開かれた家族 : ユージン・リトウォクにおける家 族と社会
著者 天木 志保美
雑誌名 同志社社会学研究
号 1
ページ 5‑18
発行年 1997‑03‑31
権利 同志社社会学研究学会
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000011917
5 同志社社会学研究 NOI,197
【研究論文】
開かれた家族
-ユージン ・リトウオクにおける家族 と社会-
天木 志保美
AMAKIS仙m i 9
.
「 社会の中の家族」という視角
リ トウ オクは、家族社会学研究の領域では、「修 正 された拡大家族」の概念 を提示 したとして著名で あるが、彼の学説の全容は意外 に知 られていない。
「修正 された拡大家族」の概念は、 しば しばパー ソンズの 「孤立 した核家族」概念 に対比 され、現代 の家族形態 をいかに捉 えるか とい う文脈でのみ問題 とされる。 しか し、彼の主張は決 して単 にひとつの
1.
家族の タイプを提示 したにとどまる ものではない。
そのことは、彼の業績が、都市社会学研究 などで も
筆者は現在、 リ トウオクの議論の全容 を捉 えたい と
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試みているが、い まだその途上 にある。本論文は、
筆者の リ トウオク研究の第一歩であるので、やは り まずは彼の家族論 を問題 に したい。彼の家族論 とい って も、 さらに限定 を加 え、 リ トウオクの 「家族 を 捉 える枠組み」 に焦点 を当てることにする。
と りあ げ るの は、 リ トウ オクの代 表 的 な論文 、
「修正 された拡大家族」概念 を展開 した もの として 代表的な、
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修正 された拡大家族論 にしろ、第一次集団論 に し
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ろ、我 々が しば しば耳 にす る リ トウ オクの学説は、 そ して、第一次集団論 を展開 した もの として著名な 年代後半 に論文の形で発表 された ものである。 eL kadl nS ,、 mayG
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彼 は著作 と して は、か な り後 になって、 年 、 18
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9年 に、それぞれ、
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筆者が リ トウオクの家族論 に関心 を持 ったのは、
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まさにこの彼の家族を捉 える枠組みの故であった。
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その一端 は、- dknr nani dem∝血 cde■における家族論の展開にも見ること d13Eley:dd
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を発表 した。
極めて興味深 いテーマであ るが、 こ うした、ス クール ・コ ミュニテ ィ ・リレーシ ョンズ、高齢者介 護 といったテーマ をも含む、非常 にキャパシテ ィの 大 きい理論 をリ トウオクが展開 しているのだ とい う ことに、ひとまず注 目してお きたい。
本論文は、四つの家族の タイプの記述か ら始 まる。
リ トウオクは、社会学の文献 に拡大親族関係 を調べ ると、少 な くとも四つの家族の タイプが兄いだ され る とす る。 四つの タイプ とは、伝統的 な拡大家族、
その対極 をなす解体する家族、孤立 した核家族、そ して修正 された拡大家族、である。
た。表題 に見るとお り、 リ トウオクの家族 に対する 関心 の始 ま りは、パーソンズ と同 じく 「家族崩壊」
である。
パーソンズの説、「孤立 した核家族」論 は、幾多 の反論 を受 けた。その多 くは、孤立 した核家族の存 在 を検討する実証的 ・経験的な研究であった。
実証的な研究 とい う意味であれば、 リ トウオクも、
文 「集団圧力 と家族崩壊」 にしてか らが、一読 して デュルケームの r自殺論」を思わせ るような、仮説 を立ててはデー タで検証 し、 とい う手法 を用いて、
実証的 ・経験的な手法 を多 く用いている。実際、論
2.
集団圧力-集団による社会統制 と家族崩壊 との関連 を調べた ものである。
ここでの力点は、パーソンズの仮説 を覆 した と称 する研究のいずれ もが、単 に核家族関係あるいは拡 大家族の存在の有無 にのみ 目を向けて、パーソンズ 理論の核心であるところの 「核家族が他の家族構造 よりも、テクノロジー効率や民主主義 を可能にする」
とする説 になん ら触れていないことにある。そのこ とに よ り、 それ らの研 究 は、 た とえ著者 た ちが、
パーソンズの仮説 を無効 に したと称 していた として も、 リ トウオクか ら見れば、パーソンズの説 をさら に証明するものに過 ぎない。
リ トウオクが論 じたかったのは、 まさに 「テクノ ロジー効率や民主主義 を可能にする家族の タイプは 何か」 とい うことなのであって、そのことによって、
初めてパーソンズの説 も覆すことが可能 となるので ある。
問題は 「社会の中の家族」 をどう捉 えるかにある のであって、「社会 と家族の関係性
」
の捉 え方であ る。官僚組織 と家族
NOI.,19
リ トウオクは、産業民主社会の要請 とい う観点か ら、すなわち、産業民主社会の根本 をなす とリ トウ オクが考 える特質に、 どの家族類型が連合的か とい う観点か ら、産業民主社会 においてモデルとなる家 族のタイプを抽出 しようとする。
リ トウオクの家族論 は、このように、その初めか ら、社会 とい う枠組みがあっての家族 なのである。
家族 だけを考察の対象 とす るのではな く、社会の特 質に関する考察があ り、家族は初めか ら 「社会の中 の家族」 とい う視角か ら検討 される。
こうした視角は、本論文の注 に記 された、パーソ ンズ及びパーソンズの説をめ ぐる諸研究についての リ トウオクの見解に明らかである。
リ トウオクは、次のように述べている。
の研究は、実際にはそのようなことをなんら行 っ ていない。 これ らの研究が事実上行 っているのは、
「アメリカにおける核家族構造の機能的有効性 に ついてのパーソンズの仮説 を検証するとする多 く
核家族関係が存在するか否かを証明することだけ であるO しか しなが ら、パーソンズの見解 を検証 するとい うことは、核家族構造が、他の家族構造 よりも、技術的効率や民主主義 を可能にするとい うことを証明 しようとするものである。拡大家族 構造が存在することは、単 にテクノロジーの効率 が悪いことや階層分化が うまくいかないことを示 しているに過 ぎない。両者 とも、パーソンズの理 論 と矛盾 しない。階層分化やテクノロジーの効率 を調べ ることな しに家族関係 を調べ ることによっ て、 しば しば、研究者は、実際にはパーソンズの 見解 を実証 していなが ら、パーソンズの仮説 を無 効 に した とす る こ と に な る
。 」
(リ トウ オ ク7 9
) 3 9 2 - 2 9 2 6 9 1 5:
同志社社会学研究
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パ ー ソ ンズ &R imitza
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まずは、-e dk na bl批i ら検討 していこう。
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年。 くしくも、 リ トウオクが家族 に関する最初 の論文、、 P陀SS drn
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天木 :開かれた家族 pp.-851
リ トウ オクが産業民主社会の要請 と捉 えるのは、
[1]人 々は能力 に基づ いて判断 され るべ きこと、
[2] もしテクノロジーの進歩 によって生 じた高度 な生活水準 を継続 したいのであれば、大規模 な官僚 組織が必要であること、この二点である。
この論文の焦点は、 したがって、 リ トウオクの論 述 に即 して言 うと、官僚組織 と家族の関係であ り、
メリッ トを重視する社会 におけるネポテ ィズム (縁 者びい き)の問題である。
産業民主社会が存在す るのであれば、その ような 社会 には、ある特定の家族構造のタイプが他の もの よ りもよ り適 しているはずである。ある特定の家族 の タイプが存在するか否かは、何の証明にもならな い。問題 は、家族の タイプとテクノロジーの進歩、
そ して民主的社会 との関係性である。
産業民主社会 における親族構造は、い くつかの要 件 を満た さねばならない。 リ トウオクが挙げる要件
とは、次の四つである。
(1) 目標達成 にとっての親族の有効性 (とい うの は、 もし親族の機能が、他の組織 によってよ り効果 的に扱われ得るのであれば、産業民主社会 において、
強力 な親族構造 を正当化する基盤はないであろ うか らである) 0
(2)官僚組織 と共存す る能力 (テクノロジーの進 歩 には、官僚的 なフォーマルな組織が必要であ り、
しか もそれは家族 とは異 なった基盤一客観的、非人 格的、等 々一に立つので、家族構造 は、官僚組織 と 並び立 ち得るものでなければならない) 0
(3)分化促 進的 な職業移動 (民主的社会 もテクノ ロジーの進歩 も、人々が能力 によって位置 を当て ら れることを要求するので、親族構造は分化促進的な 職業移動 を可能にするものでなければならない) 0 (4)分化促 進的な地理的移動 (親族構造 は、例 え 親族成員同志が地理的にはなれ ようと、人々が職 を 得ることを妨げてはならない)0
前述 した四つの タイプの家族構造 は、産業民主社 会のこの四つの要件 と両立するか とい う観点か ら検
討 されることになる。
親族構造の四つの タイプは、それぞれ社会におい て親族 システムの異 なった機能を持つ。それによっ てフォーマルな組織 との関係 も異 なる。少 し長 くな るが、 リ トウオクの説 を引用 してみ よう。
「解体する家族構造は、オグバーンが展開 した ように、親族の義務の大部分が大規模 なフォーマ ルな組織 にとってかわ られた ものである。親族構 造 に明 らかに残っている唯一の機能は、愛情 を提 供することである。 しか し、この機能は、親族集 団の失われた機能 を補 うとは思 えず、その結果、
家族の杵は非常 に弱 くなる。
バージェスとパーソンズによって指摘 されたよ うに、孤立 した核家族の概念は、拡大親族の機能 が消失 したことが議論 された ものである。 こうし た機能のい くつかはフォーマルな組織 に移行 し、
一方他 の ものは核家族 の中 に集 中 して きた。 フ ォーマルな組織 と核家族集団 との間に労働の分業 がある。核家族は子供の初期の社会化 と緊張処理 を扱い、一方 フォーマルな組織は、多 くの他の諸 機能を扱 う 各々がそれ 自体の機能領域 を持つこ。 うした労働分業の故 に、核家族 もフォーマルな組 織 も産業民主社会 に生 き残 る上で必要である。
修正 された拡大家族 アプローチは、二つの方法 において核家族アプローチ とは異なる。
第一 に、それは、家族は 2、 3の専門化 された 機能に集中 されるのではないことを論ずる。 まっ た く反対 に、家族は積極的にすべての機能に関与 する。製造、保護、 メデ ィカル ・ケア、年長の子 供の教育、高齢者の保護、等 々。 しか しなが ら、
こうした領域の各 々において、それは、目標の達 成に部分的にのみ貢献する。他の部分は、フォー マルな組織 によって貢献 される。第二 に、親族の 単位 は、核家族 よ り大 きい。 それは、有意義 な サ ー ヴ ィスを交換す るい くつかの核家族か らな る。 しか しなが ら、これ らの家族は、半 自立的で ある。それ らは、平等 な杵で結びついている。反
7
同志社社会学研究 NO.1,1997
対 に、拡大家族概念は、すべての機能領域が、フ ォーマルな組織か らなんらの援助 もな く、親族集 団によって完全 にコン トロール されていると指摘 する。親族集団は、単一の ヒエラルヒカルな権威 システムを持つ経済的地理的ユニ ッ トにきっち り 拘束 されている
. 」
(リ トウオク 1965:2941295) このように して、親族集団についての議論 は、フ ォーマルな組織が第一次集団のすべての有意味 な活 動 を引 き受 けることがで きるとい うことを暗に仮定 する解体する家族か ら、家族が フォーマルな組織の すべての有意味 な機能 を引 き受 けることがで きると する拡大家族の概念 に至 るまで、多様であることに なる。この文章の中に、 リ トウオクの機能分担への着 目 がすでに明示 されている。 リ トウオクは、社会的権 力-社会的影響力に着 目して、
「どの程度 またどのような状況の下でフォーマ ルな組織が、 またどのような状況の下で第一次集 団が、そのような影響力の行使、それゆえ社会的 な目標 の達成 に、最適 な基盤 を提供す るか
」
(リトウオク 1965:295) を見 ようとする。
社会的権力の様式 としての、専門性、報酬 と処罰、
正当性、魅力あるいはリファレンス ・オリエ ンテ- ションのそれぞれに考察 を加えた後、
「画一的 に繰 り返 される事態あるいは社会的に決 定 された価値」 については官僚組織が、「非画一的 事態、個人的に決定 される価値」 については第一次 集団が よ りよい位置 にあることが提示 される。
非画一的な課題は、テクノロジカルな進歩に向か う社会の帰結である。我 々は常 に先立 って訓練 され た専 門家 も、社会的規範 についてのガイダンス もな い事態に直面 している。
しか しもっと中心的なのは、我 々が常 に、未知の 特異 な新 しい領域 に開かれている とい うこ とであ る。特異性 を減ずることは、常 に新 しい問題の幕開 けを意味す るか らである。 非画一的事態 は常 にすべ
ての生活領域 において存在する。
機能分担の例 として、 リ トウオクは、 まずは家族 の排他的な機能 とされているテ ンシ ョン ・マネイジ メン トや幼い子供の教育が、いかに精神病医や小児 科医、 また幼稚園の先生な どの専門家 によって担わ れているか、逆 に、官僚組織が家族 に取 って代 わっ たとされる手段的な機能、年長の子供の教育、医療、
労働、軍隊で さえもが、いかにモテイヴェーション
・モラルの維持 などの点で、家族の役割 に期待 して いるかを示す。
「社会がその目標達成 を最大化 したいのであれば、
フォーマルな組織 と、家族のような第一次集団の 両 者 を用 い なけれ ば な らない
。 」
(リ トウ オク 1965:307)フォーマルな組織 と家族の関係が この ような もの であるのであれば、
「理論的な見地では、二つの極端 なタイプ (解 体する家族 と拡大家族)は除外 される。なぜ なら、
前者は、非常 に弱体な家族構造であるので、家族 は分担 された機能役割 を遂行 で きないか らであ る。 そ して後者は、定義上、すべての機能領域 を それ自体でサーヴィス しようとし、フォーマルな 援助 を拒絶する。 これによ り、家族 と制度の両者 が共存することを許容する二つの タイプの家族構 造が残ることになる。修正 された拡大家族 と核家 族である。入手 し得る資源 を最大化するとい う観 点か ら、筆者は、他の事が らがすべて等 しければ、
修正 された拡大家族は核家族 よりも有効 なユニ ッ トであると仮定 したい。修正 された拡大家族は、
問題 に直面 して、核家族 よ りも、引 き出す資源の 大 きなプールを持 つか らであ る
。 」
(リ トウ オク 1965:3m)リ トウオクのこの結論 は、表 1に要約 されている。
この表は、修正 された拡大家族が、家族 と制度的 な援助の両者 を利用する能力において、最 も高いラ ンキ ングにあることを示 している。核家族は次 に高 いランキ ングとなる。他の二つの家族形態は、理由
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天木 :開か れ た家族
表1 援助の家族的 ・制度的資源 を利用 する親族構造の キ ャパ シテ ィ
親族構 造 利用 す るキ ャパ シテ ィフ ォーマル な組織 を 家族援助 を利用 す るキ ャパ シテ ィ 両 者 を利用 するキ
解 体 す る家族 ャパシテ ィ
核 家 高 無 低
族
修 正 された拡 大 家族 ■高■t■=-I い くらか■ロ 一■- ■中t■j▲-
拡 大家族 無ー司 r高司 r司
(リトウオク 1965
はそれぞれ異 なるが、低いランキ ングとな であると指摘す : 0・ 31 tablo1低3-2) る。
家族 と官僚組織 は、正反対の構造的特質 を持 家族の、永続性 、愛情 中心 、非手段 的、無限走つ。
フェイス ・ツー ・フェイスな人間関係 に対 し 性 、 て、官 僚 組織 は、業績 的、非感情性 、手段 的、限走性
ルールに基づ く人間関係、か らなる、等 々。家族は、、 こ う した官僚組織 の特 質 と共存 しなければな らな
る。
家族は、 どのように官僚組織 に伴 う正反対の を扱 うのであろ うか。すでに指摘 したように、環境
家 拡大
な族 と解体する家族は、この間題 を扱 うことがで き い。「核家族は、それを、孤立のメカニズムに
て扱 う 修正 された拡大家族は、それを、家 よっ。 族 を 社会的距離の中間点 に維持する、 リンケージ ・メ
い。
「解体する家族構造 は、その家族的特性 を カニズム によって扱 う。 」
(リ トウ オク することによって、官僚制の環境 を採用する喪失によって、産業社会 に順応 したのである。拡 こと
6 9 1
族構造 は、官僚制の内部 にネポテ ィズムの規大家
2)
31職業的 ・地理的移動 と親族6) 5:産業社会の要求のひとつは、人々が彼 らの能 によって、同 じデ イレン 基づいて、職業的に割 り当て られるとい うこと力 に 導入 し、それによって産業官僚制 を破壊すること範 を 構造
マに遭遇する
。 」
(リ トウオク 1 5: 196 3 る。 もし家族 におけるすべての人々が等 しく才であ あ り、相互 に関連のある職業 に関心 を持つので能が )
パーソンズによる核家族の主張は、家族 と産4
僚制、 この二つの タイプのシステムが、互いに業官 ければ、 この要求は、いずれの親族 システムが もな
を保つ こと、互いにまった く異 なる生活領域で孤立 促進的な職 分化
するとい う説に基づいて、両者の共存 を説明 し 作用 題 を提起す業移動に最 も寛容であ り得 るか とい う問 機能分担の理論 は、家族 と官僚組織 は、すべた。 職業的移動 と家る。
領域で機能を分担するとする。 ここに、両者のての
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を微妙 に調 距離 'クは、1 Occupa960年、Mo族 との関係 については、 リ トウオya が指摘 さ 節す る、バ ランス ・メカニズムの重要性 mA eircanS∝i
れる。 とい う論文 を書いている。
リ トウオクは、この論文ではバランス ・メカ ム、あるいはリンケージ ・メカニズムについてニズ
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越 して言えば、同 じ1 Ge cMo ya
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jhTd 00n触 i dR くは論 じていない。ただ、その ようなメカニズ、多
存在 によって、官僚組織 と家族集団 とい う正反ムの
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n年、 さらに、以下の議論 を見 h i oeson 1 aE
,
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5,tneddFmiyC 対の環境が、適度 な距離 を保 ちつつ共存することは可能
'
同志社社会学研究 NO.I,1997
において詳細な検討を加えている。
本論文では、 こうした論文 を前提 に、要約 した書 き方 をしているので、 リ トウオクの提示する表 を示 して、両者の関連 を見てゆ きたい。
ここでは主要 に、拡大親族構造が職業移動 と両立 しないとい う見解 に対 して、反論が企てられている。
論点は、 3つある。
まず第一は、分化促進的な職業的移動 に伴 う、ス テータスの問題。地位の比較の もたらす不和、価値 観、ライフスタイル、 コミュニケーシ ョン ・パ ター
ンの相違 に基づ く不和、の問題である。
これについては、ステイタスの二つの形態- すな わち、等 しい と思われるもの とのつ き合いか ら引 き 出されるもの と、劣 っていると思われるもの とのつ き合いによって引 き出 されるもの - を考えることに よって、異 なった レベルの親族が、 もし彼 らがステ イタスについて異 なった基準 を用いるのであれば、
両者 とも満足感 を引 き出せ ない とする理由は何 もな い とする。ステイタスの高い親族 メンバーは、敬意 によってステイタスを獲得 し、低い ものは、つなが りによってステイタスを獲得するとい うのである。
第二 に、権威構造 との関連であるが、 リ トウオク は、従来の説は、伝統的な拡大家族の権威 システム は我 々の社会では雑持 されないことを示 した後 に、
核の 自立がその唯一のアルターナテイヴだ と仮定 し てきたこと、すなわち二分法に陥っていたとする。
表
2
親族構造 と分化促進的 な職業移動唯一の権威 システム、核家族の完全 な独立、そ し て連合体の概念 を区別することが重要である。
第三に、分化促進的な移動性 に対 して利用で きる 資源、 とい う観点をリ トウオクは導入する。そ して、
それぞれの観点か ら、職業移動 に対 していずれの親 族構造が最 も適合的であるかを問 うのである。
こうして、表
2
に示 されるように、ここで もまた、修正 された拡大家族が分化促進的な移動性 を扱 う能 力が最 も高いとい う結論が、導 き出される。
地理的移動 について も、同様 に、 リ トウオクが ま とめた表 を提示することで見てゆ くことにする (秦
3) 。
地理的移動 と親族構造 との関連 において、論点は 二つである。 メンバーの移動 を親族集団が正当化す るか どうかの問題、そ して、地理的移動 をサポー ト する資源の問題である。
「解体する家族、核家族、そ して修正 された拡 大家族は、すべて分化促進的な移動 を正当化する であろう。 初めの二つの タイプにとって、分化促 進的な職業移動は実際問題ではない。 とい うのは、
それ らは、後 に残す親族 を持 たないか らである。 差 し迫 った緊急時を除いて、そのような移動 を正 当化す る とは思 われ ない ひ とつの家族の タイプ は、古典的な拡大家族である。、、、他 の事が らが すべて等 しければ、修正 された拡大家族 と拡大家 族は最 も大量のプール された資源 を持 っているこ
移動 に対 す るサポー ト
親族構 造 分化促 進 的移動 に よ っ- つ なが りと敬意 を通て得 られ るステ イタスじて 分化促 進 的移動有 効 な資源 に権 威構 造 と分化促 進 的移動 の間 の-惰性
解 体 す る家族 中 低 高 全体 的評価中
核 家族
修 正 された拡大 家族 l辛-⊂=■ 低一t一= ■■■■ ■高■t.=一L≡l■ l l中-一=■
拡大家族 低同 r中司 同 l司
天木 :開かれた家族
とになる。核家族 と解体す る家族 は最 も少 ない。 この意味である。
要約す ると、修正 された拡大家族 は、分化促進的
第一次集団と家族
な地理的移動 を最 も促進す ることがで きると、論3.
ぜ られる
。 」
(リ トウオク 兆5:リ トウオクの理論 は、 まず は、 フォーマルな組織 1 321)
HD. 8
5 9
リ トウオクは、1 年、 コロンビア大学でP を と第一次集団 との間の機能分担 の議論 に始 ま り、次 取得 している。そのテーマは、
に官僚組織 と第一次集 団が共存す る可能性 を論 じ、 imaryGTtXlpInsbTummtSOf(for)S∝ialC b)ont1in x)dd
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Id ubsa '
竹
最後 に、 メリッ ト本位 の職業配分 を可能 にす る とい Saieyt:廿℃ExeYtTkdRmilyard 山 e egNiht う観点か ら、分化促進的な職業的 ・地理的移動性 を とい うものであった。
家族がいか に扱 うかを見 て きた。 こうした検討 を踏 まえて、 リ トウオクは、修正 された拡大家族 と呼ば
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前述 した Im
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(1 - tes ii un upP把SS
)に始 ま り、 リ トウオ h ku r 姐 am
eardF yBea p:AS dJy
れる家族の タイプが、民主産業社会の維持 において、 クの著作 リス トを見ていると、 リ トウオクの本領は、
最 も有効であるとい う主張 を導 き出すのである。
この論文 において、 リ トウオクが注 目 しているの は、官僚組織 と家族の関係である。家族 は、官僚組
第一次集団の研究 にあると思 われる。そ して、1 年、 リ トウオクの第一次集団論 を代表す る論文であ
9 6 9
G S ary roup
る、' mm hchm andTTNi:rRlld ms:Kin, 織 との関係 において、捉 えられている。
しか し、 ここで注意 しなければならないのは、 リ トウオクが、官僚組織 との関連 において四つの家族 形態 をさまざまに検討 しなが ら、時 には、官僚組織 に対す るそれ を、第一次集団 といい、親族構造 と呼 び、時 には、家族第一次集団 といった述べ方 もして いることである。家族 と第 1次集団、そ して親族 と
T
)S,andfheKrhが 書かれた。
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以下、 この論文 を中心 に、 リ トウオクの第一次集 団論 を見てい くことにする。
論文の冒頭、 リ トウオクは述べ る。
「最近 まで、社会学 では、産業社会 にお ける r第 一次」集団の構造の多様性やそれ らの分化 された 機能についての理論的な説明にほ とん ど注意 を払
ってこなかった
。 」
(リ トウオク 1 9: )96 465 の関係 は、 この論文 においては明確ではない。リ トウ オクの第一次集団論 を展開 した もの として それは、多 くの社会学者たちが、現代産業社会で は、第一次集団の研究はほ とん ど必 要が ない、ある いは、第一次集団は滅びた とい う観点 をとっていた JSre
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著名な論文、p血Ⅷ町 G mpShc a FtHdcns s-を検討 しようとい うのは、
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表
3
親族構造 と分化促 進的地理 的移動分化促進的移動を奨励する次元
親族構造 移動の正当性分化促進的地理的 移動のための財政分化促進的地理的的資源の有効性 全
解体する家族 非常に 体的評価
核家族 高い 低 中
修正 された拡大家族 非常に高 いIー-亡∃l 低l-t::≡⊃ ■中ら一一
拡大家族 低司 l中司 低 l司
(リ
同志社社会学研究 NO.I,1997
か らである。
こう した説の理論 的基礎 は次 の ような ものであ る。
「 (
1)ほ とん どの 目標 を達成す る上で、産業 的官僚 組織 が第一次 集 団 よ りも効 果 的で ある。(2
)産業的官僚制 は、第一次集団 とは正反対の 社会条件 を必要 とする、 とい うものである。そこ で要求 される主要な条件のひとつは、第一次集団 のメンバーが分化促進的な地理的職業的移動 に参 加 す る こ との必 要性 で あ った。 」
(リ トウ オク 1969:465-466)この論理的基盤の設定は、'xexdetrkkn ireldam snai n i
nds ldmc i ∝itu山a e m tcs ey.において、 リ トウオクが親 族構造 と産業民主社会 について考察 を加 えた問題設 定 と等 しい。1969年論文で、 リ トウオクが解 こうと 試みるのは、まずは、地理的職業的移動性 とリ トウ オクの言 う第一次集団、親族、近隣、友人 との関係 である。 もっと端的に言えば、地理的職業的移動性 にもかかわ らず、第一次集団が存続 し得 ることか ら 論証 を始める。
1)第一次集団の構造分化
産業社会は、人々の地理的職業的移動 を必要 とす る。そのことは、第一次集団にどのような影響 を与 えるのであろうか。
初めに近隣関係が考察 される。
「近隣関係は地理的な近接 によって特徴づけら れる。その結果、近隣は互いにフェイス ・ツー ・ フェイスなコンタク トにある傾向にある。同時に、
産業化は人々が短い期 間 しか 帯在 しないことを要 求す る。 もし近隣関係が地理的な近接 を要求 し、
産業化が短い滞在 を要求するのだ とした ら、近隣 関係が現代産業社会で生 き残 るには、古典的な第 一次集団の次元、すなわち永続的なメンバーシッ プな しに、フェイス ・ツー ・フェイスなコンタク トを強調 しなけれ ば な らない
。 」
(リ トウ オク 1969:466)テクノロジカルな圧力は、近隣関係の成員の高度 な回転 を強要す る。 しか し高度 なメンバーシップの 回転 にもかかわ らず、近隣関係の結合 を援助す るテ クノロジカルなサポー トが存在する。それは集団強 化のあ り方 を発展 させることによってである。具体 的には、移動が秩序づけられていること、新 しく来 た もの と以前か らの居住者がすでに多 くの基本的な 価値や言語、役割 を共有 していることによって可能 になる。テクノロジー社会はそのようなメカニズム を体系的に奨励すると、 リ トウオクは述べ る。
「先進的なテクノロジー社会のプロ トタイプと なる職業環境は、大規模 な官僚組織 におけるプロ フェッシ ョナルなそれであるとの指摘がなされて きた。 さらに、そのような職業 システムは秩序だ った変化の発展 を体系的に必要 とし、、、、それ 自 体、職業経験 はス トレインジャーを歓迎する規範 の発展のための トレーニ ングを提供 し、同時に、
秩序だった変化は本質的に良い もの として受 け入 れ られるとい う規範 を提供する。 さらに、テクノ ロジー社会は、国家的基盤の産業、マスメデ ィア、
国家的基盤の教育の発展 を奨励 し、そのことは翻 って、そのような社会の個 々人は、た とえさまざ まに異 なる職業的スペシャリテ ィを持 ったにして も、共通の言語 と共通の文化 を共有することを意 味する。テクノロジー社会は、上昇する生活水準 を通 じて、多 くの人々が専門的な輸送機関を利用 することを可能にする。最後 に、テクノロジー社 会は、個人が長期的なスパ ン (すなわち秩序だっ た変化のためのプラン)を考慮 に入れることを可 能に し、そ して人々が内面的に、近隣関係 とい う 自発 的結社 を効果的 に運営す ることを可能 にす る
。 」
(リ トウオク 1969:467)要するに、テクノロジー社会は、近隣関係のメン バ ーシ ップの高度 な回転 を要求す るが、 と同時 に、
高度 なメンバーシップの回転 にもかかわらず近隣関 係が存続 し得る条件 をも体系的に生み出す とい うの である。 しか し近隣関係が、存続 し得 るとい うこと
天木 :開かれた家族
は、それが伝統的な近隣第一次集団 と等 しいことを 意味 しない。
親族集団はどうであろうか。
「もし親族構造 (すなわち核家族間の関係)が 調べ られるならば、その伝統的歴史的な意味 に中 心的なのは、人々が半永続的な生物学的あるいは 法的なあ り方で関係づけられているとい うことを 我 々は兄いだす。同時に、親族 システムは、近隣 関係のように、テクノロジー社会 において分化促 進的な移動性の圧力 に直面する。 もしこれ ら二つ の考慮すべ き点、すなわち、永続的なメンバーシ ップと分化促進的な移動性、が勘案 されるならば、
親族 システムは、フェイス ・ツー ・フェイスな関 係 とい う伝統的な第一次集団の要求 を脱落 させる ことによってのみ生 き残 り得 る とい うことにな る
. 」
(リ トウオク 19 伊:
467-468)現代産業社会は、分化促進的な移動性 に参加する 人々に、最大限の経済的報酬 を提供する傾向にある。
それは親族が、移動 を停止す るために伝統的な手段 を用いることを妨げる。
しか しここで も、フェイス ・ツー ・フェイスなコ ンタク トの崩壊 にもかかわ らず、親族の結びつ きを 維持するメカニズムが働 く。
「一般的なポイン トは、互いに直接的に地理的 に近 くに住 んでいなか った として も、 コ ミュニ ケーシ ョンの現代的手段一電話、 自動車、飛行機 -が、家族や個 々人が互いにコミュニケー トする ことをます ます容易 に して きた とい うことであ る。 さらに我 々の貨幣経済 (テクノロジーの進歩 した社会 に本質的な)は、ほとん どの 目的に対す る一般 的な手段 として、貨幣の利用 を要求す る。
貨幣は容易 に素早 く移動 され得る。そ して親族ユ ニ ッ トの非常 に遠 く離れての援助 を可能にする。
ある ものは、分化促進的な経済的成功が分化促 進的な文化環境 を招 くので、親族間の仲たがいが 生 じるか もしれない と議論 してきた。 この点 を否 定 しな くて も、その ような相違は、社会が共通の
要素で、多 くを提供するとい う、 より大 きなコン テクス トのなかで生 じるとい うことを示す必要が あるだけである。 マ ス ・メデ ィア、大規模 なマ ス ・エデュケーション、等 々、すべては共通の文 化的言語的基盤の発展 を導 く。、、、共通性 は、 ま す ます、階層のラインを越えて、親族 アイデ ンテ ィテ ィを維持するための十分な基盤 となるであろ うと指摘 される
。 」
(リ トウオク 1969:6- 6)48 49 親族構造 は、 フェイス ・ツー ・フェイスなコンタ ク トの崩壊 にもかかわ らず、存続 し得る。 しか しこ のことは、親族の構造が伝統的なもの と同 じである ことを意味するのではない。友人関係は、前二者に比較 して弱い結 びつ きであ る。 しか し、 まった く同 じ社会的圧力 (分化促進的 移動性)に直面する。個人は友人を選ぶに当たって、
より大 きな選択の 自由を持 っている。 このよ り大 き な選択の故 に、友人関係はその強 さの主要な基盤 と して、愛着 を持つ。 この ような愛着は、フェイス ・ ツー ・フェイスな関係の崩壊 を生 き残 り得 るのであ ろうか。
「ある程度、答は親族集団に対するの と同 じで あろう 例 えば、コ ミュニケーシ ョンの現代的手。
段。 しか しなが ら、友人の結 びつ きは、親族集団 よりも、フェイス ・ツー ・フェイスなコンタク ト に対 してずっ と傷つけ られやすいか もしれない。
とい うのは、永続性 に対する制度的な圧力がない か らである
。 」
(リ トウオク 190 :469) 近隣関係、親族集団、友人 ピア・グループのすべて の検討 を踏 まえて、 リ トウオクは次のように述べる。「我 々が指摘 しているのは、友人の結びつ きは 自由な選択や愛着 に依存する傾向があるとい うこ とである。近 隣関係 の結 びつ きは、 フェイス ・ ツー ・フェイスなコンタク トに。そ して親族構造 は、永続的な関係 に。なぜ、これ らすべての第一 次集団は重複で きないのか とい う理由は、いつの 時代 にもまった くない。 しか しなが ら、我 々の議 論の主要なポイン トは、産業社会においては、こ
13
同志社社会学研究 NO.I,1997
れ らの集団のそれぞれを分離する圧力があるとい うことである
。 」
(リ トウオク 19eP: 4 伊)
リ トウオクは第一次集団の役割 を強調す るために と称 して、核家族集団の構造 にも触れている。
「核家族 は伝統的な第一次集団の要求に最 も近 くかなっている。例 えば、フェイス ・ツー ・フェ イス、永続性、愛着、非手段的、そ して無限走性。
しか しなが ら、孤立 した核家族のキーとなる構造 的特徴 は、人的資源の欠如である。定義上、それ は二人の成人メンバーを持つだけである。サ イズ におけるこの制限故 に、核家族は、それ らが第一 次集団の構造 の範域 に含 まれるに もかかわ らず、
しば しば重要な問題 を扱 うことがで きない。か く して、それ らは、 トラブルの原因が彼 ら自身の間 一夫 と妻- のけんかである場合、テンシ ョン ・マ ネージメン トの問題 を扱 うことは難 しいことにな る (例 えば、成人の どちらも、他 に対 して救いを 提供で きない) 0
さらに、緊密 な感情性の故 に、家族成員は精神 痛の初期の状態 を、客観的に診断で きないか もし れない。最後 に、テクノロジーの革新の故 に、家 族成員は しば しば、すべての問題 を扱 う基礎 とし て彼 らのパーソナルな歴史 を使 うことがで きない (例 えば、子供たちを扱 うための最新のテクニ ッ ク、デイ トについての新 しい規範の扱い方、等々)。 急速 に変化する社会において、二人の成人が、互 いに頼 るとい うのでは十分でない
。 」
(リ トウオク 1969:469)核家族 について考察 を加 えた後、 リ トウオクは述 べ る。
「我 々は、親族、近隣関係、友人関係 とい う第 一次集団の主要な力は、孤立 した核家族 に対する 補完的な資源 を提供するそれ らの能力であると感 じる。それ らはこのことをなす ことがで きる。 と い うのは、それ らは、 コミュニケーシ ョンの問題 を極小化することによって、伝統的な第一次集団 の形 態 に十分 近 いか らで あ る
。 」
(リ トウ オク1969:469)
リ トウオクは、近隣関係、親族集団、友人 ピア ・ グループのそれぞれについて検討 を加え、それらが、
急速 なテクノロジーの進展 にもかかわ らず、存続 し 得 るとした。それは、テクノロジーが第一次集団の 維持 を困難 にす るような分化促進的な移動性 を要求 する一方で、また第一次集団の存続 を可能 にするよ
うなメカニズムをも提供するか らである。
「拡大家族親族 の間の コンタク トは、 フェイ ス ・ツー ・フェイスなコンタク トの崩壊 にもかか わらず、維持 され得 る。近隣関係は、急速 な成員 の回転 にもかかわ らず、存在 し得 る。そ して友人 関係は、これ ら二つの問題 にもかかわらず、継続 し得 るのである。 この ことは、テクノロジーが、
遠 く離れての迅速 なコミュニケーシ ョン、そ して 迅速 な集団強化を可能にする故 に、可能である
。 」
(1)トウオク 19餅 : 465)
と同時に、個 々に存続する第一次集団 とは、伝統 的なそれ と同 じではあ り得 ない。伝統的なそれ らと は異なる新 しい タイプである。産業社会においては、
これ らの集団は、構造分化する。それぞれにそれぞ れの機能 を果たすのである。 この機能は、脆弱な核 家族 を補完する機能において、捉 えられる。
2)
第一次集団の機能それでは、脆弱な核家族 を補完す る第一次集団の 各々に独 自な機能 とは何か。
近隣関係 は、独 自な構造 的特 質 と して、 フェイ ス ・ツー ・フェイスなコンタク トを持つ。それでは、
フェイス ・ツー ・フェイスなコンタク トの利点は何か。
第一に、反応のスピー ドである。
「我 々は、一方で普通の人々が扱 うのに十分単 純であ り、他方特異であるので大規模 な設備では 効果的にプログラム され得ない活動 について、語 っている。 例えば、食事の さなかに 1カ ップの砂 糖 を借 りる必要性、あるいはス トアに走って出る 予期 していなかった 5分間の間赤ん坊 を見ている
天木 :開かれた家族
誰かが欲 しいこと。 これ らは両方 とも単純で良 く あることであ り、 しか し特異 なで きごとである。
このような緊急事態は、 ささいな事が らか ら大災 害 まである。フォームとノッソウによれば ( 1958) 主な自然災害 に関係 したは8275%の人々が、最初 の
2
、3
時間、隣人や近 くに住 む親族 に助 けられ たとい う。」
(リ トウオク 190:470)第二の利点は、同 じ地域 に住む人々にテクノロジ カルに基礎づけ られているサーヴィスのすべてであ る。例 えば、水の供給、道路 の舗装、学校、等 々。
人々は共通の問題 を持つ。 これ らのサーヴィスを改 善するチャンスは、 もし隣人たちが共同で活動 した 場合、計 り知れないほど増大する。
第三に、隣人のフェイス ・ツー ・フェイスなコン タク トは、学習のために継続的な観察が必要な状況 において、役割 を果たす。
「社会化の方法の多 く - いかに してよい母親に なるか、子供たちの仲間集団が非行的態度や低い 学業達成 を促進するかいなか-は、近隣関係 にお いて生 じる。 とい うのは、それは 日常的なパーソ ナル ・オブザベーシ ョンに非常 に依存 しているか らである
。 」
(リ トウオク 1969:470)要約すると、近隣関係の特別の領域 と考 えられる、
3
つの課題がある。緊急時、地域 に基づいたサーヴ ィス、そ して学習するために日常的な観察 を必要 と する活動である。親族構造は、その永続性 によって特徴づけられる。
それゆえ、課題が長期的なつなが りにかかわる場合、
最適 となる。
「幼い子供 を持つ親たちは、子供 を育てる責任 を、良 き友人たちよ りもむ しろ親族 に負わせる傾 向を持つ。、、、、親族は、長期的な医療援助 を提供 するのに加 えて、個人の長期的な人生や態度 を形 作 る上で、決定的な役割 を果たすであろう
。 」
(リトウオク 1%9:470)
友人関係は、 自由な選択 と愛着 によって、特徴づ けられた。
「現代社会は、 メンバーシップの重複 によって 特徴づけ られると、我 々は指摘 して きた。 このこ とは、集団の成員が分 け もつある事が らがあ り、
他は異 なっていることを意味する。
また現代社会を特徴づけるのは、継続的な相互 に関連 しない変化である。テクノロジーは、教育 界に変化 を導入 した。それは、労働界、あるいは 余暇時間のそれ とまった くマ ッチ しない変化であ る。 もし前述の考察が正 しいのであれば、固定 さ れた集団に分け持 たれ得 る要素の数は絶対的に制 限 されているとい うの もまた真実 に違いない。例 を挙げれば、大学 に行 く子供たちは、両親の知識 や関心 にはない、一連の問題に直面 させ られるで あろう。 例 えば、試験のために勉強すること、仲 間の扱い、デイ ト、等々。
両親 もまた大学 に行 っていたとして も、両親が 大学 にいたころとは、規範が急激 に変化 してきた ので、彼 らの知識の基盤は制限 されている
。 」
(リトウオク 1兆9:470)
「我 々は、友人集団は、他の集団が一般的な共 通性 を扱 うことがで きるのに対 して、継続的な変 動 にかかわる事が らを最 も良 く扱 うことがで きる のだと結論 した。それは、友人集団が、集団成員 にマ ッチすることを選ぶ最大の選択の 自由を提供 するか らばか りではな く、相互の愛着 とい う結び つ きのみ を持つ人々が、互いに適合するよう、 よ り動機づけられるか らで もある。友人が支配的に なるであろ うい くつかの例 は次の とお りである。
衣服のファッションは、ある共通の価値のセ ッ ト の中で継続的に変化する。 リベラルなあるいは保 守的な政治的伝統は、なお候補者の選択 における 変化 を可能にする
。 」
(リ トウオク 1969:471) 以上の近隣関係、親族集団、友人関係の構造 と機 能についての リ トウオクの考察は、ここで、ひとつ の表 にまとめ られて提示 されている。少 々大 きな表 であるが、非常 に理解 しやすい ものであるので、こ こで も提示 してお くことにする。15
同志社社会学研究 NO.1,1997
近隣、親族、友人は、それぞれの構造 に応 じた機 能を持 ち、遂行するのに最適のそれぞれ異 なる課題 を持つ。 リ トウオクは、 さらに述べ る。
「核家族は第一次集団の古典的な次元 をすべて
表 4 第一次集団の構造 による課題の遂行の レベル
持 っているが、人的資源において制限 されている ので、 しば しば第一次集団の機能のすべてを遂行 できない
」
(リ トウオク 1969:471)「これ ら第一次集団の タイプの組織の どれにも
核家族 拡大家族 友 人 隣 人 非第
フ
フェェイイスス .
ツー . 高 低 低 高 ・・極 めて低 い行動の大部分 はル ールによって一次集 団
永続性 (生得的) 高 高 中 秩序 づ け られている
無限定性 高 中 中 低中 ・極・極 めて低 い(達成的)
愛 着 高 中 高 中 ・限定 ある・極専 門化 されているめ てめて 低低 いいは
非手段 的(個別主義的) ・感情 的 に はニ ュー トラルあるい はイ ンパー ソナルい
人的資源 低高 中一■一.■■.. 中一■ 中 ・・極 めて低 い普遍主義的あるい は契約的
最適 にな される
課題の タイプ 二人或 いは さら に少 ない成 人 を 要 する0第一次
集団の課題のす ベ て
低 いフェイス .局
ツー .フ ェイス な コンタク ト、
長期的 なかかわり、二 人以上 を 要 する第一次集団の課題のすべて
■-■ 亡≡ な し遂 げるの に同
最 も緊密 で明 ら かな同意 を要
し しか し相対的 に 長期的 なかかわな第一次りを要 するよ う 集団の 課題
、
l l-司t=I 日常的 な コンタ ク トと
二 人以上
の成人 を要 する 第一次集 団の課 題 、例 えば、、非 常
常時の課題的 な社会化 、日 等 々o しか しな が ら
・・極 めて高 い20以上の数 * 専 門的 な訓練 、 大資本 の投資 、
非常 に大人数の 人々 を要 す る
かかわ りを要 す、長期 的 な 課題の すべ
*せいぜい大 ざっぱな推量 る課題 で はない
天木 :開かれた家族
鋭 く対照的 なのは、非第一次集団、例 えば官僚的 関係である。表 1 (訳者註 :ここでは表の 4)は、
これ らの集団がすべ ての次元 において、極めて低 い ことを示 している。 この列 は、読者 に、社会関 係 を二分す るや り方の危険 を、明確 に強調す るた めに紹介 された。ある集団が、古典的な第一次集 団の次元のすべ てを もたない とい うことは、それ を自動的に第二次的あるいは官僚 的な もの とす る ことにはな らない。 これ らの極の間には、大 きな 距離があ る。分析 を記述す るひ とつのや り方 は、
我 々が これ らの間 に入 る集 団のい くつ かの構造 一古典的な第一次集団 とは違 うが、構造 において、
で、官僚組織 と相互作用 し、他方で、第一次集団の それぞれの集団、す なわち、親族、近隣、友 人 との
家族 は、官僚組織 と第一次集団 とい う、社会 を構 成す るまった く相反す る特 質 を持つ構造のいずれに 対 して も、「開かれて
」
ある。リ トウ オクの家族論 の最 も重要なポ イン トを、筆 者 はここに求めている。 そ うであるか らこそ、 リ ト
ウ オクの理論 は、パ ー ソンズの 「孤 立 した核家族」
に対す る まった くの ア ンチテーゼ となるのである。
家族は、社会において決 して孤立 してはいない。
まだ問題 は残 る。' p
相互作用の中で、その存在 を保つのである。
i
rmaryGml 仙c PS turesandr血 n 他 のいかなるタイプの集団 よ りもず っ とそれに近 Funcodns.の論文で、注意深い読者は、 リ トウオクが、
い とい うような- を特定化 しようと試みていると 修正 された拡大家族 とい う言葉 を使 っていないこと い うことである
。 」
(リ トウオク 1969:472) に気づいたであろ う。 家族社会学者 としては、 このdT
turesan 間題 はやは り解決 してお く必要があろ う。 'PrimaryGroupSuctr TliF ter uncions:Ki,n
id x ens
にハ ンガ リーの二つの都市でデータが集め られた と
おわりに 一開かれた家族 -
dan
い う、経験的調査研究の分析 となっている。
hts, R -の論文 は、前半が、上述 して き た理論 的展 開部、後半 は、それ らを証拠立てるよう な、 1961年 にアメ リカのデ トロイ トで、 また 1966年
)r
N ieg また、官僚組織 と家族 とを、機能分担の関係 にお
いて捉 えるのであれば、 リ トウオクの言 う両者のバ ランス ・メカニズム、あるいは リンケージ ・メカニ ズム とは どの ような ものであるのか、理解す る必要 があるであろ う。
これ らの問題 を、筆者の今後の課題 として、ひと まず筆 を置 くことにする。
d l ldus K 1 i
: t
extd kinI
血
Snanir a m'
において、 リ トウオクは、家族 を官僚組織 との関連 において、把握 した。家族 と官僚組織 とは機能分担 の関係 にあ り、社会の 目標達成 において、互 いに相 補的である。' m it aics ety
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-ia Rm
yG p Shc sa rne一irFunctic
ns:Kin, s-の論文 においては、第一次集団 )rx Nieghts
が産業社会 においてなお生 き残 り得 ること、それ ら 親族関係、近隣関係、友 人関係 は、それぞれ独 自の 構造 と機能 とを持 って構造分化す ること、そ してそ れ らは、脆弱 な核家族 を補完す る能力 において捉 え
られている。
第一次集団を代表す る もの と しての家族 は、一方
17 Hen
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同志社社会学研究 NO.I,1997
<参照文献>
wak,19651ExetneddKinRealtionsinan t
nE.ShanasandGF..
i S i ●oceyt i t crac mo De ldnusratil
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1969'PirmayGrr oup dFmi ;a ly an
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今 回は、論文 中にて引用 した もの に限 った。 リ トウ オクの著作 リス トについては、次稿 に回す ことに し たい。
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"
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