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3) 山本,中村:Studd Shear Connectorの試験報告,建設省土木研究所報告,第109号,pp

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(1)

キーワード スタッド,高強度コンクリート,押抜きせん断試験,強度照査式

連絡先 〒305-8516 茨城県つくば市南原1-6 (国研)土木研究所 構造物メンテナンス研究センター TEL 029-879-6773

高強度コンクリートを用いたスタッド押抜きせん断試験と強度照査式に関する検討

1.はじめに

道路橋の技術基準に関して,要求性能の検証方法として部分係数設計法の導入検討が進められている1).ま た,構造合理化・多様化の観点から,鋼コンクリート接合部に用いる頭付きスタッド(以下,スタッド)につい て,現行道示2)の照査式(以下,道示式)の根拠3)となった諸元とは異なる材料や外力作用での適用事例が増え ている.これに対し,適用事例等の条件に対する実験等に基づく検討や強度照査式が提案されており例えば,4)

7),部分係数設計法への移行に際し,既往の検討結果を踏まえたスタッドの強度照査式の設定が求められる.

本稿では,検討事例の少ない高強度コンクリートを用いたスタッドの押抜きせん断試験による破壊形態等の 確認と,本試験データ及び既往試験データを用いた道示式の適用性に関する検討結果について報告する.

2.スタッドの押抜きせん断試験

スタッドを用いた接合部の破壊形態及び破壊に至るまでの挙 動の確認を目的に,文献 5)を参考にコンクリート設計基準強度

σ

ck(27,50N/mm2)及びスタッドの全高

H

と軸径

d

との比

H/d

(4.55,6.82)をパラメータとした試験体 12 体に対して押抜きせん 断試験を行った.表-1,図-1に試験体の形状寸法,図-2に載荷 概要,表-2 に試験結果を示す.漸増繰返し載荷法における載荷 は変位制御で行い,相対ずれが

1.0mm

までは

0.2mm

増すごとに,

それ以後

4.0mm

までは

0.5mm

増すごとに,載荷・除荷 の漸増繰返し(全 12 サイクル)載荷を行った.ただし,

4.0mm

以降から破壊までは

0.5mm

程度の増分間隔で単

調載荷とした.漸増繰返し載荷の場合(1-1,2-1,3-1,

4-1),全てのケースで最大荷重が低い傾向が見られた.

破壊形態は,道示式では

H/d

≧5.5 ではスタッドのせ ん断で,

H/d

<5.5ではコンクリート床版の割裂により破 壊するとしているが,本試験の破壊形態は,

H/d

<5.5の 場合でも

σ

ck が大きい場合にスタッド破断となった.破

ケース1 ケース2 ケース3 ケース4

100 150 100 150 4.55 6.82 4.55 6.82

降伏強度(N/mm2) 360 385 360 385 引張強度(N/mm2) 470 469 470 469

圧縮強度(N/mm2) 引張強度(N/mm2) ヤング係数(N/mm2)

漸増繰返し 1 1 1 1

単調増加 2 2 2 2

3 3 3 3

普通コンクリート 高強度コンクリート

軸径d(mm) 22

全高H(mm) H/d

本数 4

ミルシート

12 400×500×200

設計基準強度σck(N/mm2) 27 50

材料試験

31.5 63.4

2.32 3.79

26057 32712

コンクリート ブロック

試験体数

高さA(mm)×幅B(mm)×厚さC(mm) 試験ケース

載荷方法

小計 合計 スタッド

表-2 試験結果

表-1 試験体の形状寸法

4本当り 1本当り 4本当り 4本当り 1本当り

1-1 589.9 147.5 8.02 540付近 135付近 コンクリート破壊 スタッド頭部,基部

1-2 630.7 157.7 6.02 630付近 158付近

1-3 620.8 155.2 7.42 590付近 148付近 スタッド頭部,基部 平均 613.8 153.5 7.15 590付近 147付近

2-1 631.7 157.9 8.97 630付近 158付近 コンクリート破壊 スタッド基部

2-2 662.8 165.7 7.66 660付近 165付近

2-3 699.5 174.9 11.38 680付近 170付近 スタッド頭部 平均 664.7 166.2 9.34 660付近 164付近

3-1 818.3 204.6 11.62 800付近 200付近 スタッド破断 ひび割れなし

3-2 863.2 215.8 10.36 860付近 215付近

3-3 881.4 220.4 12.28 830付近 208付近 スタッド頭部 平均 854.3 213.6 11.42 830付近 208付近

4-1 772.7 193.2 11.01 770付近 193付近 スタッド破断 ひび割れなし

4-2 849.0 212.3 9.67 850付近 213付近

4-3 879.4 219.9 12.14 880付近 220付近 ひび割れなし 平均 833.7 208.4 10.94 830付近 209付近

最大載荷重 (kN)

最大荷重時 変位(mm)

初期ひび割れ

発生荷重(kN) 破壊形態

破壊状態

(スタッド近傍での ひび割れの有無)

ケース1

ケース2

ケース3

ケース4 試験体

(国研)土木研究所

CAESAR 正会員 ○金田 崇男 正会員 佐々木 寛幸

正会員 石原 大作 正会員 村越 潤

B=500

A=400

50200150

200 C=200

B=500A=400

50400

200

150 200 150 H形鋼

H-200x200x8x12(SM490)

c c

b

b c-c断面

b-b断面

C=200 600

スタッド 200 C=200 C=200

350

100 100 200 a-a断面

a a

コンクリートブロック

H

D

1mm程度 C=200 段差を設ける

拡大図

図-2 載荷概要図 図-1 試験体の形状寸法

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑1077‑

Ⅰ‑539

(2)

壊に至るまでの挙動は,全てのケースにおいて最大荷重付近でコンクリートにひび割れが発生した後(ケース

2

の例を図-3に示す),荷重が低下した.ケース

3,4

では最大荷重付近でスタッド破断音が生じた.また,破 壊状態については,コンクリート破壊(2-3),スタッド破断(4-3)における試験体切断面を写真-1,写真-2に示 す.スタッド破断時には,スタッド頭部及び基部からのひび割れは,3-3以外では生じていない.

3.スタッドの強度照査式の検討 3.1 道示式と試験データの比較

道示式と試験データとの関係について検討す るため,道示式の根拠となった試験3)

21

体に 加え,それ以降の国内試験例えば,6)7)

72

体と 本試験の

12

体を追加し,分析を行った(表-3,

図-4).対象とする試験データは,スタッドの鋼 種が

JIS

規格(SS400相当)を満たし,試験値が 数値データで示されているものとした.

図-4より,道示式による計算値に安全率分(3,

6)を乗じた線は,試験データの下限値付近とな

り,試験データの統計量から算出した下限値相 当線より概ね大きい値を示している.ただし,

コ ン ク リ ー ト 圧 縮 強 度

σ

c が 大 き い 場 合 (σc

>40N/mm

2)には,破壊形態は主としてスタ ッド破断となり,試験値(破壊荷重)は,道示式 による計算値の

6

倍より小さい傾向がみられる.

軸径

25mm

のスタッドを用いた場合には,道示 式による計算値を若干下回っている.

4.まとめと今後の課題

1)コンクリート圧縮強度及びスタッド全高と軸径との比の違いによるスタッドを用いた接合部の押抜きせん 断試験より,荷重変位曲線及び破壊形態等を確認した.今後,破壊形態等を踏まえた安全余裕を検討する.

2)道示式規定化以降の試験データを整理し,道示式の適用性について確認した.今後は,既往研究の提案式 との比較等を行い,部分係数設計法におけるスタッドの強度照査式を設定していく.

参考文献

1) 土木研究所:鋼道路橋の部分係数設計法に関する検討,土木研究所資料,第4141号,2009.3. 2) 日本道路協会:道路橋示方書・同解説Ⅱ 鋼橋編,2012. 3) 山本,中村:Studd Shear Connectorの試験報告,建設省土木研究所報告,第109号,pp.67-90,1961.1. 4) 平城,松井,

福本:頭付きスタッドの強度評価式の誘導-静的強度評価式-,土木学会構造工学論文集,Vol.35A,pp.1221-1232,1989.3. 5) 日本鋼構造協 会:頭付きスタッドの押抜きせん断試験方法(案)とスタッドに関する研究の現状,JSSCテクニカルレポートNo.35,1996.11. 6) 田川,平 城,尾形,井上,松井:頭付きスタッドの押抜きせん断試験方法の標準化に関する検討,鋼構造論文集,第2巻第8号,pp.47-60,1995.12. 7) 岡田,依田,Jean-Paul LEBET:グループ配列したスタッドのせん断耐荷性能に関する検討,土木学会論文集,No.766/I-68,81-95,2004.7. 8) 山本,中村:Block ChannelおよびHoop Shear Connector の試験報告,建設省土木研究所報告,第109号,pp.35-66,1961.1.

表-3 試験データの分類

図-4 道示式と試験データの関係

道示式の根拠データ

山本ら3)+Viest 既往試験例 え ば 6)-7) 本試験 12.7~31.8 13.0~25.0 22.0 71.7~214.4 80.0~150.0 100.0,150.0

20.7~36.9 18.2~55.7 31.5,63.4

降伏荷重 - 21 39 12

スタッド破断 9 29 6

コンクリート破壊 12 39 6

記載なし 0 4 0

21 72 12

追加データ

道示式に対する パラメータ

スタッド軸径d(mm) スタッド全高H(mm) コンクリート圧縮強度(N/mm2)

データ数 破壊荷重

y = 3.7x,R² = 0.12 y = 7.1x,R² = 0.45

0 50 100 150 200 250 300

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

試験値(kN

道示式による計算値(kN)

降伏荷重:道示根拠データ 降伏荷重:既往試験データ 降伏荷重:本試験データ 破壊荷重:道示根拠データ(スタッド破断)

破壊荷重:道示根拠データ(コンクリート破壊)

破壊荷重:既往試験データ(スタッド破断)

破壊荷重:既往試験データ(コンクリート破壊)

破壊荷重:本試験データ(スタッド破断)

破壊荷重:本試験データ(コンクリ ート破壊)

道示式による計算値×6

道示式による計算値×3 破壊荷重(平均値)

降伏荷重(平均値)

σcが大きく(≧40N/mm2),

かつスタッド破断の場合

※1:降伏荷重とは,ずれ止めまたはその周囲のコンクリートの塑性変形に起因して塑性変形が起り始 める荷重で,実用上使用に耐えうる限界の荷重8)とし,最大荷重を破壊荷重としている

※2:平均値線は,検討で対象とした全試験データの線形回帰式による Φ25mmのスタッドの場合

図-3 せん断力-相対ずれ曲線(ケース2) 写真-2 試験体切断面(4-3)

(スタッド破断) 写真-1 試験体切断面(2-3)

(コンクリート破壊)

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

-5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0

せん断力(kN)

相対ずれ量 (mm)

2-1:漸増繰返し 2-2:単調増加1 2-3:単調増加2 ひび割れ発生点

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑1078‑

Ⅰ‑539

参照

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