狂牛病およびO157食中毒事件の家計生鮮肉需要に及 ぼした効果 : 需要体系アプローチ
その他(別言語等)
のタイトル
The effects of BSE scare and E. coli O157 : H7 outbreak on household demand for fresh meat : A demand system approach
著者 澤田 学
雑誌名 帯広畜産大学学術研究報告. 自然科学
巻 21
号 1
ページ 53‑59
発行年 1998‑10‑26
URL http://id.nii.ac.jp/1588/00001883/
帯大研報21(199射二53〜59 53
狂牛病および0157食中毒事件の家計生鮮肉需要に及ぼした効果 一需要体系アプローチー
澤田 学*
(受理:1998年5月29日)
TheEffects of BSE scare and E.coliO157:H70utbreak on
household demand forfresh meat Ademandsystemapproach−
Manabu SAWAl〕A
摘 要
ロッテルダム型需要体系モデルの特定化・計測を通じて,1996年に発生した辻井病事件 および病原性大腸菌0157集団食中毒事件がわが国家計の生鮮肉類需要に与えたインパクト を検討した。生鮮肉需要は,価札 所梅,ならびに肉類に関して家計が知覚している安全 性の関数としてモデル化した。肉類の知覚された安全性は家計に利用可能な安全性/健康リ
スク情報の関数であると仮定し,1985年5月から1997年10月に渡る当該情報の変化を,わが 国の代表的全国紙である朝日新聞による狂牛病騒動と0157食中毒事件の報道具によって代 用・測定した。主要な分析結果は次の3点であった。第1に,狂牛病の報道は1か月の時差を
もって牛肉購入に顕著なインパクトを与えた一方,0157報道は牛肉,合いぴき肉,「他の 生鮮肉」(レバーを含む)の購入を手控えさせた。しかし,豚肉と鶏肉の需要はこれらの事 件報道の影響を受けなかった。第2に,当該事件抄報道増加が牛肉,合いびき肉,「他の隼 鮮肉」の需要に及ぼした負の効果は,報道減少に伴う需要回復効果を上回らなかった。こ の結果は,報道の増加局面と減少局面でリスク情報効果に非対称性が存在しなかったこと,
したがって,生鮮肉の需要構造は事件前経で変化しなかったことを意味する。最後に,1996
年4月から9月にかけて各月の牛肉購入量減少率の6D%〜80%は,狂牛病およぴO157事件 の報道増加にともなうリスク情報効果によるものであり,価格効果や所得効果を火きく凌
駕していたことが認められた。
キーワードニ狂牛病,0157,食品安全性,牛肉需要,需要体系
よ帯広斉産東学番屋管壇学科 〒08¢毎555北海道静ム南扇田町
r)et)artme】1tOfAgriculturalEく‥〔〉nOmiES,ObihirDt:niversityofAgricultlユrt ndVeらeriTl訂yMedichle.Hokkaid(}.
(適0革555,、Tapan
津田 学
的とした、。
力 法 モデル
「家計調査」の品目′分掛乙したがって千隻鮮肉賢,
牛軒(i−1).豚肉らト2),親肉くi=餌食い炊き瀾 てi二4)。他の生鮮肉自丁封lこ分境,しす生鮮肉脚 ぬ購入尉を「他の財」(i=6きもこ一括♭た。そしで,
各財に対する家計ぬlÅ当たり月別需要量躯を,所 得(消費真山)ダ,これら8毯賛の財の価格払い■ン 彿と単位数量当たり安全性水準孝i,J・・ぅ鶴の関数 緒 言
消費者は,.「吸に食品の安全性につ車て自、ら検査 することが困難であるため,外部情報から形成した
主観的な健康リスク認識に基づいて食品の購入決定 を行う。筆者は,先に1996年の狂牛病事件と病原性
人勝菌0157集団食中毒事件にともなう牛肉の賢い控 え現象を取り上げ,これちの事件に関する新聞報道
が牛肉の安全性に対する消費者の侶板感を変化させ ることを通じてナ家計の牛肉需要にどの軽度の影響 を及ぼしたのか,単一需要方程式アプローチによっ
て考質した1)。
しかしく,牛肉という特定品目の需要関数だけを計
測する単一需要方程式アプローチで吼 牛肉の安全 性に対する消費者不安の高まりは,年内から鶏肉や
豚肉など他の生鮮肉への消費代帯を生じきせた亀か どうか,また,狂牛病事件や病原性大腸菌(H57集団
食中毒事件の新開報道は.牛肉以外の消費財の需要 にどのような影響を与えたのか,について明らかに することができなかった。
さらに,瀾達する新聞報道記事数を価格,所得変 数とともに対象食品の啓蒙呈に回帰きせる手法でl
食品安全性に不安を生じさせる社会的事件が食品需 要に及ぼすインパクトを検討した既往研究で はl12】ヨゝ斗!もも),事件発生にともなう報道記事数の増大が
需要に与える効果は,報道量の増減が同じであるな らば,その後の報道記事数の減少による需要の回復 効果によって宛全に相殺きれるという,情報効果の 対称性をアプリオリに仮定してきた。しかし,新聞
報道の増加する局面で増した消費者の食品安牽性に 対する不安軋報道が減ったからといって容易に好 消しないかもしれず,その場命には新聞報道量の増
加局面と減少局面で新聞報道からもたらされた裔要 への情韓効果は非対称的であろう。し たがって,こ
れまでの分析で前線されてきた情報効果の対称性は,
実証的に検証する必要がある。
そこで,小稿は,家計の各消費財の購入行勃を同 時・整魯酌に分析する需要体系アプローチを採用し7),
生鮮肉頼に焦点を当てて,狂隼病事件やd15棟団食 中毒事件の新聞報道が各品目の需要に与えた影響,
ならびに新聞報道によって揮えた関連外部僚報の需 要効果の対称性を計量経済学的に検証することをR
敬二ん言(斑,…,鮎ダ,Z,,…,鶴†腫,・−・無風2)
βrざ=1,′、・,6
(1)
に定式化しだ㌔美だし,鶴は需要の季節性なさ葉
柄月に固有嘩裔要料フィを董オ月こ次ダミー菜数であ る。ここで.空1,・・・,、毎∨を,頃壁、の萱}研に基づも諒て,家
計が入手した,狂牛病に関する墜該離醸凝如 膏〕1か月前と2か河前む情報ムト1),ム吏望),な らぴ′に,0ユ57食中轟事件に関する当敬白老1か月前 め情報以0),ち卜1沌磯数もこ定式雉し1l,羊1)
代人すると
妨式・(♪1,・・・−轟,弟ム(1j,揖←十幻,養摘),
長上り.ノ鱗i…,聯プ)掬rg−1富−、,6
(盗)
を得る。小編で¢葺く翌)式啓計測する溌轡に,モヂjレ 研一瀾麿ヂと,情報効果幻非対称性の検証を考慮し 宜、(2)式め関数梨を演武の、ロッテル.ダ養審要件爵 モデル9)に特産化した。
動座1n¢∠=碗、∫十鼠溝適仇+録和昭十説毎卵塊
+射通鴫t牒一組適取−り
い +如搬離㍍一色)十み楢原釣卜瑠 l如諜′鵡(0.)+巌岬掛塚傾 一徳笠.廠、療〃ちトD+如き丁戯圭一1‡
陶ぎ,ノ=1,‥・,6;雛二1!・‥ききケア亨…il習 こ、
ここで」痴.=(
変数虔について.♂1甑=1nズー1mガ(一1),廠=ぷ昔 トl)卜dtnQ=∑廊適In偽であり,.ガ(⊥畏)那難餌
のエか月前の倦を表す仇ロッテクレダム需要体系竜宮 ル紐変数の1腐蝕誼で義視潰れる喝普ふ 月顎ダミー
変数もl階間違をとっ′た鳴これらの月次ダミー変
狂牛病・り157食中毒事件と家計生鮮肉需要 55 数は1次従属関係にあるため,6月の月次ダミー変
数を取り除いた。したがって,残りの月次ダミー変 数の各係ヨ鋸ま,6月と比ぺた各月の季節的な需要差
を測る。また,次式で定義される舶町ト1),抑卜 1),戯−(2),珊ト2),dJ私(0),掘(椚‥道北 ト1)?掘ト1)は,狂牛痛や0]57食中毒事件の情
報が増加する局面と減少する局面を示すように作成 された変数である。
を用いた。なお,「家計調査」の分類説軌こよれ鴎 合いぴき肉とは,牛肉,勝因などを合わせてひいた ものであるのに対し,他の生鮮肉は,もつ,タン、
羊臥馬肉,鴨肉,スッポンなど内容が多彩である が,「消費者物価指数」ではレバーを代表品月として いるので,もつ類がその主たる内容ヒ思われる。
狂牛病,0157食中毒事件に関わる情報変数んム には,それぞれ「狂牛病」,「(j157.をキー・サード として,1985年5月以降1997年18月までの姉間につ も)て朝日新聞記事データぺ′」ス(著作権者二㈱轡日 新聞)を検索して得られた見出し㌔一夕を,CD HIASK摘己伊国展酋店・臼外アリシエ曲り)とN出y
−Serve新聞記事検索による記事内容チェックを行っ たうえで,月別の関連記事本数に集計して使用した。
計 測 結 果
(3)式の計測のために,同式右辺に誤煮項を付加 した。各月次の8次元誤差項ベタいレは,(3)式右 辺の説明変数と舞相関で!平均ゼロ,非対角な同節 分散共分散行列を有し,互いに独立な同一の薮変量 正規分布に従うと俊足した。誤差項ベクトルは,収 支均等条件(6)によって1次従属であるので,「他 の財」の需要方軽式を除いて残りの5本の密雲方程 式を,パラメータに同家僅条件汀)を課して,最尤
法により同時推定した。この場合の計測されたモデ ルそノ「の対数尤産山′・ほ6143,53であった。
次に,パラメータに対称性条件(8)の制約をきら に課したモデ加㍉4を計測したところ,対数尤産エ。は G136・紺となった。また,モデルんrに,情報変化へ
の対称的反ム己こを表すパラメータ倒約
=揖一上トム(「ほ一1りグムトエ)>
らトはⅢ
=0
〃〟2gm・蟻≠(司)d肝烏トエ)
(5)軋り .=ムトエトムト(エ1))げん卜上)< i=舎ル… 血ふも ′
(3)式は,家計の効用極大化行動を反映するために
(8)収支均等条件
∑ヂ¢∠=∑㌘m一・=∑㌣ノ=Dか∀班・ノ
∑戸ⅠⅧ∫=∑戸恒=∑ダー2叙亡:≠12ハ01
∑戸畑=∑タコ膵・==∑戸∠−た戸∑声2け1き=0
(7)同次性鮒∑∫り=0かト1,・・・,6,
(8)対称性条件 rr.∫=どメゾ,伽一 ≠,ノ=1,・‥,6 を満たさなければなら登い7)。収支均等条件と同案性 条件は,消費対象町の購入数塁ベクトルが予算制約 を満たすことを保証し,また,対称性条件は需要体 系を基礎づけるl祀11−beわavedな選好関数が存在する ための必要条件である。
資 料
計測に供した資料は,19縛年5月からユ997年10月 に渡る次の月別データである。軌,亀,留‡,鮎鶴に はそれぞれ「家計調査」(全国・全世帯・品目分類)
の,牛肉卜豚肉,鄭札合いぴき肉,他の生鮮肉の 世帯員1人当たり月間購入量(如.A仁み㌧鯨‥‰
あにはそれぞ才t,同調査(堂岡・全世帯)の対応品 目の購入単価(1掴g当たり円),♪6には消費者物価 碍数」(全国)の帰尿家賃を除く消費者総合物価指数
(1995年平均1)を採り,Jには「家計調査」(全 国・全世帯)釘世偏屈1人当たり月間消費支出(円)
み1ガー二¢tl燕,か頸.「あ涙 巌蛸=如叫す岬=か偶 ノ躯 ∀オ
(9)
をさらに付加したモデルβを計測すると,対数尤度 エβは6126.71であった。最後に,モデルぴに(8)
と(9)式のパラメータ制紆を付加したモデルCを計 測した結果,その対数尤度エ〔、は机20.02となった。
モデルぴ,A,β,Cの対数尤慶をもとに,パラ
メータ制約(机(9)の寮当性について尤度比検定
を行った。モデルLrを所与として帰寮仮説(8)を
検定す′る尤度此検定統計値は2(ん7−⊥A)13.礪く
ズ2岬(df=10)=23.209であったので,当該傍証ほ1
澤田 学
56
%有意水準で棄却されなかった。賽にモデルAを所 与として帰無仮説(′9)を検定する尤度比検定統計情 は2(エ八ムc)=33.56<ズ2….(df二20)二37,5鰭と なり,当該仮説は1%有語水準で棄却されなかった。
一九モデルUを所与として帰燕仮説(9)を検定す る尤度比検定統計値はれhr㍍=33.56く∬宮川
(df二20)=87.566であったロ〕で,当該仮説i享1%有
意水準で棄却されなかった。次にモザルβを所与と しで僻無仮説(酎 を検定する尤度比検定統計値は
2(エガエ(ご)=1》.38くが.。、(df=1け〉=23.ZO8とをり,
当該仮説は1%有意水準で棄却官れなかった。最後 に,モデルⅣを所与として帰無仮説(郎およ′び伯)
を検定する尤度比検走統計値ほ鈷レエ(了〉=
47.¢2くズ菩. (df=30)二50.892であり,この場合も僻 無償説は棄却されなかった。有意水準を1蟻とした 場合も,か標本サイズ修正後の尤度比襖定統計竜を 用いて尤度比検定を行うと11り,同様の結果が得られた。
以上の結果から,最終的に,対称性制約(割と情 報数庚の対称性制約(9)を付けたロッテ/レダム需要 体系モデル
軌鞠㌻=‰十:㌔加∫猟十如仙崎・:f耕一(痛)
−礎11一イ玖(1)+≠−ヨr粛1(−2)
(10)十d抑弘(n)+あ⊥∫鵡(1)
冶くγ≠,ノ=1,・・・,5.■研二1,…,5,7,・・・,12 頭鮎抽=わi■亡j二轟
の計測結果(表1)に基づいて考案を行った。
考 察 尤度比検定の結果,財の購入数量ベクトルが予算
制約を満たすことを所与として奮需要体系パラメー タヘの対称件制約条件(8)が受容きれたこと乱発
述したように需要体系モデルを基礎づけるwelトbe−
havdな選好閲数が存在するための必要条件が成立
していることを意味する。他ふwellt)ehaldな選 好関数が存在するための十分条件は,1代替効果係数 行列が半負定符号行列となること(負性条件)であ
るが‖,この条件はロッテルダム需要体系モデノレの場 合,行列甘=[〔1り]が半負定符号行列であることに他 ならない㌔表1の推定値に基づいて瑠を構成し,そ の圃有情を求めたところ, 0.0043l,0.醐1飢.
0.0け050,u,り.t】∩()机 n_㈹025となった。正の固 有値が存在するので,この結果は,計測された需要
体系モデルでは負性条件が成り立たないことを示唆 する。つまり,小橋で計測した需要体系モデルほ,
需要の趨勢変動および季節変動と情報効果を除去し た場合,家計♂J効用極大化行動を委していると解釈
するには無理があるが,決定係数とダービン■ワト ソン比から判断して
肉購入行動を比較的良好に捉えている統計的モデ/レ といえよう。
次iこ,(9)式のパラメータ制約が統計学的に受容 されたことは,狂牛病および0157食中帯革件を報じ た新聞記事数の増加が牛鮮肉の需要に与えた影響は,
関連記事教の同数の減少によって完全に相殺された ことを意味する。したがって,関連新聞報道が終息
衰1.制約条件つきロッテルダム需要体系モデルの計測結果
∫Ⅰ弄 ムー ゆ−こ。・ ¢.打+ く毎, ≠2−i皮呼踵粛瓜肝 凌l射窟)
0、979 2.鋪 0.g¢0 2.Sl O.981 2.糾
0.7り2 2.患9q.773 2.㈹
11.584 朗.邑03 02(J3 ‖り26 n.n57 0.批ユ
〔4瀾j)軋064)卜=1討乱糾)ト4.UIU)(−0.9(17)
牛 肉
(1)
靡 肉
・二・
黒 内 曹いびき肉
(4)
他の生鮮肉
て5)
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n.542 0.翻 け145 軋151 痛.917 日O3 M31 0.nO7 口.即5 1.058)(1.646)卜し672)軋915)鳳DO5)卜l)u57トニ=11)(0.778)H1531)
ほ.922 4.722 −3.990 27.713 州14 0.力36 0.OU9 −0.〔104 ト1.696)(2.321)十1.6彗6)(7.描)ト0.431:〔1.11担)(1.2糾)(n.i瑚
〉0.195 2.¢ユ伝 0ぷユ′ 0.梱2 イl.O12 n.On3 MOう H=12)(2−5U8)(0.755:卜0.237)(l.649)(て2Z4)(3.249)
札016 0.712 川口7 日臼5 −U.UU8 M巾7
(飢132)川.4Z5)((=細)tO357)(2.656)(2.4川 注1)定数項と月次ダミー変数β減数絶定値は掲載を省略したてな九係数推定慣は1t州抑倍しているゥかノコ内の数値射檀である与
2)兼吉ダ瑚柁げは決定係数,上).Ⅳ・はダビンワトソン此であ右D
狂牛病・0157食中毒事件と家計生鮮肉需要 Fr?
した段階で判断する限り,狂牛病事件や0157食小善
事件の発生前後で生鮮肉需要構造は変化しなかった といえる。
表1妙情報係数推定値をみると,牛肉では,1か 月前の狂牛病報道新聞記事数,当月のO157食中毒関 連記事数の係数値がそれぞれ,596,1%水準で鱒 計学的にゼロと有意羞があった。また,合いびき肉 では,当月と1か月前の0157食中毒関連記事数の係 数値がそれぞれ,5‰1%水準で,他の生鮮肉で は,当月と1か月前の0157食中毒関連記事数の係数 値がそれぞれ1%,5繋,水準で統計学的にゼロと 有意差が認められた。対照的に,豚肉と鶏肉では統
計学的に有意な情報係数はなかった。これらの結果 から,狂牛病事件の新聞報道は1か月の遅れをもっ
て牛肉の需要を減少させたが,他の生鮮各肉の需要 へは影響を及ぼさなか一」た,しかし,0157食小毒事 件の新聞報道は当月の乍肉,合いぴき肉,他の生鮮 肉の冬需要を減少させただけでなく,合いぴき肉,
他め生鮮肉につ小ては翌月の需要をも減少させる効 果を有した,他方,豚肉と贅肉の需要は狂牛病や0
157食中毒事件関連の新聞記事薮勧変化に影響を受け なかった,ことが明らかとなった。
新聞報道記事凝の影響が,狂牛病と0157食中毒事 件で異なる効果が認められた哩由として次のJ.知音指
摘できよう。狂牛病は英国彦牛肉に関して発生した ものであり,、r司牛肉を食用として輸入していないわ
が国では,牡牛報道は輸入牛肉を中心に牛肉の安全 性に対する消習者の不安感を簡成したものの,秀計 の牛肉購入に直ちに影響せず,lか月の遅れをもっ て牛肉の購入を減少させたと考えられる。一布0 1う7食中毒は全国規模での多発的柴田発生と感染源の 特定に困難を極めたことで,消費者の不安が増惜さ れ,当月の新聞報道がその月の牛肉や合いぴき肉,
レリヾ−など牛内膳を中心に他の生鮮肉の嫡入にダイ レクトに影響を与えたのであろうe特に,0157大腸 菌が牛の腸管内で増殖するとの報道,また,米国に おける聖焼けのハンバーかによるQ157集団食中毒 の発生事例の報道が早くから行われていたこと,お よぴ,0157火腸嵐が検出された食材の多くは牛内臓 物であったことから,0157食中毒発生が下火になっ ても,か−ぴき肉と他の生鮮肉の安全性に対する不 安感が容易に解消されず川,これらの生鮮肉では0157
食中毒事件報道の需要減少効果がタイムラグをもっ て競いたと推察される。
蓑1の情報係数推定値に統計学的に有意な止僚が ひとつも認めら′れなかった月払狂牛病と0157食中
毒事件にともなって各年鮮欄間で購入代替がなかっ たことを意味する。つまり,狂牛病や0157食中寿事
件の新聞報道を受けて牛肉や合いびき肉,他の生鮮 肉の購入を手際えた家計は,その分,健肉や矧勾の 購入を増やすような行動をとらなかったe収支均等 条件を利用して,「他の朗」の情報変数係数値を表1 の計測結果から推定したところ、,あ1好こ0.023×101
(1.88射,¢,Z6「=n5×1n】」軋41軌あ。6=().帆5)く 1わ4(2_n36)上島16=0.㈹3X18 ̄1(1.321)となった。
ただし,カツコ内の数値iまt値である。¢116,あ。6は それぞれ,10%,1%水準でゼロと統計学的に有意 差が認められるので,家計の消費支出額くを所与とし て,狂牛癖字件♂)新聞報道は1か月の時差をもって
牛肉購入に配分していた予算の・一都を畢鮮肉以外の 消費財購入に再配分したこと,そして,0157食中寿
事件の新聞報道は当月の牛軋合し)びき肉,他の生
鮮阿に振机句けていた予算の一部壕生鮮肉以外の消 費財購入に再配分したことが確認できる。
最後に,狂牛病と0157食中毒事件の発生した1う96 年度について,牛肉購入量の月別変動が,相対価褐 変軌所得変軌狂牛病および0157食中毒事件の新
聞報道記事数で測った安全性絶遠情報の変動のそれ ぞれによってどの程度説明されるか検討した。牛肉 購入量の変動を,世帯員1人当たり購入妾の対前年
同月からの変化率C(吼)で捉え,各財の価格変動と 所得変動も同様に対前年同月からの変化率C抱),C
(γ),情報量の変動を対前年同月から関連記事数の変 イヒ△ム(1),AJlト2),△ろ(0)ブ△ム(−1)によって 捉えると,G(坑)は(10)式を用いて
紬=:詔㈲十念相
似) +告△障−)十告△い2)
十無刷十年△折l=略画画 呵
ただし,
∫∫ト12)
CくJ)二
,ÅJ烏(一上卜揖⊥)ん(はユ3)),
∫トユ2)
虎・.=(勅+叫(12))′/2
篠田 学
表2,牛肉1人当たり購入1の対前年同月増減率の要因分解
(1996年4月〜柑97年3月)
5S
残 蓋 情報効果
所絡効果 増減率実韻 価格効果
4.9%(40)
4.4%(39)
一4.4%(63)
一1.2%(7〉
4.6%(′2S)
2.3%(1S)
8.1%(78)
10.0%(、90)
7.6%(83)
6.7%(g8)
−10.5%(85)
−8 5%(179)
7.R%(64)
7.4%(66)
5.5%(8U)
13.7%(81)
14.7%(78)
7.5%(57)
−2.8%(24)
−2.4%(22)
−1−1%(12)