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各種耐水性評価方法によるアスファルト混合物の耐水性評価

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Academic year: 2022

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(1)

各種耐水性評価方法によるアスファルト混合物の耐水性評価

国立研究開発法人 港湾空港技術研究所 正会員 ○河村 直哉 国立研究開発法人 港湾空港技術研究所 正会員 森川 嘉之

1.目的

空港アスファルト舗装に用いるアスファルト混合物(以下,混合物という)の耐水性は,混合物に新規骨材を用 いる場合には残留安定度(75%以上で要求水準を満足)で評価されている.しかし,既往の研究で残留安定度が 75%

以上である混合物でも耐水性に問題がないとは必ずしも言えないことが指摘されており 1),また,近年,空港舗装 で水に起因する混合物の損傷が確認されていることから,本研究では,空港舗装の材料設計時に用いる新たな耐水 性評価方法の提案を目的とした検討を行っている.本稿では,国内外で導入されている複数の方法を用いて混合物 の耐水性を評価し,評価結果の対応関係に基づき空港舗装の材料設計時に用いる耐水性評価方法を考察した.

2.混合物の耐水性評価方法

混合物の耐水性評価には,以下の 3 種類の方法を用い た.各方法の概要を併せて示す.

方法 1)水浸マーシャル安定度試験

試験は,舗装調査・試験法便覧に準拠した.評価指標 は,マーシャル安定度に対する水浸マーシャル安定度の 比である残留安定度である.

方法 2) ASTM D4867/D4868M-04

試験は,参考文献 2)に準拠した.この方法では,直径 100mm,高さ 63.5mm のマーシャル供試体を 6 個用意し,3 個に対して圧裂試験(試験温度 25℃,載荷速度 50mm/min)

を行い,圧裂強度(標準圧裂強度)を求める.残りの 3 個に対しては,水に浸した状態で減圧環境下におき空隙 内に水を強制的に浸透させ,60℃の水中に 1 日浸すこと で剥離を促進させた後,圧裂強度(残留圧裂強度)を求 める.評価指標は,標準圧裂強度に対する残留圧裂強度 の比である残留圧裂強度比である.

方法 3) 水浸ホイールトラッキング試験(水浸 WT 試験) 試験は,舗装調査・試験法便覧に準拠した.評価指標 は剥離率である.1)と 2)は剥離促進過程で荷重の影響を 考慮していないが,本方法は荷重の影響を考慮している.

3.試験材料

評価に用いた混合物は,水に起因する損傷が確認された空港舗装の基層を想定して,粗粒度アスファルト混合物 (20)とした.本検討では,表-1に示す 8 種類の混合物を作製した.各混合物に用いた 5,6,7 号砕石には,同一採 石場の同一岩質の砕石を用いた.各混合物の細骨材には硬質砂岩を,フィラーには石粉を用いた.骨材の粒度は空 港土木工事共通仕様書に記載される基層用粒度の中央粒度とし,粒度調整を行うことで各混合物の粒度をほぼ同じ にした.アスファルトバインダーには,ストレートアスファルト 60/80 を用いた.混合物のアスファルト量は約 4.8%

を目標とした.作製する供試体の空隙率は 3.8%から 4.7%であった.

キーワード アスファルト舗装,耐水性,水浸ホイールトラッキング試験,ASTM D4867/D4868

連絡先 〒239-0826 神奈川県横須賀市長瀬 3-1-1 港湾空港技術研究所 構造研究領域空港舗装研究チーム TEL:046-844-5641 表-1 本検討で用いたアスファルト混合物の配合

図-1 粗骨材の剥離抵抗性試験結果

混合物 の呼称

各混合物 に用いた 粗骨材の 呼称

粗骨材 の岩質

アスファルト 混合物 の種類

アスファル バインダー の種類

アスファル 量(%)

空隙率

(%)

混合物A 粗骨材A 橄欖岩 4.8 4.7

混合物B 粗骨材B 硬質砂岩 4.7 4.2

混合物C 粗骨材C 硬質砂岩 4.8 4.3

混合物D 粗骨材D 石灰岩 4.8 3.8

混合物E 粗骨材E 硬質砂岩 4.8 3.8

混合物F 粗骨材F 安山岩 4.8 3.8

混合物G 粗骨材G 角閃岩 4.8 4.3

混合物H 粗骨材H 輝緑岩 4.8 3.8

粗粒度 アスファルト 混合物

(20)

ストレート アスファル 60/80

0 10 20 30 40 50 60 70

粗骨材の剥離面積率(%

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑537‑

Ⅴ‑269

(2)

図-1 には,粗骨材の剥離抵抗性を舗装調査・試験法便 覧に従って評価した結果を示す.粗骨材の剥離面積率は,

3 から 60%であった.図-2に,粗骨材の物理性状として,

6 号砕石のすり減り減量および吸水率を示す.なお,粗骨 材 A のすり減り減量は欠損値である.図をみると,粗骨材 D のすり減り減量は相対的に多かった.また,粗骨材 F の 吸水率は相対的に高かった.

3.評価結果と考察

図-3~5に,8 種類の混合物の残留圧裂強度比と残留安 定度の対応関係,残留圧裂強度比と水浸 WT 試験による剥 離率の対応関係および残留安定度と水浸 WT 試験による剥 離率の対応関係を示す.図-3 より残留圧裂強度比と残留 安定度の間には正の相関が確認された.図-4 および図-5 より,残留圧裂強度比もしくは残留安定度と水浸 WT 試験 による剥離率の間には相関がなかった.図中の矢印で示す プロット(混合物 D)については,方法 1)および方法 2) では剥離の程度が小さく強度低下が小さかった.その一方 で,水浸 WT 試験では剥離率が約 30%を示し,剥離の程度 が大きかった.これは,剥離促進過程で荷重作用を受ける ことで,剥離が顕著に表れたためであると考えられる.

図-1 に基づくと混合物 D の粗骨材の剥離抵抗性は相対 的に低くないことから,水だけでなく荷重作用が加わるこ とで剥離が生じやすくなった可能性がある.また,粗骨材 D のすり減り減量は相対的に多いため,すり減り減量が多 い粗骨材を用いた混合物は,粗骨材の剥離抵抗性が一定確 保されていても,荷重作用による骨材の割れ等の損傷に起 因して剥離しやすくなる可能性があると考えられた.

4.結論

1) 耐水性評価における剥離促進過程で荷重の影響を考 慮することで,剥離が顕著に表れる混合物がある可能 性がある.本検討では,剥離抵抗性が低くない粗骨材 でも,すり減り減量が多い粗骨材を用いた混合物の場 合に,荷重作用を受けることで剥離の程度が大きくな った.

2) 空港舗装の車輪が通過する場所で水に起因する損傷 が過去に確認されたこと,および,荷重の影響で剥離 が顕著に表れる混合物が存在する可能性があること から,空港舗装の材料設計時の耐水性評価においても,

荷重の影響を考慮することが望ましいと考えられた.

参考文献

1) 川村ら,JHにおける高機能舗装化に伴う下層部の耐水対策,舗装,Vol.37, No.3,2002

2) ASTM D4867/D4867M-04, Standard test method for effect of moisture on asphalt concrete paving mixtures, 2005 図-2 混合物に用いた粗骨材の物理性状

図-3 残留圧裂強度比と残留安定度の対応関係

図-4 残留圧裂強度比と剥離率の対応関係

図-5 残留安定度と剥離率の対応関係 0 0.5 1 1.5 2

0 10 20 30 40

吸水率(%)

すり減り減量(%) すり減り減量 吸水率

y = 0.010 x - 0.123 r = 0.69

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

0 50 100

残留圧裂強度比

残留安定度(%)

y = 0.001 x + 0.744 r = 0.05 0.0

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

0 10 20 30 40

残留圧裂強度比

水浸WT試験による剥離率(%)

y = 0.038 x + 83.814 r = 0.05 0

20 40 60 80 100

0 10 20 30 40

残留安定度(%)

水浸WT試験による剥離率(%)

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑538‑

Ⅴ‑269

参照

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