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特集 糖尿病性腎症のトピックス
●はじめに
全世界の糖尿病患者数は、1億7700万人を超えてい
ます。WHOは、2025年までに3億人になると予想 しています。日本における糖尿病の有病率は、2003 年で6.9%とされています,(つまり国民の14〜15人に1人が糖尿病です)。また糖尿病は、多くの先進国に おいて主な死亡原因の第4位となっており、糖尿病性 腎症は、世界のほとんどの国において、透析・腎移植 の単独で最大の原因疾患となっています。日本におい ても右図に示すように、41%の方が糖尿病性腎症の ために透析導入となっています。今回も前回につづい て、糖尿病性腎症のトピックスをご紹介します。
■透析導入患者の原疾患(2003年目
透析導入の原因となった疾患別にみると、糖尿病による末期腎 不全が41.0%と最も多くなっています。糖尿病患者の増加に 伴い、確実に増加する傾向が認められています、
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(日本透析医学会:わが国の擬性透析療法の現況、2003年12月31日現在)
●糖尿病のABCキャンペーン
2003年のTIME誌に The ABCs of Diabetes とい う題の啓蒙記事が掲載されました。糖尿病の人には、
A=HbAlc, B=Blood pressure, C=Cholestero1の 治療が必要であるということが、米国の内科医会のガ イドラインとともに記載されました。
つまり、血糖をコントロールするだけでなく、高血圧 や高脂血症も厳格に治療するという集約的治療の概念 が一般市民向けに発信されたのです。
高血圧の治療が導入されてから糖尿病性腎症の予後は どうなったかを、1996年目Parvingらが報告していま
す。かれらは1971年には、5年で半数が蛋白尿出現 後に腎機能の廃絶を認めるが、1996年にはそれが1
6年以上まで延びていること、腎症を持つ患者が、た
とえ.HbAlcが9%と高値でも平均血圧を93mmHgに
すると、蛋白尿から微量アルブミン尿に戻る患者(退 縮)が6割、老化による腎機能低下と同じく糸球体ろ 過値(GFR)の低率がIInl/min/年になる患者(寛解)が4割になることも報告しています。 (右図)
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騒症の年月(年)
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Total Remission:3196
A一図
93 99 103 107 113
平均血圧値(mmHg)
同様に、平均血圧を下げれば下げるほど、糖尿病性腎症患者の腎機能が寛解することもわかってき ました。(右*A一図)
一方、しっかり血圧をコントロールした後に、血糖コントロールした場合、腎機能への影響はさま ざまであるが、年間の腎機能(GFR)低下はHbAlcの高い人ほど大きく、低い人ほど小さいことが、
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報告されています。 (右*B一図)
つまり、ABCの3つの危険因子全てをコントロー
ルすれば、下図のように糖尿病性腎症は進展しない と強調される所以です。●糖尿病性腎症における腎生検の適応
2型糖尿病では、糖尿病罹病期間が確実にわからな いため、腎生検により確定診断をつける必要がある 場合があります。
日本腎臓学会では、下記のようなときに、腎生検を 考慮すべきとしています。
●糖尿病罹患後、予測していたよりも短期間で(10 年未満)タンパク尿が出現した場合。
●尿中赤血球および尿円柱の出現。
●腎機能の急速な悪化。
●血清クレアチニンは上昇したが、尿中アルブミン 排泄量または尿タンパク排泄量の増加が見られな い場合。
KIDNEY 〜へESSAGE Vol.4
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GFRの低下
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HbAlc(%)
0
(因子の数)0 1 2
因子:●HbAIc旧く8.096 ●収縮期く115mmHg1
1 1
3
●コレステロール<198mg/dl,
中性脂肪く145mg/dl
●膵島移植
2000年にカナダのエドモントンにあるア ルバ一考大学で初めて、膵島移植に関す る非常に良い報告がなされ、わが国でも
2004年4月7日に京都大学で国内初めて
施行され、インスリン離脱に成功しまし た。ただし、腎と膵島の同時移植は、ま だ実験段階にあります。さまざまな移植方法における患者生存率 と移植腎の必着率に関する研究では、腎 と膵の同時移植がもっとも成績がよく、
糖尿病でない患者の成績とほぼ同様であ ったことが示されています。(右図)
膵腎同時移植(SPK)、死体ドナーからの腎移植(DM−cad)、
生きたドナーからの腎移植(DM−live)を受けた糖尿病患者の
推定生存率と、糖尿病でない患者における初回の死体ドナー
からの腎移植(1。renal)後の推定生存率との比較。マ
患器 憂ll 墓ll 角器
10renal
SPK
DM−live
DM−cad
01234567B9
時間(年)
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KIDNEY MESSAGE Vol,4
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● 腎臓食ワンポイントNo4
尿量が減少してくると、水分の制限が必要になります。尿量が減少すると、水分は体内にたまり、
血液中にも水分が増え、心臓は水分の多くなった血液を全身に回そうとし、血圧を必要以上に高く して頑張らなくてはならなくなり、心臓や血管に負担がかかります。また、体重増加や貧血の原因 にもなります。水分の少ない食事をとっても、1日800ml〜1000mlの水分が含まれます。
飲み水も取りすぎないようにし、水分をコントロールしましよう。
〈ポイント〉
①煮汁は盛り付けない
②麺の汁は残す
③雑炊やお粥を食べ過ぎない
④氷を食べすぎない
⑤湯飲み茶碗を小さくする
⑥水分の増加の多い時は、ご飯をパンやもちにかえてみる
⑦カレーや鍋物など水分の多い料理は重ねてとらない
⑧塩分はひかえる
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