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可変パッドを用いた分岐まくらぎのソリ対策について

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Academic year: 2022

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(1)IV-296. 可変パッドを用いた分岐まくらぎのソリ対策について 西日本旅客鉄道(株) 正会員 鈴木 西日本旅客鉄道(株) 非会員 立岩 西日本旅客鉄道(株) 正会員 楠田. 常夫 直樹 将之. 1、はじめに 平成9年春のダイヤ改正による500系の300km/h走行や平成12年春のダイヤ改正による700系の28 5km/h走行が開始され、山陽新幹線ではますます高速化が進められてきている。一方で、動揺値による運転規制値 が見直されるなど、保守管理を強化する必要がある。しかし、一般軌道は平成8年度からσ値を用いたMTT整備等に より、軌道状態や乗り心地は向上したものの、分岐器区間は構造の複雑さから軌道状態も悪く、動揺多発区間となって いる。JR西日本では、こうした状態を鑑みて、分岐まくらぎを合成まくらぎ化する計画をしている。しかしながら、 これまでのまくらぎ更換は、腐食の程度を優先したもので、ソリ等を考慮せずに行ってきているため、経年によるソリ の程度が各まくらぎ毎で異なっていることや、一夜あたりの分岐まくらぎ更換の本数が限られていることから、合成ま くらぎを敷設する場合には、施工の境目に著大値や動揺等が発生する恐れが生じると考えられる。そのため、合成まく らぎ化する前に、軌面整正を実施する必要があると考えられるが、本研究では、スラブ区間等の直結軌道用可変パッド を用いた軌面整正を試行したので、ここに報告することとする。 本線側 分岐側. 10 8 6 4 2 0 -2 35 -4 -6 -8 -10. (mm). 2、従来の整備方法の問題点について マクラギ番号 図―1には、まくらぎ毎の本線側と分岐側の水準狂いを示して 55 75 95 115 135 いるが、水準狂いが本線側と分岐側で大きく異なることから、各 まくらぎソリが発生していることがわかる。 本線側の速度に比べ、 図ー1 本線側と分岐側の水準狂い(静的) 分岐側は速度が 70km/h 以下であることや、分岐側を基準に水準 本線側 分岐側 狂いを整備すると本線側の水準狂いを悪化させてしまうというこ 水準狂い とから、分岐側はある程度の水準狂いを許容していた。また、こ うした背景から、本線側、分岐側別々で整備するようになってお 分岐マクラギ り、本線側は分岐器用マルタイ(以下「SMTT」とする)を中 分岐側の水準狂いを対策 本線側 心として整備し、分岐側は本線側に影響しない様にまくらぎ加工 分岐側 (削正)による水準狂い対策を中心として整備してきた(図―2) 。 削正等で対応 このため、今後導入が検討されている合成まくらぎ化敷設時にお 分岐マクラギ いては、各まくらぎでソリの程度が異なること、分岐側、本線側 別々で整備を実施していること、また一夜当たりのまくらぎ更換 図ー2 分岐側整正手法 数量が限られることから、施工の境目に著大値や動揺等不具合が 発生する恐れがあると考えられる。そこで、本研究では、従来から行ってきた本線側、分岐側別々で整備していた方法 を見直すこととし、合成まくらぎ化を行う前に、本線、分岐側を一体で整備する方法を検討することとした。 3、整備の基本的な考え方 本線・分岐側一体とした整備の基本的な考え方を以下に示す。 ①合成まくらぎを挿入しても問題が発生しない様に、レール4本全て底部が一直線上になるようする。 ②連続した 長い延長を施工するため、まくらぎ削正を行わず、間隔材による補修方法とする。 ③クロッシングやガードの解体を しないような基準線を選定する。 ④間隔材は、従来から用いられている可変パッド PV401 よりも衝撃に強い可変パッ ド PV701 を用いることとし、床板と木まくらぎとの間隔に挿入することとする。なお、可変パッドは、施工性を考慮 し、間隔が 4mm 以上の箇所を可変パッド挿入とし、それ以下はゴムパッド(耐油性)とする。 ⑤本線側の線形仕上が りレベルは 300km/h 走行に耐え得る程度の水準狂いを許容するものとする(施工後、SMTT施工を計画) 。 以上のことから、具体的な施工計画を作成することとした。 キーワード:木まくらぎ、合成まくらぎ、まくらぎソリ、可変パッド 〒670−0914 兵庫県姫路市豆腐町字水田 316 Tel(0792)82-5864 Fax(0792)82-2292. -592-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) IV-296. 4、間隔材挿入圧の算出について 70レール高さ(mm) 分岐基本 図―2は対象分岐器の4本のレール高さを5mピッチで 65 レールを事前 に線形整 60 測量し、まくらぎ間隔毎に線間補正した結果である。図か 備 55 直基 らクロッシングは比較的ソリが無い状況にあり、リード部 クロッシング 50 分リ 部 に大きなそりがあることがわかる。以上のことから、この 直リ 45 分基 リード部 40 分岐器においては、 ガードやクロッシング部を解体せずに、 35 リード部を中心とした施工をすることで十分であると考え 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 まくらぎ番号 図ー2 分岐器区間各レール高さ られる。そこで、以下の手順でソリによる間隔を算出する こととした。 同一線上になるように 間隔材挿入厚を算出 ①本線側の基準線を直基本レール、分岐側の基準線を分 岐基本レールとする(線形が比較的良い) 。 ②分岐基 同一線上 本レールの67#から80#までの線形が落ち込んで いるので、事前に線形調整をする。③直基本レールと 分岐マクラギ 分岐リードレール上を直線で結び、直リードレールと 分岐リードレールが一直線上となるように、まくらぎ 図ー3 間隔材挿入厚の算出イメージ とレールとの間隔を算出する(図―3参照) 。 ④前記 ③項で求めた場合の水準狂いが 2mm以下であることを確認。 ⑤前記④項で求めた水準狂いが 3mm以上の場合は、 分岐基本レールに間隔材を挿入する。 ⑥水準狂いが 2mm 以下であることを確認する。 以上により、計画レール高さを示したのが図―5、間隔材挿入厚を求めたのが図―6である。なお、間隔材による支 持力低下を補完するため、従来から用いているネジ釘よりも 15mm 長いものを使用することとした。 6 挿入厚(mm). レール高さ(mm). 70 65. 施工区間. 5. 60 55. 直基 分リ 直リ 分基. クロッシング 部. 50 45. リード部. 40 35. クロッシング 部. 可変 4 パッド 3 挿入箇 所. 分リ 直リ. 2 1. リード部. 0 30. 40. 50. 60. 70. 80. 90. 100. 110. 図ー5 分岐器区間各レール計画高さ(可変パッド後). 120 130 まくらぎ番号. 30. 40. 50. 60. 70. 80. 90. 100. 図ー6 間隔材挿入圧厚. 110. 120. 130 140 まくらぎ番号. 水準狂い(mm). 5、施工結果について 間隔材挿入については、分岐リードレール、直リードレール各1日施工することとし、施工後に分岐側、本線側の水 本線側 8 準狂いを確認しながら行った。図―7は施工前の本線、分 分岐側 6 本線側(施工後) 岐側の水準狂いと可変パッド挿入2ヶ月後の本線、分岐側 4 分岐側(施工後) 2 まくらぎ番号 の水準狂い(可変パッド挿入後、SMTTを施工している) 0 60 80 100 120 -2 40 の比較である。また、図―8には、本線と分岐側の水準狂 -4 施工区間 -6 い差を施工前後で比較したものである。図―7からSMT -8 図ー7 本線、分岐側水準狂い施工前後比較 T施工後であるものの、本線、分岐側とも良好な状態であ 4 り、図―8から分岐側、本線側との水準狂い差がほとんど 2 まくらぎ番号 無くなっていることから、可変パッドによりまくらぎソリ 0 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 100 105 110 115 120 125 130 -2 の影響を軽減できたと考える。また、2ヶ月経過後の状態 -4 -6 であるが、概ね良好に推移していることがわかる。 -8 水準差(mm). 施工前 施工後. -10. 図ー6 施工前後の本線側と分岐側水準差 6、おわりに 可変パッドを用いて、まくらぎソリに対する対策工のひとつを確立することができたものの、今回の施工は、クロッシング 部やガード部の解体を伴わない施工であったこと、分岐基本レール、直基本レールとも比較的線形が良好であったこと、 以上のことから比較的容易に施工することができた。しかし、これら条件の揃わない箇所の施工については今後の課題 とし、施工方法の検討をする必要がある。また、今回の施工はあくまでも合成まくらぎ敷設前の軌面整正ということで、 まくらぎソリによる水準狂い対策の抜本的な対策とするかは今後の経緯を見守って判断することとしたい。 <参考文献> 1)長藤、吉田、坂本: 「合成まくらぎの実用性能」 、鉄道技術研究所速報、No,A-87-71、1987,3. -593-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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