3
II.超硬合金スクラップのリサイクルを取り巻く現状
II-1.
超硬工具の生産・輸出入の動向
1. 超硬工具の国内生産動向 わが国で生産される超硬工具は、輸送機械製造業等の活況に伴い、近年その出 荷量が増加傾向にあったが、米国リーマン・ブラザーズ社の破綻に端を発する金 融危機の影響を受けて平成20年度には減少に転じている。平成19年度には約 3,500億円近い出荷額を記録していたが、平成21年度には2,000億円近くにまで 落ち込んでいる。内訳をみると切削工具の出荷額が最大であり、金額ベースで7 割以上を占める(図表 1)。しかし、平成22年度後半から海外需要の高まりに よって、国内外で生産能力増強のための投資が相次いでいることから、平成22 年度には出荷増に転じることが想定される。 図表 1 超硬工具の出荷推移 (資料)超硬工具協会資料 0 1,000 2,000 3,000 4,000 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 出荷金額(億円) 切削工具 耐摩工具 鉱山土木工具 その他工具 焼結体・工具 2,120 2,001 3,572 2,834 2,0352. 超硬工具の輸出入動向 国内で生産された超硬工具の一部は海外に輸出されている。自動車産業等で進 展する海外生産の拡大に伴い、その輸出量は近年増加傾向にある。超硬工具の輸 出総額は、平成19年度に900億円を超えおり(金融危機の影響を受けて翌平成20 年度には約700億円程度、その次の平成21年度には約550億円程度にまで落ち込 んでいる)、その約7割は超硬チップである(図表 2、図表 3)。主な輸出先 は、日系メーカーが多数進出している東南アジアである(図表 4)。後述する 超硬合金スクラップの排出実態に関する調査でも海外工場には国内工場と同一 型番の超硬工具を使用させているという企業が存在すると確認できていること から、海外日系工場における日本製超硬工具のニーズは依然大きいものと想定さ れる。なお、超硬工具には使用に伴って摩耗や欠損が発生するという特性がある ため、いずれの国においても超硬工具ユーザーの頻繁な交換ニーズに応じること のできるサービス体制(迅速な供給ネットワーク、細やかなニーズに対応できる 工具の品ぞろえ)が求められる。そのため、超硬工具を輸出する主な相手国では、 我が国超硬工具メーカーの営業網が発達している。 一方、海外から輸入される超硬工具は、平成21年度で290億円ほどある(図表 2)。主な相手国は、韓国、中国、イスラエルなどであり(図表 4)、いずれも 主要な超硬工具メーカーが拠点を構える国である。 図表 2 超硬工具の輸出推移 250 500 750 1,000 (億円) 輸出計:439 輸出計:355 輸出計:902 輸出計:711 輸出計:553
5 図表 3 超硬工具の輸入推移 図表 4 超硬工具の国別輸出割合 (注1)「チップ」はチップ状態で輸出入されるチップ。「製品工具」は超硬合金製の刃先を 装着して輸出入される製品工具。 (注2)製品工具:原典では「超硬工具」として記載。エンドミル、ドリル、フライス等のチ ップ以外の超硬工具にほぼ相当することから本報告書では「製品工具」として表記。 (資料)超硬工具協会資料 0 250 500 750 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 (億円) 超硬チップ(輸入) 超硬工具(輸入) 輸入計:247 輸入計:254 輸入計:549 輸入計:460 輸入計:290 (注)一部、超硬工具協会による推計を含む。 (資料)超硬工具協会資料 0 250 500 750 1,000 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 輸出金額(億円) 東南アジア 欧州 北米 その他 371 873 849 553
図表 5 超硬工具の国別輸入割合 (注)一部、超硬工具協会による推計を含む。 (資料)超硬工具協会資料 0 250 500 750 1,000 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 輸出金額(億円) 中国 韓国 ドイツ スウェーデン アメリカ イスラエル その他 261 541 533 290
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II-2.
超硬工具の用途
国内における超硬工具の主な需要先としては、輸送機械製造業(自動車、二輪 車など)、一般機械製造業(金属工作機械、金型など)、電気・電子機械製造業 (プリント基板、各種電子機器など)などがある(図表 6)。出荷金額の割合 は、自動車等の輸送機械製造業向けが最大であり、平成21年度の場合で37.1% を占める。 図表 6 超硬工具の主な用途割合(出荷金額ベース) (注1) ●輸送機械:四輪自動車・同部品、二輪自動車・同部品、航空機、鉄道車両など、 ●一般機械:金属工作機械、金属加工機械、金型、軸受、産業機械、化学機械、風水 力機械、紙工機械など、●電気・電子機械:プリント基板、回転機、産業用電子機器、 携帯電話・カメラ等のケース等、●鉄鋼:鋼材加工(圧延、伸銅、伸線)、製缶工具 等、●鉱山土建:土木建設機械、鉱山機械、鉄構物等、●その他:超高圧アンビル、 ペンボール、精密ゲージ類、不織紙切断等 (注2) 各年度 11 月時点データ (資料)超硬工具協会資料 0% 20% 40% 60% 80% 100% 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 出荷先割合(出荷金額ベ ー ス ) 輸送機械 一般機械 電子・電気機械 鉄鋼 鉱山土建 その他II-3.
超硬工具向けタングステンの供給動向
1. 超硬工具向け各種原料の消費動向 超硬工具に取り付けられる超硬合金の原料には、タングステン(タングステン カーバイド、金属タングステン)、コバルト、タンタルなどがある。このうち、 消費量ではタングステンカーバイド(炭化タングステン)が最大である(図表 7)。 超硬工具の需要と相関してこれら原料の需要も上下しており、金融危機の影響を 受ける前の平成19年度には、国内で5,000トン近いタングステンカーバイド(炭 化タングステン)を消費している。タングステンは、超硬工具の生産に必要不可 欠の原料であることがわかる。 超硬工具向けに消費される原料(タングステン、コバルト、タンタル)はいず れもレアメタルと称される希少金属であり、タングステンについては超硬工具向 け用途が最大(90.4%)である(図表 8)。ここから超硬合金スクラップは、 タングステンを含むスクラップの中では最大の賦存量を有するスクラップであ ることがわかる。 図表 7 超硬工具メーカーにおける超硬合金原料の消費量の推移 (注1)ここにおける「金属タングステン」はタングステン粉をいう (注2)ここにおける「炭化タングステン」はタングステンカーバイドをいう。 (資料)超硬工具協会資料 0 2,500 5,000 7,500 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 資材消費量(ト ン ) 炭化タングステン 金属タングステン 金属コバルト粉 カーボン 酸炭化チタン 銀ロー 炭化タンタル 複合炭化物 5,284 3,734 6,317 6,105 4,707 3,9059 図表 8 超硬合金原料となる各種原料の用途 (注1)タングステンは金属タングステンおよびフェロタングステンなどを含む。 (注2)それぞれの金属純分に換算した場合の重量比 (資料)石油天然ガス・金属鉱物資源機構「鉱物資源マテリアルフロー2009」 タングステン用途 コバルト用途 タンタル用途 超硬工具 90.4% 特殊鋼 0.8% その他 (触媒・接 点・触媒 等) 8.7% リチウム イオン電 池 84.4% 特殊鋼 5.7% 超硬 工具 3.1% 板棒線 1.8% その他 5.8% 高温炉 ヒーター 材 3.7% タンタルコ ンデンサ 29.0% ターゲット 材 15.9% その他 (光学レン ズ・超硬 工具・在 庫・素材 輸出等) 48.2%
2. 超硬工具向けタングステンの輸入動向 超硬合金の主原料であるタングステン(超硬合金製造時にはタングステンカー バイドの形態で消費)は、国内における再生処理由来のものを除き、全て海外か らの輸入に頼っている1。輸入の際は、直接原料であるタングステンカーバイド (炭化タングステン)の形態で輸入されるされるものも存在するが、大半は三酸 化タングステン、パラタングステン酸アンモニウム(APT)などといった中間 原料の形態で輸入されることが多い。 わが国が輸入するタングステンの過半数は、世界最大のタングステン供給国 (後述)である中国からの輸入に頼っている(図表 9)。中国政府は、国内産 業の高度化を図る目的で輸出抑制的な政策を近年打ち出しており(後述)、タン グステンの調達を中国に大きく頼る我が国の場合、その影響を強く受けることが 懸念されている。なお、金融危機の影響を受け、平成21年にはタングステン資 源の輸入が一時的に大きく減少しているものの、その後の海外需要の回復等を受 け、平成22年には輸入量が平成20年なみに回復している。 図表 9 わが国におけるタングステン資源の輸入(タングステン純分換算) (注1)タングステンを含有する全製品について、純分換算率を乗じて積算したもの 0 2,500 5,000 7,500 10,000 12,500 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 我が国に お け る 超硬工具原料の輸入量(タ ン グ ス テ ン 純分換算ト ン ) 4,316 10,173 10,799 8,323 9,685 72.8% 72.4% 72.8% 75.3% 61.2% その他(ドイツ・米国など) 中国 10,730 81.0%
11 3. 世界におけるタングステンの供給動向 米国地質調査所の推計によれば、世界におけるタングステン供給量は61,000 トン(2010年・純分換算)と見積もられている(図表 10)。このうち、8割近 く(純分換算で52,000トン)が中国からの供給である。中国以外の供給国とし て、ロシア、カナダ、オーストリア、ボリビア、ポルトガルなどがある。過去に はオーストラリア、ブラジル、フランス、日本、韓国、スウェーデン、米国など の国々でもタングステンを採掘していたが、採算性の面から現在は採掘を停止し ている。 世界におけるタングステンの賦存量は、可採埋蔵量で290万トン、原始埋蔵量 で620万トンと推計されており、7割近くが中国に賦存する(図表 11)。国際 タングステン協会(International Tungsten Industry Association)によれ ば、約3割が鉄マンガン重石(Wolframite)の形態で賦存し、約7割が灰重石 (Scheelite)の形態で賦存すると考えられている。 このほか、鉱石からの一次供給とは別に超硬合金スクラップからの二次供給も 世界のタングステン供給で重要な位置を占めている。国際タングステン協会の予 測によれば、世界で供給されるタングステンの約3割は、超硬合金スクラップの 再生処理によるものであるとされている。超硬合金スクラップには、超硬工具メ ーカーで発生する焼結前のこぼれ粉や研削スラッジ(ソフトスクラップ)のほか、 使用済み超硬工具や焼結失敗品(ハードスクラップ)がある。 図表 10 世界におけるタングステン供給推移(鉱石からの一次供給)
(資料)U.S. Geological Survey「Mineral Commodity Summaries」 その他 米国 中国 0 25,000 50,000 75,000 100,000 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 生産量( タ ン グ ス テ ン 純分ト ン ) 中国産鉱石の安値攻勢 (1990年以降、中国産鉱石の 世界シェアが50%を超える)
図表 11 世界のタングステン資源賦存状況 【原始埋蔵量】 【可採埋蔵量】 (注1)原始埋蔵量合計(W純分換算)=620万トン、可採埋蔵量合計(W純分 換算)=290万トンと推計されている。
(資料)U.S. Geological Survey「Mineral Commodity Summaries, 2009・2011」 米国 3.9% 中国 50.0% カナダ 7.2% ロシア 6.9% その他 31.9% 中国 50.0% カナダ 5.8% ロシア 5.0% 米国 2.4% その他 36.8%
13 4. 中国におけるタングステン関係の政策動向 中国は自国に豊富な非鉄金属資源を活用しながら、自らの経済発展に結びつけ る方針を明確に打ち出しており、タングステンもそうした資源の一つに組み込ま れている。こうした政策の基本方針は、鉱産資源政策白書(中国的矿产资源政策 白皮书 2003年)や第11次五ヵ年計画(2006~2011年)などに確認できるが、 すでに1990年代からその前段階としての動きが存在する(図表 12)。 中国政府は、付加価値の低い原材料を主体とする輸出構造から付加価値の高い 製品を主体とする輸出構造への移行促進を目指し、特に輸出管理の強化および国 内生産の管理強化を積極的に進めている。2000年代に入ってから、国内の付加 価値税である増値税の還付撤廃、輸出関税の賦課を行っている(図表 13)。こ のほか、超硬工具向け中間原料となる各種タングステン製品は、全て輸出許可枠 の範囲内において輸出が許可される品目の対象とされており、2002年以降、逓 減傾向にあったが、ここ数年15,000トン前後で推移している(図表 14)。輸出 許可枠を付与されている企業の多くは、資本力を備えた国営企業が多いため、生 産活動などについても政府の指導を受けながら行っているものと見られ、世界に おけるタングステンの供給は、中国政府の意向に大きく左右されやすい構造とな っている。
図表 12 タングステンの生産・輸出に係る中国政府の政策動向 施行年月 政策等の概要 ポイント 1991年1月 タングステン・錫・アンチモン・イオン吸着鉱レアアースの国家保護性 鉱種指定に係る通知(国务院关于将钨、锡、锑、离子型稀土矿产 列为国家实行保护性开采特定矿种的通知) タングステン、錫、アンチモン、イオン吸着鉱レアアース(主 に重希土類)を「国家保護性鉱種」に指定 鉱石生産に関する国家管理強 化 2001年 タングステンE/L発給制度(钨品出口配额制) タングステン素材等をE/L(輸出許可証)発給制度の対象品目 に指定 素材輸出に関する国家管理強 化 2002年4月 外国企業投資方向の指導規定(指导外商投资方向规定) 外国企業による投資プロジェクトを奨励、許可、制限、禁止 の4 項目に分類 外国企業の参入規制強化 2004年1月 輸出貨物還付税率調整に関する通知 (调整出口货物退税率的通知) 輸出増値税還付撤廃(精鉱・くず類) 素材輸出の引き締め(実質的 な輸出価格引き上げ) 2005年1月 輸出貨物還付税率調整に関する通知 (调整出口货物退税率的通知) 輸出増値税還付撤廃(フェロタングステン) 素材輸出の引き締め(実質的 な輸出価格引き上げ) 2005年5月 輸出貨物還付税率調整に関する通知 (调整部分产品出口退税率的通知) 輸出増値税の還付引下げ(APT・WCなどの中間製品) 素材輸出の引き締め(実質的 な輸出価格引き上げ) 2005年8月 加工貿易禁止商品目録(加工贸易禁止类商品目录) タングステン精鉱に関する国外からの受託加工の禁止 中国以外の鉱石に関する精錬 引き受けの禁止 2005年12月 産業構造調整指導目録(产业结构调整指导目录) タングステンに関する新規の鉱山・精錬事業を禁止 国内資源の保護 2006年1月 輸出貨物還付税率調整に関する通知 (调整部分产品出口退税率的通知) 輸出増値税の還付引下げ(APT・WCなどの中間製品) 素材輸出の引き締め(実質的 な輸出価格引き上げ) 2006年4月 タングステン・レアアース採掘総量資源指標 (钨矿稀土矿开采总量控制指标) 年間採掘総量を政府が制御するための指標を設定開始(鉱石生 産量の枠として59,060tを設定) 鉱石生産に関する国家管理強 化 2006年9月 輸出貨物還付税率調整に関する通知 (调整部分商品出口退税率和增补加工贸易) 輸出増値税の還付撤廃 素材輸出の引き締め(実質的 な輸出価格引き上げ) 2006年11月 輸出入関税税率調整に関する通知 (调整部分商品进出口暂定税率的通知) 輸出関税の課税開始 素材輸出の引き締め(輸出関 税の課税開始) 2007年1月 輸出入関税税率調整に関する通知 (调整部分商品进出口暂定税率的通知) 輸出関税の課税率引き上げ 素材輸出の引き締め(輸出関 税の税率引き上げ) 加工貿易禁止商品目録(加工贸易禁止类商品目录) タングステン中間製品について国外から原料を受け入れて受 託加工することの禁止 中国で生産された高加工度製 品の販売促進 2007年6月 輸出入関税税率調整に関する通知 (调整部分商品进出口暂定税率的通知) 輸出関税の課税率引き上げ 素材輸出の引き締め(輸出関 税の税率引き上げ) 2008年1月 輸出入関税税率調整に関する通知 (调整部分商品进出口暂定税率的通知) 素材輸出の引き締め(輸出関 税の税率引き上げ)
15 図表 13 中国政府による増値税還付・輸出関税の賦課動向(タングステン) 図表 14 中国における輸出許可枠(E/L発給総量)の推移(タングステン) (注)従来、中国政府は輸出促進の観点から国内付加価値税である「増値税」の還付を輸出事業 者あて実施していたが(輸入者からみると中国国内よりも安価に購入できることにな る)、還付撤廃によってそのような優遇措置は廃されている。 (資料)総合資源エネルギー調査会鉱業分科会レアメタル対策部会(第7回)資料、アルム出版 社「レアメタルニュース」、中国政府商務部ホームページ 2004年 2005年 2006年(上) 2006年(下) 2007年 2006 2007年(上) 2007年(下) 2008年 2009年 2010年 2011年 2611.00.00タングステン鉱石(钨矿砂及其精矿) 0% (輸出関税の賦課なし) 20% 2620.99.10タングステン含有灰(主要含钨的矿灰及残渣) (還付撤廃せず) 10% 2825.90.11タングステン酸 (钨酸) 0% 0% 10% 5% 2825.90.12三酸化タングステン (三氧化钨) 0% 0% 5% 10% 5% 2825.90.19 その他タングステン酸化物および水酸化物(其他钨的氧化物和氢氧化物) 0% 0% 10% 5% 2841.80.10 アンモニウムパラタングステン(APT) (仲钨酸铵) 0% 0% 5% 10% 5% 2841.80.20 タングステン酸ナトリウム (钨酸钠) 0% 0% 10% 5% 2841.80.30 タングステン酸カルシウム(钨酸钙) 0% 0% 10% 5% 2841.80.40 アンモニウムメタングステン(AMT)(偏钨酸铵) 0% 0% 5% 10% 5% 2841.80.90 その他のタングステン酸塩 (其他钨酸盐) 0% 0% 10% 5% 2849.90.20 炭化タングステン(碳化钨) 0% 0% 5% 7202.80.00 フェロタングステン ※以下に細分化(钨铁) 8% 5% 0% 10% - - - 7202.80.10 フェロタングステン (钨铁) 20% 7202.80.20 フェロシリコンタングステン (硅钨铁) 20% 8101.10.00 タングステン粉(钨粉) 8% 5% 0% 0% 5% 5% 8101.94.00 タングステン塊 (未锻轧钨) 8% 5% 0% 0% 5% 5% 8101.95.00 タングステン棒、形、板 (锻轧钨条、杆、型材、异型材等) (還付撤廃せず) (輸出関税の賦課なし) 8101.96.00 タングステン線(钨丝) 5% (還付撤廃せず) (輸出関税の賦課なし) 8101.97.00 タングステンくず(钨废碎料) 0% 15% 8101.99.00 その他のタングステン製品 (其他钨制品) 5% (還付撤廃せず) (輸出関税の賦課なし) HSコード 品名 増値税の還付率 輸出関税の賦課率 (注1)単位はタングステン純分換算(金属換算)・千トン (注2)上記数値は、各企業に割当を行なう前にまず決定される総量値による。 (資料)アルム出版社「レアメタルニュース」、中国政府商務部ホームページより三菱UFJリ サーチ&コンサルティング作成 18.2 16.3 14.6 14.3 15.7 0 5 10 15 20 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 E /L 発給総量( 金属換算・ 千ト ン ) 2005年以降、平均で年率 3%程度の減少が継続 2011年は前年比増に変化 (2010年10月発表)
5. 超硬工具向けタングステンの価格動向 タングステンの国際的な価格動向を中間原料であるAPT(パラタングステン 酸アンモニウム)の価格でみた場合、中国政府による国内付加価値税(増値税) の還付率引き下げ等を要因として、2005年以降、約200.0ドル/MTU(metric ton unit=WO3 換算10kgあるいはW 換算7.9kg:国際的な取引単位)を概ね維持 していたが、金融危機後の需要回復を受け、再び上昇傾向にある(図表 15)。 2010年の冬以降は、金融危機の影響を受けて世界各国の需要も冷え込み、価格 も下落傾向にある。 タングステンの国際相場を上昇させる方向に働く主な要素としては、新興国の 自動車需要などを受けた超硬工具向けタングステンの需要拡大、世界最大のタン グステン供給国である中国の輸出抑制的な政策動向(輸出関税の引き上げ、輸出 許可枠の発給抑制など)などがある。一方、国際相場を下降させる方向に働く主 な要素としては、新規鉱山の開発や超硬合金スクラップのリサイクルの大幅な拡 大などがある。2010年以降は、新興国における自動車生産等の需要回復に伴い、 再び超硬工具需要も増加傾向にあり、需給バランスの観点からはタングステン相 場は引き続き高騰する可能性があると見られる。 図表 15 超硬工具中間原料(APT)の国際相場推移(月間中値) 338.1 52.8 91.9 141.9 290.0 227.5 282.5 0.0 50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 300.0 350.0 400.0 3月5月7月9月11月 3月5月7月9月11月 3月5月7月9月11月 3月5月7月9月11月 3月5月7月9月11月 3月5月7月9月11月 3月5月7月9月11月 3月5月7月9月11月 (ド ル/ W O 3-10k g) 2004年12月 2003年1月 2005年3月 2005年6月 2005年9月 2006年3月 2011年1月 中国増値税の還付率引き 下げ(2004年1月) 中国増値税の還付率引 き下げ(2005年5月) 中国増値税の還付率引き 下げ(2006年1月) 中国増値税の還付率引 き下げ(2006年9月) 中国輸出関税の賦課 開始(2007年1月) 中国国内の鉱山に対する資源税 率の引き上げ(2007年8月) 中国輸出関税の賦課率 引き上げ(2008年1月) 中国輸出関税の賦課率 引き下げ(2009年7月)
17
II-4.
超硬合金スクラップのリサイクル状況
1. 超硬合金向けタングステンのマテリアルフロー 既往調査2 図表 16 における超硬合金向けタングステンのマテリアルフローの推計手法 を活かしながら、統計データなどは適宜時点更新を行った上で、2009年段階に おけるフロー推計を行った(推計方法に関する詳細は、資料編を参照)。これに 基づいて得られるリサイクル率は、算定方法にもよるが国内の製精錬事業者を主 体とするメーカー主体リサイクル率で概ね15~20%、海外の実質的な委託精錬 も含めた全体リサイクル率では30~35%もの数値を記録している( )。 金融危機後の2009年時点では、国内における超硬工具の生産が低迷しており、 製品に付随して輸出されるものや工具としてそのまま輸出されるものの割合が 従来に比して高くなっているが、海外に輸出されたまま国内には還流しない超硬 合金スクラップの存在や、切削粉と一緒に混合処理されていたり、また結果とし て他の金属くずと一緒に処理されているせいで超硬工具向けには再生処理され ない廃棄等(推計残分などの行方不明分も含む)の存在が、リサイクルを低水準 に留めている要因と考えられる。 図表 16 我が国における超硬合金スクラップのリサイクル率 2 平成18年度経済産業省3Rシステム化可能性調査。 W純分換算 国内における超硬工具生産 2,801 A 国内における超硬工具販売(製品随伴輸出を除く) 2,585 B 海外からの超硬工具輸入量 460 C 国内の製精錬事業者でのリサイクル 496 D 海外の製精錬事業者でのリサイクル 394 E 国内と海外の製精錬事業者でのリサイクル 890 F リサイクル率 メーカー主体リサイクル率(D/A) 17.7% 全体リサイクル率(F/A) 31.8% メーカー主体リサイクル率(D/B) 19.2% 全体リサイクル率(F/B) 34.4% メーカー主体リサイクル率(D/(A+C)) 15.2% 全体リサイクル率(F/(A+C)) 31.8% 1.分母に国内の超硬工具生産量をとる場合 2.分母に国内の超硬工具販売量(製品随伴による輸出を除く)をとる場合 3.分母に国内の超硬工具生産量および海外からの輸入量をとる場合 分子 分母 (注1)数字は、2009年時点におけるタングステン純分換算した場合のフロー。単 位:千トン(タングステン純分)。 (注2)分母に採用するデータによってリサイクル率の割合は異なる。 (資料)三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成図表 17 超硬合金向けタングステンのマテリアルフロー(2009年時点) (注)数字は、2009年時点におけるタングステン純分換算した場合のフロー。単位:千ト ン(タングステン純分) (資料)三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成 超硬工具メ ーカ ー( 国内) 超硬工具ユ ーザ ー ( 国内) 超硬工具メ ーカ ー 回収事業者 (市中ス ク ラ ッ プ の 回 収) 製精錬事業者 超硬工具 メ ーカ ー( 国内) 廃棄等 特殊鋼 2.80 0.36 0.58 1.34 0.82 1.34 0.40 0.50 0.07 0.17 国内 海外 0.39 メーカー (工程内スクラップ) ※全量製精錬事業者へ (超硬工具) 輸入 0.46 輸出 1.12 (超硬工具としての輸出) (超硬工具) 0.22 (工作機械部品としての輸出) (スクラップとしての輸出) 超硬工具メ ーカ ー( 国内) 超硬工具メ ーカ ー( 国内) 超硬工具ユ ーザ ー ( 国内) 超硬工具メ ーカ ー 超硬工具メ ーカ ー 回収事業者 (市中ス ク ラ ッ プ の 回 収) 回収事業者 (市中ス ク ラ ッ プ の 回 収) 製精錬事業者 超硬工具 メ ーカ ー( 国内) 廃棄等 特殊鋼 2.80 0.36 0.58 1.34 0.82 1.34 0.40 0.50 0.07 0.17 国内国内 海外海外 0.39 メーカー (工程内スクラップ) ※全量製精錬事業者へ (超硬工具) 輸入輸入 0.46 輸出 1.12 (超硬工具としての輸出) (超硬工具) 0.22 (工作機械部品としての輸出) (スクラップとしての輸出)