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Nucleobase IVIonolayer Having Diacetylene Group      (ジアセチレン基を有する核酸塩基単分子膜の鋳型重合)

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 松 本    仁

     学位論文題名

    Template Polymerization of

Nucleobase IVIonolayer Having Diacetylene Group      (ジアセチレン基を有する核酸塩基単分子膜の鋳型重合)

学位論文内容の要旨

  DNAは二 重ら せん 構 造を 有す る生 体高分子 であり、遺伝情報の複製や翻訳などの機能 を担っている。これらの 機能は、四種類の核酸塩基が、アデニン―チミン、グアニンーシ トシン間で選択性の高い 水素結合を形成することによって維持されている。近年、気液あ るいは固液界面などにお いても、このような塩基対形成が確認されている。そこで、DNA をモノマーシークエンスや重合度が厳密に制御された規則性高分子としてとらえることで、

核酸塩基の分子認識特性 が発現される二次元平面において、DNAを鋳型とした重合性の核 酸塩基モノマーの配列が 可能となる。さらにモノマー配列を維持したまま重合することに よって、鋳型のモノマー シークエンスと分子量を反映した単分子膜の「鋳型重合」が可能 となる。

  本研究では、このよう な鋳型重合を行うモ丿マーとして、ジアセチレンを有する核酸塩 基誘導体を合成した(Fig.l)。重合基であるジアセ

チレンは、トポケミカルな光重合性を有するため、

DNA鋳 型上 での モノ マ ーの 配列 を保ったまま重合 す ることが期 待される。また、光重合の結果、青 相 や赤相と呼 ばれる着色した単分子膜が得られる ことから、可視光吸収スペクトルを測定することで、

容易に重合反応を追跡することができる。そこで、

オ リゴヌクレ オチド水溶液の気水界面を分子認識 場として、ジアセチレン核酸塩基モ丿マーの鋳型重 合 を目的とし た。本論文は、以下の内容で構成さ れている。

  DA‑Ade

,! :>H4C  O‑(C DgC.CCiC(CH2)11CH3   DA‑Thy

 12)9C'CC=C(CH2)11CH3 O .H4)b̲O̲(CH2)9D:

Fig.l  Chemical structures of nucleo‑

base amphiphiles.

  第一章で は、これまでに行われてきた鋳型重合に関する研究を概説し、これらの問題点 を指摘した 。また、本研究における、気水界面での水素結合形成を利用した鋳型重合の設 計指針につ いて述べた。

  第二章で は、疎水部のアルキル鎖内に、重合性基としてジアセチレンを有するアデニン およびチミ ン誘導体(DA‑Ade、DA‑Thy)を新規に合成し、核酸塩基モノマーとして用いた。

  第三 章で はく 前章 で 合成 したDA‑Ade、DA‑Thyの 単分 子膜の塩基対形成を確認し、光 重 合性を検討した。表面圧一面積等温線の測定から、DA‑AdeおよびDA‑Thy単分子膜は、

気水界面に おいて、水相に溶解した相補的な核酸塩基化合物を認識することを明らかにし た。得られ た単分子膜の光重合性を、水面での反射スペクトルを測定することで評価した

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結果、固 体状態 のDA‑Thy単分子 膜では 青相や赤 相のポリジアセチレンが形成されるのに 対し、DA‑Ade単分子膜では重合しなかった。赤相のボリジアセチレンの螢光を利用して、

重合体単分子膜のモルホロジーを観察したところ、DA‑Thyと相補的なアデニン核酸を下水 相に添加することでモルホロジーが変化した。これは、気水界面での分子認識によって、

単分子膜の結晶構造が変化することを示している。

  第 四 章で は 、DA‑AdeとDA‑Thyから成 る混合 単分子膜 を作製 し、その 光重合性 を検討 した 。 こ のDA‑Ade/DA‑Thyは、気 水界面に おいて 、Ade‑Thy塩基対を 形成した 。この 塩 基対単分子膜に紫外線を照射した結果、膜全体が重合し、兀‐共役長が延びた青相のポリジア セチ レ ン を与 え た 。さら に、DA‑Ade/DA‑Thy塩基 対は、下 水相に 添加したpoly(U)と 、 A‑TU塩基三量 体を形 成するこ と、こ の塩基三 量体単 分子膜も、光重合することを見出し た。以上 のこと から、モ ノマーと してDA‑Ade/DA‑Thy塩基 対単分子 膜を用 いることで、

下水相のチミン或いはウラシルが鋳型となる可能性が示された。

  第五章では、核酸塩基の配列や数が定まったオリゴヌクレオチドを鋳型として用いるこ とで、DA‑Ade/DA‑Thy塩基 対単分 子膜の重 合を制 御できる ことを確 認した 。ここでは、

DA‑Ade/DA‑Thy混 合膜に重 合基を 持たないC18‑Cytを 添加し、三成分単分子膜の光重合性 を検 討 し た。 ま ず 、DA‑Ade/DA‑Thy塩基対 モノマ ーとC18‑Cytが交互 に鋳型上 に配列 す ることを確認するために、グアニンとチミンを有するオリゴヌクレオチドd(GT)lsを下水相 に添加した。d(GT冫1s上では、dT30よりも青相ポリジアセチレンの生成が抑制された。さ らに、d(GGT)loを鋳型と するこ とで、よ り強い抑 制効果 が見られ た。DA‑Ade/DA‑Thy塩 基対とC18‑Cytが、 オリゴヌ クレオ チドを認 識した 結果、Ade‑Thy塩基 対間にC18‑Cytが 挿入 さ れ たた め と 考えら れるくFig.2)。過剰 のCl8‑CytをDA‑Ade/DA‑Thy塩 基対単 分子 膜に混合 し、こ れと水素 結合複合体を形成するPoly(G)を下水相に添加したところ、dT30 を鋳型とした場合には、ポリジアセチレンの形成がみられたのに対し、d(GT)lsやd(GGrl丶)10 を鋳型にすると、全く重合が進行しなかった。Poly(G)と塩基対を形成したC18‑Cytが非重 合性の高分子マトリックスとして作用し、Ade‑Thy塩基対.Cl8‑Cyt/オリゴヌクレオチド複 合体を孤立させたため、鋳型効果がより顕著にみられた。  .

    以上のことから、気水界面において、オリゴヌクレオチドを鋳型としたジアセチレン核 酸塩基単分子膜の精密重合が可能となった。得られたポリジアセチレン単分子膜は、鋳型 として用 いたオ リゴDNAの塩基配列の情報を有しており、ポリジアセチレンのクロミズム

を利 用したDNAセンサーとしての応用が期待される。

‑ C C C C C̲̲

―4448」   ,,ヨ  き     TGTGTGキw£

  ノレレレtし一L一レd(GT)15 Fig.2    Schematic images of monolayer formation and photopolymerization of the mixed monolayers arranged by oligonucleotide template.

      ‑ 11 ‑

… つ

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学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 教授 助教授

下村 喜多村 田村 居城

政嗣     昇     守 邦治

     学位 論文 題名

    Template Polymerization of

Nucleobase Monolayer Having Diacetylene Group

( ジ ア セ チ レ ン 基 を 有 す る 核 酸 塩 基 単 分 子 膜 の 鋳 型 重 合 )

  DNAは 核酸 塩基 であ るア デニ ン・ チミ ン、 グア ニン ・ シト シン 間で の相 補的な水素結 合によって二 重らせん構造を形成するとともに、これらカ蕩§型となって遺伝晴報を伝達し ている。最近 、気液あるいは固液界面における相補的な塩基対形成が 確認されており、界 面 にお けるDNAを 鋳型 とした分子配列の制御と鋳型重 合による分子量制御が可能となる。

  本論文は、 トポケミカルな光重合性を示すジアセチレンを有する核 酸塩基誘導体を合成 し、オリニrヌクレオチド水溶液の気水界 面を分子認識場とする鋳型重合に成功したもので ある。著者は 気水界面に核酸塩基を配列するために、アルキル鎖中に ジアセチレンを有す るアテ′ニンおよび,Fミンの長鎖アルキル′誘導体を新規に合戚し、そナじらの単分子膜形成能 を確認した。 これらの化合物の等モ´レ混合物は単分子膜中でワトソン・クリック型の塩基 対を形成し、 光照射によルポリジアセチレンになることを見出した。 表面圧一面積等温線 測定ならびに 水晶振動子マイクロバランスによる重量測定から、混合 単分子膜カ竣冰界面 において水相 に溶解した核酸ポリマーとフーグステイーン型の塩基対 を形成しアデニン・

チミン・ウラ シル塩基三量体を基本とする会合体カ可彦成されることを明らかにした。この 結果は、下水 相のチミンまたはウラシルが鋳型としてアデニン・チミ ン混合単分子膜の鋳 型となること を示している。そこで、核酸塩基の配列や塩基数カ淀ま ったオリゴヌクレオ チドを鋳型と して用いることで、混合単分子膜の重合制御を行った。 塩基対混合単分子膜 に重合基を持たないアルキルシトシン単分子膜をj忝加し、グアニンとチミンガぢミ互に酉そ列 したオリゴヌ クレオチドを鋳型として光を照射したところ、ポリジア セチレンの生成が抑 制された。さ らに、グアニン・グアニン・チミン配列のオリゴヌクレ オチドを鋳型とする ことで、より 強い抑制効果が見られた。これは、オリゴヌクレオチドを鋳型とすることで、

塩基対間にシトシン塩基カ鞦されたためと結論した。

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  これを要するに、著者は、気水界面においてDNAを鋳型とした分子配列制御に成功し たものであり、分子ナノ組織体設計の新たな指針を明らかにしたものとして、分子ナノサ イエンス|ヨすして貢献するところ大なるものがある。

  よって著者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格のあるものと認める。

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参照

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