• 検索結果がありません。

赤クローバーサイレージの詰込条件と成分変化, とくに発酵ガスの発生量との関係について-香川大学学術情報リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "赤クローバーサイレージの詰込条件と成分変化, とくに発酵ガスの発生量との関係について-香川大学学術情報リポジトリ"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

191 赤クローバー

サイレージの詰込条件と成分変化,

とくに発酵ガスの発生量との関係について

大島 光昭,赤沢 正治,田中 博

緒 p 現在,我国の畜産は,飼料の多くを輸入飼料に依存している..その−∴因は日本農業の低収益性および狭陰な耕地 面積にあるとはいうものの,国民への安定的食糧供給のための自給率の確保,本来的を家畜の生理,および与えら れた国土の能力を最大限に活用する義務の観点に立つならば,我国でもかなりの自給飼料を生産・利用すべきであ ろう. 飼料生産の場合,単位面積当りの栄養生産性は,濃厚飼料に比し粗飼料の方が高い。しかし,四季の変化のはげし い我国では,年間を通じて一・定量の育刈飼料を確保することば困難であるい よって,多収穫の時期に,より収穫の少 い時期に備えて,草を貯蔵する必要がある小 貯蔵法としては乾草とサイレージがあるが,多収穫時が多雨多湿な我 国では天日乾燥による乾草調製は困難であり,多大の設備投資をしない限り,サイレ・−ジがよりよい貯蔵法とされ ている. サイレージ調製の原理軋 草を嫌気状態に保つことによって革の表面に付着している嫌気性薗を繁殖させ,それら が生成する酸によっで以後の変質を防ぐことにある.よって熟成過程において当然発酵にともなう養分の変性,分解, および損失が起り,それらの程度は与えられる条件によって大童く輿孜る. これらの変化にともなう栄養的損失を最少に抑える条件の確立は草の有効利用上必須であり,本実験は,その一∴弥 を解明する目的のもとに行をったい すなわち,赤クローバーを材料として,貯蔵期間,詰込密度,あるいはグルコ・− ス添加の有無が,サイレー・ジ熟成中のガス損失および乳酸,揮発性脂肪酸(VFA),および揮発性塩基性窒素(VBN) の生成におよほす影響について2回に亘り検討した= をお,赤クロー・バーを用いた理由は,豊科草が禾本科草に比し 低級維高蛋白質であり,濃厚飼料を中心とする単胃家畜の飼料の代替価が高いく1)ことにある. 実験材料および方法 1 供試草 本学部研究圃場にお車て栽培した赤クロ‥−バー・ を1972年7月3日,11日,28日,および1973年7月31日に刈取り, ただちに約1cmの長さに切断し,一・部を一・般成分分析用に採取したのち残部を二分し,−・方はそのまま,他方はグ ルコ・−ス2%を添加して,サイレ‥一ジ調製材料とした。 2 サイレージの調製 実験1試験管(30×200mm)の60cm8の体掛こ無添加およびグルコース添加赤グローバ・− を50g,40g,および 30gづつ詰込むことによって6種類の条件を設定し,各12本,合計72本の試験管サイレージを調製した。なお,50g の試験には1972年7月3日刈取の材料を,40gおよび30gの試験にはそれぞれ1972年7月11日および28日刈取の材 料を用いた..10N−KOHlOmJを入れた管瓶(25×55mm)を草の上においたのち試験管を脱気・密栓して開封暗まで 250Cの恒温室中に貯蔵した.開封は,詰込後1,2,4,7,14,および35日巨‖こそれぞれ2本づつ行をったu 実験21973年7月31日刈取の赤クロ・−バ・− を用い,グルコース添加および無添加についてそれぞれ50および30g/ 60cm8の詰込密度を設けた“これら4種類のサイレージ各2本づつをFig.1のごとき装置のもとで35日間室温で貯 蔵した.その間,1,2,4,7,14,21,28,および35日目に,ピンチコック1を開けて、N2ガスを吹きこみ,ピンチ コック1および2を閉じたのちKOH溶液を回収した.

(2)

Fig.,1.Theapparatususedinexperiment2… 3 サイレージ成分および発酵ガスの定量法 1)乳 酸 サイレーージを開封と同時によく混和し,その20gをホモジ.=・ナイザ、−・(日本精機ユ・エバ・−サルホモ ジェナイザー)にとり水200mgを加えてよく磨砕し,50Cの冷蔵庫中に一層夜放置したのら東洋折紙No・5Bで炉過 して得られた液を用いて,BARNETT(2)によって改変されたBARKERandSuMMERSON法にしたがって乳酸の定盈を 行なった. 2)揮発性脂肪酸(VFA)上記の炉液20mgおよび濃硫酸1mgをケルダ・−・ル蒸溜装置に入れ,溜出液200mJを

得るまで獅を続け虎.溜出液をフ・エノールフクレンを指示薬として昔−NaO=で滴定し,この清定借より仝VFA

の酢酸当盈を静出した. 3)揮発性塩基性窒素(VBN)よく混合したサイレー・ジ5gを500mJ容丸底フラスコにとり,純水150mJおよ

びCa(OH)25gを加え.たのち,400Cで30分間減圧蒸溜を行なった.溜出液をMRおよびBCGからなる混合指示薬

を含む4%H8BO8溶液でうけ,昔−=2SO4で滴定し,滴定借よりVBN盈を算出した・

4)発酵ガス サイレージ熟成中に発生するガスを捕集する目的で用いた10N−KOH二を定容後その一・部をとり, BaO2を添加したのち,フ1エノ・−ル・7クレンを指示薬として意−H2SO4で滴定した・この満足値をあらかじめ求めて

おいた供試10N−−KOHの昔−N2SO4による満足催から引くことによって中和されたアルカリ盈を求め,この値から

発酵ガス盈をCO2当盈として静出した. 5)pH サイレージの一部を圧搾して得られた汁液を用い,日立堀場H−5型pHメ1一夕・−・により測定した。 6)一般成分 供試赤クローバーの乾草について常法により行なった.すなわち,水分は加熱乾燥法,粗蛋白質は ケルダ・−ル蒸溜法,脂肪はエー・テル抽出法,および組織維は酸およびアルカリ煮沸法によった・ 結 果 実験1供試赤クロ・−パ・−・の一腰組成およびグルコース添加区における添加盈を実験2のそれらとともにTablel に示した.すなわち供試赤クロ・−バ・−の一腰組成は実験問および実験1の重盈処理区間でかなり異をったv 1972年7月3,11,および28日刈取の赤クロ・−バ、−をそれぞれ,60cm8の体掛こ50,40,および30gづつ詰込み, グルコース添加の有無および詰込密度が発酵ガス発生盈におよぼす影響と,あわせてpH変化およびVm,VBN,お よび乳酸生成におよほす影響について経日的に検討し,その結果を一・括してFig・、2に示した.なお50g区について は乳酸の測定を行をわをかった.

(3)

193 第25巻第2号(1974)

Ensiled 30g red clover

Ensiled40gredclover

Ensiled50gredclover

むコ罵>Hd l l 圭一−ごu.‡−一■Jぎ.︶ 宇きこ−三一ご三・丁=l≦ン 5 0 0

=ガク

ヒ・

__0−・・・・・・−」〇 ...一一●  ̄ ̄ ̄■■−−・ −●■一 ̄一 ̄ ___⊥__........」 ld⋮恕葛Eぢきh乱 くhA .1_._ 」 ・−●−−−・●−−−−−● ーでL3d∈盲ン′ J”邑pてd U叫︼U再J

O Ensiledwithoutglucose

:、;■ケ、 ̄ ̄ ̄ ̄へ

\Y

■−\ −1 b−−−−{L・−− ●Ensiledwithglucose 124 7 14 35 12 4 7 14 35

Days after ensiling

Fig.2.DailychangesofpHvalue,CO2fbrmation,andcontentsofvolatilebasicnitrogens(VBN),

(4)

Tablel‖ ChemicalcompositionoffkeShredcloversusedassilagematerialsandamountofglucoseadded

Ensiled Harvest Moist− Crude Crude Nfiee Crude CIude Glucose weight date uIe prOtein fat eXtraCt fiber ash added

% % % % % % % g 50 July 3,1972 Experiment1 40 Julyll,1972 30 .July28,1972 0い96 6.78 256 1…42 2 (6.53)(46‖1)(17り4)(9‖70)(1316) 0.70 7‖88 3…96 1。68 2 (3小96〉(44・5)(22い4)(944)(113) 0…97 8‖01 3い05 1ひ64 2 (5.42)(44・8)(17日O)(9・16)(11・2)

2.98 85・・3

(20・3)

3.48 82r3(19.7)

82・1(2芸て喜3) 4010‖9710.74い251.892

Experiment2 50,30July31,1973 78”2(18小4)(4′45)(49l0)(19一5)(8・67)(91r17)

Thedatainparenthesesshow%ofdrymatterl まず,詰込密度が熟成過程におけるpHの変化およびCOゎVBN,およびVFAの35日間の生成量におよぼす影響 についてみると,グルコース無添加の場合およびグルコース添加の30g区と40g区の間では,これらの値は詰込密 度に反比例した,.しかしグルコt−ス添加の40g区と50g区の間には差がみられをかった・乳酸含立札 グルコ・−ス 添加および無添加区ともに,詰込密度を30gから40gに上げることにより著しく増加した… っぎに,グルコ・−ス添加の有無がpHおよび上記の成分変化におよぼす影響についてみると,30g区および40g区 においてはグルコー・ス添加の効果が顕著だったが,50g区においては添加効果はほとんど認められなかった・ 実験2 Fig小1に示した装置にグルコース添加あるいは無添加の1973年7月31日刈取の赤クローバー・ を30gおよ び50g詰込むことによって,グルコー・ス添加の有無および詰込密度がサイレージ熟成中におけるCO2の経日的発生 ぉよび詰込後35日目のサイL/1−ジ品質におよほす影響について検討し,それらの結果をそれぞれFig・3およびTable 2に示した. % ′′叉 / ′× ・′ ノ /・ ・′ 。′X・ ′ / .一 ./ / / ×′ /×・/ ‘′ _ 一′ .′← / ..0′ pU〓SuむLヱ︶d∈ごp\ざU ′ ..′ 一ノ・ .ノ・ 一 一・ノ・○ ○・一 一○・一・一 / /■ ・一 一X/

/×/.′

/) 一一 /′■′○一′ ○一/′・一 ̄■ ン ×一・−X Ensiled30gred clover O−・−OEnsiled30gredclover withglucose X−・X Ensiled50gred clover

O−OEnsiled50gr・edcloverwithglucose

/。′ / / ′竺ン×/ .′..′ l′■■ 1■′ 一■■一

三三ニ

ニ=

/ ′/ = . 14 21 28 35 Dass after ensiling

12 4 7

(5)

195

第25巻第2号(1974)

Table2.QualityofthesilagesstoIedfor35daysinexperiment2

Weightof Withor redclover without

ensiled glucose

pH

Lacticacid

ⅤSic

%* %** %*** 1 3−89 1.95 0い19 1.95 2 3,89 2..04 0.21 1.74 With ,5、10 0‖52 0,.57 .5一.12 4月2 0“70 0.52 4.38 1 Without 2 1 3.87 2…10 0.27 1.69 2 3小8。5 2.24 0い29 1..61 4,.50 1.23 0、54 4.56 4.29 1..48 0,.48 4.12 1 Without 2 * Percentofwetsilagesr・ **AceticacidequivalentspeIWetSilages. ***Percentoftotalnitrogen・ サイレージ乾物当りのCO2発生盈は30g区が50g区に比し多く,同一儲込重患内ではグルコ ース無添加区が添加 区に比し多く,その差は30g区においてとくに顕著だった、. 開封時のサイレージ品質は,グルコ−ス添加の場合は30gおよび50g区ともに非常にすぐれたpH∴および成分組 成を示し,若干50g区がまさるようにみうけられたものの,両者間にほとんど差がをかった.一・方グルコ・−ス無添 加の場合はこれらより著しく劣り,30g区においてとくに劣っていた. 考 察 実用サイロは大きく気密塑と開放型にわけられ,前者は草を詰込んだのち気密にするため発酵ガスにより内圧があ がり,後者は発酵ガスは外気に拡散し表面の圧変化をあまりうけない..本報告の実験1においては,試験管内に草を 話込んだのち草の上をこKOH槽をのせ,しかるのち脱気・密栓した・・よって熟成中に発生する発酵ガスはKOH、に吸 着され,サイロ内はたえず陰圧を保つところから,実用サイロのモデルとしてかをらずしも適当とはいえ.ない.よら て実験1で得られた結果をそのまま実用サイロに適用しうるか否かを知るため,実用サイロにより近い条件下で行を ったのが実験2である.すなわち実験2においては口を密栓することなくKOH中につけ,サイロ内部に発生するガ スをN2ガスによりKOH中に追い出し吸収させた.よっでサイロ内はたえず常圧から防圧の間にあったけ まずガス発生急についてみると,実験1およぴ2のいずれの結果からも,サイレー・ジ熟成中におけるガス損失を防 ぐうえで,詰込密度をあげることが有効であり,低密度の場合は糖分添加も有効なことが判った.本実験では分析し をかったが,赤タローバ、一中に含まれる水溶性炭水化物は乾物当り約10%といわれ(8・4),これに約同塵以上のグル コー・スを添加したにもかかわらずCO2生成量はむしろ減少した..このことはFigい2の添加区における急激な乳酸生 成およびTable2の添加区におけるより多い乳酸量から考えて,一十分を糖質の供給のもとにホモ乳酸菌の活性が急激 に高まり,保蔵に十分な酸度により早く達することによって分解菌の活性を抑制したためであろう小すなわち両実験 とも,これら分解菌によって生成されるVFAおよびVBN含盈が,無添加区も低かった実験1の50g区を除いて, グルコース添加により著しく減少している・なおサイレージ熟成中における水溶性炭水化物からのCO2の生成につい て,大島・田中(5)が実験1と同じ条件のもとで14C−グルコ1−・スを用いて,およびHARTFIELundMAR色UERING(6)が 実験2に類似した条件下で14C一シュー・クロースを用いて,仝放射能の20∼30%がCO2に移行することを明らかにし ている.をお,サイレージ熟成中におけるCO2の生成には炭水化物のほかアミノ酸も大きく関与しており,熟成初 期にグルタミン酸から†−アミノ酪酸への脱炭酸による急激を変化が起るほか,全期間を通じてのアスパラギン酸の

(6)

脱炭酸によるアラニンの生成,セリンの脱炭酸および脱アミノ現象,アルギニンの脱炭酸によるオ・ルニチンの生成な どについて過去に報告した(7). 実験1および2を比較してとくに異なる点吼 50g区におけるグルコ叫ス添加効果のあらわれ方である.すをわち, 実験1の50g区はグルコ1−・ス添加と無添加の間にほとんど差が認められず,いずれもグルコース添加の30g区より すぐれた品質を示した.・一・方,実験2のサイレ・−ジ 品質は,グルコース添加の30g区と50g区の差はごくわずかで あり,いずれもグルコ・−・ス無添加の場合よりすぐれていた.しかしグルコ・−・ス無添加区内では50g区が30g区より はるかにすぐれていた.また,実験1においでサイレージ品質とガス発生盈との間に相関関係が観察されたのに対し, 実験2においてはより高品質のグルコ−・ス添加30g区がより低品質および同品質のグルコー・ス無添加および添加50g 区より高いガス発生盈を示した. 実験2の・≠ィレージ品質は詰込後35日目についてのみ測定したものであり,サイレ−ジ熟成中の成分変化にとくに 影響の大きい初期発酵など,.熟成過程をおった成分測定を行なっていをいので,こ.の結果だけから両実験の差をサイ ロ条件の差に帰結することは困難である1.そのためには,実験1および2の条件下で同時に経日的な実験を行をう必 要があり,今後の検討にまちたい.なお,赤クロ・−・バ・−の 品種,刈取時期,および糖添加の有無がサイレージ品質に およほす影響について.JoNES(4)の報告がある。それによると,赤クロ巾・−・バ・− 200gを20×40cmのポリエチレン袋 に真空下で貯蔵Lた場合,品種および刈取時期はサイレージ品質に影響せず,糖添加により著しい品質の向上を示し た小 本報告の実験1においても,50g,40g,および30g区はそれぞれ刈取時期を異にする赤クローバー・ を用いたにも かかわらず,・一・定の傾向を示した.McDoNALDβ£αJ.(8)は,詰込時の処理方法が赤タロー・バ¶・・・・ サイレージ熟成中の乾 物の重恩損失(彼らはこれをガス化による損失とみなしている)におよぼす影響について報告している‖ まず実験1 として,3m$に約1600kgの切断赤タローバ・−を詰込み,無添加と糖密添加の比較を行をった結果,両サイレージと もそれぞれpH4.0および3、9という非常に良好を品質を示したが,58日間の貯蔵期間中の乾物損失は,無添加が5% であったのに対し糖密添加の場合は7%を示した.つぎに実験2として,3m8に910kgの無切断赤クロ‥−バーを詰 込んだ場合と2.3m8に同重畳の切断赤グロ・−・バ・−を詰込んだ場合との比較を行なった結果,63日の貯蔵期間に前者 はpH4.3,後者はpH4.0に達し,その間にそれぞれ135および2、0%の乾物損失を示した.をれ これらの実験で は熟成にともないサイレー・ジの占める容墳が減少したが詰込時の相対的を比率は保たれた.彼らの実験2の結果は, それが材料の切断によるものかあるいは詰込密度によるものかは明らかでないが,いずれにしても本報告の結果と傾 向的によく山致している.すをわち,材料を切断することにより乳酸菌と養分の接触が増してよりpHが低く乾物損 失の少ないサイレージを作り得たと考え.るをら,本報告の添加グルコー・スの効果と結びつけ得ようし,その原因を 詰込密度に求めるをら両報告はまったく−・致した結果を示している。すをわち,McDoNALD e∼αエ.の実験2では切 断・高密度詰込が無切断・低密度詰込区に比して著しく低い乾物損失を示し,一・方本報告では実験1および2を通じ てグルコース添加50g区および無添加30g区がそれぞれ最低および最高のガス発生盈を示した.しかしこれらの結 果とは逆に,McDoNALDetalの実験1においては糖密添加区が無添加区よりも高い乾物損失を示Lている..このこ とについては現在のところ考察が困難である.. 要 約 詰込密度および糖添加が赤クローバーサイレージ熟成中の成分変化とくに発酵ガスの発生盈におよほす影響を知る 目的で本実験を行をった結果,次の知見を得た. 1.サイレ‥−ジ熟成中における養分のガス化による損失を防ぐうえで,詰込密度を上げることおよび比較的低密度の 場合はグルコース添加が有効であった. 2.グルコー・ス無添加の場合,詰込密度を上げるにしたがい,乳酸が増加し,揮発性脂肪酸および揮発性塩基性窒 素が減少し,pHが低下することによって,サイレージ品質が向上した. 3.グルコ1−ス添加の際のサイレージ品質と詰込密度の関係は,無添加の場合と同様の傾向を示す場合と示さない 場合があったが,しかし低密度のサイレージが高密度のものよりよい結果を示すことはをかった.

(7)

197 第25巻第2号(1974) 文 (1)大島光昭,高原華兆,中村康則:日本養豚研究 会議,10,111−117(1973). (2)BARNErT,.丁.G”:βわcゐe∽.J,49,527−529 (1951). (3)McDoNALD,P.,STIRLING,C.,HENDERSON,A R.,WHITTENBtJRY,R.:エj最.毘Agγよc..,16, 549−557(1965). 献 (4).JoNES,D‖Ⅰ.H:J.dgγ・去■c.鹿友一い,α∽あい,75,293− 300(1970) (5)大島光昭,田中 博:日本畜産学会報,投稿中. (6)HARTFTEL,W,MARqUERrNO,B.:l撤ischa・ 角βなぞ乃e凡才おr,14,102−111(1968)・ (7)大島光昭:香川大学農学部紀要,26,ト68 (1971).

EFFECT OF ENSILING CONDITIONS ON CHEMICAL CHANGE

AND FERMENTATION GAS PRODUCTION

I)URING ENSILAGE PROCESS OF RED CLOVER

MitsuakiOHSHIMA,MasaharuAKAZAWAandHir・OShiTANAKA

SⅦmmary

TwoexperimentswereCarriedouttostudythee鮎ctsofglucosesupplementationandpack−

1ngrateSOfredcloveruponthechemicalchangeSandgaSeOuSlossesduringtheensilage・The

amountofglucoseaddedwas2%ofthewetmaterials・50,40,and30gofchoppedredclover

werepackedintoexper▲imentalsilos(30×200mm)soastooccupy60cm3・The resultsob−

tainedwereasfo1lows.

l.Withtheincreaseofredcloverensiled,gaSeOuSlossesperdrymatterwerereduced・The

additionofgulcosewasalsoe飴ctiveonreducinggaSeOuSlosseswhen themater・ialswerenot

PaCkedtightlyu

2・Whenglucosewasnotadded)theincreaseofensiledmatterr・educedthepHvalue,

volatilefattyacidandvolatilebasicnitrogencontentsandincreasedthelactic acidcontent

resultinglnVeryWellpreservedsilageS

3.Whenglucosewasadded,therelationshipbetween packingrateandsilagequality

wasnotsoclearasobservedinthesilageswithoutglucose′ Butitwasevidentthatthequality

ofthesilageSPaCkedinsmalleramountwasnever・SuPeriortothosepackedinlargeramOunt・

(1973年11月2日 受理)

参照

関連したドキュメント

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

③  「ぽちゃん」の表記を、 「ぽっちゃん」と読んだ者が2 0名(「ぼちゃん」について何か記入 した者 7 4 名の内、 2 7

○事 業 名 海と日本プロジェクト Sea級グルメスタジアム in 石川 ○実施日程・場所 令和元年 7月26日(金) 能登高校(石川県能登町) ○主 催

現行の HDTV デジタル放送では 4:2:0 が採用されていること、また、 Main 10 プロファイルおよ び Main プロファイルは Y′C′ B C′ R 4:2:0 のみをサポートしていることから、 Y′C′ B

工場設備の計測装置(燃料ガス発熱量計)と表示装置(新たに設置した燃料ガス 発熱量計)における燃料ガス発熱量を比較した結果を図 4-2-1-5 に示す。図

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

26‑1 ・ 2‑162 (香法 2 0 0

一定の取引分野の競争の実質的要件が要件となっておらず︑ 表現はないと思われ︑ (昭和五 0 年七