度向 上と 手直し 工 数低減の 関係 性把握 につい て ○. 第2回 「レー ザ溶接 を活 用した 船舶 建造検討 ワー キング ・グル ープ」 日時:2 01 3年1 2月2 5日( 水) 13: 3 0~1 7 :0 0 場 所:( 一財) 日本船 舶技 術研究 協 会. 4 F大会 議室. 議 題:① 検討の 前提条 件と 作業内 容 について ② レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接組 立ラ イン構 想(案 )につ いて ③ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接施 工要 領(案 )につ いて ④ ガーダ ーの横 倒れ 防止策 の 検討につ いて ⑤ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接装 置構 想(案 )につ いて ⑥ ガーダ ー方式 ダブ ルハル 構 造タンカ ーの 総組・ 渠中搭 載工程 の検 討見直 し (案)に つい て ⑦ ガーダ ー方式 ダブ ルハル 組 立工場の 建築 面積と コスト 試算 ⑧ 一般的 建造法 とレ ーザ建 造 法の工数 比較 につい て ⑨ レーザ 溶接技 術セ ミナー の 案内 ○. 第3回 「レー ザ溶接 を活 用した 船舶 建造検討 ワー キング ・グル ープ」 日時:2 01 4年2 月12 日(水 )1 3:3 0 ~1 7: 00 場 所:( 一財) 日本船 舶技 術研究 協 会. 4 F大会 議室. 議 題:① 検討の 前提条 件と 課題の 整 理につい て ② レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接組 立ラ イン構 想(案 )につ いて ③ レーザ ・アー クハ イブリ ッ ド溶接装 置構 想(案 )につ いて ④ 従来ア フラと レー ザアフ ラ の外業工 程に おける 取付工 数の 検 討( 案) ⑤ 従来建 造法と レー ザ建造 法 の工数比 較に ついて ⑥ 成果報 告書目 次( 案)に つ いて. 24.

(29) Ⅱ.船舶建造高品質化・効率化技術の調査研究 (工程管理システムの調査研究). 25.

(30) 1.研究概要 1.1. 背 景及び 目的. 一昨年来 の新 造船需 要の回 復に伴 い、我が 国造 船業の新 規受 注も活 況を呈 してい るが 、各 造 船国にお ける 大量受 注によ り数年 先の 過剰船 腹 の増大が 再び 懸念さ れてお り 、今後 ますま す造 船市場で の競 争の激 化が予 想され る。こう した 中、我 が国造 船業 が新興 造船国 に対す る競 争力 を維持し てい くため には 、船 舶の建 造工程 にお けるトー タル な建造 マネジ メント 手法 の確立 と 高度化が 不可 欠であ る。具 体的に は、建 造現場 での人や 物、さ らには 作業 の流れ や生産 物の状 態(品質 等)を 見える 化する ための 情報 技術を 確立し、造船工 場をリ アル タイム モニタ リング すること によ って、 建造工 程にお ける 問題個 所 の把握と 対応 策を適 切に講 じる必 要が ある。 2012 年 度事業 におい て、市販 のモニ タリン グシ ステムを 活用 するよ りも安 価で船 舶建 造現場 に適した 、移動・設置 が容易 な基本 モニ タリン グシステ ムが 構築で きた。2013 年 度はそ の基 本 モニタリ ング システ ムによ り得ら れた 課題の 解 決を図る 他 、モニ タリン グに より得 られた デー タの解析 技術 を確立 し、実際 に船舶 建造工 程を 改善でき る高 度なモ ニタリ ングシ ステ ムの構 築 を目的と する 。 1.2. 研 究内容. 2012 年 度は造 船工 場に適 用可能 な無線 LAN ネットワ ーク を検討 し、カ メラに よる 現場撮 影 や作業員 の位 置計測 等が可 能にな る基 本モニ タ リングシ ステ ムを構 築した 。2013 年 度はこ れら の成果と 抽出 された 課題を 踏まえ て、 次の研 究 を実施し た。 (1). 新デバ イスに よる モニタ リング シス テム の高度化 基本 モ ニタ リン グ シス テム に 新デ バイ ス ( 新型 カメ ラ 、加 速度 セ ンサ 、 RFID 等) を追 加適用して、より高度で簡便なモニタリングが可能となるようなシステムを開発した (必要に 応じ て実証 実験を 実施し た)。. (2). モニタ リング デー タの処 理方法 の確 立 基 本モ ニタリ ングシ ステム は画 像処理 を ベースと して いるが 、作 業現 場の撮 影環境 が劣 悪なため に様 々な画 像ノイ ズが発 生し 、画 像処 理によっ て抽 出され る行動 にエラ ーが 含 まれる。ま た、作業 者が 特定で きない という 問 題がある。この ため、新 デバイ ス等を 活 用してこ れら の問題 を解決 し、信頼 度の高 い工 程管理 情 報を 抽出す るため のモニ タリ ン グデータ の処 理方法 を確立 した。. (3). モニタ リング によ る生産 性向上 の可 能性 のケース スタ ディ モニタリングシステムにより得られたデータを造船所の生産性向上に活用する具体例 として次 の2 つのケ ースを 検討し た( 必要に 応 じて実証 実験 を実施 した)。 ① モニ タリン グブラ ウザ の構築 (造船 所の定 盤計画・ 管理 システ ムへの 応用) ② モニ タリン グデー タと 生産シ ミュレ ーショ ンの連携 運用. (4). 建造モ ニタリ ング やレー ザ溶接 等に よる 建造マネ ジメ ント高 度化の 技術課 題調 査 建造マネ ジメ ン ト高 度化の ために 必要 と考え ら れる革新 的技 術を広 く調査 した 。さら に、 革新的技 術の 造船適 用に関 する検 討を 行い、こ の結果を 踏ま えて今 後取り 組むべ き技 術. 26.

(31) 開発課題 を整 理し、その開 発ロ ードマ ップと 将 来造船工 場の コンセ プトイ メージ を作 成 した。 1.3. 研 究期間 2013 年 4 月 1 日. 1.4. ~2014 年 6 月 30 日. 研 究体制. (一財 )日本 船舶 技術研 究協会 をプラ ット フォ ームとす る調 査研究 委員会 を組織 し、下記 の 体制にお いて 、5 回 の委員 会及び 5 回の ワー キ ング・グ ルー プ会議 を実施 した。 委員 長; 国立大 学法人 ・国立大 学法 人. 東 京大学. ・国立大 学法 人. 九 州大学. 東京 大学. 青山 和 浩教授. ・(独) 海上技 術安全 研究 所 ・(一社 )日本 造船工 業会 ・ジャパ ンマ リンユ ナイテ ッド株 式会 社 ・株式会 社. 名村造 船所. ・住友重 機械 マリン エンジ ニアリ ング 株式会 社 ・三井造 船株 式会社 ・(一社 )日本 造船工 業会 ・国土交 通省 海事局 船舶産 業課 ・(一財 )日本 船舶技 術研 究協会 (事務 局) 1.5. 研 究スケ ジュ ール 研究 スケ ジュー ルを表 1.1 に示す 。. 1.6. 研 究結果. (1) 新デバ イスに よるモ ニタリ ング システ ムの 高度化 a)画像処 理の高 度化 基本モ ニタリ ングシ ステ ムは、無線 LAN ネッ トワーク を構 築し、ネッ トワー クカメ ラによ る 画像の取 得を 行った が、より高 度で簡 便な シス テム構築 を目 指して 、次 の2つ のシス テム を検 討した。 ①天井 カメ ラ撮影 システ ム これま での 造船 所のモ ニタ リン グ映 像は高 所か らの撮 影で はあ ったも のの 斜め 方向 からの ため画 角に 限界 があっ た。 これ を改 善する ため に造船 所の 天井 の水銀 灯ソ ケッ トに 差し込 める天井 カメ ラの試 作を行 った。 ②ドラ イブ レコー ダーを 利用し た撮 影シス テ ム 市販 のド ライブ レコー ダー( 小型軽 量、4 時間の連 続撮 影、ポー タブル バッ テリー 駆動等 ) を用いた 造船 所のモ ニタリ ングを 検討 した。こ の方法に よる とカメ ラの取 付が簡 便で あり、 ポータブ ルバ ッテリ ーを電 源とし て4 時間連 続 撮影でき るの で、 AC 電源の ケーブ ル敷設 が不要と いう メリッ トがあ る。. 27.

(32) b)作業 者の位 置情報 の検 出 2012 年 度は、ス マート フォン の Wi-Fi 及び GPS の機能を 用い た作業 者の位 置情報 の検 出を 行ったが 、2013 年 度はよ り精度 を高 めるた めに 、高精 度 GPS デ バイ スを用 いた作 業者の 位置 情報の計 測実 験を実 施した。その結 果、位置 検 出精度 が 20~40mか ら 7~ 9mへ 向上す ること 等が分か った 。ま た、RFID に よる 作業者 の位 置検出方 法を 検討し た。即ち 、溶接 装置等 の機 器に RFID の タグを 貼付し ておけ ば、RFID の リーダー を持 った作 業者が 近づく と反 応する の で、この 作業 者がど こに居 るかを 検出 するこ と が可能で ある 。この 方法で RFID によ る作 業 者の位置 検出 実験を 実施し た。 c)画 像処 理によ る位置 特定の 高精 度化 Wi-Fi や GPS 等を 用いる 上記の 方法と 比べ て より高精 度に 作業者 の位置 特定を 行う ため、画 像処理を 利用 した下 記の方 法を検 討し た。 ①数台 のカ メラに よるビ デオ画 像の 合成に よ る対象 領 域の カバー ②画像 解析 による 作業者 の抽出 と足 元の位 置 情報の抽 出 ③3D ス キャナ ーを用 いて 工場の 地図情 報を 取得 ④作業 者の 画像上 の位置 情報と 地図 情報の マ ッピング を行 い、作業者 の工 場での 位置を 割り 出す。 d)加速 度セン サの利 用に よる行 動推定 ビデオ カメ ラの画 像から 作業者 の行 動は認 識 できるが 、作業者 がブロ ック の内部 等カメ ラの 死角に入 った 場合は 認識で きない 。このよ うな 場合は加 速度 センサ を利用 した作 業者 行動推 定 の可能性 が考 えられ る。 そこで、 加速 度セン サを利 用して 人の 行動を 推 定するた めに 、 次 の 2 つ の 検 討 を 実 施 し た 。 ① スマート フォ ンの加 速度デ ータか らの 行動識 別 手法の開 発 作業 者の 腰部と 胸部に 加速度 セン サを付 け て、基 本動作(歩く 、立 つ、座 る等 )の識 別が 可能かど うか の実験 を実施 した。 その 結果、 次 の結論が 得ら れた。 ・ 腰部 に装着 した加 速度セ ンサ のデー タ から行動 の分 離が可 能。 ・ 腰部 センサ に加え て胸部 セン サを利 用 すること によ り上肢 の動作 の分離 が可 能。 ・ 分離 したデ ータを もとに 自動 認識や 労 働負荷等 の算 出が可 能。 ② 複数種セ ンサ データ 融合手 法の開 発 加速 度セ ンサデ ータと 映像の デー タを RFID を用い て融合 する 実験を 行い、 個体識 別、 作 業識別及 び行 動識別 を行う ことが でき る可能 性 があるこ とが 分かっ た。即ち 、加速 度セン サでは座 って いる状 態が識 別でき るが、どのよ うな作業( 溶接、グライ ンダー 等)をし て いるかの 認識 はでき ない 。映像 データ があ ると これが分 かる が、これだ けでは 人の認 識が できない ので 人の認 識は RFID を 用い て行う と いう方法 であ る。但 し、RFID のタグ がどこ に付けら れて いるか の位置 情報は 既知 とする 必 要がある 。 (2) モニタ リング データ 処理法 の確 立 次の 3つ の方法 を用い ること によ りモニ タ リン グの 精度 を向上 させる ことが でき た。これ によりモ ニタ リング データ の処理 方法 を確立 す ることが でき た。. 28.

(33) ①複数種 セン サデー タ融合 手法の 開発 加速 度セ ンサデ ータと 映像デ ータ を RFID を用いて 融合 し、作 業者の 特定及 び作 業者の 位 置情報を 抽出 した。 ②画像撮 影の 冗長化 画像 処理 データ の信頼 性を向 上さ せるた め に、複数の カメラ で撮影 した 画像を 用いる こと を考慮し た。 ③データ の信 頼性評 価 画像 ノイ ズに起 因する 画像デ ータ に含ま れ るエラー を除 去する ために 、加速度 センサ のデ ータと RFID のデ ータ を支援 情報と して画 像デ ータの信 頼性 を評価 し、ノ イズデ ータ を排 除した。 以上の処 理に より、 全体の 約 63%の作 業に対 して正し く作 業者名 を判定 できた 。ま た、約 75%のノ イズ を排除 した結 果を出 力す ること が できた。 また 、モニ タリン グシス テム を造船 所に使 用し てもらう ため のユー ザーズ マニュ アル を整備 した。 (3) モニタ リング による 生産性 向上 の可能 性の ケースス タデ ィ モニ タリ ングシ ステム により 得ら れたデ ー タを造船 所の 生産性 向上に 活用す る具 体例と して次の 2つ のケー スを検 討し、 モニ タリン グ システム の有 用性を 明らか にした 。 a)モニタ リング ブラウ ザの構 築( 造船所 の定 盤計画・ 管理 システ ムへの 応用) 造船所で 実際 に使わ れてい る定盤 計画 ・管理 シ ステムと モニ タ リ ン グ シ ス テ ム を 連 携 し て 、 次のよう な機 能を有 するシ ステム を構 築した 。 ① 計画と実 際の ズレの 把握 各ブロックの定盤上の配置計画情報とモニタリングシステムから作成した実際の配置情 報を比較 し、 計画と のズレ を把握 。対 策フィ ー ドバック 等に 活用。 ②作業ガ ント チャー トとビ デオの ひも 付け 作業 ガン トチャ ート( 図 1.1 参 照)の 一部 をクリッ クす ると、 その作 業のビ デオ や作業 員 等を読み 出す 機能。 ト ラブ ルの原 因究 明等に 利 用。 ③ヒート マッ プの表 示 溶接 、グラ インダ 、ガウ ジング 等が どの場 所でどの 程度 発生し たかの 確認が でき る。工程 計画等に 活用 。. 29.

(34) (a) ガ ントチャ ート. (b) 溶 接作業の ヒート マップ 図 1.1 ビデ オ画像 分析から 得られた 作業の ガン トチャート とヒー トマップ. b)工場 シミュ レータ との 連携 工場シ ミュ レータ は、工場 内のモ ノの流 れや 人の動き をモ デル化 してシ ミュレ ーシ ョンを 実 行し、工程を 最適 化する 手法で あるが 、こ れと モニタリ ング システ ムを連 携して 次の 機能を 有するシ ステ ムの構 築を検 討した 。 ①フィー ドバ ック機 能 モニタ リン グデー タを工 場シミ ュレ ータの 入 力データ とし て用い れば 、工 場で起 こっ た こと をコンピ ュー タ内に 再現す ること がで き、作業 の定量的 分析・評 価や他 の行動 を取っ た場 合 のシミュ レー ション ができ る。これに より 、生 産現場で の生 産性を 向上さ せるフ ィー ドバッ クとして 活用 する。. 30.

(35) ② 工程のパ フォ ーマン ス推定 モ ニ タ リ ン グ に よ る 生 産 実 態 と 工 場 シ ミ ュ レ ー タ に よ る 理 想 の 生 産 を つ き あ わ せ て Fit & Gap 分 析を行 う。これ によ り現状 の生産 のパフ ォーマン スを 知るこ とがで きると とも に、新 工程設計 での パフォ ーマン スも推 定す ること が できる。 以上の連 携の 概念を 図 1.2 に示 す。. 小組立のシミュレーション例. 入力データ. 図 1.2 モ ニタリ ング システ ムと生 産シミ ュ レーショ ンの 連携運 用イメ ージ. (4) 建造モ ニタリ ングや レーザ 溶接 などに よる 建造マネ ジメ ント高 度化の 技術課 題調 査 建造モニ タリ ングや レーザ 溶接な ど 、建造 マネ ジメント 高度 化のた めに必 要と考 えら れる革 新的技術 等を 広く調 査した 。さら に、革 新的技 術の造船 適用 に関す る検討 結果を 踏ま えて、今 後取り組 むべ き技術 開発課 題とし て次 の 11 項 目を抽出 した 。 ①詳 細で 正確な 予実管 理の実 現( 人、モ ノ ) ②3 次元 プリン タの適 用. 31.

(36) ③現 場で の3次 元デー タ利用 技術 (3次 元 図面など ) ④多 能工 化育成 に向け た研究 開発 ⑤リ バー スエン ジニア リング の有 効活用 ⑥つ くり 易さを 考慮し た設計 技術 ⑦新 しい 接合技 術 ⑧パ ワー アシス ト、遠 隔操作 技術 など、 ロ ボットと 人の 将来の 協調技 術 ⑨最 新 ICT デバ イスの 利用 ⑩フ ィー ドバッ ク型の 生産試 験シ ステム ⑪造 船所 のビッ クデー タの解 析と 有効利 用 この 11 項目 の研究 開発課 題につ いて 、開発 内 容をブレ ーク ダウン し、 2030 年頃ま でを想 定 したロー ドマ ップを 作成し た。こ れを 表 1.2 に 示す。 また、これ らの 先進的 な技術 を取り 入れ た将来 の造船工 場( 50 年程度 先)のイ メージ を、一 般 の人にも 理解 して頂 ける程 度に書 き下 し、図 1.3 に示すよ うな イラス ト付き の冊子 体と して作 成した。本冊子 は、造 船所の 方にと って も先進 的技術と その 造船応 用、そ れらの 導入が 意味す るものを 考え るきっ かけに なるこ とと 思われ る 。 この冊子 の内 容の一 部を図 1.4 に示す 。. 図 1.3 造 船 の 将 来 イ メ ー ジ 冊 子 の 表 紙. 32.

参照

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