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Ⅱ 工業会計の理念論・目的論

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大正期『会計』誌にみる工業会計の 理念論・目的論について

平 林 喜 博

工業会計の理念論・目的論

最近,日本の原価計算理論がどのように形成されたかについての注目すべき好著が公 刊された。建部宏明著『日本原価計算理論形成史研究』(同文舘出版)がそれである。

わが国で最初の本格的且つ体系的なわが国原価計算発展史論を展開している著書であっ て,絶賛に値いする傑作である。筆者も最近がわが国の工業会計──工業簿記と原価計 算とを含めているので工業会計と称しているが,事実上は原価計算であると解してよい

──の発展について強い関心を持っているので,建部教授の高著については精読し,厚 顔にも書評を執筆させていただい

1

た。

そしてその書評において疑問を投げかけた1つは,建部教授の原価計算論発展段階説

──同教授は,盧工業簿記論導入期,盪原価計算論導入期,蘯原価計算論定着期,盻原 価計算論啓蒙期,眈原価計算論成長期,眇原価計算論実践期の六段階説を主張されてい る──とその各期の時代区分──同教授によれば,盧は明治20年〜明治末期頃,盪は 大正4年頃〜昭和2年頃,蘯は昭和2年頃〜昭和5年頃,盻は昭和5年頃〜昭和14年 頃,眈は昭和5年頃〜昭和14年頃,眇は昭和14年頃〜昭和20年,と時代区分してい る──であった。いまその詳述は筆者の書評にゆずるが,建部教授の所説によれば,本 小文で取り上げる大正期は原価計算導入期であり,且つ大正4年頃から昭和2年頃まで となる。しかし,筆者はわが国の原価計算発展シェーマを伝統的な考え方に依拠して,

大正期はわが国の原価計算成立期と思考している。

所詮,両者の間に大きな相違はないのであろうが,ただ,「大正期」をわが国の原価 計算発展史上どのように位置づけるかは,今後,わが国原価計算発展史論を展開する上 で重要な研究課題になると筆者は考えている。かくして,本小文は大正期の『会計』誌

────────────

拙稿「建部宏明著『日本原価計算理論形成史研究』『会計』第165巻第3号,2004年,3月,151ペー ジ以下。

19)1

(2)

に掲載されている工業会計に関する論文の中から,その理念や目的を論じているものを 選択して紹介し,且つ若干のコメントをつけることを目的としている。なお,本小文で 取り上げる論文は7篇(延べ10篇)であるが,紹介が必ずしも発表年代順ではない。

そこで念のため註において発表年代順に7論文を示したので参照された

2

い。

工業会計の理念論・目的論

工業会計をどのようなものと思惟し,その目的は奈辺にあるのか,という問題は工業 会計論を構築する場合,まず明確にしておかねばならない重要な研究課題である。いわ ば工業会計の原点を確定しておくという問題である。

大正期の『会計』誌にはこの種の論考はそう多くはない。また,掲載されていても必 ずしも真正面から的確に理念論・目的論を論述しているものはみあたらない。したがっ て,われわれとしては,この問題に関連していると推察する論文を選択し,その行間か ら推論する以外に他の方法はないと考える。かくして,選択したのが7篇の論文であ る。以下,これら諸論文を紹介し,若干のコメントを付していくこととする。

まず,注目に値いするのは吉田良三教授の諸論文であろう。同教授は『会計』誌第2

巻第5号(大正7(1918)年2月)に「原価計算制度設定の要件」と題する論考を発表

している。本論考において,吉田教授は製造業において製品原価の正確な算定が枢要で ある。しかして,そのためには原価計算制度の設定が肝要で必要不可欠であると指摘し ている。また,製品の製造にかかわる製造原価の内容を分析して,漏洩や浪費のないよ うにつとめ,常に原価の減少を図らねばならないともいう。かくして,ここでは原価計 算の目的には,今日的な表現を借りれば,盧財務諸表作成目的,盪原価管理目的,とも いうべきものがあるという考え方を吉田教授は思考しているといえよう。そして,その ためには既述のように原価計算制度の設定が重要であるというのであ

3

る。

いま少し,この原価計算制度の設定について,吉田教授の見解を聞いてみよう。同教 授によれば,「凡そ如何なる生産物に就ても其原価を構成するものは(一)原料(二)

工賃(三)間接費用の三者たるが故,原価計算制度設定の要件が右三要素に関する事勿

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吉田良三稿「原価計算制度設定の要件」『会計』第2巻第5号,1918年,2月。

吉田良三稿「原価計算制度」『会計』第3巻第1号,1918年,4月。

吉田良三稿「工場の会計組織」(一)(二)『会計』第4巻第6号・第5巻第1号,1919年,3・4月。

石黒武松稿「経営上より観たる原価計算」『会計』第11巻第5号,1922年,8月。

!五郎稿「製品原価計算法私案」(其一・其二)『会計』第13巻第3号・第4号,1923年,6・7 月。

中村茂男稿「原価計算界の処女地」(一)(二)『会計』第13巻第4号・第14巻第2号,1923年,7

・1924年,2月。

太田哲三稿「原価計算と売価政策」『会計』第16巻第2号,1925年,2月。

吉田良三稿「原価計算制度設定の要件」『会計』第2巻第5号,56−57ページ。

同志社商学 第56巻 第1号(24年5月)

0(20

(3)

論な

4

り」と述べ,原料,工賃,間接費用の制度設定上の問題点を指摘し,その問題点の 解決が設定上の要件になるという。しかして,この要件を充たしてこそ初めて原価計算 制度の設定が実現することになると吉田教授はいう。いま,その結論部分の叙述を引用 する。すなわち,「以上述べたるが如く,原料に就ては完全なる倉庫制度の下に其収支 が厳重に取り扱はれ,各製品に使用されたる原料の数量及価額が正確に知れ,又工賃に 就ては各製品に費されたる労働時間数及其工賃額が正確に報告せられ,更に又間接費が 各生産物に対し最も公平なる配賦をなし得る様部門別に分割せらるることに依り,!に 始めて如何なる原価計算制度をも其工場に設定運用するを得べく,若し是等の準備的要 件を充たさずして直に此制度を設定するは,恰も基礎工事を施さざる土地へ直ちに建築 をなすが如くして,縦令制度其者が如何に優良なりとも決して之が完全なる運用は望む べからず又豫期する効果は上げ得ざるな

5

り。」と。

吉田教授は,周知のように,大正6(1917)年に『工場会計』なる著書を刊行してい る。本書はわが国で最初の体系的な工業会計に関する高著であって,わが国工業会計発 展の1つの節目となるものである。したがって,前述の論文の骨子は本著書において詳 述されている。事実,同一主旨の叙述部分を見出すことができる。ただ,原価計算制度 の問題については本書で体系的に論述していない。それがゆえに,いわば補遺という意 味で本論文が公表されたのであろうと筆者は愚考する。

ところで,原価計算制度の問題については,引続いて『会計』誌第3巻第1号(大正

7(1918)年4月)において,吉田教授はずばり「原価計算制度」なる論題にて論究し

ている。しかし,本論文は前記論文とは大きくその内容を異にしている。つまり,前記 論文を受けて,原価計算制度設定の要件が整備されて,文字通り原価計算制度──吉田 教授はこの文言にCost Systemという英語をあてている──が成立したさい,「製品の 生産費を如何なる方法に依り,算

6

定」するか,これが原価計算制度の内容であるという のである。つまり,本論文は前記論文の続編ともいうべきものであって,事実上密接に 関連しているのである。ただし,一定の原価計算制度が存在しても,各製造業はこれを 順守しなければならない,というようなものではない。むしろ,固定的な制度など存在 しないといった方が適切である。ただ,そうはいっても各製造業が基礎として看過して はならない,いわば各制度の原点というものであろう,と吉田教授は述べてい

6

る。

かくして,その基礎となるものとして,原価計算制度には,盧生産高計算制度(Pro- duct system)と盪指図書計算制度(Order system)の2つがあると吉田教授はいう。な お,その他に予定見積計算制度(Predetermined Estimate system)があるが本論文ではそ

────────────

吉田良三稿,前掲論文,57ページ。

吉田良三稿,前掲論文,65−66ページ。

吉田良三稿,「原価計算制度」『会計』第3巻第1号,1ページ。

大正期『会計』誌にみる工業会計の理念論・目的論について(平林) 21)2

(4)

の論述を割愛するとい

7

う。しかし,この分類部分は,吉田教授が原価計算の形態と種類 を混同しているように筆者には思える。というのは,後述するが,盧の生産高計算制度 は今日いうところの総合原価計算のことであり,盪の指図書計算制度は個別原価計算を 指しているからである。つまり,これらの分類は製品別計算の観点からのものである。

一方,予定見積計算制度は計算時点による分類であって,一般にこれを原価計算の種類 として論じ,前者の分類である原価計算の形態とは今日では区分している。

さて,それはともかく,上述の生産高計算制度について吉田教授の論述を紹介しよ う。まず「此制度は,同種類同性質の単一なる物品を数量的に生産する場合に於て適用 さるる原価計算

8

法」であるという。しかし,現実には単一工程で生産される場合と化学 工業等のように複数工程を経て生産される場合がある。前者の場合であれば,その製品 原価は一定期間の全生産費を同期間の生産総数量で除すれば製品単位原価は算定され る。それゆえに,英国会計士はこれをもってSingle cost systemと称してい

9

る。一方,

後者は,たとえば生産費を各工程へ配賦するなど複雑な計算が必要となる。それがゆえ に,この方法をProcess cost systemと称

9

し,Single cost systemと区別している。いうま でもなく前者が今日では単純総合原価計算と称しているし,後者をもって工程別総合原 価計算と称している。が,大正期においてはいまだ専門用語の使い方が確定していなか ったので,論者によって種々の用い方をしていたのであろう。

なお,Process cost systemについて,吉田教授は「各製造工程毎に製品の部分的原価 が算定せられ,是等部分的原価を各期間比較することに依て,各製造工程に於ける生産 能率の増減を知り,一方には生産費の節約減少を,他方には製造の進歩改良を刺戟奨励 することとな

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る」と述べている。これは工程が個別原価計算では部門と読み替えられる が,いわば部門別計算を構想していることであって,そこでは部門=工程ごとの貸借金 額──今日では借方実際高,貸方予定高──差額の比較を通して原価管理が可能であ る,という思考を吉田教授が指摘していると考えられ,注目すべきである。けだし,こ こに原価計算の理念が顕在し,また目的の1つが示唆されているからである。

生産高計算制度について,吉田教授は最後にその記帳法について説明している。既述 の同教授著『工場会計』において,この方面の記帳法についての叙述がほとんどみられ ないので,本論文において補訂しようとしたものと推論する。

ところで,指図書計算制度については,此原価計算制度は,種々の異なる物品又は同 種物品についても品質形状大小等の異なるものを製造する場合に於て,是等品種の異な るものが其製造に関し発行する製造指図書に依て区別せられ,此区別が製造中終始保た

────────────

吉田良三稿,前掲論文,2ページ。

吉田良三稿,前掲論文,2ページ。

吉田良三稿,前掲論文,2−4ページ。

0 吉田良三稿,前掲論文,5ページ。

同志社商学 第56巻 第1号(24年5月)

2(22

(5)

れ得る場合に適用さるるものにして,彼の同一物品の生産さるる製造業に適用する原価 計算制度をSingle cost systemと称するに対し,此種の原価計算制度をMultiple cost sys- temとも称

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す」と吉田教授は述べている。しかして,この計算制度については製造間接 費の配賦計算が最も重要となる。本論文では,盧直接工賃標準配賦法,盪労働時間標準 配賦法,蘯機械作業時間標準配賦法について簡潔に述べてい

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る。もちろん,その他の配 賦方法のあることも指摘しつつ,多分紙幅の関係であろうその論述は割愛している。そ の上,『工場会計』において詳述しているので最小限の説明に止めたとも考えられる。

同様の理由で,この計算制度の記帳法についても記述しているが,仕訳のみの提示に止 まっている。

かくして,本論文は前記論文(『会計』誌第2巻第5号(大正7(1918)年2月)と 同様に吉田教授の著書『工場会計』を補遺するという色合いが強いと筆者は愚考する。

したがって,本著書の改訂版が翌年(大正7(1918)年)に出版されているが,そこで はこれら諸論文において述べられたことが編集されていると推察する。しかし,遺憾な がら筆者はその点検・確認をしていない。ご海容を願うのみである。

さて,吉田教授は引続いて「工場の会計組織」(一)・(二)を『会計』誌第4巻第6 号(大 正8(1919)年3月)・第5巻 第1号(大 正8(1919)年4月)に 発 表 し て い る。これらの論考は,工場の会計組織を整備するさいに,本社と工場とを分離して工場 独立会計として整理する場合と,工場の会計と本社の会計とを統一的に記録・計算整理 する場合とがあることを指摘した上で,吉田教授が某製鋼会社の依頼を受けて,自らが 考案した実例をもって,本社会計と独立して工場独立会計組織を制定した場合の会計組 織を詳述してい

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る。要諦は今日一般に論じられているように,本社の会計には工場勘定 を,工場の会計には本社勘定を設定して,本社と工場間の取引はこの両勘定で処理し,

他は本社・工場が独自に,あたかも一独立会社のように想定して会計処理を行うという ものである。

以下,念のために上記の要旨を端的に記述している個所を引用・紹介しておきたい。

「斯く製造会社が営業部及製造部より成るものとして,製造部即ち工場の会計を 整理する方法には大体次の二法あり。

!

!

!

は工場の会計を本社営業部の会計より分離して整理するもの,即ち工場に 起る取引は工場にて仕訳帳及元帳を設け記帳整理する方法。

!

!

!

は工場の会計を本社の会計と合併し,即ち工場に起る取引はすべて本社会

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1 吉田良三稿,前掲論文,12ページ。

2 吉田良三稿,前掲論文,13−16ページ。

3 吉田良三稿,「工場の会計組織」(一)『会計』第4巻第6号,1ページ以下。

大正期『会計』誌にみる工業会計の理念論・目的論について(平林) 23)2

(6)

計課に報告し,本社にて営業部の取引と共に記帳整理する方

14

法。」

「最近某製鋼会社の依頼を受け自ら考案せし実例を以て之が説明を試むべ

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し。」

「盧本社勘定 此勘定は工場の会計を本社会計に結び付くるものにして,本社の 元帳には之に対し工場勘定を設け,当勘定と同一記入を貸借反対に現はすものと

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す。」

「之を要するに,工場会計を独立に整理する場合の会計組織は,商事会社又は銀 行に於ける支店会計の整理法と同様にして,唯支店の場合には直接に外部と取引は 総て本社を通じて行ひ,工場が直接に外部と債権債務関係を生ずることなきの相違 ありと

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す。」

「右の内工場勘定は工場の元帳に於ける諸勘定の記録を統轄するものにして,本 社が工場の為め支出する金額即ち原料・燃料・貯蔵品買入高・工賃支払高及工場に 係る各種費用の支払高を借方に記入し,工場が本社の為め得意先へ発送せし製品売 上原価及工場にて発生せる費用中本社の負担に係る分は貸方に記入す。故に此勘定 は工場元帳に於ける本社勘定と同一の記帳を貸借反対に現はし,之が借方残高は本 社勘定の貸方残高と常に一致するものと

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す。」

「若し工場の会計が本社の会計と合併して整理さるる場合には,工場にては製造 に関係ある諸種の補助帳簿が記録さるるに止まり,原料・製品の収支及原価計算に 係る仕訳記帳は,営業部の取引仕訳と共に本社の仕訳帳に記入され,事業に係る全 勘定口座が本社の総勘定元帳に設定さるるものとす。自然,此場合には工場勘定及 本社勘定なる両整理勘定は設定の必要之なきな

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り。」

以上紹介した「工場の会計組織」なる論考も,いままで述べてきた吉田教授の著書

『工場会計』では充分に論述しえなかったがゆえに,大急ぎで追録したという感があ る。しかし,それは同教授の著書に不備があるというのではなく,大正期の中期にもな ると日本の経済力が大きく飛躍したということによる。つまり,経済の発展は製造業の

────────────

4 吉田良三稿,前掲論文,1−2ページ。

5 吉田良三稿,前掲論文,4ページ。

6 吉田良三稿,前掲論文,6ページ。

7 吉田良三稿,前掲論文(二),66ページ。

8 吉田良三稿,前掲論文,67ページ。

9 吉田良三稿,前掲論文,69ページ。

同志社商学 第56巻 第1号(24年5月)

4(24

(7)

拡大・伸展を促し,つぎからつぎへとその規模が拡大する。当然のことながらいわゆる 大企業の設立となり,それがゆえに企業の経営組織が複雑となって,それに伴ない会計 組織も複雑多様となる。かくて整備・総合等の必要性に促迫され,たとえば会計組織に ついては上記のような工場独立会計制度が実施されるようになると推論される。しかし て,研究者は現実の激しい動きに対処すべく諸問題の解決策を期待される。吉田教授の 本論文がかかるケースの1つであると筆者は愚考する。

ところで,吉田教授が会計組織の整備に努力し,工業会計の適切なシステム化を意図 したと同様に,東 !五郎教授も工業会計の適正な組織化を志向している。両者共にこ れらは一見すると原価計算の理念論や目的論とは無関係のように考えられる。しかし,

工業会計における会計組織が完備していないことには,たとえば当時の表現を借りてい えば,製品原価の正確な算出や原価の漏洩・浪費そして減少という目的は達成できな い。なぜなら,このような目的やその基底にある理念を実現するためには,その具体的 表示である会計組織,つまり会計帳簿の正確な記録・計算・報告が実施されなければな らないからである。かくして,工業会計の会計組織問題はその理念や目的と結びついて 体系化され,システム化されるに至る。その完成した様式は昭和期に入るが,大正期に おいてすでに種々の検討がなされているのである。その1つが既述の吉田教授の業績で あり,いま1つがこれから紹介する東教授の提言である。

東教授は「製品原価計算法私案」(其一・其二)を『会計』誌第13巻第3号・4号

(大正12(1923)年6・7月)に発表されている。論題から推論すると製品の原価計算

方法について新提案を開陳されているように速断してしまう。しかし,実際の内容は一 言でいえば原価計算表の作成を主唱しているのである。東教授はいう,「別表は某々数 個の工業会社の為,筆者の提案して当該会社へ着々実行せしめておる『製品及半製品原 価計算表』の一例であ

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る」と。そして,この東案を数ヶ月実施してみて,その間に「別 段の支障も無く,而かも原価計算の目的は頗る良好なる成績を以て遂行せられおるの事 実である。仍て今はこの愚安に対して世間識者の批評且垂教をも仰いで可い時機である かと思い,敢て之を公表したる次第であ

21

る。」という。

ではなぜかかる提案を東教授はするのか。それは製品原価を算定するにあたり,直接 費に間接費を加算するのであるが,その間接費の加算が極めて杜撰であるということに 由来する。つまり,一般に間接費については一定の割掛率をかけて加算額を算定する が,その「加算%なるものは,所謂拇指定不的(Rule of Thumb)取極め,即ち誰れ云 うとなくそれで可ならんと漠然定めた方式(Formula)であって,其根拠は甚だ薄弱と 云ふも不可なき場合が多いのであ

22

る。」と東教授は指摘して欠点のあることを批判す

────────────

0 東 !五郎稿,「製品原価計算法私案」(其一)『会計』第13巻第3号,1ページ。

1 東 !五郎稿,前掲論文,1−2ページ。

大正期『会計』誌にみる工業会計の理念論・目的論について(平林) 25)2

(8)

る。また,仮にこの割掛率,つまり「加算%」を過去の実績から帰納した結果を根拠に して用いたとしても,製品原価が回収されるか否かは決算期にならなければ知りえな い。しかし,現在の不安定な経済状況下ではそのような悠長なことはゆるされない。迅 速に知悉する必要がある。しかして,「加算%」の当否をたえず綿密に吟味して,必要 があれば変更することが肝要である。かくして,これを実施するためには従来の原価計 算の取り扱い方では不便であるので,ここに東式「原価計算表」を提案すると東教授は いうのである。しかして,「要点は,この計算表を元帳なる勘定科目に連結して,即ち 毎月作成する元帳残高表には別表中の重要なる金額は,これに相当する勘定科目として 必ず掲載せしめおると云ふのであ

23

る」と東教授は述べてその私案の実施を強調してい る。

なお,東教授提案の「原価計算表」を本小文では転載していないこと,および「原価 計算表」に記載の各製品原価と元帳残高表──今日の残高試算表──や商品有高表に記 載の製品原価との突合わせをめぐる詳細な説明は本小文では割愛している。が,東教授 の主旨は理解できよう。

さて,工業会計の理念論・目的論として,これまでの叙述で,大正期においては原価 計算制度の確立が不可欠であって,それに基づいて製品原価の正確な算定や原価の浪費

・引下げという目的が達成される,という論議について紹述してきた。しかし,今日か らみれば,原価計算の最も素朴な目的と考えられる製品の価格計算,つまり売価決定の ための原価計算は大正期においていかように考えられていたのか,という疑問が生じ る。売価決定,そしてそれを敷衍した価格政策の問題はいかに認識されていたのか,わ れわれとしては知りたいところである。たしかに,暗々裡に各論者は述べているが真正 面から論述している論考はなかったといえる。

ところが,この問題について大正期『会計』誌をみると,太田哲三教授が「原価計算 と売価政策」(第16巻第2号,大 正14(1925)年2月)と 題 し て 論 文 を 公 表 し て い る。しかし,本論文において,太田教授は単純に売価決定を原価計算の目的であると断 定することには批判的である。すなわち,本論文の冒頭「原価計算の目的の一つとして 其れが売価決定の材料となることは従来普通に唱へられて居る所である。(中略)これ は全部を否定すべきではないが,余りに過大視して売価を決定する為めには原価計算に 依らなければならぬと断ずることは不当であ

24

る」と太田教授はいう。なぜならば,「売 価を決するものは寧ろ市場であって自己の製作工場の原価ではない。原価計算は唯其の 差益の多寡を知る材料に過ぎない事も稀ではない。売価の決定には原価以外に幾多の考

────────────

2 東 !五郎稿,前掲論文,3ページ。

3 東 !五郎稿,前掲論文,7ページ。

4 太田哲三稿,「原価計算と売価政策」『会計』第16巻第2号,1ページ。

同志社商学 第56巻 第1号(24年5月)

6(26

(9)

慮すべき点がある。これは事業経営の大局より打算し研究しなければならない。ここに 売価政策は原価計算を離れて存在すべき理由があり,また確立しなければならないもの であ

25

る」からである。しかして,売価政策として重要なのは商高──販売高の意(平林 注)──と資本回転との2つであると太田教授はい

26

う。

それでは,原価計算と売価あるいは売価(価格)政策とはどのような関係にあると理 解してよいのか。太田教授はいう。「以上一言して尽さば売価決定は経営上多方面から 観察して考究する必要のある事項であって,単純に原価計算にのみ依るべきでない事を 明にしたいと云ふのである。と云ふて原価計算を全然無意味のものであり,之を不用で あるとするのではない。原価計算は自独に重要なる使命があるのみならず売価決定に際 しても欠くべからざる資料を提供するものであ

27

る。」と。そして,過去の原価計算の結 果を吟味して将来の価格決定に用いること,および売価とその原価とを事後に比較考量 して価格決定の判断に瑕疵がなかったか,能率低下を促迫しなかったかを検証すること 等々に原価計算は有用であるとい

27

う。

しかして,このような思考の背景には,「原価計算の使命は売価政策の如き経営政策 とは異なった立場にあ

27

る。」「前者は真実を示す為めのクールな計算機でなければなら ぬ。その材料を使って経営の政策を定むるのは経営主脳者の手腕である。学問として限 界を立つれば前者は如何にしてより真実を明かにするかを討究する。後者は現代の資本 主義の企業に於て如何にして最大の利潤を挙げ得るやを論題とす

28

る。」という太田教授 の会計学に対する思想が潜在しているのである。事実,太田教授によれば会計学は実在 を示す学であり,経営学は政策を論じるものであって,両者は別々の立場から使命をは たさねばならず,さらにいえば経済学の一部分に属する態度を捨てて真に独立すべきで ある,と本論文を結んでい

29

る。

ところで,大正期において工業会計が問題になるさい,多くの論者がその研究課題の 中心に置いていたのは当然のことながら製造業の原価計算であり工業簿記であった。と りわけ,製品原価の正確な算出と原価の節約・低減という目的の理論的・計算技術の確 立が研究の核心部分であったといえよう。しかして,勢い対象は製造業の生産過程に焦 点があたり,他のたとえば製品の販売過程,あるいは管理面の問題については手がつけ られていなかったように筆者は考える。しかし,仮に製造業の工業会計であっても,財 務面,製造面,販売面,管理面等々企業全般にわたっての諸問題が存在しているのであ って,それが解決され統一的にシステム化されてこそ初めて製造業における工業会計制

────────────

5 太田哲三稿,前掲論文,2ページ。

6 太田哲三稿,前掲論文,5−7ページ。

7 太田哲三稿,前掲論文,7ページ。

8 太田哲三稿,前掲論文,7−8ページ。

9 太田哲三稿,前掲論文,8ページ。

大正期『会計』誌にみる工業会計の理念論・目的論について(平林) 27)2

(10)

度というものが確立するものと愚考する。けだし,それこそが工業会計の理念を問うも のであり,したがって理念なき工業会計は制度とはいえないであろう。

しかしながら,いままで紹介してきた論文には,上述のような発想はほとんどみられ なかった。その意味で大正期の工業会計の理念を,逆説的にいえば,知る上で良き知識 が得られたといえる。しかし,『会計』誌第13巻第4号(大正12(1923)年7月)と

第14巻第2号(大正13(1924)年2月)に中村茂男稿「原価計算界の処女地」(一)・

(二)なる論文が掲載されている。ここで「処女地」とは文学的表現であるが,販売費

・一般管理費のことを指し,原価計算に販売費・一般管理費計算を導入すべきであると いうものである。つまり,従来のいわば製造原価計算に新しい領域=処女地である販売 費・一般管理費計算を含め,原価計算は今後展開しなければならない,というのが中村 教授の論旨である。

もちろん,このような中村教授の主張の背景には,NACA(National Association of Cost

Accountant(s))が中心となって原価計算に関する研究成果を発表していることが大い

に影響している。事実,中村教授は,NACA の第3回国際原価会議(1922年開催)に おけるキャステンホルツの講演の結びの言葉,「兎も角も,自己の勢力範囲は全然生産 原価に限られてゐるものの如く考へて来た原価計算士が販

!

!

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!

!

!

!

!

!30

。」という発現に触発され関心を持 つようになったと述懐している。そして,第3回国際原価会議で講演および対論に参加 した論者と論題,さらにその内容を紹介してい

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る。

すなわち,バセット氏「販売費と総務費」,グレゴリー氏「製品分配費」キャステン ホルツ氏「製品に対する販売費及総務費の割当」が講演者である。また,討論にはオー リン氏,ヒル氏,アーヴィング氏,バートン氏が参加している。

いま,中村教授の紹介により,上記論者の講演の一端を披瀝しておこう。まず,バセ ット氏は「販売費(Sales Expenses)は,販!

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。」という。その上で,バセット氏は 販売費論を展開して,販売費を売上総額における比率によって計算・配賦していること を批判している。また,支店販売費・地方別販売費の分析について述べ,そのさい,地 方別販売費については各販売員別の販売費分析について論じてい

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る。かくして,究極的 にはバセット氏は代理店勘定損益表・地方別販売損益表・支店販売損益表等を示し,い わゆる販売費分析論を語っていると,中村教授はい

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う。

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0 中村茂男稿,「原価計算界の処女地」(一)『会計』第13巻第4号,23ページ。

1 中村茂男稿,前掲論文,26ページ。

2 中村茂男稿,前掲論文,27ページ。

3 中村茂男稿,前掲論文,27−37ページ。

4 中村茂男稿,前掲論文(二),109−113ページ。

同志社商学 第56巻 第1号(24年5月)

8(28

(11)

つぎに,グレゴリーが「製品分配費」と題して講演している。ここで「分配費」とは 販売費・一般管理費のことであって,グレゴリーは,まず「過る半世紀の間生産原価は 其研究次第に精緻となり,其金額は継続的に節約の傾向を生じ,生産能率は顕著なる増 進を示したにも拘らず,販売費用の研究を欠いたために,商品の分配費は積極的にも亦 生産原価に対する歩合に於ても引き続き膨張を来したのであ

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る。」という。そのため に,「製造原価の為に工夫された組織と理論的にも実用的にも,匹敵すべき此組織の保 持者の分析及び分賦法を有つことの重要は日に日に加はりつつあるので

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す。」と述べて いる。しかして,グレゴリー自らの分配原価の分類表を示している。そして,結論とし て「『各

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」と提案している。な お,この分配費負担標準率については,これをいかに定めるのか,なにがゆえに標準率 を採用するのか,という質問についてグレゴリーは答えてい

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るが,ここではその紹介を 割愛する。

ともあれ,中村教授は以上のような紹述を行い,原価計算における販売費・一般管理 費の計算の重要性を説き,工業会計の制度化へ向けての推進を主張しているものと筆者 は考える。

さて,大正期の『会計』にみられる工業会計の理念論・目的論として,いままで述べ てきた論調とはやや思むきを異にする論文が1篇『会計』誌に掲載されている。その論 考は石黒武松稿「経営上より観たる原価計算」(第11巻第5号(大正11(1922)年8 月)と題するものである。本論文ではアダム・スミスの分業論,カール・マルクスの剰 余価値論等が引用されて原価計算論が展開されている。本小文の最後として,この石黒 論文の趣意を簡潔に述べて,大正期においても工業会計領域で,いわゆる労働価値論な いしマルクス経済学思想に基づく理論展開のあったことを認識しておきたい。

石黒教授は,原価計算の目的として製品原価の正確な算定をすることが重要であっ て,これに依拠して製品の売価を決定することができるという。また,原価計算は生産 費の節約にも貢献するとい

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う。このかぎりにおいて,正統的な原価計算目的論と何らの 相違はない。しかし,このような目的実現のために原価計算がなぜ必要とされるのか,

という点になると,石黒教授の見解は当時の正統的な学徒が思考していた理念と相違す る。つまり,原価計算そのものの存在理由を厳しく問う,という問題意識が顕現してい るのである。

まず,「企業家の事業追及の標的は利潤のみである。現在の資本主義経済組織に於い

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5 中村茂男稿,前掲論文,113ページ。

6 中村茂男稿,前掲論文,114ページ。

7 中村茂男稿,前掲論文,116ページ。

8 中村茂男稿,前掲論文,116−118ページ。

9 石黒武松稿,「経営上より観たる原価計算」『会計』第11巻第5号,34−35ページ。

大正期『会計』誌にみる工業会計の理念論・目的論について(平林) 29)2

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ては,資本と労働との対抗には到底後者は前者に対して弱者たるを免れぬ。原価計算並 に会計学は,これすべて企業家営利追及の一手段である。換言すれば,資本主義の一産 物であ

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る。」という。ついで,「原価計算を精確に行ふことは,これによりて生産物の売 価を決定することが出来る。売価と原価との差は営利の源である。企業家が打算的に経 営する根拠は原価計算であ

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る。」と論断して,原価計算の理念なり,目的が企業家の利 潤追求の手助けをしている,という思想を表明している。なぜなら,「只独り原価計算 上から相対的に節約を期し得るものは生産三要素中の労働あるのみであ

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る。」として,

剰余価値,つまり利潤の源泉が労働力にあることを指摘しているのである。

そして,生産行程に入った結果生じた剰余価値は第2の生産行程に投入されて剰余価 値を生み,それがさらに第3行程に入ればまた剰余価値が得られる。かくして,「!に 於て生産行程を幾段かに別ちて考へるときは,最初の生産行程と最後の生産行程とには 互いに因約がある。故に最後の生産行程は最初の生産行程を抑制す

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る。」と論じてい る。「而して原価計算はこの間に行はれる法則を数字を以て企業家に示すものである。

企業家が自己経営の生産に科学的管理を施さんとせば,宜しく原価計算を明かにしなけ ればなら

43

ぬ。」と石黒教授は論結している。

明治維新以後に外国から移入してきたマルクス主義思想が大正期に入るとますます拡 がりをみせ,研究も進展し,また現実の場で実践もされて多くの労使間の闘争が展開さ れる。工業会計の領域においてもこのような政治的・社会経済的潮流に敏感に反応し て,このような論文の発表となったのであろう。事実,昭和期に入れば,マルクス主義 経営経済学が隆盛を極めて,それが会計学へも波及してその視点からの論文や著書が刊 行され,多大の影響を学界等に与えたことは周知のところである。しかし,本小文では これ以上言い及ぶことはここでの課題ではないので割愛する。

以上,大正期の『会計』誌に掲載された多数の論文の中から,工業会計の理念論・目 的論とおぼしき論述をしていると思われるものを選択して紹介した。必ずしも本テーマ に合致した論文というものは少なく,筆者の我田引水の観のある論考の紹述となってい る。この点の批判は率直に甘受しなければならない。また,そもそもかかる紹介をしな くとも,関心のある方は直接に原典を読めばいいという批判もあろう。もちろん,この ような苦言は筆者も十分に認識しているつもりである。が,なぜあえてかかる作業をす

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0 石黒武松稿,前掲論文,35ページ。

1 石黒武松稿,前掲論文,35−36ページ。

2 石黒武松稿,前掲論文,34ページ。

3 石黒武松稿,前掲論文,49ページ。

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(13)

るのか,と問われれば,今後のわが国,いや世界の工業会計の行く末を見定めたい,そ のためには,温故知新ではないが,いままでの工業会計の歩みを復習しておきたい,そ れを覚え書として残しておきたい,という筆者のまことに稚拙な思惟に基づくものであ る。いわば筆者のわがままな道楽ということになる。ご海容を願うしかない。

(西田芳次郎教授には言葉ではいい尽くせないご指導を賜っている。拙い小文でいささかなり とも感謝を表わしたい。また,引用文については,旧漢字以外はできるかぎり原文どおりにし た。

大正期『会計』誌にみる工業会計の理念論・目的論について(平林) 31)3

参照

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