はじめに
著者 圓月 勝博
雑誌名 同志社大学歴史資料館館報
号 15
ページ n
発行年 2012‑10‑30
権利 同志社大学歴史資料館
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000013102
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2011年度は、同志社大学歴史資料館にとって、ここ数年の調査・研究事業の取りまとめに着手する 年となりました。それと並行して、今出川キャンパス整備に伴う第6次発掘調査の大部分や烏丸キャ ンパスの発掘調査を終え、調査データ公開のための報告書作成事業を本格化させはじめました。また、
2012年11月に今出川校地で竣工する良心館のロビーにおける薩摩藩邸・相国寺関連の遺構・遺物展示 への準備にも力を尽くしました。
これらの仕事がすべて結実するのは、2013年度以後のこととなりますが、本書に掲載した論考・調 査報告の一部はそのための作業の一つでもあります。出土した江戸時代の鏡鋳型の報告や、相国寺に 関連する史料のとりまとめは、今後まとめ上げる発掘調査報告書や、その成果にもとづく本館の展示 活動の基礎となります。
また、保管依頼のあった弥生時代~古墳時代の土器資料についての報文も本書に掲載しました。当 館の活動には、本学内の文化財だけでなく、様々な方々とのかかわりのなかで受け入れる歴史・考古 資料の管理・分析・評価も含まれます。本書に掲載した資料紹介・分析から、本館の多様な活動の一 端をご理解いただければ幸いです。
このような展示・研究・調査のための基礎的な活動は、本学内外の様々な機関・個人のご協力によっ て成り立っています。本館事業の継続と発展のために、今後とも多くの方々の温かいお力添えを賜り ますようお願い申し上げ、緒言にかえさていただきたく存じます。
2012年10月30日 同志社大学歴史資料館 館長 圓 月 勝 博