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(1)

沖縄 県公 文 書 館 に お け る代 替 化 の 現 状 と今 後 の 計 画

‑ マ イ ク ロ化 を 中心 に

吉 嶺 昭

は じめに

1 これ までのマ イ クロ化の状況 か ら i‑1 計 画的マ イクロ化

ト2 主 な計画的マ イクロ化資料 の紹 介 ト3 随時対応 のマ イクロ化 と主な例 2 今後の代替化計画 と課題 について

2‑1 琉政文吾のマ イクロ化計画 について 2‑2 代替化 における課題 と基準 の作成 2‑3 デ ジ タル化での活用方法 について おわ りに デ ジタル化 について

は じめに

沖縄県公文青館 (以下 「当館」 とい う。)で は、1995(平成7)年8月の開館 か ら5年 間余 、収蔵資料 を巾 心 に黄轟で利用額度が高 く劣化の著 しい資料 を対象 に、資料 に記録 された内容 (以下 「記録 内容」 とい う。)の保存 と清川 を両立 させ る 目的でマ イクロ撮 影 、写真撮影等 に よる資料 の代 替化処置 を館 内で実 施 して きた。

代替化の 目的 は、原資料 の記録 内容 を鮮明かつ忠実 に写 し込 む ことであ る。 さらに、記録 内容以外 の 情報 と して例 えば出所 、資料 の作成 ・収受 の意 図 と経緯 、資料群 の構造 な ど、資料 を理解す るため に必 要な情報 や 当館 に移管 された後 の作 業の記録 (整理方法や修復等 の処置方法 を記録 した作業記録) な ど 知 り得 る限 りの情報 をフ イルムに写 し込 む こ とで、活用媒体 と して利用者 に対 し多 くの情報提供が行 え る他 、記録 内容 を含 む資料情報 を後世 に残 してい くこ とがで きる と考 えてい る。 その場合 、代替化処置 に適 した方法 と して、例 えば資料 の風合 いや朱書 き等 の色彩情報 な どはカラー写真 、 カラーマ イクロフ ィルム を用 いて撮影す るな ど、残すべ き情報 を記録す るに相応 しい媒体 と方法 を選択す るこ とが必 要で ある。総 じて、資料 を保存 しなが ら利用 させ る手段 と しての代替化処置 に よ りで きるだけ原資料 に近 い 情報 を提供 し、利便性 と将来的利用 を考慮 した複製物 を作成す ることが重要であ る と思 う。

ここでは、代替化処置 と して主 にマ イクロ化 を中心 と した これ までの主 な業務紹 介 と概 略 であ るが業 務 を通 じて感 じた ことを整理 し、今後 の計画 について まとめてみ る。

1 これまでの主 なマイクロ化の状況 111 計 伸ir](Jマ イクロ化

†財団法人沖縄県文化振興会公 文書管理部公文書専 門員

‑8 5‑

(2)

当館 のマ イクロ化作業 は二つ に大別 される。計画的マ イクロ化 と随時対応のマ イクロ化である 計画的マ イクロ化 は文字通 り収蔵資料 を中心 に貴重で利用頻度が高 く劣化 した資料群 の代替化 を年間計

画によ り実施す る ものであ り、 まず はマ イクロ化 に相応 しい資料群 を特定す ることか ら始 まる。それは 当館へ の受 け入れか ら保存 ・利用 に至 るまでの過程 で各作業担 当者 に よ り確認 され蓄積 された情報源 (記録 内容 、利用頻度 、劣化状態等)が代 替化 の候補資料 を選択 す る重要 な決 め手 になる。その場合、

資料 の整理状況 と撮影が可能 な状態 (劣化具合等)であるか も当然 なが ら確認 しなければな らない。そ して最終的 にこれ らの判断材料 か ら全体 の コンセ ンサス を得 た上で決定 される。マ イクロ化 を計画 ・実 施す るにあたって各作業 において採取 される資料情報 は次 の通 りである

(1) 受入前後での情報採取 一 資料群 に関す る情報 一

資料の記録内容以外 の情報 として現時点で確認 され る資料群の作成元 の情報 と入手経緯及び受入前の 資料の保存 ・保管場所 の環境 や受入時 に当館で行 った燥蒸や保存箱への入れ替 え作業 な ど資料群の履歴

ともいえる総括 的な資料群情報の記録 を採取す る

(2) 整理時での情報採取 一 登録資料毎の情報

整理 では、資料検索 に必 要 な情報 の採取 と入力作業等 を中心 に行 ってお り、登録す る資料毎の記録内 容 の確認や媒体 の状態 な ど多 くの情報 を得 ることがで きる。膨大 な作業時間 を要す るが、資料 の撮影 は 事前の整理作業があっては じめて成立す る ものであ り、単純 に撮影だけをす る訳 にはいかない。 ここで 採取 された情報か ら、撮影時 に資料 の前 コマに写 し込 む各資料毎の標題 (ターゲ ッ ト)や撮影者がマイ

クロフィルムNoな ど撮影結果 を記載す る撮影 目録 (ワークシー ト) を作成す ることがで きる (3) 資料の状態 と処置情報の追加 一 媒体情報 と処置情報 ‑

マ イクロ化 では、撮影資料 の形態や劣化状態 によ り撮影時 間 も大 き く変 わるため、修復 1‑と資料の状 態 を確認 し相談 した上で、マ イクロ化前処置 にかかる綴 じ外 しや補修作業内容 にかかる期 間等 を積算 し、

必要最小 限の処置 を施 している。酸性劣化が進行 し、状態の悪 い資料や欠損部が多い資料 な どは撮影 に よって資料 を破壊す る恐 れがあるため、修復 ・補修処置 を施 し撮影 に耐 える状態 にす る必要がある。 ま た、記録内容が綴 じ部 に隠れる理 由か ら簿冊の綴 じ外 しや伸 ば しが必要 な資料 は、媒体 としての価値 を 検証 し記録化 した後で処置 を施 している。 この時 に資料 の状態 を記録 した劣化調査 カー ドや処置内容の 記録 も情報 の一部 として フ イルムに写 し込 んでいる。一連 の作業 によ り採取 された資料 に関す る情報、

特 にフ イルムに残す必要がある情報 としては次 の項 目が挙 げ られる

①資料 タイプ :出所別 の資料群分類■②資料群 タイ トル ③ 資料 タイ トル ④資料 の履歴情報 ⑤媒体種別 (青焼 き .普通紙 ・写真 の別、 または媒体 の混在状況)(む劣化状態 (む資料 の形態 (一紙文書、巻物、綴 じ部の状態等)(亘資料サ イズ (9乱丁、落丁の確認 ⑲ コマ数 を把握す るための大 まかな頁数 ・枚数 ⑪梶 影の順序 を決める文書の流れ (和文 :右流 れ文書 ・英文 :左流 れ文書)⑫色情報

これ らの情報か らマ イクロ化 の優先順位 、撮影 カメラの選択

( 3 5m m・1 6m

m

)

、使用 フイルムの決定 (カ ラー ・モ ノクロ)、撮影の方法 (撮影 フォーマ ッ ト)、撮影期 間等 を割 り出す ことがで きる

(4)撮影業務での情報追加 一 媒体変換時の情報 一

一連 の作業 において各担 当者 によ り付与 された資料情報 か ら最終的な撮影仕様書、撮影 目録、指示書 を作成 しそれに沿 って撮影 を行 う。撮影前 には必ず テス ト撮影 を行 い、 フイルム上の画像が正確 に撮影

J 平成132月14日よ り利用 を開始 した沖縄県公文書館収蔵資料検索新 システム(ARCHS21)の資料 ガイ ドでは沖縄県資料 と その他資料で大別 され、資料 ガイ ドを参考 に しなが ら目的の資料 を階層分類 に従 って検索で きるようになっている

(3)

されているか、濃度が適正であ るか を中心 に確認 す る。撮影 はJISB7】87で 定 め られた撮 影 方法 を準用 す る他 に分割撮影 な ど、撮影方法等 に説明 を要す る箇所 には必ず説明 ターゲ ッ トを写 し込 む。

撮影 日録 には ① 撮 影年 月 日 ②撮 影者 ③ マ イクロフ ィルムの形態 ④ マ イクロフィルム

N

o① 撮影資料 毎 の コマ

N

o⑥ 撮 影資料毎 の コマ数 を記 入す る。現像 の結果 か ら、画像 が 良好 に写 され、撮 影漏 れが な

は業者 に現像 を依頼 してい る。 カラーマ イクロの利用 は、マ イクロ リー ダー プ T)ンターで は充分 に活用 で きないため、マス ター フ イルムか らデ ジタル化 しパ ソコン上 で利用す るこ とが望 ま しい。

複製 フ イルム作 成時 には ① 複製年月 日 ② 複製者 (勤活用 マ イクロフ ィルムの形態 ④ マ イクロフ ィルム No⑤損影資料毎の コマNo⑥撮 影資料毎 の コマ数 を記入す る

(5)撮影後の フ イルム整理 一 マ イクロ情報 の追加 一

撮影後 は、マ イ クロ情報 を記 入 した撮 影 日録 の デー タをマ イクロ管理 デー タベ ース に追加 入力す る

そのデー タか らマ イクロフ ィルムNo、資料群 タイ トル等 を記載 したマ イクロフ ィルムの標題 ラベ ル を リ ールや シー トタイプな どフ イルム形態 に合 わせ たサ イズで出力す る。 タイ トル ラベ ルは各 フ イルム を収 納す る保存箱や ファイルに貼付 している。

(6)バー コー ド貼付 ・書庫‑の配 架 ・資料 の返却 ・資料 の登録

マ イクロ情報 入力後 は資料 のIDとなるバ ー コー ドを出力 し、保存箱等へ貼付 す る。保存用 ・活用 マ イ クロフィルムはそれぞれの書架へ 配架す る際 に書架登録 を行 う。

撮影後 の原資料 のデー タにはマ イクロ情報が付 加 され る。情報 は収蔵資料検索 システム に登録 され る ため検索 には問題 ないが資料 を収納 してい る保存箱 に 「マ イクロフ ィルム有 り、 フ イルムN

o OO

」 と複 製物の存在 を口視 で きる形 で明記す ることも必要である。

1‑2 主 な計画的マ イクロ化資料 の紹介

過去5年 間での主 な計画的マ イクロ化 の対 象資料群 は次 の とお りであ る

(1)土地所有 申請 一のマ イクロ化

開館 当初の平成8年度か ら取 りかか ったのは土地所有 申請書 のマ イ クロ化 であ る。土地の所 有権 を証明 す る書類 と して、時 には裁判所へ提 出す る証拠書類 に利用 され る こ ともあ り、利用頻度 の高い資料群で ある。酸性紙 に鉛筆 で書 かれ、文字が薄 くな り判読 しず らい状態 の もの も多 く、原資料 の保存 と活用 を 図 るため当館 に移管 され る以前 に同資料 を収蔵 してい た県教育委 員会 県立 図書館 史料編集室 で計 幽的 にマ イ クロ化が実施 された。伊江村 、座 間味村 、渡嘉敷村 、及 び本 島含 む47市 町村5,339簿柵(16nⅥ1マ イ クロフ ィルム総数 :658リール/652,011コマ) で、その内、マ イクロ化未着手の残 り26市町村3,032簿冊 (253リール)のマ イクロ化 を当館 で行 い、平成11年度 に全 て完了 した。

(2)一筆限調書 のマ イクロ化

土地所 有 申請書 とセ ッ トをなす資料 で利用頻度 の高 い資料 であ る。粟 国村 、伊江相、伊是 名村 、座 間 味村 、渡嘉敷村 、渡 名喜村 及 び本 島含 む52市 町村延べ599簿冊(16mm総数 :61リール/48,368コマ)か ら成

ユ 「日本1.業規格 16mm及び35mmマ イ クロ フ ィル ム撮 影 方 法」 lM標 準 化 ガ イ ドブ ック)996平成8年5月】H社 団 法 人 E]本 画像 情 報 マ ネ ジ メ ン ト協 会12

一 米軍 は占領施 策 を遂行す るうえで土地の整備 を急がねばな らず、 1946年(昭和21)2月28日付畢指令第 121号 「土地所有 申請 に関す る資料作成」 を公布 して基礎資料 の収集作 業 に着 手 したがその基礎資料がす なわ ち土地所有 申請書であ るO 大域 将 保 「土地所有 巾講酎 二ついて」沖縄 史料編集所紀要第(1983年3月28口)沖縄県沖縄 史料編集所発行

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る。平 成 12年度5月 よ り着手 し、平 成 12年度8月 にマ イクロ化 が完 了 した。 土地所有 申請書 同様 にマ イク ロフ ィルムで利用 す る こ とが で きる。

(3)戦前八重 山マ ラ リア関係 資料 のマ イ クロ化

戟前 よ り県 は、八 重 山 開発 最 大 の障壁 で あ ったマ ラ リア を防止 すべ くマ ラ リア防あっ事 業 を行 った。

当館 で は、 そ の関係 書類 お よそ108簿冊 (16mm総 数 :13リー ル/ 12,137コマ) を所 蔵 してい る。酸性紙 で劣化 も進行 してい たためマ イ クロ化 を行 った。個 人情報 を含 み未 整理資料 の ためマ イ クロ化 した資料 の ほ とん どは非公 開 とな ってい る。平成 12年度 10月 に同資料 のマ イクロ化 は完 了 した。

(4)沖縄 県祖 国復 帰協議 会 (復 帰協 )資料4のマ イ クロ化

1960年4月 に復 帰運動 の組織 的再建 を意 図 して結 成 され たのが沖縄 県祖 国復 帰協議 会 (略 して 「復 帰協」) であ る。復 帰運動 の 中心 母体 で、復 帰 す る こ とでの経 済 的、社 会保 障的 メ リッ ト (日本本土 との格差是 正 )を強調 す る と同時 に、ベ トナム戦争 の全面 的拡大 と沖縄 の米軍基地利用 の活発化 に よる反戦反基地 闘争 の記録 な ど沖縄 の復帰 運動 の足 跡 を辿 り知 る こ とので きる貴 重 な歴 史資料群 で あ る。現在 、段 ボー ル箱99精分 の資料 のマ イ クロ化 を実施 してい る。

(5) 地 図 ・絵 図資料 の カ ラーマ イクロ化

地 図資料 は、A2以上 のサ イズが多 く、縮尺 の関係 上 、原寸 サ イズ に戻 した時 の再現性 を良 くす るため に35mmマ イ クロ フ ィルムで撮 影 してい る。彩色 され た資料 も多 い こ とか ら色情報 を残 す ため に撮 影 は適 宜 、35mmカラーマ イ クロ フ ィル ム を使 用 してい る。 これ まで主 に米軍 が作 成 した 1/4800地形 岡(1948年1 月撮 影 の空 中写真 を基 に作 成 ) や岸秋 正文庫 の古 典 籍 地 図資料 、絵 図等 勺の カ ラーマ イクロ化 な どを行 った。

(6)史料編集室収蔵 マ イクロフ ィルムの複 製 フ イルム作 成

史料 編 集室 には県 史編 纂 な どの 目的 で県 内外 か ら収 集 され たマ イ クロ フ ィルム約500本 を収蔵 してい る。 フ イルムの状 態 は保存性 の良いPETベ ー ス6フ イルムが使 用 され る以前 の酢酸 臭劣化 が 問題視 された

TAC

ベ ース7フ イル ムが ほ とん どで 、 フ イル ムの大 半 が 劣 化 してい た ため に保 存 日的 で複 製 フ イル ム (デ ュー プ フ イルム) を作 成 してい る。県 史編纂 の 目的 で撮 影 され た資料 で あ り、内容 が 未整理 であ る ため大部分 は非公 開 となってい る。

1‑3 随時対応 のマ イ クロ化 と主 な例

計 画 的 マ イ クロ化 の他 に随時対応 す るマ イ クロ化 が あ る。館 内のマ イ クロ宴 には35nln]、 16nulマ イクロ 撮 影 カメラを各2台ずつ設置 し、撮 影資料 の状 態 や撮 影 目的 に合 わせ て撮 影 を行 ってい る

主 なマ イ クロ化 の例 は次 に挙 げ る とお りであ る。

119604月28t]に結成 し、1977年5月15日に解散 した沖縄 県祖国復帰協議 会事務局が所有 した資料O沖縄の戦後史研究 にとっ て貫重 な資料群。「寄贈 ・寄託資料の概要」(平成127月13日)沖縄 県公文書館 だ よ り第12号 ARCHTVES

< 沖縄関係資料 の コレクターであ った岸秋正氏が、40年の間に収集 した資料群。古文書 ・浮世絵 か ら地図 ・単行 本 ・雑誌 ・ 行政資料 まで カバーす る広範囲の コ レクシ ョンであ る。総数約11,000。1997年 、夫 人の岸朝子氏 よ り寄贈。「寄贈 ・寄託資 料の概要」(平成127t3日)沖縄県公文書館 だ よ り第12号 ARCHIVES

〜 pETベース 写真用 フ イルムの支持体 の 1つで、ポ リエチ レンテ レフタレー トを使用 した フ ィルムベース 「丈害館用語集」

]99711月12日 文書館用語集研 究会 大阪大学出版会117頁

7TACペース 写真用 フ イルムの支持体の 1つで、 ト7)アセチルセル ロース(セルロースエステル)を使用 した7 1')レムベース、

セル ロース を酢酸エ ステル化 した もので、簡単 に手で切 るこ とがで きる。密封状態 で高湿高温で長期保存す る と加水分解 を 起 こ してフ ィルムベースが破壊 される。 「文書館用語集」19971112日 文書館用語集研究会 大阪大学 出版 会78

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(1)閲覧者が 申請 した資料が劣化 し利用が困難 な場合

閲覧者 よ り申請 のあった資料 の内、劣化が進行 し閲覧 ・複写す ることによ り資料が破損す る恐れがあ る場合は、一点 しかない資料 の保存 に努めるため利用者 に対 してマ イクロ撮影後 に閲覧提供す ることを 伝 え了解 をいただいている。当館所蔵の琉球政府文書 (以下 「琉政文書」 とい う)群には、青焼 き (ジア ゾコピー)図面等が多 く含 まれてお り、記録が急速 に劣化 し消滅 してい く恐れがある。そのため、閲覧 では記録の消滅 を早める原 因 となる電子 コピーを避 け、劣化資料 と同様 にマイクロ化後 に閲覧者へ提供 している。普段 の閲覧はマ イクロフィルムで十分 なことが多いので、原資料保護 も含め今後 も閲覧者の 要求に迅速 に応 えられる体制 を整 えたい。

(2)マ イクロ化 による資料収集

館内でマ イクロ撮影す るこ とが望 ま しいが、資料所蔵者か ら借用 で きない持 ち出 し不可 の資料 な ど、

直接現地 に赴 きマ イクロ化 によ り収集す ることもある。例 えば、平成1】年度 には黒鳥小 中学校 の学校沿 革誌撮影のため同学校の倉庫 を使用 しマ イクロ化 を行 った。出張撮影の際 は、事 前に現地の状況 と撮影 資料の状態 を念頭 に置 きなが ら撮影の際の露光、 シャッタース ピー ドを調整 してテス ト撮影 を行 い、現 地の状況 に近ずけることも必要である。撮影前 の現地での事前調査 では撮影場所 の確保 、資料 の量 と形 状及び写真撮影で資料の状態 をで きるだけ確認す ることが、その後 の撮影 をスムーズに行 うために も重 要である。

撮影後 は、資料の保護のため に簡易 な方法であるが中性紙の袋、 フォル ダーに収納す る。公文書館 の 目的で もある資料保存 についての意識啓発 をす る役割 も当館 は担 っている。

(3) 展示会等での複製作成及び資料収集

展示会等で長期的 に資料 を展示す る場合 は、原資料保存及 び展示資料 の利用 を促 す 目的でマ イクロ化 や写真撮影等 を行 う. 2000(平成12)年8月の開館五周年記念特別展では中国第‑歴史枯案館所蔵の琉球国 王か ら清朝皇帝あてに送 られた表文 ・奏本原本の展示資料 か ら74点 をマ イクロフィルムに、朱印等の カ

ラー情報 を残すために史書 を除 く49点 を6×7判 カラー リバーサル フィルムに撮影収集 した。

2 今後の代替化計画 と課題 について

以上の ように当館 でのマ イクロ化作業 には計画的マイ クロ化 と随時対応す るマ イクロ化があ る。その 柱 となるのが計 画的マイクロ化である。当館 の所蔵す る琉政文書 は歴史的価値の高い、計 画的マ イクロ 化の必要性が高い資料群である。その計画 を立案す る材料 として次 に示す過去 の調査報告 な ども大変参 考 になる ものである。

2‑1 琉政文書のマ イクロ計画 について

当館 の代表的なコ レクシ ョンである琉政文書 は、他府県 には見 られない戦後米国統治下での沖縄 の特 異 な政府組織の記録であ り、当時の状況 を知 る手がか りとなる歴史的 に貴重 な資料群 である。当館 に引 き継がれた琉政 文書 は温湿度管理 された専用書庫で保存 され利用 に供 されているが、その大半が保存 に 不適 な酸性紙 に記録 され、資料 内部か ら崩壊 してい く酸性劣化 とい う危機 にさらされている。後世 に記

≠琉政文書 は琉球政府時代 (厳密 には1952年4月1日‑1972年5月14日まで を指すが、27年 間米国政府 の統治下 にあ った沖縄 の 行政資料 を指す。平成7年5月に県立図書館 よ り沖縄県公文書館へ移管 された。「特集 琉球政府文書(1996年6月 Ⅰ日) 沖縄 県公文書館 だより第2ARCHIVES 沖縄県公文書館発行

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録 を残すために も計画的にマ イクロ化 を行 う必要がある。

平成8年度 に実施 された琉政文書の保存状態調査9結果か ら記録消失 の早い青焼 きを例 に とると 「統計 学的な根拠 に基づ くサ ンプ リング調査 によ り算 出 した琉政文書155,017簿冊 中に含 まれ る青焼 きの推定 枚数374万枚 をマイクロ化す る場合、作業員 1名が1日に2簿冊、約500枚 を処理 し、年間220日作業す ると して、34年かかる計算 になる」 とい う。 それに加 えマ イクロ化作業前 に必要 な文書の解綴、補修等 も含 めれば相当の時間 を要す ることになる。

平成10年度 に実施 された当館所蔵資料 の利用状況調査報告書■Oによれば、「平成7(1995)年8月2日〜平成 10(1998)年7月31日までの3年 間の利用状況で利用の高かった資料群 は琉政文書で、1簿冊あた りの利用回 数で総務局が圧倒 的 に高 く、ついで復帰対策室 となっている

」 との結果がでている。

琉政文書 は、これ まで計画的 にマ イクロ化 した資料群 とは若干異 な り、その数は膨大で形状や材 質 も 様 々であ り、表紙 と裏表紙 を くるんだ状態 で綴 じられた文書 も多 く含み、撮影前の綴 じ外 し、伸 ば しに は相 当の時 間 を要す る。 また、青焼 きを含 む簿冊の特定 も難 しいため、先の2つの調査結果 を基 に本格 的にマ イクロ化 を行 う前 のモデル作 りとして、 まず は利用率 の高い課単位でマ イクロ化 を進めてい くこ とを検討 したい。

琉政文書 をマ イクロ化す るにあたっては綴 じ外 しの問題 に当たる。 どの ような意図や 目的で文書 を綴 ったのか、歴史的 にその文書形態が どの程度重要 なのか を検討 し、処置 にあたっては処置前後の記録 を 残す ことも心がけることが必要である。膨大 な琉政文書のマ イクロ化 を効率的に進め、記録 を保存 して い くため に も琉政文書の出所元である琉球政府 を含 めた復帰前の沖縄県の行政組織 について理解 し、そ れに関連す る多 くの情報 を採取 して残す ことも重要である。

2‑2 代替化 における課題 と基準 の作成

マ イクロ化や写真 の複写 な どを行 う際 には、先述 した ように資料媒体 の価値が どの程度重要 になるか の判断 に迷 うことがあ る。所蔵資料 も含めて受 け入れる資料 のほ とん どが多種 な材 質、綴 じ方な ど様 々 な方法で残 されてお り、特 に綴 じ部分 に情報が隠れ、記録 を正確 に写すためには綴 じを外 さねばならな いな ど、その処置判断 に迷 うことが多々あ る。但 し、受 け入れ前の状況か ら受 け入れ後 の処置 に至 るま での記録 を採取 し、記録化 してお くこ とで適切 な代替化 の方法 を選択す る判断材料 になる もの と考 えて いる。 また、媒体変換時 には資料情報 を記録 した書類 を資料 の記録内容 と共 にフイルムに収録保存 して い くことで、‑資料 を取 り巻 く様 々な関連情報 を理解す ることに もつ なが る。そのために も各作業担当 者 との連携 を図 り、資料 の特性 を理解 しなが らよ り原資科 に近い情報 を長期的に保存す る方法 を考 えて い きたい。

記録 を保存す る媒体 にはフイルム以外 に もcD等のデジタル媒体 な ど多種 な媒体が存在する。特 に利用 面では利用環境 に合 わせ た方法で活用 して もらうために も代替化計画 を立 てる上での道筋 として利用 と 保存 を考 えた複製基準 を定め る必要がある。そのために当館所蔵資料 の利用方法 と利用 目的について再 考 し、各関係機関の状況 な ど多 くの情報 を収集 しなが ら基準作 りを行 いたい と思 う。

U 琉政文書の保存状態調査 については、大湾ゆか り 「琉球政府文書の保存状態調査 について」沖縄県公文書館研究紀要 刊号(1998年3月)沖縄県公文書館発行 にまとめ られているQ

大湾ゆか り 「公文書館所蔵資料の利用状況調査報告書」(1998年9月31日)に記述。他 、本紀要の大湾ゆか り 「琉球政府文書 の利用状況調査報告」 には1995年8月2日‑20(氾年7月31日までの過去5年間分の調査報告が まとめ られている。

(7)

2‑3 デ ジ タル化 で の活用 方法 につ い て

一般 家庭 に もパ ソ コ ンの普 及 が進 み 、 イ ンター ネ ッ トを代 表 とす る情 報 通信 手段 が広 く普 及 す る につ れ、画像 をデ ジ タル化 し配信 す る こ と も一般 的 にな って きた。

当館 で もデ ジ タル化 す る機 会 は増 えて い る】1例 えば 、琉 球 政 府発 行 の公 報 (1952年2月‑1972年5月) をマ イ クロ化 した フ イル ムか らデ ジ タル化 を行 って お り、平 成13年3月末 に は ホ ー ムペ ー ジで 同公 報 の 記 録 内容 の検索 ・閲覧が で きるサ ー ビス も開始 す る予 定 で あ る。 また 、米 軍 や 国土 地 理 院撮 影 の 沖縄 本 島 、宮古 、八 重 山及 び周 辺 離 島 の空 中写真4,392枚 をデ ジ タル化 し、平 成13年8月 か らデ ジ タル化 した空 中写 真 の閲 覧サ ー ビス を開始 す るな ど今 後 、当館 で は利 用 普 及面 で デ ジ タル化 す る頻 度 が増 え る もの と 思 われ る。代 替 化 の業務 にお い て は、館 内で複 製 した貴 重 な写真 や写真 フ イル ム をデ ジ タル化 し、 デ ー タベ ー ス と リンクす る こ とで検 索 を容 易 に し、従 来 の よ うな写真 アルバ ム を整 理 す る手 間 とスペ ー スの 削 減 を行 う とい ったデ ジ タル化 の利 点 を生 かす 方法 を考 えてい る処 で あ る。

あ わ りに デ ジ タル化 につ い て

デ ジ タル情報 は劣 化 しない とい う点 と利 用 の帽 を広 げ る 目的 か ら資料 をデ ジ タル化 ・保 存 す る とい っ たデ ジ タル アー カイブ も博 物館 等 文 化施 設 を中心 に増 えてい る。 また国 、地方 公 共 団体 は 、電 子情 報 そ の もの を保 存 す る とい う方 向へ 動 き始 め て い る。記 録作 成 手段 の 中心 で あ り、 コ ンピュー タの メ リ ッ ト で もあ る情 報 の一 元 管 理 や共 有 、 イ ン ター ネ ッ トに よる世 界 的 な情 報 配信 及 び社 会 経 済構 造 の転換 (I

T

革 命)な どの背 景 か ら もコ ン ピュー タで作 り出す情 報 の保 存 は必 然 的 な宿 命 で あ る と思 わ れ る。 そ の ため に も 「ハ ー ド ・ソ フ トの互換 性 が ない か ら再 生 で きない 。」 とい った致 命 的 な欠点 も改 善 され なけ れ ば な らない し、 デ ジ タル情 報 を残 す の に克服 すべ き 「記録 の長期 的 な保 存 性 、可 視性 、真 正性 」 を ど う保 証 してい くか も今 後 の大 きな課 題 で あ る。 た だ、 マ イ クロ フ ィル ム は長期 保 存 性 が認 め られ た標 準 化 され た媒体 で あ りデ ジ タル情報 の よ うな再 生機 器 の互 換 性 の問題 か ら再 生 で きない とい うこ と も起 き ず 、 フ イル ム上 の画像 を改 ざん され たか ど うか わか らない とい った心 配 も無 い こ とか ら一般 的 に言 われ る ように、資料代 替 化 で は フ イル ム を保存 媒 体 と して残 す こ とが今 の ところ必 要 で あ る と思 われ る。 当 館 に於 い て もデ ジ タル媒 体 や フ イル ム な どの アナ ロ グ媒 体 そ れ ぞ れ の欠 点 、利 点 を踏 まえ保 存 と利 用 に 適 した代 替物 の作 成 を心 が けたい と思 う。

(参考文献 )

・国立 国会 図書館 編 「資 料 保 存 とメデ ィアの変換 ‑マ イ ク ロ フ ォー ム化 を中心 に 一第4回資 料 保 存 シ ン ポ ジ ウム講演 集1993」1994年8月30日 (社)日本 図書館 協 会発行

・服 部‑敏 「マ イ クロ資料論」1984年4月28日 全 国学校 図書館 協 議 会 発行

・波 多野宏 之 「画像 ドキ ュ メ ンテ ー シ ョンの世界」1993年11月5日 勤 葦書 房発 行

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特集 資料情報 のデ ジタル化」(2001l10日)沖縄 県公文書館 だ よ り第13 ARCHIVES 沖縄 県公文書館 だ よ りに記載。

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