• 検索結果がありません。

塗膜のクリープが高力ボルトの軸力低下に及ぼす影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "塗膜のクリープが高力ボルトの軸力低下に及ぼす影響"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)I‑131. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 塗膜のクリープが高力ボルトの軸力低下に及ぼす影響 日本構研情報. 正員. 狩野正人. 近 畿 大 学. 正員. 谷平. 勉. 片 山 ストラテック. 正員. 石原靖弘. 片 山 ストラテック. 正員. 小林. 剛. 大. 正員. 亀井正博. 阪. 市. 1.まえがき 鋼橋の維持管理上,高力ボルト継手部は錆が発生しやすく,ボルト軸力の低下などの問題点も指摘されて いる 1).特に都市港湾部に架設される橋梁については腐食環境が厳しく,維持管理も難しい場合が多いため, その耐久性を高める工夫が必要である.そこで,大阪市内港湾部に架設された鋼斜張橋の主塔基部にある高 力ボルト摩擦接合継手部を対象に,5カ年の長期ボルト軸力測定を行ったので研究成果の一部を報告する. 2.測定橋梁の概要 測定した継手は,鋼斜張橋の主塔基部の高力ボルト摩擦接合継手であり,図-1 に示す継手面-③,④,⑦,⑧の トルシア型高力ボルト(S10T-M22)合計 10 本のボルト軸力の経年変化を計測した.ボルトの首下長さは継手 面-③,⑦が 125mm,継手面-④,⑧が 130mm である.本橋梁には重防食塗装系が採用されており,接合面には ショットブラスト(70s)後に無機ジンクリッチペイント(75 μ)を塗布している.ボルト残存軸力の測定に関して,長期 計測用の耐久性ひずみゲージをボルト軸部に2ヶ所貼り付 けた.なお,本橋梁は地組立ヤードにてボルト継手部が本 ⑤. 締めまで完了し,4ヶ月後に現地架設され,その後にゲー ジボルトに取り換えて測定を開始した.5カ年測定終了後. ② ⑦. 取り時のひずみまで荷重を載荷してボルト軸力〜ひずみの. 上流側. 図-1. 測定結果の一例として,図-2 にボルト No.1 の経年変化 による軸力低下を示す.ボルト締付け後5年目のボルト軸. 経過年月(月) 0. 締めボルトの締め付け力により,母材の密着度が増加し, 軸力低下の原因となる無機ジンクリッチペイント塗膜のク. 24. 36. 48. 60. 72. 軸力低下率(%). y = 0.6578Ln(x) + 3.9909 10 15 20. 初期導入軸力 25. 224.6kN. 5年後測定軸力 209.7kN. 30. 図-2. リープが進行していたと考えられる.. 12. 5. 2). ルトに取り換えて測定を開始したため,この4ヶ月間に本. 継手面の配置図. 0. 力減少率は平均で 6.5%であり,一般的な無機ジンクリッチ. 本締めまで完了し,その後,現地架設の完了後にゲージボ. ③. 下流側. キャリブレーションを行った.. 軸力低下率が小さい.本橋梁は地組立時にボルト継手部が. ④. ⑧. ボルトを抜き取り,実験室にて引張試験機を用いて,抜き. ペイントを用いた高力ボルト摩擦接合継手と比較しても. ① ⑥. ボルト軸力の経年変化(ボルト No.1). 3.確認実験 前述したように,測定開始前の4ヶ月間に無機ジンクリッチペイント塗膜のクリープが,どれだけボルト の軸力低下に影響を及ぼしたかを把握するため確認実験を行った.試験体の諸元を図-3 に示す.使用したボ ルトはトルシアボルト(S10T-M22)であり,ボルト頭部に 2 軸ひずみゲージを貼り付け,ボルト軸力の変動 を計測する.各試験体の継手面の表面処理は,試験体-A,B がブラストのみ,試験体-C,D がブラスト後に無機 ジンクリッチペイントを塗布した.ブラストの表面粗さは 70S,無機ジンクリッチペイントの膜厚は 75μで キーワード:高力ボルト摩擦接合,ボルト軸力,クリープ,無機ジンクリッチペイント 連 絡 先:〒541‑0051 大阪市中央区備後町 1‑5‑2 TEL 06‑6223‑0350 FAX 06‑6223‑2401. ‑261‑.

(2) I‑131. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月) 10. が,試験体-B,D に関しては,締め付け開始より 136 日 経過後(約4ヶ月後)に一度ボルトを外して再度ボルト. 2×75. 2×75. 40 =150. を締め直し計測を続行した.. =150. 90. 200. 4.実験結果と考察. 100. 50 50. ある.測定期間は全ての試験体において 246 日である. 40. 470. 200. 870. No.1 のボルト軸力低下率を,表-1 に各試験体の平均軸. 1. 2. 3. 4. 5. 25 35 25. 測定結果の一例として,図-4 に試験体-D のボルト 6. 力低下率を示す.同図表より試験体-C,D において,4 ヶ月経過後にボルト軸力が約 12〜13%低下する.試験 図-3. 体-D において,締め直し後もボルト軸力が約 5%低下. 試験体の詳細(単位:mm) 経過時間(時間). しており,試験体-B のブラストのみの場合と比しても. 0. 1000. 2000. 3000. 4000. 5000. 6000. 7000. 0. 2倍以上のボルト軸力低下が確認できる.以上の結果 5. に及ぼす影響はかなり高いといえる. 確認実験の結果をふまえて,実橋におけるボルト軸 力低下率の補正を行った.継手部測定開始から 136 日. 軸力減少率(%). より無機ジンクリッチペイントのクリープが軸力低下. 10. 15. 20. 前(約4ヶ月前)に計測を開始した場合の軸力低下曲線. 25. を推定する.結果の一例として図-5 に継手-④の推定軸. 30. ボルトNo.1 ボルトNo.1(136日後) 136日. 力低下曲線,表-2 に各継手の補正後の5カ年経過後に. 図-4. おける軸力低下率を示す.補正後の平均軸力低下率は. 表-1. 各試験体の平均軸力低下率. 14.1%で,補正前の平均値 6.5%と比較しても2倍以上. 平均軸力低下率(%) 136 日経過 246 日経過 1.7 1.9 2.4 1.6 12.7 13.0 11.9 5.8. の軸力低下となり,塗膜のクリープがボルト軸力低下 試験体-A 試験体-B 試験体-C 試験体-D. に大きく起因することが確認できた. 今回の計測では,斜張橋・主塔基部の高力ボルト摩 擦接合部の計測であったが,上部工の摩擦接合部との. 試験結果(試験体-D). 比較検討も必要である.. 経過年月(時間). 5.あとがき. -5000. 0. 5. にかなりの影響を及ぼすことが判明した.仮に橋梁の. 10. しても,定期的な維持補修を行う必要があるといえる.. 軸力低下率(%). イントのクリープの進行は,継手部のボルト軸力低下. け時の 20%程度低下することが予想され,継手部に関. 10000. 15000. 20000. 25000. 30000. 35000. 40000. 45000. 50000. 0. 本実験で得られた結論として,無機ジンクリッチペ. 耐用年数を 100 年と考えると,ボルト軸力は,締め付. 5000. 15. 20. 25. 継手-4(平均) 実際のボルト軸力減少(推定). なお,本研究は関西道路研究会道路橋調査研究委員会. 近似曲線. 30. 耐久性小委員会(委員長:谷平勉)で行ったものであり, 著者らが代表してとりまとめたものである.御協力頂. 表-2. いた委員各位に感謝の意を表する次第である. 《参考文献》 1)亀井,谷平,石原,畑中,亀井:高力ボルト軸力の 経年変化に関する一考察,土木学会第 49 回年次学術講 演会概要集,I‑102,1994. 2) 関西道路研究会道路橋 調査研究委員会:耐久性小委員会報告書,1998.. ‑262‑. 継手-3 継手-4 継手-7 継手-8 平 均. 図-5 推定軸力減少曲線 補正後の軸力低下率(5年経過後) 補正前(%) 5.5 7.8 6.9 5.8 6.5. 補正後(%) 12.5 17.0 14.2 12.6 14.1.

(3)

参照

関連したドキュメント

 当社の海浜・海岸耐候性鋼板であるスーパータイコー ルWにおける Cu + Ni 量が 1.93%であるのに対し,JIS 鋼板用耐候性ボルト用鋼 SNC22BA では Cu + Ni 量が 0.89% で あ る。鋼 板

(9)ねじ締結体への外力による応力振幅 4 有限要素法 問(6)

〔Ⅰ〕緒 言

角ボルトともに最大でも 0.5mm 程度であり,両者に有意な差はみられな かった.孔ずれの状況を写真 -3

 吊橋には主ケーブルとハンガーロープをつなぐケー ブルバンドがあり、このケーブルバンドを留めている

三菱重工鉄構エンジニアリング㈱ 正会員 ○佐々木竜治 日鉄トピーブリッジ㈱ 窪田 公二 大日本塗料㈱ 半田 雅紀 日塗エンジニアリング㈱ 木村 耕

はじめに  コンクリート充填鋼管(CFT)部材が引張軸力を受ける場 合、 充填コンクリートが鋼管の横方向の収縮を拘束する

の圧縮応力 と軸 ひずみの関係 を ,Fi g. さらに,同軸 ひずみ条件下における圧縮応力は , pd .によらず S,. これに対 して,Sr lが 9 0% を越