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石川, 智

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

北海道東部春採湖の湖底コアに見られる年縞堆積物 と津波痕跡の年代の詳細決定

石川, 智

https://doi.org/10.15017/1398312

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(理学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

The Huge Tsunami 

τ

acesof the 17th Century Earthquake and Sedimentary Environment in  laminated lake deposits at Lake Harutori, eastern Hokkaido Japan 

(北海道東部春採湖の湖底コアに見られる年縞堆積物と津波痕跡の年代の詳細決定)

石 川 智 論文内容の要旨

北海道東部は千島海溝を震源とする地震・津波の常襲地域であり、沿岸の湿原や湖沼で見つけら れた津波の痕跡はマグ、ニチュード

8.5

以上の巨大地震に起因して堆積したと考えられている。近年 の研究によって巨大地震の発生周期が

300

500

年であり、最後は

17

世紀前半だったことがわかっ ている(たとえば

Nanayamaet al., 2003

)。しかし、北海道では入植された

19

世紀後半からしか 文献が残っておらず、正確な発生時期は特定されていない。

北海道釧路市にある春採湖は完新世に形成された海跡湖で、現在は海水の流入によって成層をな し、冬季には結氷も見られる。添田・七山(2005 )では湖底コアから過去

9500

年間に津波堆積物を

22

層見つけており、定常堆積物として年縞と恩われるラミナがほぼ全層にわたり観察されている。

湖底コア中の

17

世紀前半の津波堆積物の上には、)

I

慎にラミナと

Tab

火山灰(

1667

年)が堆積してお り、このラミナが年縞であればその計数から津波の発生年代を推定することが可能である。

2004

年に春採湖最深部(水深

5.7m

)で掘削された全長

17.2m

の湖底コアのうち、深度

1.6m付

近の

2

枚の火山灰

Ta‑a(1739

年)と

Ko

c2(1694

年)、ラミナを含む層序

70m m  

(薄片

1

)と深度

1.8 m付近のTa‑b

17

世紀前半の津波堆積物を含む層序

165m m  

(薄片

2

)を切り出し、樹脂固 定して薄片を作成した。これら薄片について、層序学的に連続な顕微鏡写真を連結した商像と肉眼、

実体顕微鏡で観察し、ラミナを計数した。また、薄片

2

については光学顕微鏡を用いてラミナにお いてその形成要素となる珪藻の観察を行った。珪藻の観察方法は、鉛直方向に 1本の観察測線を設 定し、

1000

倍の光学顕微鏡で、

il!U

線上

60μm

ごとに幅約

200μm

あたりに見られる珪藻種を同定・

集計した。

連結した画像と肉眼、実体顕微鏡での観察の結果、薄片

1

Ta‑a

から

Ko‑c2

が堆積した

45

年間 には明暗ラミナのセットが

47

枚数えられ、ほぼ年 1枚の明日音ラミナセットを堆積させていること がわかった。薄片

2

において

Ta‑b

17

世紀前半の津波堆積物の聞には

31

枚数えられたことから、

17

世紀前半の津波堆積物は少なくとも

1636

年以前に起きたと推定されるロ連続的な珪藻観察の結

果、主要な珪藻種の構成変化から津波発生後から

Tab

堆積までのおよそ

35

年間で水環境が遷移し

ていくことが復元できた。年縞認定に際しては、環境変化に伴って珪藻種構成が変化したため、特

定種による季節認定は出来なかったが、珪藻穫の季節変動による増減と考えられる特徴を詳細に検

討したところ

37回の周期的変動を確認した。画像と肉眼、実体顕微鏡での観察の結果とは若干差

があるが、幅広く見ても

1631±5

年が発生年代であると推定される。

参照

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