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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 )    原 渕    祐

学 位 論 文 題 名

    Theoretical study of multi‑channel elementary processes of chemical reactions through bifurcation and conical intersections    (経路分岐および円錐交差を介した多生成物反応素過程の理論的研究)

学位論文内容の要旨

    化 学反 応 に は 、 一 組の 反 応 物 か ら複 数 の 組 の 生成 物 が 得 ら れる 多 生 成 物 反 応が 数 多 く存 在する 。 多生 成 物 反 応 にお い て 一 組 の 反応 物 か ら 様 々を 生 成 物 へ と枝 分 か れ す る機 構 は 多 種 多 様で あり、 たと えば 反 応 サ イ トが 多 数 あ る 反 応、 鏡 像 異 性 体が 生 成 す る 反応 、 光 異 性 化反 応 、 光 励 起 後の 失活チ ャン ネル が 複 数 あ る光 反 応 も 広 い 意味 で 多 生 成 物反 応 と 言 え る。 化 学 反 応 にお い て 生 成 物 がた だ一種 であ る反 応 は 稀 で あり 、 ど の 生 成 物の 組 が 有 利 に得 ら れ る か 、反 応 条 件 に よる 生 成 比 の 変 化を 支配す る機 構は 何 か 、 な どを 解 明 す る こ とは 化 学 の 重 要課 題 の ー つ であ る 。 電 子 基底 状 態 で 進 行 する 多生成 物反 応 の 機 構 は 、 素 反 応 に基 づ き 理 解 され る 。 素 反 応と はA ‑*Bの よ う に 一組 の 反 応 物 から 一 組 の 生 成物 が生 じ る 過 程 であ り 、 複 数 の 組の 生 成 物 が 生じ る 過 程 は 平行 反 応 と 逐 次反 応 の 組 み 合 わせ によっ て理 解さ れ て き た か、 カ テ ゴ リ ー とし て は 一 組 の反 応物か ら二組 の生成 物が生 じる 分岐反 応も考 えられ る。

一方 、 光 触 媒 や螢 光 材 料 を ど に見 ら れ る 光 反応 で は 複 数 の電 子 状 態 が 関与 し 、 反 応 経 路の 分岐は さら に複 雑 に を る 。光 励 起 後 の 分 子は 基 底 状 態 と比 ベ 高 工 ネ ルギ ー 状 態 に ある た め 、 基 底 状態 では考 える 必要 の 無 か っ た高 工 ネ ル ギ ー の活 性 化 障 壁 を超 え る 反 応 が進 行 す る 可 能性 が あ り 、 さ らに 電子状 態間 の 遷 移 を 考 慮 す る 必 要も 出 て く る 。状 態 間 遷 移 には 、 円 錐 交 差(ConicalIntersection: CI)を通 じ て の非 断 熱 遷 移 、項 間 交 差 を 通 じた 三 重 項 状 態へ の 遷 移 、 螢光 や 燐 光 に よる 失 活 を ど が あり 、これ らが 組み 合 わ さ る こと で 様 々 を 反 応経 路 を と る こと か 可 能 と をる 。 一 般 に 実験 研 究 で は 、 実験 条件を 変え をが ら 生 成 物 の生 成 分 岐 比 、 反応 速 度 、 励 起寿 命等を 測定し 、反応 機構を 推論 する。 一方理 論研究 は、

近年 の 計 算 機 性能 の 著 し い 向 上と 電 子 状 態 理論 の 顕 著 を 発展 に 伴 い 、 実験 研 究 が 対 象 とす るより 現実 的を 分 子 系 を 取り 扱 う こ と が 可能 と を っ た 。加 え て 、 反 応経 路 の 解 析 手法 や シ ミ ュ レ ーシ ョン手 法も 大き く 発 展 し てい る 。 私 の 興 味は 、 多 様 を 化学 反 応 の 経 路分 岐 の 機 構 を理 論 研 究 の 立 場か ら解明 する こと に あ る 。 本論 文 で は 、 ま ず電 子 基 底 状 態で 起 こ る 素 反応 の 分 岐 反 応経 路 に 焦 点 を あて 、さら に複 数の 電 子 状 態 が関 与 す る 光 異 性化 反 応 、 複 数の 失活チ ャンネ ルが存 在する 光反 応へと その対 象を広 げ、

多様 を 経 路 分 岐に 対 す る 解 析 方法 を 提 案 す る。

    1章 で は 、本 学 位 論 文 の研 究 背 景 ・ 意義 に つ い て 詳細 に 述 ベ 、 議 論を 展 開 し て いく 上 で 必 要 とを る ポ テ ン シ ャ ル エ ネ ルギ ー 曲 面(PES)等 の基 礎 概 念 の 定義 、 反 応 経 路 解析 手 法 、 シ ミュ レ ー シ ョ ン手 法、 本 論 文 で 用い た 電 子 状 態 計算 の 理 論 に つい て ま と め る。

    2章 と3章 で は 、 電 子 基 底 状 態 に お け る ポ テ ン シ ャ ル 曲 面 上 で 定 義 さ れ る 固 有 反 応 経 路(IRC) が経 路 の 途 上 で谷 底 か ら 尾 根 へと 変 化 す る 分岐 反 応 経 路 の研 究 に 取 り 組ん だ 。 分 岐 反 応経 路につ いて は、 経 路 の 途 中で 対 称 性 が 落 ち、 キ ラ ル を 分子 が 生 成 す る場 合 に つ い ては 多 く の 理 論 研究 がある が、

反応 経 路 が ま った く 異 を る タ イプ の 生 成 物 に分 岐 す る 全 対称 分 岐 反 応 (分 子 の 対 称 性 が保 持され た座 標空 間 の 中 で 起こ る 分 岐 ) は 通常 の 量 子 化 学計 算 で 見 出 すこ と は 難 しく、 研究例 は少を い。2章で は、

―1361―

(2)

「 全 対 称 分 岐 反 応 」 の 例 と し て 報 告 さ れ て い る 電 子 移 動 反 応H2CO一 十CH3C1に 対 し 反 応 経 路 に 沿 っ た 振 動 解 析 、 電 荷 解 析 、 反 応 経 路 の 曲 率 解 析 、 励 起 状 態の 計 算を 行い 、 それ らの 結 果か ら、 全 対称 分 岐 反 応 が 反 応 経 路 の 急 激 な 湾 曲 に よ っ て 引 き 起 こ さ れ るこ と を明 らか に した 。3章 では 、2章 で 調べ た 反 応 の 反 応 経 路 が 途 中 で 三 つ の 方 向 へ と 分 岐 し(trifurcation)、 三つ の 生成 物へ 至 る「 三方 向 分岐 反 応 」 で あ る こ と を 見 出 し 、 そ の 解 析 を 行 っ た 。 三 方 向 分岐 経 路は 本研 究 で初 めて 導 入さ れた 概 念で あ り 、 こ の 特 徴 を 有 す る 具 体 的 を 反 応 と し て も 本 反 応 が 最初 の 例と をる 。 本研 究で は 、ポ テン シ ヤル 曲 面 の 形 状 に 基 づ き 分 岐 点 よ り 三 つ の 生 成 物 に 至 る 経 路 を定 義 し、 反応 経 路に 直交 す るポ テン シ ャル 曲 面 の 等 高 線 を 示 し て 多 分 岐 反 応 に 対 す る 解 析 方 法 を 提 案 し た 。

    4章 と5章 で は 、 電 子 基 底 状 態 の 熱 反 応 か ら 電 子 励 起状 態 の関 与す る 光反 応へ と 議論 を広 げ 、工 業 的 に も 光 ス イ ッ チ と し て 重 要 を ア ゾ ベ ン ゼ ン の 光 異 性 化反 応 を調 べた 。 近年 の実 験 から 、ト ラ ンス ア ゾ ベ ン ゼ ン はS2(兀 兀 * ) 励 起 後110 fsと い う 超 高 速 でSl(n兀* ) 状態 の平 面 構造 へと 失 活し 、S2(兀 兀 * ) 励 起 とSl(nガ* )励 起 では 同じ 緩 和経 路を 辿 ると 報告 さ れて いる 。 また 、ラ マ ン分 光実 験 によ り 基 底 状 態 とSl(n汀 * ) 状 態 に お い てNN伸 縮 の 振 動 数 が ほ と ん ど 変 化 し を い こ と が 見 出 さ れ 、 ト ラ ン ス ア ゾ ベ ン ゼ ン の 光 異 性 化 反 応 で はNNの 二 重 結 合 性 が 保 持 さ れ 平 面 構 造 が 保 た れ る と 報 告 さ れ て い る 。4章 で は 、 ト ラ ン ス ア ゾ ベ ン ゼ ン の 第 一 励 起 状 態 (n汀 * )へ の励 起 後基 底状 態 に失 活す る まで の 過 程 に 注 目 し 、 振 動 解 析 と 分 子 軌 道 解 析 か ら 異 性 化 機 構を 議 論し た。 多 参照 摂動 理 論に 基づ く 振動 解 析 の 結 果 か ら 、 ト ラ ン ス ア ゾ ベ ン ゼ ン で はNN結 合 の 周 り を2つ の フ ウ ニ ル 基 が 回 転 し て もNN結 合 長 が ほ と ん ど 変 化 せ ず 、NN結 合 次 数 が 変 化 し な い こ と が明 ら かと なっ た 。こ の特 徴 は、 「二 重 結合 が 切 れ を け れ ぱ 回 転 す る こ と が で き を ぃ 」 と い う 化 学 的 を直 観 とは 大き く 異を って お り、 光異 性 化反 応 の 分 子 構 造 変 化 の 描 像 に 深 い 洞 察 を与 える も ので ある 。5章 で は、 第二 励 起状 態( ガ 兀* 状態 ) から の 超 高 速 失 活 過 程 に 対 し て 、 多 参 照 摂 動 法 の レ ベ ル で 最 急降 下 経路 の計 算 を初 めて 実 現し た。 こ れま で の 理 論 計 算 で は 兀 兀 *2の 二 電 子 励起 状 態が 失活 過 程に 関与 す ると 考え ら れて いた が 、そ うで は なく 、 兀 兀 * 状 態 に 励 起 後 直 接 n兀 * 状 態 へ と 失 活 す る こ と を 初 め て 明 ら か に し た 。     6章 で は 、 励 起 状 態 間 の 遷 移 に お い て 重 要 を 役 割 を 果 た す 最 小 工 ネ ル ギ ー 円 錐 交 差(MECI)お よ び 最 小 エ ネ ル ギ ー 交 差 点(MSX)の 全 探 索 を 効 率 良 く 行 う 計 算 手 法 を 新 た に 開 発 し た 。 光 反 応 に お い て 、 非 断 熱 遷 移 に よ る 高 速 失 活 が 起 こ る か 否 か を 議 論 す る に は 、MECI構 造 の 系 統 的 探 索 が 必 須 と な る 。 最 近 、 前 田 ら が 開 発 し たGlobal Reaction Route Mapping (GRRM)法 に よ っ てMECI構 造 の 自 動 探 索 が 可 能 に を っ た が 、 計 算 コ ス ト の 観 点 か ら 小さ な 分子 にし か 適用 でき を かっ た。 本 研究 で は 、 ス ピ ン 反 転 時 間 依 存 密 度 汎 関 数 法(SF―TDDFT)とMECIの 系 統 的 自 動 探 索 法 を 組 み 合 わ せ る こ と に よ り 、 精 度 を 落 と す こ と を く コ ス ト を 大 幅 に 削 減す る こと に成 功 し、 より 大 きを 分子 系 への 適 用 を 可 能 に し た 。 本 手 法 を ェ チ レ ン と1,3‐ ブ タ ジ ェ ン に 適 用 し 、 多 数 のMECI構 造 を 得 た 。     7章 で は 、 円 錐 交 差 の 関 与 す る 光 励 起 後 の ダ イ ナ ミ ク ス の 例 と し て 、DNA塩 基 の ー つ で あ る シ ト シ ン と そ の 異 性 体 の 超 高 速 無 輻 射 失 活 過 程 に 着 目 し た。 シ トシ ンは 励 起寿 命が 非 常に 短い こ とが 実 験 的 に 分 か っ て い る が 、 理 論 研 究 に よ り こ の 過 程 に は シ ト シ ン の3つ の 励 起 状 態 が 関与 し、 各 電子 状 態 が 基 底 状 態 と の 円 錐 交 差 点 を 有 す る こ と が 報 告 さ れ てい る 。本 研究 で は、 実験 条 件で 存在 す ると 考 え ら れ る3つ の 異 性 体 ( ケ ト 、 工 ノ ー ル 、 イ ミ ノ ) の 励 起緩 和過 程 を非 断熟 遷 移を 考慮 し たab initio 分 子 動 力 学 法(AIMD)と 多 参 照 摂 動 計 算 に よ っ て 求 め た ポ テ ン シ ャ ル 曲 面 に 基 づ き 議 論 し た 。 計 算 結 果 か ら 、 各 異 性 体 で 励 起 状 態 の 様 子 は 大 き く 異 教 り 、 異を る タイ プの 円 錐交 差点 か ら失 活す る こと を 明 ら か に し た 。 ま た 、AIMD計 算 よ ル イ ミ ノ 体 の 励 起 寿 命 が 短 く 、 工 ノ ー ル 体 の 励 起 寿 命 が 長 い こ と を 明 ら か に し 、 各 異 性 体 が 実 験 で 見 ら れ た 寿 命 の 異 を るス ベ クト ルに 対 応す るこ と を明 らか に した 。     最 後 に 、 本 論 文 に お い て 新 た に 提 案 し た 計 算 手 法 、 適 用 結 果 、 将 来 の 展 望 に つい て8章 に まと め た 。

―1362―

(3)

学位論文審査の要旨

査査査査査 定

教 授 教 授 教 授 特任准教授 教 授

武 田 武 次 増 田 野 呂 長谷川

王副副副副

徹隆武 也夫司也

学 位 論 文 題 名

T h e o r e t i c a l s t u d y o f m u l t i ‑ c h a n n e l e l e m e n t a r y p r o c e s s e s o f c h e m i c a l r e a c t i o n s t h r o u g h b i f u r c a t i o n a n d c o n i c a l i n t e r s e c t i o n s

(経路分岐および円錐交差を介した多生成物反応素過程の理論的研究)

化学反応には、一組の反応物から複数の組の生成物が得られる多生成物反応が数多く存在するが、その枝分か れの機構は多種多様であり、どの生成物の組が有利に得られるか、反応条件による生成比の変化を支配する機構 は何か、などを解明することは重要課題の一つである。多生成物反応の機構は平行反応と逐次反応の組み合わ せによって説明されることが多いが、一組の反応物から二組の生成物が生じる分岐反応も考えられ、光反応では さらに複数の電子状態が関与することにより反応経路の分岐はより複雑になる。光励起分子は高エネルギーの 障壁を超える可能性もあり、電子状態遷移を考慮する必要も出てくる。状態遷移には円錐交差を通じた非断熱 遷移、項間交差を通じた三重項状態への遷移、蛍光や燐光による失活などがあり、これらが組み合わさることで 様々な反応経路をとることが可能となる。本論文では、電子基底状態で起こる素反応の分岐反応経路、電子励起 状態が関与する光異』性化反応、複数の失活チャンネルが存在する光反応へと順次焦点をあて、多様な経路分岐に 対する解析方法を提案している。

本論文は8章から構成されている。第1章では、本論文の研究背景・意義について述べ、基礎概念の定義、計 算手法や理論についてまとめている。第2、3章では、電子基底状態において反応経路が経路の途上で谷底から 尾根へと変化する分岐反応経路の研究に取り組んでいる。分岐反応経路については、経路の途中で対称性が落ち キラルな分子が生成する場合については多くの理論研究があるが、反応経路がまったく異なるタイプの生成物に 分岐する全対称分岐反応は研究例がほとんどない。第2章では「全対称分岐反応」の例として報告されている電 子移動反応に対し反応経路に沿った振動解析、電荷解析、反応経路の曲率解析、励起状態の計算を行い、全対称 分岐反応が反応経路の急激な湾曲によって引き起こされることを明らかにしている。第3章では、反応経路が 途中で三つの方向へと分岐する「三方向分岐反応」の概念を初めて導入し、具体的反応例を示して詳細な解析を 行っている。

第4、5章では、アゾベンゼンの光異性化反応を調べている。近年の実験から、トランスアゾベンゼンはS2(;i

互*)励起後超高速でSl(nn*)状態の平面構造へと失活し、S2(〃汀*励起とS1(na*)励起では同じ緩和経

路を辿ると報告されている。また、基底状態とSl(nn*)状態においてNN伸縮の振動数がほとんど変化しな いことが見出され、光異性化反応ではNNの二重結合性が保持され平面構造が保たれると報告されている。第

4章では、トランスアゾベンゼンの第一励起状態(nn*)への励起後の過程に注目し、多参照摂動理論に基づく

振動解析の結果から、トランスアゾベンゼンではNN結合の周りを2つのフェニル基が回転してもNN結合長 がほとんど変化せず、結合次数が変化しないことを明らかにしている。この特徴は、「二重結合が切れなければ 回転することができない」という化学的な直観とは大きく異なり、光異性化反応の分子構造変化の描像に深い洞

察を与える。第5章では、第二励起状態(庇冗*状態)からの超高速失活過程に対して、多参照摂動法のレベルで

最急降下経路の計算を実施し、これまで刀2瓦*2の二電子励起状態が失活過程に関与すると考えられてきた描 像を覆し、汀刀*状態に励起後直接、刀*状態へと失活することを明らかにしている。

第6章では、励起状態間の遷移において重要な役割を果たす最小エネルギー円錐交差および最小エネルギー交 差点の全探索を効率良く行う計算手法を新たに開発している。スピン反転時間依存密度汎関数法と最小エネル ギー円錐交差点の系統的自動探索法を組み合わせることにより、精度を落とすことなくコストを大幅に削減する ことに成功し、より大きな分子系への適用を可能にしている。第7章では、DNA塩基の一つであるシトシンに 着目し、実験条件で存在すると考えられる3つの異性体の励起緩和過程に対し非断熱遷移を考慮したabinitio

分子動力学法(AIMD)計算を実施し、各異性体で励起状態の様子は大きく異なること、異なるタイプの円錐交

差点から失活すること、イミノ体の励起寿命が短くエノール体の励起寿命が長いこと、実験で見られた寿命の異 なるスペクトルに各異'性体が寄与していることを明らかにしている。第8章では、第1章から7章までを総括

している。

これを要するに、著者は、多生成物反応の分子レベルでの反応機構とダイナミクスについて特に経路分岐と円 錐交差を通した分岐に焦点をあてた理論研究から新知見を得、これらの成果は世界的に権威のある学術誌に原著 論文として掲載されており、化学反応の分子レベルでの理解に対して貢献するところ大なるものがある。

よって著者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格あるものと認める。

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