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本レポートでは はじめに 1 最近における大分市の消費者物価の動きについて説明したあと ~16 年にかけて全国と大分市とで差がみられた要因とその背景について考察する 3 その上で 今後の大分市の消費者物価をみる上での留意点およびポイントを整理する 2

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1

本稿は、橋本龍一郎(現・調査統計局)が作成しました。内容に関する照会は、日本銀行大分支店総務課(TEL:097-533-9106

FAX:097-538-7085)までお寄せください。

本稿はインターネット(

http://www3.boj.or.jp/oita/

)からもご覧いただけます。

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行大分支店までご相談ください。

転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

2 0 1 7 年 4 月 1 8 日

日 本 銀 行 大 分 支 店

日本銀行大分支店 ミニレポート

原油価格に対する感応度が全国よりも低い

大分市の消費者物価

(2)

はじめに

2

 本レポートでは、

① 最近における大分市の消費者物価の動きについて説明

したあと、

② 2015~16年にかけて全国と大分市とで差がみられた要

因とその背景について考察する。

③ その上で、今後の大分市の消費者物価をみる上での留

意点およびポイントを整理する。

(3)

1.大分市と全国の消費者物価の推移

(4)

4

 大分市の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、以下同

じ)は、2015年半ば以降、振れを伴いつつも前年を下回っ

て推移してきたが、足もと、2017年1~2月にかけては、2

か月連続で前年比プラスとなった。

 こうした背景としては、これまで消費者物価を下押ししてき

た2014年夏以降の原油価格下落の影響が、ここにきて一

巡しつつあることが挙げられる。

── 原油価格は2016年初頭をボトムに緩やかに持ち直している。

こうしたもと、消費者物価指数のうち「エネルギー」(電気代・ガ

ス代・他の光熱(灯油)・ガソリンの4品目)の前年比マイナス幅

は、2016年6月以降縮小に転じ、2017年1月には、2年2か月振り

に前年比プラスに転じている。

── これまで消費者物価の下押し要因となっていた「エネルギー」

価格は、2017年度は、小幅のプラス寄与となっていくとみられる。

小幅のプラスに転じつつある大分市の消費者物価指数

(5)

▲ 15.0 ▲ 10.0 ▲ 5.0 0.0 5.0 10.0 ┗ 1 4 ┛┗ 1 5 ┛┗ 1 6 ┛┗ (前年比、%) 17 (年) ▲ 1.0 ▲ 0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 ┗ 1 4 ┛┗ 1 5 ┛┗ 1 6 ┛┗ (前年比、%) 17 (年) (注)WTI原油先物(ドル建て)と円ドル為替を用いて算出。以下同じ。 (資料)時事メイン

5

▽WTI原油先物(円建て)の推移

▽大分市の消費者物価指数の推移

▽うち「エネルギー」の推移

(注)2014/4月の消費税率引き上げによる直接的な影響を調整したベース(試算値)。 (資料)総務省「消費者物価指数」

「エネルギー」

:電気代・ガス代・他の光熱(灯油)・

ガソリンの4品目

[消費者物価全体に占める割合7.9%]

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 ┗ 1 4 ┛┗ 1 5 ┛┗ 1 6 ┛┗ (円/バレル) 17 (年)

17/2月:

+0.2%

16/8-9月:

▲0.3%

原油価格下落

新興国経済の

減速

(注)2014/4月の消費税率引き上げによる直接的な影響を調整したベース(試算値)。 (資料)総務省「消費者物価指数」

(6)

6

 大分市の消費者物価指数は、概ね全国と同じような動き

となっている。但し、仔細にみると、

2015年夏場から2016

年末にかけて全国より前年比が高めに推移

している。

 こうした差が生じた背景としては、消費者物価指数のうち

「エネルギー」のマイナス寄与が、大分市は全国よりも小

さかった

ことが挙げられる。

 原油価格の下落は全国も大分市も同じ条件であるにもか

かわらず両者に差がみられる背景としては、

大分市では

「エネルギー」品目の原油価格下落に対する「感応度」が

全国よりも低い

ことが挙げられる。

 以下では、どのようなメカニズムで感応度に違いが生じて

いるかについて分析する。

全国との差とその背景

(7)

▲ 0.64 ▲ 0.84 0.56 0.52

▲ 0.08

▲ 0.32

▲ 1.00 ▲ 0.80 ▲ 0.60 ▲ 0.40 ▲ 0.20 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 大分市 全国 (%) エネルギー以外 エネルギー CPIの前年比 ▲0.24 ▲0.20 ▲ 1.0 ▲ 0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 ┗ 1 4 ┛┗ 1 5 ┛┗ 1 6 ┛┗ 全国 大分 (前年比、%) 17 (年)

7

▽消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)

の推移

(注)2014/4月の消費税率引き上げによる直接的な影響を調整したベース(試算値)。 (資料)総務省「消費者物価指数」

▽2016年の消費者物価指数の前年比

とその内訳

(注)生鮮食品除く総合(前年比)およびエネルギー(寄与度)の16年平均。 エネルギー以外は両者の差として計算。 (資料)総務省「消費者物価指数」

(参考)「エネルギー」の構成品目・万分比

 「エネルギー」は、電気代・ガス代・他の光熱(灯油)・ガソリンの

4品目からなる。それぞれがCPIに占めるウェイト(万分比)をみ

ると、大分市は「電気代」「ガス代」「他の光熱」のウェイトが全国

よりも低い一方で、「ガソリン」のウェイトが高い。もっとも、エネ

ルギー全体のウェイトは大分市・全国ともにほぼ同じ。

2016年の消費者物価指数を

「エネルギー」と「エネルギー

以外」に分解すると・・・

(万分比) 電気代 ガス代 他の光熱 ガソリン エネルギー 大分市(①) 331 167 18 273 789 全国(②) 356 181 41 206 784 差(①-②) ▲ 25 ▲ 14 ▲ 23 67 5

大分と全国のCPI

前年比の差はほぼ

エネルギーの寄与

度の大小によるも

のであることがみ

てとれる。

(8)

8

(参考)大分市と全国で異なる「エネルギー」の原油価格に対する感応度

 エネルギー品目の前年比差(全国-大分市)を被説明変数、原油価

格の前年比を説明変数として回帰分析を行うと、両者の間には相関

がみられる(決定係数:0.55、t値:12.02)ことから、

原油価格が変動

する局面では、全国と大分市のエネルギー品目の動きに差が生じや

すい

(原油価格に対する感応度に有意な差がある)ことが窺われる。

▽「エネルギー」の前年比差(全国-大分市)とWTI原油先物の前年比の推移

(注)電力会社やガス会社が価格決定時に用いる原料費調整制度は、1~3月の原油価格の平均を6月分の料金に 反映させるといった決定方法を取っており、原油価格の転嫁には半年程度の期間を要すると想定されるため、 原油価格の前年比は6か月先行のデータを利用。 (資料)総務省「消費者物価指数」、時事メイン

回帰統計

重相関 R

0.74

重決定 R2

0.55

補正 R2

0.55

標準誤差

1.10

観測数

120

係数 標準誤差

t

P-値

切片

0.03

0.10

0.32

0.75

WTI原油先物

0.04

0.00

12.02

0.00

回帰分析の結果をみると、大分市

と全国の「エネルギー」の前年比差

と原油価格の前年比には有意な相

関関係がみられる。

⇒原油価格が前年比▲10%減少し

た場合、全国の「エネルギー」の前

年比は大分市より▲0.4%(▲10%

×0.04)下回ると推定可能。

(注)回帰分析においては、2007年1月~2016年12月のデータを利用した。 特に言及のない限り以下同じ。 ▲ 8.0 ▲ 6.0 ▲ 4.0 ▲ 2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 ▲ 80.0 ▲ 60.0 ▲ 40.0 ▲ 20.0 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 ┗ 07 ┛┗ 08 ┛┗ 09 ┛┗ 10 ┛┗ 11 ┛┗ 12 ┛ ┗ 13 ┛┗ 14 ┛┗ 15 ┛┗ 16 ┛ WTI原油先物(円建て、前年比、6か月先行) エネルギー(前年比差)<右軸> (%) (%) (年)

(9)

2.原油価格が変動した場合の

エネルギー品目の感応度

(10)

 原油価格が変動した場合の「電気代」への影響度合いは、

大分市は全国(県庁所在地の市町村、以下同じ)の中で

も小さめ

「電気代」の原油価格に対する感応度…大分市:0.067 全国:0.109

⇒ 地域を管轄する電力会社によって感応度が異なっており(東京

電力管内は感応度が高い一方、九州電力や北陸電力の管内

は感応度が低い)、電力会社ごとに原料費調整制度の係数(調

整単価や上下限値)が異なることが背景にあると推察される。

10

エネルギー品目別にみた原油価格の変動に対する感応度

①「電気代」の感応度

 「エネルギー」は、①電気代、②ガス代、③他の光熱(灯

油)、④ガソリン、で構成されている。このため、以下では、

上記のそれぞれについて、原油価格が変動した場合、ど

の程度反応する傾向があるか、を確認する。

(11)

11

▽「電気代」の原油価格に対する感応度

(注)感応度は、「電気代」の前年比を被説明変数、原油価格の前年比(6か月先行)を説明変数として 回帰分析して算出された係数。以下同じ。 (資料)総務省「消費者物価指数」、時事メイン

▽都道府県別の感応度と所管電力会社

0.067 0.000 0.020 0.040 0.060 0.080 0.100 0.120 0.140 0.160 0.180 水戸市 宇都宮市 前橋市 いたま市 千葉市 東京都区部 横浜市 甲府市 長野市 岐阜市 静岡市 名古屋市 津市 青森市 盛岡市 仙台市 秋田市 山形市 福島市 新潟市 那覇市 大津市 京都市 大阪市 神戸市 奈良市 和歌山市 札幌市 鳥取市 松江市 岡山市 広島市 山口市 徳島市 高松市 松山市 高知市 福岡市 佐賀市 長崎市 熊本市 大分市 宮崎市 鹿児島市 富山市 金沢市 福井市 全国:0.109 都道府県 感応度 一般電気事業者 都道府県 感応度 一般電気事業者 茨城 0.153 東京電力 北海道 0.078 北海道電力 栃木 0.153 東京電力 鳥取 0.073 中国電力 群馬 0.153 東京電力 島根 0.073 中国電力 埼玉 0.153 東京電力 岡山 0.073 中国電力 千葉 0.153 東京電力 広島 0.073 中国電力 東京 0.153 東京電力 山口 0.073 中国電力 神奈川 0.153 東京電力 徳島 0.069 四国電力 山梨 0.153 東京電力 香川 0.069 四国電力・中国電力 長野 0.110 中部電力 愛媛 0.069 四国電力・中国電力 岐阜 0.110 中部電力・北陸電力・関西電力 高知 0.069 四国電力 静岡 0.110 東京電力・中部電力 福岡 0.067 九州電力 愛知 0.110 中部電力 佐賀 0.067 九州電力 三重 0.110 中部電力・関西電力 長崎 0.067 九州電力 青森 0.108 東北電力 熊本 0.067 九州電力 岩手 0.108 東北電力 大分 0.067 九州電力 宮城 0.108 東北電力 宮崎 0.067 九州電力 秋田 0.108 東北電力 鹿児島 0.067 九州電力 山形 0.108 東北電力 富山 0.056 北陸電力 福島 0.108 東北電力 石川 0.056 北陸電力 新潟 0.108 東北電力 福井 0.056 北陸電力・関西電力 沖縄 0.096 沖縄電力 滋賀 0.084 関西電力 京都 0.084 関西電力 大阪 0.084 関西電力 兵庫 0.084 関西電力・中国電力 奈良 0.084 関西電力 和歌山 0.084 関西電力

(12)

 原油価格が変動した場合の「ガス代」への影響度合いは、

大分市は全国の中で最も小さい

「ガス代」の原油価格に対する感応度…大分市:0.048 全国:0.116

⇒ 感応度の地域差の背景としては、

都市ガス普及率の高低

が挙

げられる(普及率が高いほど感応度が高い)。これは、ガスボン

ベの運搬作業など原油価格に連動しない人件費の比率が相対

的に高いプロパンガスに比べ、都市ガスの方が原油価格に連

動した価格設定を行うことが比較的容易であるためと推察され

る。

12

②「ガス代」の感応度

(13)

0.048 0.000 0.020 0.040 0.060 0.080 0.100 0.120 0.140 0.160 0.180 広島市 京都市 神戸市 大阪市 東京都区部 千葉市 横浜市 奈良市 大津市 さ いたま市 岡山市 名古屋市 静岡市 津市 長崎市 福岡市 福島市 新潟市 岐阜市 鳥取市 那覇市 鹿児島市 水戸市 富山市 和歌山市 高知市 高松市 熊本市 盛岡市 仙台市 宇都宮市 松山市 山口市 山形市 徳島市 甲府市 秋田市 宮崎市 松江市 佐賀市 金沢市 福井市 長野市 前橋市 札幌市 青森市 大分市 全国:0.116

13

▽「ガス代」の原油価格に対する感応度

(資料)総務省「消費者物価指数」、時事メイン

▽都市ガス普及率と「ガス代」の感応度

(資料)総務省「日本統計年鑑」 大分県 R² = 0.4543 0.000 0.020 0.040 0.060 0.080 0.100 0.120 0.140 0.160 0.180 0 20 40 60 80 100 120 (%)

大分市は全国の中で

最も感応度が低い

都市ガスの普及率が高い

ほど、ガス代の原油価格

の変動に対する感応度が

高くなる

(14)

 原油価格が変動した場合の「他の光熱」(灯油)への影響

度合いは、

大分市は全国とほぼ同水準

「電気代」の原油価格に対する感応度…大分市:0.412 全国0.406

⇒ 灯油は、ガソリンスタンドやホームセンター、巡回販売など幅広

い販路で供給されている(=市場化が進んでいる)ことから、価

格競争が起こり易く、価格差が生じにくいことも影響していると

推察される。

14

③「他の光熱」(灯油)の感応度

▽「他の光熱」(灯油)の原油価格に対する感応度

(資料)総務省「消費者物価指数」、時事メイン 0.412 0.000 0.100 0.200 0.300 0.400 0.500 0.600 仙台市 盛岡市 福島市 山形市 鳥取市 高松市 水戸市 札幌市 佐賀市 新潟市 さ いたま市 前橋市 松江市 岐阜市 福井市 長野市 大分市 山口市 青森市 甲府市 徳島市 和歌山市 富山市 松山市 秋田市 千葉市 奈良市 広島市 宮崎市 大津市 鹿児島市 津市 金沢市 長崎市 岡山市 静岡市 那覇市 名古屋市 大阪市 熊本市 横浜市 高知市 福岡市 東京都区部 宇都宮市 京都市 神戸市 全国:0.406

(15)

 原油価格が変動した場合の「ガソリン」への影響度合い

は、

大分市は全国とほぼ同水準

「ガソリン」の原油価格に対する感応度…大分市:0.320 全国:0.321

⇒ 灯油と同じく市場化が進んでいることから価格差が生じにくいこ

とも影響していると推察される。

15

④「ガソリン」の感応度

▽「ガソリン」の原油価格に対する感応度

(注)「ガソリン」は、消費者物価指数で都道府県別に指数が公表されていないため、小売物価統計の「都市別小売価格」 (2010年3月~2016年12月)を利用。 (資料)総務省「小売物価統計」、時事メイン

以上のとおり、

大分市は全

国と比較して「電気代」「ガス

代」については原油価格に

対する感応度が低い

一方で、

「他の光熱」「ガソリン」につ

いては全国並み

であること

がわかった。

よって、

大分市と全国の「エ

ネルギー」の感応度の差は、

「電気代」「ガス代」によるも

と結論付けることが可能。

0.320 0.000 0.050 0.100 0.150 0.200 0.250 0.300 0.350 0.400 前橋市 鹿児島市 金沢市 新潟市 高知市 高松市 千葉市 横浜市 水戸市 盛岡市 大阪市 和歌山市 東京都区部 札幌市 大津市 宇都宮市 徳島市 宮崎市 岐阜市 仙台市 長崎市 山形市 松山市 大分市 奈良市 青森市 広島市 いたま市 長野市 神戸市 福岡市 鳥取市 福井市 秋田市 京都市 名古屋市 熊本市 富山市 静岡市 岡山市 佐賀市 福島市 甲府市 山口市 津市 那覇市 松江市 全国:0.321

(16)

分析の総括とインプリケーション

16

① 2015年夏場以降の原油価格下落局面において、大分市の消費者物価指

数のマイナス幅は全国よりも小さい状態が続いてきた。これは、大分市は

全国に比べ原油価格の変動に対する「エネルギー」品目の感応度が低い

ことが背景。

─ 具体的には、「電気代」と「ガス代」の感応度が低いが、電気代は、“電力会社の

原料費調整制度の係数の違い”、ガス代は、“都市ガス普及率の違い”がそれ

ぞれ影響していると推察される。

② 足もとの原油価格動向をみると、16年前半をボトムに足もとでは緩やかに

上昇しており、そうしたもとで、消費者物価指数の前年比は、大分市・全国

ともに、足もと2か月連続でプラスとなった。これまで消費者物価の下押し要

因となっていた「エネルギー」価格は、2017年度は、小幅のプラス寄与と

なっていくとみられる。

③ 但し、大分市は全国に比べ原油価格の変動に対する「エネルギー」品目の

感応度が低いことを踏まえると、「エネルギー」価格のプラス寄与は、原油

価格の下落局面の際とは逆に、全国よりも小さなものとなる可能性がある。

─ 2015年夏場以降みられていた大分市と全国の乖離が、足もとではみられなく

なっている(16/2月…大分市:+0.2%、全国:+0.2%)のは、こうした背景がある

可能性。

(17)

結びにかえて

17

 ここまでみてきたとおり、エネルギー価格が消費者物価の前年比に与えるマイナ

スの影響は次第に縮小してきており、足もとでは概ねニュートラルになっている。

先行き、原油価格が、先物価格が示すように概ね横ばいで推移していくとすれば、

エネルギー価格は、2017年度については、消費者物価の前年比に対して小幅の

プラス寄与になるものと見込まれる。但し、2.で分析したように、そのプラス寄与

は、大分市に置いては全国より若干小さなものとなる可能性がある点には留意し

ておく必要がある。

 日本銀行が目指しているのは、エネルギー価格の上昇に依存した物価上昇では

なく、企業収益や賃金の上昇を伴いながら、消費者物価上昇率が緩やかに高

まっていく姿である。足もとみられている労働需給の引き締まりは、賃金に上昇圧

力をもたらしている。こうした雇用・所得環境の着実な改善のもとで、個人消費が

持続的に持ち直していけば、企業の価格決定スタンスも再び積極化していくもの

と見込まれる。エネルギー価格のマイナス寄与が剥落する中で、大分市の消費者

物価がどのように推移するかについて、今後とも丁寧にフォローしていきたい。

(18)

18

<当店が公表している特別調査レポート等のご案内>

大分県と海外経済の繋がりを読み解く~米国・EU・アジアにおけるリスクと県経済へのインパクト~

(17年3月17日公表)

着実に改善している大分県の労働需給

(17年2月15日公表)

現場にヒントあり!大分県の活発な企業立地の背景と目指すべき方向性 ~ 将来の大分県産業の「礎」となる前向きな動き ~

(17年1月31日公表)

「酉年」の2017年を展望して

(16年12月28日公表)

大分県民の金融知識・判断力と金融教育の課題~「金融リテラシー調査」(2016年)結果を踏まえて~

(16年12月7日公表)

持続的な賃上げに向けて ~ 大分県における最近の賃金動向と今後の課題 ~

(16年10月26日公表)

5月をボトムに回復に向かう大分県の観光 ~ 熊本地震による影響のフォロー ~

(16年8月23日公表)

大分県内における銀行券流通の変化とその背景にある商流・個人消費の動向

(16年7月21日公表)

英国のEU離脱(BREXIT)による大分県経済への影響について

(16年7月4日公表)

大分県における設備投資動向の現状と先行き

(16年6月8日公表)

熊本地震による大分県の観光面への影響について ~ 現時点における今後の見通しと課題 ~

(16年5月16日公表)

アジア新興国経済の動向が大分県経済に及ぼす影響 ~ 現状と今後の展望・課題 ~

(16年4月12日公表)

おんせん県おおいた観光レポート2016 ~ デスティネーションキャンペーンの総括と今後の課題 ~

(16年1月28日公表)

大分県における観光の現状と今後の課題

(15年6月5日公表)

大分県における銀行券の受払動向とその背景について

(15年4月17日公表)

地場中小企業の現状と今後の成長に向けて

(14年5月21日公表)

大分県における産業クラスターの更なる発展に向けて

(14年4月10日公表)

<WEB上でご覧になっている方は、下記レポートのタイトルをクリックするとそのレポートを閲覧することができます>

(19)

19

(当店ホームページのトップページ)

http://www3.boj.or.jp/oita/index.html

(大分県内の景気動向)

http://www3.boj.or.jp/oita/kohyo/geppou.html

(短観)

http://www3.boj.or.jp/oita/kohyo/tankan.html

(特別調査レポートのご案内)

http://www3.boj.or.jp/oita/kohyo/tokubetu_repo.html

(支店見学のご案内)

http://www3.boj.or.jp/oita/tennai_kengaku/kenngaku_annai.html

<当店のホームページのご案内>

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