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明石海峡大橋ケーブルバンドボルトの軸力管理

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Academic year: 2022

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明石海峡大橋ケーブルバンドボルトの軸力管理

本州四国連絡橋公団 正 栗野 純孝        ○本州四国連絡橋公団 正 池田 秀継 

1.はじめに 

 吊橋には主ケーブルとハンガーロープをつなぐケー ブルバンドがあり、このケーブルバンドを留めている ケーブルバンドボルトがある。ケーブルバンドの滑り に対する安全性を確保するためケーブルバンドボルト には所要の軸力が必要であり、本州四国連絡橋では軸 力による摩擦力が滑り力の3倍(安全率3)を確保す るように管理している。本稿では、明石海峡大橋(1998 年4月開通)におけるケーブルバンドボルトの軸力管 理のうち、特に段階増し締め工法とその箇所の決定経 緯について報告するものである。 

  図−1 明石海峡大橋のケーブルバンドの例 

一方向ピンタイプ(PWS用)H 

図−2 明石海峡大橋のケーブルバンドタイプ(アルファベット)

2.明石海峡大橋のケーブルバンド構造と    当初のケーブルバンド増し締め計画 

 明石海峡大橋は、片側の長さ約4km、直径1.122m の世界最大規模のケーブルを有し、日本で初めて PWSハンガーロープを採用した。従来はCFRCよ り線ロープを鞍掛けする方式であった。そのためケ ーブルバンドも設計方法・構造が異なっている。 

 ケーブルバンドボルトの軸力は、時間の経過とと もに低下するため、増し締めを行う必要がある。 

 建設時に4回増し締めを行ったが最後は舗装工事 完了前であった。このときの1〜20日後のバンドタ イプ毎のデータから、当初の予測では安全率3を下 回る時期は10年後以降であった。 

 本州四国連絡橋の他の吊橋では、全死荷重載荷後 すなわち橋の供用後速やかに全ボルトの増し締めを 実施していた。従来の実測結果では供用前の短期間

の計測に基づく軸力低下予測よりも供用後の軸力低 下が大きくなっているため、予測式の見直しととも にある期間が経過すれば全ボルトの増し締めを実施 する計画であった。ただしケーブルバンド数は540、

ケーブルバンドボルト数も10本〜20本/個と多い ため、一度には増し締めできず、4 年程度で全数増 し締めを実施することとしていた(1年に全体の1/4 ずつ施工)。

3.開通後約2年の軸力計測(1999年度) 

 当初の軸力予測は極めて短期間でのデータをもと にしているため、さらに精度をあげるべく 1999 年 度末にケーブルバンドボルトの軸力測定を実施した。

実施した区間は西側ケーブルCL〜4A間である。こ の計測においては、バンドタイプごとに計測を実施 した。

その結果、当初の予測よりも軸力低下が大きいこ キーワード:吊橋、ケーブルバンドボルト、軸力、段階締め付け

連絡先:〒655-0852 兵庫県神戸市垂水区名谷町549、TEL078-709-1296、FAX078-709-1427

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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とが判明した。さらに各ボルトが一様に軸力低下を している訳ではなく、特に主塔近傍位置のケーブル バンドボルトの低下が著しいことがわかった。また 中央径間側では中央に近づくにつれ軸力低下が少な くなる傾向が見られたが、側径間側ではそのような 傾向は明確ではなく、塔頂〜アンカレイジ間の途中 でも軸力低下の大きいところがあった。

20 30 40 50 60 70 80 90 100

1 10 100 1000 10000

経過日数(日)

残留軸力率(%)

当初予測 タイプNu(実測値) タイプM(実測値) タイプL(実測値) タイプK(実測値) タイプJ(実測値) タイプI(実測値) 安全率3(タイプI) 安全率3(平均値)

図−3 軸力計測結果(西側CL〜3P間)  表−1 軸力が安全率3を下回る時期 

4.第1回増し締め(2000年度) 

 上記計測結果から、ケーブルバンドボルトの増し 締めを行う必要があると判断し、残留軸力測定も含 め当初の考え方の通り全体の1/4に相当するケーブ ルバンドボルトの増し締めを実施した。増し締めを

行った箇所は東側ケーブル1A〜CL間である。また 残留軸力を測定した箇所は当初において残留軸力を 測定した6格点である。結果は同じく当初予測より も軸力が低下しており、主塔に近い箇所の軸力低下 が大きいことがわかった。 

5.段階増し締めの適用(2001年度) 

  第1回増し締めで検討の結果、増し締め方式とし て箇所を限定して施工することとした。2001年度に おいては、残留軸力測定も実施しながら、数年のう ちに安全率3を下回ると予測される主塔近傍のバン ドのみを対象に増し締めを実施した。今後は精密点 検時などに計測を行いながら順次必要箇所を増し締 めする予定である。 

6.まとめ 

 明石海峡大橋は大断面で世界最長のケーブルを有 し、日本で初めて PWS ハンガーロープを採用した ため、ケーブルバンドも初の形式となり、ボルトの 軸力管理においては、その特性を把握できるように 計測を行った。 

バンド タイプ

安全率3を 下回る時期

バンド タイプ

安全率3を 下回る時期

CL Nu 3P H 2003年

M I 2026年

L 約700年後 J 2012年

K 約200年後 K 2017年

J 約1400年後 L 2010年 3P I 2002年 4A Mu0 2011年

 建設時の軸力抜けの予測では 10 年以上のかなり 長い間安全率が3を下回ることはない結果であった が、2 年後の計測で早い時期に軸力抜けするバンド があり、それらは主塔近傍の傾斜の大きいところの ものが多いという傾向が見られた。 

 ケーブルバンドボルトの増し締めにおいては塔頂 付近のバンドのみを先行して実施する段階締め付け 工法を適用した。今後、軸力測定を行いながら順次 施工を実施する予定である。

図−4 増し締め実施箇所および実施予定箇所

 

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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参照

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