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氏名(生年月日)
本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位論文題目 論文審査委員
伊藤光子(昭和21
イ トウ ミツ コ
医学博士 乙第347号
昭和54年1,月19日学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)
メニエール病患者の瞳孔反応に関する研究
(主査)教授 上村 卓也
(副査)教授 内田 幸男,教授 阿部 和枝
論 文 内 容 の 要 旨
研究目的
メニエール病の病因については現在,自律神経異常が 最も有力である.その際自律神経異常を立証するために 行われた検査はメコリール,アトロピンなどの自律神経 毒の注射後に血圧,脈拍数などの変化を測定するという 全身的な検査方法が大部分を占めている,しかしメニ エール病では一側の内耳障害のみで,反対側には異常が 認められないという症例が多く経験されることより,罹 患側における異常の存在が考えられる.この点,瞳孔運 動は自律神経のみに支配されていることに加えて,左右 の瞳孔が別々に反応しうるという性質をもつている,そ こで本研究では瞳孔反応を指標として選び,メニエール 病における,とくに罹患側の自律神経異常の検出を試み
た.
研究対象
症例は厚生省特定疾患研究班による診断基準に準じた メニエール病確実例である.患者の状態をめまい発作と の関係より,めまい発作中である発作期,めまいのない 間歓期,発作期と間三期との中聞ないしは軽いめまい発 作中の準発作期の3つに分類した.症例は発作期7例
(患側眼8,健側眼6),準発作期14例(患側眼16,健 側眼ll),旧歓期50例(患側眼56,健i側眼41)である.
対照として健康者16人(32眼)を検査した.
研究方法
検査として全例に,暗所安静10分後の瞳孔撮影,フラ ッシュ刺激による対光反応検査および5%メコリールに よる点眼試験を行った.瞳孔の大きさは,この目的のた めに作製した暗視野瞳孔撮影装置によって両側瞳孔を同 時に撮影し,そのネガフィルムより瞳孔の横径を計測す
ることによって求めた.
研究結果
1.暗所安静10分後における瞳孔径の左右差は,メニ エール病患老の発作期においても認められなかった.
2. フラッシュ刺激0.5秒および2.5秒後の対光反応に おいて,メニエール病患者に異常所見は見出されなかっ
た.
3. 5%メコリール点眼試験において縮瞳率10%以上 の出現率を求めると,健康者では1/32(3.1%)であるの に対し,メニエール病患老の患側眼では発作期5/8(62.5
%),準発作期8!16(50%),間歓期15/56(26.896)と高 い出現率をみた(Pく0・01)・しかし健側眼における出現 率は,いずれの病期においても健康者との間に違いを認 めなかった.
まとめ
メコリール点眼試験によりメニエール病患者の患側に 一致した異常が見出された.この結果は,発作と検査と の時闘的関係よりみてメニエール病の病因としての自律 神経異常の存在を示すものと解釈できる.
一847一
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論 文 審 査 の 要 旨
本論文は,瞳孔反応を指標としてメニエール病における,とくに罹患側の自律神経異常の存在を立
証したものであり,本疾患の病因解明に寄与するところ大なる貴重な論文である.主論文公表誌
メニエール病患者の瞳孔反応に関する研究 耳鼻と臨床 第24巻 補冊2号 616~629頁 (正978年7月)
副論文公表誌 1)舌放線菌症の1例
耳鼻と臨床 19(4)529~532(1973年7月)
2)外耳道脂肪肉腫の1例
耳鼻と臨床 20(5)645~647(1974年9月)
3)暗視スコープによる瞳孔径測定法.
耳鼻臨床 68増刊号 1420~1422(1975年)
4) 乳幼児咽後膿瘍5例,
日本扁桃研究会会誌 15(1976年)