確率論 I 補習 - 解答
2010/01/20, 西岡 2 号館 11 階 38 号室
• 臨時オフィスアワー, 01/25(月), 3 限.
1
1 組み合わせ
問題 1.1. 10 人から4人のリレーチームを選ぶ. (i) 走る順番を考えると,何通りのチームが選べるか?
(ii) 走る順番を考えずに, 4人を選らぶと何通りのチームが選べるか? 問題 1.2. (i) 3 を2個, 5 を3 個使い, 5桁の数字を作る. 何種類の数字 ができるか?
(ii) 3を2 個, 5を3個, 4を2個使い, 7桁の数字を作る. 何種類の数字 ができるか?
問題1.3. 下の図はA からB までの経路図だが↑, →, #方向のみに移 動が可能である.
(i) Aから B という道筋で最短のものは幾つあるか? ただし「斜めの移 動」は「縦+横」や「横+縦」より短い.
(ii) Aから B という道筋は幾つあるか?
!
"
#
$
%
3
2 確率空間 , 条件付き確率 , ベイズの定理
問題2.1. ある銀行への融資申し込みは 40 %が優良企業である. 優良企 業からの申し込みは90 %の確率, そうでない企業からの申し込みは 20
%の確率で審査を通る. この銀行の審査を通過した企業が優良である確率 を求めよ.
問題2.2. ある試験では, 問題が5 問,解答が 4択になっている. 全ての 問題にランダムに解答したとき, 2問正解となる確率を求めよ.
問題 2.3. 2つの箱A, B があり, 箱Aは 赤玉 60個, 白玉40個, 箱Bに は 赤玉 10 個,白玉 20個が入っている. 箱A, B のどちらかを等確率で 選び, 玉を一つ取り出す.
(i) 取り出した玉が 赤である確率p1 を求めよ.
(ii) 取り出した玉が赤であるとき, それが 箱 Aから取り出された確率 p2 を求めよ.
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問題 2.4. 100 枚の中に2枚の当たりa, b がある籤引きを行う. 取り出 した籤は戻さない方法で, Xが4 枚のクジを引いた.
(i) Xはまず, 当たりaを引いた. X が両方の当たり籤を引く確率p1を
求めよ.
(ii) Xはa, bのうち少なくとも1 つを引いた. Xが両方の当たり籤を引
く確率p2 を求めよ.
問題2.5 (1999年アクチュアリー, 難問). *1 1 家族に子供がn人いる確 率は (1−p)pn !
n >0, 0< p <1"
である.
子供が男である確率および女である確率は, ともに1/2 とする. ある家 族に男の子供がk 人いる確率を求めよ. %
*1 基礎数学の知識が必要.
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3 確率変数の平均 , 分散 , 共分散
問題3.1. 次の確率変数X にたいし, E[X], V[X], E[2X], V[2X], を 計算せよ.
確率 2/6 1/6 2/6 1/6
X の値 0 1 2 3
問題 3.2. 不良品発生率10%の製品がある. その中から, サンプルを順に 四つ取り出す. k 回目に取り出したサンプルにたいし,
Xk ≡
# 1 サンプルが不良品
0 サンプルが良品, k= 1,· · ·,4 とおく.
(i) 確率変数X1 の平均と分散を求めよ. (ii) 確率変数X2 の平均と分散を求めよ.
(iii) 確率変数S≡X1+· · ·+X4 の平均と分散を求めよ.
(ヒント: X1,· · ·, X4 は,それぞれ独立なベルヌイ試行.) %
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問題 3.3 (2006年公認会計士試験). 表が出る確率がp, 裏が出る確率 1−p のコインをn回投げた. このとき, 表が出た回数をSn とする. (i) 確率変数Sn の平均E[Sn] および分散V[Sn] を求めよ.
(ii) p= 0.5であるコインを10 回投げ, 各回毎に表が出れば1歩前に進 み, 裏が出れば1 歩後ろに進む. 10回投げ終わったときに元の位置にい る確率を求めよ.
(iii) p= 0.5であるコインを10 回投げたとき, 6 歩以上前進している確
率を求めよ.
問題3.4. 2つの株式A, Bの1期当たりの収益率( 1単位当たり)を, それ ぞれRA, RB とする. 更に固定金利2%の国債がある.
RA, RB は確率変数で,
E[RA] = 0.05, E[RB] = 0.1, V[RA] = 4, V[RB] = 16, で,両者の相関係数は -0.5である.
このとき, 株式Aに x単位, B にy 単位, 国債にz 単位, 投資する.
(i) 1期当たりの平均収益額が 6 単位となるポートフォリオ I(z) をz で
表せ. ただし
x+y+z= 100 単位.
(ii) このポートフォリオI(z)のリスクが最少となるz を求めよ. %
11
4 解答
[問題 1.1解答] (i) 10·9·8·7 = 5040. (nPk =n·(n−1)· · ·(n−k) と表記するので, 答えは10P4 でもよい.)
(ii) 10C4 = 10·9·8·7
4·3·2·1 = 210.
[問題 1.2解答] (i) 5個の箱があり, 数字 3を2 個入れる場所を選ぶ.
5C2 = 5!
2! 3! = 5·4 2! = 10.
(ii) 7個の箱があり, まず数字3 を2個入れ, 次に 数字 5を3 個入れる
場所を選ぶ.
7C2·5C3= 7!
2! 5! · 5!
3! 2! = 7!
2! 3! 2! = 210. !
[問題1.3解答] (i) 最短で行くには, #を使うので, Y に到着しなけれ ばならない. Y にいく最短路は 3C1 = 3.
(ii) # を使わないでB に行く道筋は5C2= 10,# を使う道筋の個数は
3. よって
10 + 3 = 13. !
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[問題2.1解答] 優良企業の申し込み件数を x, それ以外の企業からの申込 件数を y とする.
審査を通過した企業の数z は
z= 0.9x+ 0.2y.
一方 y/x= (1−0.4)/0.4 = 1.5. これより
審査を通過した企業が優良である確率= 0.9x z
= 0.9x
0.9x+ 0.2y = 0.9x
0.9x+ 0.2·1.5·x = 0.75. !
[問題2.2解答] 「1問当たりの正答確率は1/4」のベルヌイ試行. よって 2 問正答である確率は
!1" !3" 135
[問題 2.3解答] 事象を次で定義: A = 箱Aを選ぶ, B =箱B を選ぶ, R =取り出した玉が赤.
p1 =P[R] =P[R∩A] +P[R∩B]
=P[R/A]·P[A] +P[R/B]·P[B] = 60 100 · 1
2 +10 30· 1
2 = 7 15. p2 =P[A/R] = P[A∩R]
P[R] = P[R/A]·P[A]
P[R]
= 60 100 · 1
2 · 15 7 = 9
14. !
15
[問題 2.4解答] 「Aは当たりクジa を引く」, 「B は当たりクジ bを引 く」事象とする. まず
P[A] = 99C3 100C4
= 99!
96! 3!· 96! 4!
100! = 4
100 =P[B].
P[A∩B] = 98C2
100C4 = 98!
96! 2!· 96! 4!
100! = 4 100· 3
99. P[A∪B] =P[A] +P[B]−P[A∩B] = 2· 4
100 − 4 100· 3
99 = 13 165. ベイズの公式より,
p1 =P[B/A] = P[A∩B]
P[A] = 4 100 · 3
99 · 100 4 = 1
33. p2 =P[A∩B/A∪B] = P[A∩B]
P[A∪B] = 4 100 · 3
99 · 165 13 = 1
65. !
[問題2.5解答](難問) Step 1. n人子供がいて, 男の子がk 人で有る確 率 Q(k, n)は
Q(k, n) = (1−p)pnnCk (1 2)k(1
2)n−k
= (1−p)nCk (p
2)n, n≥k.
よって, 男の子供がk 人いる確率は
$∞ n=k
Q(k, n) =
$n n=k
(1−p)nCk (p 2)n この和は直接計算できない. 母関数を使う.
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Step 2. |s|<1 なる実数sにたいし, R(s)≡
$n k=0
sk $
n≥k
Q(k, n) =
$∞ n=0
$n k=0
Q(k, n)sk
=$∞
n=0
$n k=0
(1−p) (p
2)n nCk sk = (1−p)$∞
n=0
(p
2)n (1 +s)n
= 1−p
1−p(1 +s)/2. となり,
$∞ n=k
Q(k, n) = 1 k!
dkR(s) d sk
%%
%s=0 を計算すればよい.
Step 3. dk d xk
1
1−x = k!
(1−x)k+1 だから 1
k!
dk
d skR(s) = 1
k! (1−p) k! (p/2)k
!1−p(1 +s)/2"k+1. よって,
$∞ n=k
Q(k, n) = 1 k!
dkR(s) d sk
%%
%s=0= (1−p) (p/2)k (1−p/2)k+1 . !
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[問題 3.1解答] X の分布表より
確率 2/6 1/6 2/6 1/6
X の値 0 1 2 3
X2 の値 0 12 22 32 となるので,「平均値/分散の計算ツール」を使うと,
E[X] = 0· 2
6+ 1· 1
6 + 2· 2
6+ 3· 1 6 = 8
6. V[X] =E[X2]−!
E[X]"2
= 02· 2
6 + 12· 1
6 + 22· 2
6 + 32· 1 6−(8
6)2 = 11 9 .
2X は X から作られた新しい確率変数で, その確率分布は以下の通り:
確率 2/6 1/6 2/6 1/6
X の値 0 1 2 3
2X の値 20 = 1 21 = 2 22 = 4 23 = 8
E[ 2X] = 20· 2
6 + 21· 1
6 + 22· 2
6 + 23· 1 6 = 10
3 V[ 2X] =E[ 22X]−!
E[ 2X]"2
= 22·0· 2
6 + 22·1· 1
6 + 22·2· 2
6 + 22·3· 1 6 −(10
3 )2
= 17− 100 9 = 53
9 . !
21
[問題3.2解答] ベルヌイ試行Y が
P[Y = 1] =p, P[Y = 0] = 1−p とすると,
E[Y] = 1·p+ 0·(1−p) =p,
V[Y] = 12·p+ 02·(1−p)−p2 =p(1−p).
(4.1)
(i) X1 はベルヌイ試行で, (4.1) でp= 0.1. つまり E[X1] =p= 0.1,
V[X1] =p(1−p) = 0.1(1−0.1) = 0.09.
(ii) X2 もX1 と同じ確率分布をもつから,
E[X2] = 0.1, V[X2] = 0.09.
(iii) X1,· · · , X4 は独立で同分布. 「平均値/分散の計算ツール」から E[S] =E[X1] +· · ·+E[X4] = 4·0.1 = 0.4,
V[S] =V[X1] +· · ·+V[X1] = 4·0.09 = 0.36. !
23
[問題 3.3解答] 確率変数Xk を Xk =
# 1 k 回目のコイン投げで表がでた時 0 k 回目のコイン投げで裏がでた時
とおく. すると Sn=X1+X2+· · ·+Xn であり, ‘勝率 pの2項分布’
に従う:
P[Sn=k] =nCk pk (1−p)n−k, k = 0,1,· · ·, n.
(i) Sn の平均と分散を2 項分布から求めるのは面倒. Sn は独立, 同分布 の確率変数の和だから「平均と分散の計算ツール」を使う:
E[Xk] = 1·p+ 0·(1−p) =p,
V[Xk] = 12·p+ 02·(1−p)−p2=p(1−p).
(ii) 10 回投げて元の位置にいるから, 表が出た回数は5 回. P[S10= 5] =10C5 (1
2)5 (1
2)5 = 10!
5! 5! (1 2)10
= 252
1024 +0.247. . .
(iii) 10 回投げて6 歩以上前進しているから, 表が出た回数は8 回以上.
P[S10≥8] =P[S10= 8] +P[S10= 9] +P[S10= 10]
=10C8 (1 2)8 (1
2)2+10C9 (1 2)9 (1
2) +10C10 (1 2)10
= (45 + 10 + 1) (1
2)10= 56
1024 +0.0547. . . !
25
[問題3.4解答] (i) 次の連立方程式の解:
x+y+z= 100, 0.05·x+ 0.1·y+ 0.02·z= 6,
⇒x= 80−1.6z, y= 20 + 0.6z.
赤が x, 青 がy, 緑がz.
10 20 30 40 50
20 40 60 80
(ii) I(z)のリスクは分散で評価できる.
V[I(z)] =V[x·RA] +V[y·RB]−2Cov[x·RA, y·RB]
=x2·4 +y2·16−2xy·0.5·√ 4·16
= 4x2−8xy+ 16y2 = 4(x−y)2+ 12y2
= 592
25 z2−768z+ 19200
= 592 25
!z− 25 592 · 768
2
"2
+ 19200− 25 592 ·(768
2 )2
= 592 25
!z−600 37
"2
+48×104 37 . よって,z= 600
37 のときV[I(z)]は最低となる. !
27
(x, y, z) = (20×102
37 ,11×102
37 ,6×102
37 )+(54%,30%,16%) で V[I(z)] は最小.
10 20 30 40 50
10 000 20 000 30 000 40 000