確率論 I – 練習問題
2008
年後期,
西岡*1
•
この練習問題および講義に関して疑問が有る場合は,
そのままにせず,
質問をすること*2.
1
組み合わせ1.1
問題練習問題
1.1. 10
人から4
人のリレーチームを選ぶ. (i)
走る順番を考えると,何通りのチームが選べるか?
(ii)
走る順番を考えずに, 4
人を選らぶと何通りのチームが選べるか?
練習問題
1.2. (i) 3
を2
個, 5
を3
個使い, 5
桁の数字を作る.
何種類の数字ができるか? (ii) 3
を2
個, 5
を3
個, 4
を2
個使い, 7
桁の数字を作る.
何種類の数字ができるか?
練習問題1.3.
下の図はA
からB
までの経路図だが↑ , → , ↗
方向のみに移動が可能である.
(i) A
からB
という道筋で最短のものは幾つあるか?
ただし「斜めの移動」は「縦+
横」や「横+縦」よ り短い.
(ii) A
からB
という道筋は幾つあるか?
1.2
解答[
練習問題1.1
解答] (i) 10 · 9 · 8 · 7 = 5040. (
nP
k= n · (n − 1) · (n − k)
と表記するので,
答えは 10P
4で もよい.)
(ii) 10
個のなかから4
個選ぶ組み合わせの数.
10C
4= 10 · 9 · 8 · 7 4 · 3 · 2 · 1 = 210.
[
練習問題1.2
解答] (i) 5
個の箱があり,
数字3
を2
個入れる場所を選ぶ.
5C
2= 5!
2! 3! = 5 · 4 2! = 10.
(ii) 7
個の箱があり,
まず数字3
を2
個入れ,
次に 数字5
を3
個入れる場所を選ぶ.
7
C
2·
5C
3= 7!
2! 5! · 5!
3! 2! = 7!
2! 3! 2! = 210.
*1 2号館11階38号室, [email protected], http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/˜nishioka/
*2オフィス・アワーは「通常:水曜4限」+「01/23(金), 4限」
[
練習問題1.3
解答] (i)
最短で行くには, ↗
を使うので, Y
に到着しなければならない. Y
にいく最短路 は 3C1 = 3.
(ii) X
に行く道筋は3C
1= 3, X → B
の道筋は1. Z
に行く道筋は1
で, Z → B
も1.
またY → B
と いう道筋は3.
よって3 · 1 + 3 · 3 + 1 · · · 1 = 13.
2
確率空間,
条件付き確率,
ベイズの定理2.1
問題練習問題
2.1.
ある銀行への融資申し込みは40 %
が優良企業である.
優良企業からの申し込みは90 %
の 確率,
そうでない企業からの申し込みは20 %
の確率で審査を通る.
この銀行の審査を通過した企業が優良 である確率を求めよ.
練習問題
2.2.
ある試験では,
問題が5
問,
解答が4
択になっている.
全ての問題にランダムに解答したと き, 2
問正解となる確率を求めよ.
練習問題
2.3.
*3 有る50
人のクラスで,
「ビール」「酎ハイ」「日本酒」「カクテル」のどれを一番好むか の調査を行った.
ビール 酎ハイ 日本酒 カクテル 計
男子
10 9 8 3 30
女子
4 3 5 8 20
計
14 12 13 11 50
このクラスからランダムに1
人X
を選ぶ.
(i) X
がビールを好む確率を求めよ.
(ii) X
が女子であるとするとき, X
がビールを好む確率を求めよ.
(iii) X
がビールを好むとき, X
が男子で有る確率を求めよ. ⋄
練習問題
2.4 (2007
年公認会計士試験).
ある製品を1
個製造するためには3
種類の原材料D
1, D
2, D
3の うち1
つを用いることができる. 3
つの工場A
1, A
2, A
3 では,
原材料を次の表の比率で使用していることが 知られている.
表1 各工場の原材料使用比率
D
1D
2D
3 計A
1p
11p
12p
131.0 A
2p
21p
22p
231.0 A
3p
31p
32p
331.0
たとえば
A
1 工場が出荷する製品のうち, D
1 を原材料として使用するものの比率はp
11, A
2 工場が出荷 する製品のうちD
3 を使用する比率はp
23である.
なお
,
各工場の出荷量の割合はπ
1, π
2, π
3(π
1+ π
2+ π
3= 1)
となっている.
*3条件付き確率の感覚を掴むための問題.
(i)
いま,
ある工場の製品を入れた箱があるが,
どの工場から出荷されたものか不明である.
そこで箱から取 り出した製品5
個の原材料を検査したところ,
「2
個がD
1, 2
個がD
2, 1
個がD
3」であった.
このとき
,
この箱が工場A
2 から出荷されたものである確率を式で表しなさい. (ii)
略2.2
解答[
練習問題2.1
解答]
優良企業の申し込み件数をx,
それ以外の企業からの申込件数をy
とする.
審査を通過した企業の数z
はz = 0.9x + 0.2y.
一方
y/x = (1 − 0.4)/0.4 = 1.5.
これより審査を通過した企業が優良である確率
= 0.9x
z = 0.9x
0.9x + 0.2y = 0.9x
0.9x + 0.2 · 1.5 · x = 0.75. 2 [
練習問題2.2
解答]
「1
問当たりの正答確率は1/4
」のベルヌイ試行.
よって2
問正答である確率は5
C
2(1 4
)
2(3 4
)
3= 135
512 ∼ 0.264. 2
[
練習問題2.3
解答] (i) [X
がビールを好む確率」を計算するときは,
全体が50,
ビールを好む人数は14
だから
14 50 .
(ii)
「女子」と条件を付けたときの確率だから,
全体が20
となり, 4 20 .
(iii)
「ビールを好む」と条件を付けたときの確率だから,
全体が14
となり, 10
14 . [
練習問題2.4
解答] (i) Step1.
事象H
をH ≡ 5
個の製品の原材料は, 2
個がD
1, 2
個がD
2, 1
個がD
3 とおく.
求めるべきはP[A
2/H]
である
.
Step2.
「事象Q
1≡ D
1 を原材料とする」, · · · ,
「事象Q
3= D
3を原材料とする」 とおく. H
は5
回の試行でQ
1, Q
2 がそれぞれ2
回, Q
3 が1
回起こった ことだから,
多項分布の公式 を使い,
P[H/A
1] = 5!
2! 2! 1!
( P[Q
1/A
1] )
2(
P[Q
2/A
1] )
2P[Q
3/A
1] = 5!
2! 2! 1!
( p
11)
2( p
12)
2p
13, P[H/A
2] = 5!
2! 2! 1!
( P[Q
1/A
2] )
2(
P[Q
2/A
2] )
2P[Q
3/A
2] = 5!
2! 2! 1!
( p
21)
2( p
22)
2p
23, P[H/A
3] = 5!
2! 2! 1!
( P[Q
1/A
3] )
2(
P[Q
2/A
3] )
2P[Q
3/A
3] = 5!
2! 2! 1!
( p
31)
2( p
32)
2p
33.
ここで
, P[Q
1/A
1], · · · , P[Q
3/A
3]
は「表1
各工場の原材料使用比率」で与えられているので,
それを代入 した.
次にベイスの公式を適用しP[H] = P[A
1] P[H/A
1] + P[A
2] P[H/A
2] + P[A
3] P[H/A
3]
= 5!
2! 2! 1!
{ π
1( p
11)
2( p
12)
2p
13+ π
2( p
21)
2( p
22)
2p
23+ π
3( p
31)
2( p
32)
2p
33}
再び ベイズの公式を使うと
,
設問の箱が工場A
2より出荷された確率P[A
2/H]
は以下の通り:
P[A
2/H ] = P[A
2] P[H/A
2] P[H]
= π
2( p
21)
2( p
22)
2p
23π
1( p
11)
2( p
12)
2p
13+ π
2( p
21)
2( p
22)
2p
23+ π
3( p
31)
2( p
32)
2p
33. (2.1)
3
確率変数の平均,
分散,
共分散3.1
問題練習問題
3.1.
次の確率変数X
にたいし, E[X ], σ
2[X ], E[2
X], σ
2[2
X],
を計算せよ.
確率
2/6 1/6 2/6 1/6
X
の値0 1 2 3
練習問題
3.2.
不良品発生率10%
の製品がある.
その中から,
サンプルを四つ取り出す. k
回目に取り出し たサンプルにたいし,
X
k≡
{ 1
サンプルが不良品0
サンプルが良品, k = 1, · · · , 4
とおく.
(i)
確率変数X
1 の平均と分散を求めよ. (ii)
確率変数X
2 の平均と分散を求めよ.
(iii)
確率変数S ≡ X
1+ · · · + X
4 の平均と分散を求めよ. (
ヒント: X
1, · · · , X
4 は,
それぞれ独立なベルヌイ試行.) ⋄
練習問題
3.3. 5
枚のカードがあり,
それぞれに1
〜5
までの数字が書かれている.
そのなかから.
無作為に1
枚引き,
出た数字をX
とする.
(i)
「1 ≤ X ≤ 2
なら2
点獲得, 3 ≤ X ≤ 4
なら4
点獲得, X = 5
なら8
点獲得」というゲームA
を行 い,
このA
で獲得する点数をY
とおく.
また「2 × X
点を獲得」というゲームB
も行い,
このB
で 獲得する点数をZ
とおく.
次の表を完成せよ:
数字
X 1 2 3 4 5
得点Y
得点
Z (ii) Y
の平均値m
Y およびZ
の平均値m
Z を求めよ.
(iii)
ゲームA
および ゲームB
をそれぞれm
Y 点, m
Z 点で売り出す.
どちらのゲームがハイリスク・ハイリターン型か
? (iv)
次の表を完成せよ:
k 2 4 6 8 10
P[Y = 2, Z=k]
P[Y = 4, Z=k]
P[Y = 8, Z=k]
(v) Y
とZ
の共分散をもとめよ.
(vi) Y
とZ
の相関係数をもとめよ. ⋄
練習問題
3.4 (2006
年公認会計士試験).
表が出る確率がp,
裏が出る確率1 − p
のコインをn
回投げた.
こ のとき,
表が出た回数をS
n とする.
(i)
確率変数S
n の平均E[S
n]
および分散σ
2[S
n]
を求めよ.
(ii) p = 0.5
であるコインを10
回投げ,
各回毎に表が出れば1
歩前に進み,
裏が出れば1
歩後ろに進む.
10
回投げ終わったときに元の位置にいる確率を求めよ.
(iii) p = 0.5
であるコインを10
回投げたとき, 6
歩以上前進している確率を求めよ.
練習問題
3.5 (
公認会計士試験サンプル問題). 2
つの株式A, B
の収益率をそれぞれR
A, R
B とする.
確率変数R
A, R
B はE[R
A] = 2, E[R
B] = 4, σ
2[R
A] = 4, σ
2[R
B] = 9,
で,
両者の相関係数は-0.5
である.
このとき
,
株式A
とB
に同額投資した場合の収益率(R
A+ R
B)/2
の期待値および分散を計算せよ. ⋄
3.2
解答[
練習問題3.1
解答] X
の分布表より確率
2/6 1/6 2/6 1/6
X
の値0 1 2 3
X
2 の値0 1
22
23
2 となるので,「平均値/
分散の計算ツール」を使うと,
E[X] = 0 · 2 6 + 1 · 1
6 + 2 · 2 6 + 3 · 1
6 = 8 6 . σ
2[X ] = E[X
2] − (
E[X ] )
2= 0
2· 2
6 + 1
2· 1
6 + 2
2· 2
6 + 3
2· 1 6 − ( 8
6 )
2= 11 9 . 2
X はX
から作られた新しい確率変数で,
その確率分布は以下の通り:
確率
2/6 1/6 2/6 1/6
X
の値0 1 2 3
2
X の値2
0= 1 2
1= 2 2
2= 4 2
3= 8
これよりE[ 2
X] = 2
0· 2
6 + 2
1· 1
6 + 2
2· 2
6 + 2
3· 1 6 = 10
3 σ
2[ 2
X] = E[ 2
2X] − (
E[ 2
X] )
2= 2
2·0· 2
6 + 2
2·1· 1
6 + 2
2·2· 2
6 + 2
2·3· 1 6 − ( 10
3 )
2= 17 − 100 9 = 53
9 . 2 [
練習問題3.2
解答]
ベルヌイ試行Y
がP[Y = 1] = p, P[Y = 0] = 1 − p
とすると,
E[Y ] = 1 · p + 0 · (1 − p) = p,
σ
2[Y ] = 1
2· p + 0
2· (1 − p) − p
2= p(1 − p).
(3.1)
(i) X
1 はベルヌイ試行で, (3.1)
でp = 0.1.
つまりE[X
1] = p = 0.1,
σ
2[X
1] = p(1 − p) = 0.1(1 − 0.01) = 0.09.
(ii) X
2 もX
1 と同じ確率分布をもつから,
E[X
2] = 0.1, σ
2[X
2] = 0.09.
(iii) X
1, · · · , X
4 は独立で同分布.
「平均値/
分散の計算ツール」からE[S] = E[X
1] + · · · + E[X
4] = 4 · 0.1 = 0.4,
σ
2[S] = σ
2[X
1] + · · · + σ
2[X
1] = 4 · 0.09 = 0.36. 2
[
練習問題3.3
解答] (i)
数字
X 1 2 3 4 5
得点Y 2 2 4 4 8
得点Z 2 4 6 8 10 (ii)
上の表より,
Y
の値2 4 8
確率
2/5 2/5 1/5
Z
の値2 4 6 8 10
確率
1/5 1/5 1/5 1/5 1/5
よってE[Y ] = 2 · 2 5 + 4 · 2
5 + 8 · 1
5 = 4 ≡ m
Y, E[Z] = 2 · 1
5 + 4 · 1
5 + · · · + 10 · 1
5 = 6 ≡ m
Z. (iii) Y, Z
の分散を計算する:
σ
2[Y ] = 2
2· 2
5 + 4
2· 2
5 + 8
2· 1
5 − 4
2= 24 5 . σ
2[Z] =
∑
5k=1
(2k)
2· 1
5 − 6
2= 8.
ゲーム
B
の方がA
よりハイリスク・ハイリターン型. (iv) (i)
で作成した 表 よりk 2 4 6 8 10
P[Y = 2, Z = k] 1/5 1/5 0 0 0 P[Y = 4, Z = k] 0 0 1/5 1/5 0
P[Y = 8, Z = k] 0 0 0 0 1/5
Cov[Y, Z] = E[Y · Z ] − E[Y ] · E[Z]
= 2 · 2 · 1
5 + 2 · 4 · 1
5 + 4 · 6 · 1
5 + 4 · 8 · 1
5 + 8 · 10 · 1
5 − m
Y· m
Z= 28 5 . (vi)
相関係数ρ[Y, Z] = 28/5
√ 24/5 · √
8 = 7
2 √
15 ∼ 0.9. 2 [
練習問題3.4
解答]
確率変数X
k をX
k=
{ 1 k
回目のコイン投げで表がでた時0 k
回目のコイン投げで裏がでた時とおく
.
するとS
n= X
1+ X
2+ · · · + X
n であり, ‘
勝率p
の2項分布’
に従う: P[S
n= k] =
nC
kp
k(1 − p)
n−k, k = 0, 1, · · · , n.
(i) S
n の平均と分散を2
項分布から求めるのは面倒. S
n は独立,
同分布の確率変数の和だから「平均と分 散の計算ツール」を使う:
E[X
k] = 1 · p + 0 · (1 − p) = p,
V[X
k] = 1
2· p + 0
2· (1 − p) − p
2= p(1 − p).
これより
E[S
n] = n p, V[S
n] = n p(1 − p).
(ii) 10
回投げて元の位置にいるから,
表が出た回数は5
回.
P[S
10= 5] =
10C
5( 1 2 )
5( 1
2 )
5= 10!
5! 5! ( 1
2 )
10= 252
1024 ≅ 0.247 . . . (iii) 10
回投げて6
歩以上前進しているから,
表が出た回数は8
回以上.
P[S
10≥ 8] = P[S
10= 8] + P[S
10= 9] + P[S
10= 10]
=
10C
8( 1 2 )
5( 1
2 )
5+
10C
9( 1 2 )
5( 1
2 )
5+
10C
10( 1 2 )
5( 1
2 )
5= (45 + 10 + 1) ( 1
2 )
10= 56
1024 ≅ 0.0547 . . . 2
[
練習問題3.5
解答]
平均を求める. E[ R
A+ R
B2 ] = E[R
A] + E[R
B]
2 = 2 + 4
2 = 3.
分散を求めるために
,
まずR
A とR
B の共分散を計算する. R
A とR
B の相関係数が-0.5
だから− 0.5 = Cov[R
A, R
B]
√ σ
2[R
A] σ
2[R
b] = Cov[R
A, R
B]
√ 4 × 9 = Cov[R
A, R
B]
6 .
つまり