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育成複二倍体作物とその両親作物との生理生態学的性質の差異について 第XXI報 含水量を異にする土壤における種々の生理作用の消長-香川大学学術情報リポジトリ

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育成複二倍体作物とその両親作物との

生理生態学的性質の差異について

希ⅩⅩⅠ報 含水量を異にする土壌における種々の生理作用の消長

桑 田

Studies on the differeces of physiologicaland ecologicalcharacteristics

Of the arti丘cially raised amphidiploidin comparison with

those ofits parents

XXIOnthe variations ofsome physiologicalcharacters afEected

by the soilwater supply

fIikaru KuwAD Ⅰ 緒 R さきの第Ⅰ報(7)においては∼後二倍休作物とその両親作物との耐早性に関係ある諸性質について,第Ⅵ報(8)におい ては,乾燥状態の土壌におけるこれら3作物の生育について報告した.本報では,乾燥および湛水状態の土壌にお けるこれら3作物の生理作用,特に生育に伴う草丈,英数は勿論,葉緑素舎監,蒸散監,呼吸盈,細胞液の濃度な らびに菓と根の叔腰などにつき比新研究を行ったのでその結果を報告する. 本稿を草するにあたり,御指導を賜わった香川冬夫博士ならびに本実験に種々協力された研究室各位に対し,ま た本実験が文部省科学研究費の補助のもとに行われたことを附記して,ともに深甚の謝怒を表する次第である. Ⅱ 実験材料および方法 供試材料は第Ⅰ,Ⅵ報と同様,オクラ(』∂♂J桝〃.SCゐ〟.Sβ.SC〝Jβ乃f〟ざ)(2乃=124),トロロアオイ(A.肋乃豆加わ (2兜=68)およびその後二倍体である糊麻(』.gJ以∼よ乃〃・・ね∬子吉Jfs)(2乃=192)(4)の一系統の3作物である小 実験は 1952年と1953年とに行い, いずれも上塗の尺鉢を使用した.試験区は乾燥区,湛水区および普通区の3区である. 乾燥区とは3作物の凋萎状況とにらみ合せて,約一週間に一度の割合で濯水した区であるい湛水区とは土壌全部が常 に水につかる程直に湛水した区である.普通区とは毎日湛水を行うことにより鉢植栽培の慣行法に準じた区である… 1952年は各試験区一作物3鍬で,1953年は各試験区一作物2鉢で,各鉢によく精選した種子せ50粒宛播種した小播 種は1952年は5月12日,1953年は5月13日で,実験開始は1952年は6月9日,1953年は6月16日であり,それ迄は 鉢植の慣行法により栽培して来たもので,2ないし3回の間引により,最後は1鉢3本仕立とした.実験項目は 1952年では草丈,菓数,葉緑素舎監,蒸散藍,呼吸畳 細胞液の濃度,乾物整および板の性状であるが,1953年で は葉緑素舎監の定盈1を繰り返し,さらに葉の組織および気孔状態である.調査は各年ともに原則として2週間毎に 行い,1952年は7月31日迄,1953年は9月2日迄継続したい 上記の実験項目の測定方法はいずれも 第ⅩⅠⅩ,ⅩⅩ 報(9・10)と同様である.. Ⅱ 実 験 結 果 (1)土壌の含水量 実験結果は第1表に示す如ぐである.土壌の含7k鼠ほ普通区では17い0∼23.0%,乾燥区でほ6.3∼14。、0%,湛 水区では32.0∼40“0%であった。

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第12巻第2号(1960) 137 第1表 土壌の含水選(%) 群印は1953年の成績,他は1952年の成紋 (2)草 丈 実験結果ほ第1図に示す如くである普通区では,3作 物ともに.生育に伴ない草丈は伸長し,常に糊麻が最も高く, 次に.オクラ,トロロアカイの順であった.乾燥区では,3 作物ともに草丈は普通区に比し低くなるカ㍉ その程度はト ロロアオイが最も少なく,ために.トロロアオイの草丈はオ クラ,糊麻と著しい差異を示さなかった.湛水区では,3 作物ともに草丈は普通区に㌧比し著しく低くなり,その程度 はトロロアカイが最も顕著であった. (3)葉 数 実験結果は第2図に示す如くである.普通区では,3作 物ともに生育の経過とともに乗数は増加し,トロロアオイ はオクラ,糊麻より著しく多かった−乾燥区では,オクラ, トロロアオイは一時,乗数は増加するが,7月4日以後は 減少し始め,糊麻は7月4日以後には減少し始めた・し かして8月31日においてはオクラ,糊麻は実験開始の6月 16日の時よりも英数は減少した.湛水区では,3作物間に 乗数の差は殆んどないか,あるいはあっても掻く付かで, しかも3作物ともに8月31日においては実験開始の6月16 日に比し実数の増加は殆んど見られず,特にトロロアオイ はむしろ減少の僚向を示した 31 7 1 4Ⅶ 16W 塾Ⅷ 17一Ⅶ 4一Ⅶ 16 4 17 3116 有 頭 砺 囁甘 調査月 日 第1図 草 丈 〔許〕実線:オクラ 左は乾燥区 点線:トロロアオイ 申は普通区 破線:糊麻 右は湛水区 6 5 4 3 薬数 調査月 日 第2図 菜 〔詳〕第1図に同じ 数 (4)葉緑素含量 実験結果は第3図に示す如ぐである.普通区では,葉緑 素舎監}ま6月26日にはトロロアカ・イが最も多く,次にオク ラ,糊麻の順であるが,日時の経過とともにトロロアオイ は減少し,オクラ,糊麻は増加した.しかしオクラの葉緑 素舎監は7月22日に最高値を示し,以後減少した.乾燥区 では,葉緑素含鼠は6月26日にはトロロアオイが最も多く, 次に糊麻,オクラの順であり,3作物ともに日時の経過と ともに.著しく増加した.とくにその傾向はトロロアオイが 葉緑素舎監 最も顕著で,オクラ,糊麻も同様に葉緑素舎監は増加する(mg)05 が,糊麻の方がオクラより柄々多かった..しかし3作物と もに7月22日以後は葉緑素舎監は若干減少を示した湛水 22 4 領 碩 22 4 26 7 Ⅶ 頭骨 面 雄 二L室 ■A挙ヱ W Ⅶ Ⅶ ⅧⅥlⅦ 調査月 日 第3図 集緑素含旗 〔首〕第1図に同じ 区では,葉緑素舎監は6月26日にはやはり普通区と同様で あるが,日時の経過とともにトロロアオ・イは減少するが,

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オクラ,糊麻は殆んど増加しないか,あるいは増加しても極くイ拗、であった (5)呼 吸 盈 実験結果は第4図庭示すく如くである・呼吸盈は普通区では,常にオクラが最も大で,次にトロロアか1,糊麻 の順であり,しかも3作物ともに日時の経過とともに増加 の傾向にある、乾燥区では,実験開始後10日目の6月19日 に.は呼吸鼠は普通区に比し,オクラ,糊麻は大差はないが, トロロアオイは著しく大で,しかもオクラ,糊麻より大で あった.しかして3作物ともに日時の経過にも拘らず大き な増減を示さなかった湛7k区では,やはり6月19日に.は 早くも3作物ともに呼吸最は普通区に比し著しく増加し, しかもオクラが最も大で,次に糊麻,トロロアオイの順で あった..しかして3作物ともに6月19日より7月16日に至 る間は呼吸鼠は大きな増減を示さないが,7月16日には著 しい減少を示した. (6)蒸 散 豊 実験結果は第5区けこ示す如くである.蒸散嶺は普通区で は,全期間を通じて,3作物ともに大きな増減を示さず, しかもオクラ,糊麻は殆んど同じで,ともにトロロアかイ よりも多かった.乾燥区では,6月20日において既に3作 5 呼 4 破 詔 3 (mg)亭 1 0 ー■一一一一一−−− 軍4図 呼吸屈 (註〕第1図に同じ 50 40 蒸30 散20 芦亡夕≠碍苛 一、 .._・・・ ■■一一−■■− 物ともに.普通区に比し莱散層は少なく,3作物間では糊麻 最10 ( 0 が梢々大きいようである.しかして3作物ともに7月17日 迄は6月20日に比し,たいした増減を示さないが,それ以 後は蒸散履は減少した。湛水区では,6月20において既に 3作物ともに普通区より蒸散認は多くなり,しかも3作物 間の差異は殆んど認められず,かつ日時の経過するも蒸散 嶺に大きな増減は見られなかった. 4一Ⅶ 型Ⅵ 17而Ⅲ 型Ⅶ 嬰Ⅵ Ⅶl甘111l 口H 月 査 調 第5図 蒸散遷 〔詳〕第1図に同じ (7)細胞液の濃度 実験結果は第6図に示す如くである..細胞液の 濃度は普通区では,6月20日にはオクラが最も高 いが,3作物ともに日時の経過ととも高くなったり 乾燥区および湛7k区では,3作物ともにいずれも 6月20日には普通区と殆んど大差は認められず, いずれも日時の経過とともに細胞液の濃度は高く なり,その程度は普通区に比し,乾燥区では梢々 優り,湛水区では梢々劣るようである−しかして 各試験区ともに,3作物間に顕著な差異は認めら れなかった,. (8)葉の乾物重および灰分 実験結果は第7,8図に示す如くであるい 葉の 乾物望および灰分は普通区では,3作物ともに日 時の経過とともに増加した..しかして乾物重はト ロロアオイがオクラ,糊麻より常に重いが,灰分 は3作物間に大差は認められなかった小 乾燥区で は,乾物重,灰分いずれも3作物ともに普通区と 同様の傾向を示したが,いずれも普通区より大で あった.しかして3作物聞では、トロロアオイの乾 細胞液の濃度 節6図 細胞液の濃皮 〔詳〕第1図に.同じ 0 3 1 ︶ 乾物重% ︵ 10

28163014 28163014 28

16 30 14 11111≠ ⅦⅥ Ⅵ Ⅶ11=1W Ⅷ1Ⅶ 調査月 日 第7図 乾物軍 〔註〕滞1図に同じ

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139 物垂,灰分は常にオクラ,糊麻より重かった・・湛水区で㌢ま, 乾物垂および灰分は6月16日より7月14日迄は普通区■と両 様の傾向を示すが,7月28日には糊麻が最も重かったい (9)根の乾物蓋および灰分 実験結果は第2衣に示す如くである.乾物垂は普通区で は,主根,側根ともに3作物間に殆んど大差は認められな かったり 乾燥区では,乾物重は主根,側板ともにオクラで は普通区では大差が認められなかった以外はトロロアオイ, 糊麻ではいずれも普通区より重くなった..しかも本区では 第12巻第2号(1960) 4 3 2 ﹁ユ 灰分︵%︶ 第8図 灰 分 〔計〕第1図に同じ 室根,側板いずれもトロロアオイの乾物重が最も重く,次に・糊麻,オクラの順である1・湛水区では,乾物重は主根 では3作物間に大差なく,しかも普通区と略々同じであったが,側板では3作物ともに普通区より少なかった・・灰 分も乾物惑と咤々頬似の傾向を示した小

節2衣 根の乾物垂(%)およひ灰分(%)

7月31日測定 (10)根の大きさ 各試験区の主根長を7月31日の調査で示すと罪3表の如 くであるい主根長は普通区,乾燥区では,ともに3作物間 に大差なく,しかも後者は前者に比し著しく短かかった 湛水区では,主根長はオクラは乾燥区と殆んど同じであり, しかも3作物由最も長く,糊麻は普通区の約半分であり, トロロアオイは3作物中最も短かかった (11)根の解剖学的性質 実験結果は第4表に示す如くである…乾燥区,湛水区に おける3作物の表皮の屑の数および厚さは普通区に比し, オクラは殆んど変らないが,糊麻は不変かあるいは梢々減 少の傾同を示し,トロロアオイは湛水区では減少するが, 乾燥区では増加した.表皮と形成層との間の厚さは乾燥区 第3家 主 根 長 7月31日測定 と湛水区では,普通区に比し,トロロアオイは不変である

が,オクラは湛水区でをま増加し,乾燥区では減少し,糊麻は乾燥,湛水両区ともに減少した・形成層と髄中心部と

の問の厚さはオクラの乾燥,湛水両区ともに普通区に比し増加し,トロロアオイは普通区に比し,乾燥区では著し

く増加し,湛水区では不変であった,.髄部の直径は3作物いずれも乾燥,湛水両区においては普通区より減少した

なお皮層の細胞の形は乾燥区の3作物と普通区のオクラ,糊麻では正方形あるいは矩形であが,湛水区の3作物と

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普通区のトロロアオイでは略々円形であった. 第4表 根 の 性 状 ※印はミクロメ一夕−の目盛の読み(5×10) 髄部の 表皮の 厚さ※ 表皮,形 成層問の 厚さ ※ 形成層, 髄中心部 間の厚さ葬 直径葬1の形

□□□

トロロアオイ

オ■ ク ラ 糊 麻

乾燥区 オ ト糊 区 通 地目 ロ ロ ク ラ アオイ 麻

;:≡i;

4 18∼12

オ ク ラ トロロアオイ 糊 麻 湛水区 (12)葉 の 組 織 実験結果は滞5衷に示す如くである.菓の厚さは普通区に比し,乾燥区では3作物ともに梢々著しく減少を示し, 湛水区ではオクラ,トロロアオイは変らないが,糊麻は梢々減少を示した..網状組織の長さは.オクラ,トロロアオ イは普通区に、比し 乾燥区ではいずれも短かいが,湛水区では大差は認められなかったい 糊麻は普通区に比し, 乾燥区では著しく短かくなり,湛水区でも短かくなった〟 海綿状組織の長さはオクラは3試験区間殆んど同じであ り,トロロアオイ,糊麻は普通区に比し,乾燥区では殆んど同じであるが,湛水区では梢々短かくなった.上表皮, 下表皮の厚さは3作物ともに普通区に比し,乾燥区では滞くなり,湛水区では殆んど同じであった… なお上表皮数, 下乗度数は3作物ともに普通lヌ■に比し,乾燥区,湛水酎、ずれも多かった 第5家 集 の 組 織 の 性 状 弾印は10×40におけるミクロメ一夕−の目盛の読み 萬・印は10×40における視野内の数

1 ̄ −

. ・:・ニ・

※l ☆

24.5 5‖0 二ニー ∴ オ ク 引 483 ⋮−1一1−′ + + 0 5 乾燥区 3 4 1︷ 7︰ 4 0 5 トロロアオ

7.01 9..3113.3

24.0 21ハ0 0 0 5 ︵1.〇 7 8 3 5 5 7 7 6 5 ■4 6 ロアオ

オクラ 三らヲ

オク ラ! トロロアオイ 糊 麻i 1:二弓:二 吾■通卜

t⊥−r−t

28いO 7.3

8い3】15‖0124.3 弓 5.7 ≒13.3

0 0 5 A▲ 人b 5 5 4 5 湛水区 5−O L 13り3 】 8い3 L ll.5 13 幸 の 気 孔 実験結果は節6衷に示す如くである.菓の気孔の数は各試験区ともに常にトロロアオイが最も多く,次にオクラ, 糊麻の順である.その数は3作物ともに乾燥,湛水両区.の方が普通区より多かった.気孔の大きさは各試験区とも に常に糊麻が最も大きく,オクラ・、トロロアオイは略々同じであった.しかして3作物ともに乾燥 湛水両区では、 普通区より小さかったリ

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第12巻第2号(1960) 141 第6衷 気 孔 ※,☆印ほ第5表と同じ 項 目 大 き ・・ ・:・− オ ク ラ ト ロ ロ ア オ‘イ 糊 麻 8 3 3 .4 5 7 乾 燥 区 オ ク ラ ト ロ ロ ア オ イ 糊 麻 オ ク ラ ト ロ ロ ア カ イ 糊 麻 普 通 区 湛 水 区 Ⅵ 考 察 上壌の含水嶺と作物の生育との関係に.ついての研究は極めて多く,特に・催漑の問題,耐単性,耐湿性の問題,そ の他種々の観点からこれがとりあげられ,土壌水分と生育,収意ならびに品質との関係,体内の窒素,炭水化物な らびに諸生理作用の消長,また根の解剖学的性質の差琴などが研究されて−いるり しかして,全般として,極端な乾 燥,または過渡状態の土壌に・おいては,作物の生育は著しく相客され,品質に・も悪影響をおよぼし,収藩は減少し, 体内の諸生剰犬態は悪化し,根の形態,解剖学的性質疫も変化を来し,またそれが品種間においても差異を示すこ とが認められている. まず土壌の乾燥ならびに.湛水に・より,単文の伸長ならびに真数の増加が普通状態に比し劣ることは田崎(17)その 他多くの研究者に認められているが,本実験の乾燥区では,トロロアオイがその影響を受けるのが最も少なく,湛 水区では,逆に.トロロアオイが最も著しく影智を受けて悪かったり これに伴なう生理作用のうち,同化作用と最も 密接な関係を看する葉緑素含量はトロロアオイほ普通区では,6月26日以降は減少するのに反し,乾燥区ではトロ ロアオイは著しく増加の傾向を辿り,しかもオクラ,糊麻よりその含意は多かった‖ オクラ,糊麻も,普通区に㌧比 し,乾燥区では讃しく該含蓮は多くなり,トロロアオイと同様の傾向を示すが,その多くなる程度はトロロオアイ 程ではなかった.また該含量は湛7k区では,トロロアかイは普通区と類似の傾向を示すが,オクラ,糊麻は硝々趣 を異にし,日時の経過に伴ない,大きな増減を示さなかった.土壌の含水遍の差に・よる葉緑素含魔の変化の研究は 殆んど無いが,ただToMBES‡(18)はトマトに・おいて,土儀水分の供給が少ないと葉緑素含卦ま増加することを言忍め ているい土壌の含水墨と同化作用との関係については伊藤,蔭山(3),福井,小島(2),浦野,長瀬,小口(20)など多 くの研究がある.そのなかでも,土壌の含水盈の低下に・より同化作用の衰えることは最近の研究ではSc‡柑IDER& CEILDERS(1さ)のリンゴ,LousでALOT(11)のサワグルミなど,その他多くが報告きれている.しかし反対に,同化 作用の高まることについては,最近の研究では ToMBESI&FoRTINI(19)のゼラニウム,SIMONIS(16)のノラマメな どで報告されている..しかし MARTIN(12),SIMONIS(1のも認めている如く,土壌の乾燥は葉の含水屠の低下をきた し,必然的に.乾物垂の増加をきたす.すなわち一定面積当りの菜では同化爵は乾燥によりやはり減少するが,一足 蚤螢当りの集では同化宴は高まる… したがって上記の結果は各実験者の供試材料,実験方法,実験時などの種々の 要素の相異に.よって一生じたものと思われる.本実験においては−・走査造当りの真線素含嚢を測定したものであるた め,乾燥区では3作物ともに柴の含水盛は減少し,したがって乾物重−ま増加し,ために葉緑素合致が著しく高くな ったものと思われる.しかも普通区では,トロロアオイが実験の後半ではオクラ,糊麻より少なくなるにも拘らず, 乾燥区では多いことは一.土壌の乾燥に対するトロロアオイの生理作用がオクラ,糊麻と著しく異にしていることを 示すものとみられる..また土壌含水鼻の増加,特に湛水状態における同化作用についての研究は′ト林(15)が種々の 果樹についてもこれを行ない,同化蛍は棲準区に比し減少することを認めている−本実験においても,3作物とも に葉緑素舎監は普通区に比し湛水区では減少した なお土壌の含水量と葉および根の乾物重ならぴに灰分との関係については岡本(14),西川,帝島(1き)および田崎(17)

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など多くの研究があり,本実験でも,全般的には乾燥状態の土壌では3作物ともに普通区におけるよりも乾物重な らびに灰分は多くなるが,湛水状態の土壌では3作物ともに普通区におけるよりも少なくなった.3作物間では乾 燥区でほ,トロ甲アオイがオクラ,糊麻よりも乾物垂および灰分ほ多く,湛水区では糊麻がオクラ,トロロアオイ よりも多かった… このことはトロロアオイが土壌の乾燥に対しても生育がより旺盛であることを示すものであるい 土壌の含水塩と最も密接な関係にある蒸散塩ならび転.これに伴なう細胞液の濃度については乾燥区でほ,3作物 ともに蘭散畳ほ減少,該濃度は増加し,湛水区では逆に兼散藍は増加し,該凍度は低下した..これらの点については 同様なことが伊藤,田崎(17)よおび蔭山($)なども認めている本実験においてこれらの生理作用の変化を作物別にみ ると,トロロアオイの蒸散藍は普通区では,最も少ないにも拘らず,乾燥区では乾燥に.よるトロロアオ・イの蒸散墓 の低下はオクラ,糊麻程著しくなく,また細胞液の濃度に/ついても,乾燥による該磯度の上昇はトロロアオイが3 作物申巌も著しい.湛水区では,蒸散盈は3作物の間に殆んど差異は認められず,細胞液の濃度はトロロアかイが 最も低かったい 土壌含水畳と.呼吸作用との関孫については多くの研究が奉り,土壌含水畠が少ないと呼吸の低下することについ てほToMBESI(18)がトマトで認めているが,SIMONIS(16)はノラマメでは,あまり変らないと述べている,また逆に 呼吸が高くなることについてはToMBESI&FoRLT】NI(19)などが認めている,.本実験においては,呼吸作用は乾燥に よりオクラ,糊麻は普通区と大差はないが,トロロアオイのみは梢々著しく上昇しているのが認められる..特に実 験開始値後の6月19日において著しい‖ すなわち乾燥状態においた時に,トロロアオイの呼吸は急に高くなり,そ の後,乾燥状態がつづいても,大きな変化は認められない..−・方普通区に.おいては,トロロアかイはカクラ,糊麻 と同様に生育ともに呼吸は上昇する∴しかして7月29日には,両区のトロロアオイの呼吸は殆んど同じになる巾 乾 燥区におけるトロロアオイの呼吸量の増減の傾向は,オクラ,糊麻においても同じで,日時が経過するも大きな変 化を示さなかった.−・方湛水区では,実験開始と.と.もに3作物ともに急激に∴呼吸は増大し,しばらくは呼吸急に.大 きな変化を示さないが,やがては減少を辿る‖ 特にトロロアオイの呼吸盈は,本区では最も少なく,乾燥区の場合 と全く逆である.. 栗の厚さならびに各組織が土壌の含水監の差により変化することは西川,市島(13)などで認められている.本実 験においてもJ3作物ともに乾燥区では,厚さは減少するが,湛水区では殆んど減少しないかあるいは減少しても僅 かである,また気孔の大きさおよび数も蓼透圧ならびに蒸散との関連において,土壌水分の差異に.関係することほ 伊藤,鷺山(3)などが認めている… 本実験では気孔の数は普通区に比し,乾燥区では3作物ともに.増加し,更に.湛水 区でも増加するが,気孔の大きさは小さくなった..元来気孔は土壌の含水藍の多い程,その数は多くなるのが普通 であり,本実験でもその通りであるが,乾燥状態の土壌においても亦気孔は小さいながらも増加した.したがって 本実験に.おけるが如き異常環境と気孔との関係は結局,その数や大きさそのものよりも,その開閉の機能が大きく 関係するものと思われるい 土壌の含水盈と根の形態ならびに解剖学的性質との関係については木戸,武舎(6),ARrKADO(1)などの研究がり, 特に耐湿性に.関連して,過湿または湛水状態の土砂に生育中の根の組織に関する研究は多い..本実験でも乾燥区で は,普通区に.比し3作物ともに特に.大きな変化は認められなかったが,湛水区では,普通区に比し3作物ともに変 化をきたし その程度はトロロアオ・イが最も著しく,それだけにトロロアオイは過湿あるいは湛水状態の土壌にお いては届いことを意味するものと思われる′ 以上の如く,本実験におけるが如き極端な乾煉または湛水の栗境においては,3作物いずれもその生理現象に異 常を示した… その中でも,トロロアオイは乾燥区では,呼吸蔓の増加,細胞液の濃度の上昇が特に目立ち,したが って耐皐性は最も強く,湛水区では根の発育が著しく阻害されて短かく,ために草丈は著しく低くなり,」呼吸壇は 減少し,細胞液の洪皮は著しく下降し,したがって耐湿性は最も弱かったい オクラと糊麻とでは,乾燥ならびに湛 水の両区における種々の生理現象は略々類似の傾向を示し,乾燥,湛水に.対する抵抗の強弱を決定することは出来 なかった. Ⅴ 摘 要 山 オクラ,トロロアオイおよびその復二倍体である糊麻の生育と土壌含水鼻とめ関係を比較研究した.. て2)或験区は土壌含水畳に.より乾燥区(6.3∼14‖0%),普通区(170∼23.0%)および湛水区(32.0∼40.0%) の3区とした. 侍)乾煉土盛(6L.3∼14▲、0%)においてをま,3作物ともに草丈,集敬いずれも彩響を受けてそれぞれ低くあるいは

(8)

143 第12巻蔚2号(1960) 少なぐなるが,その影響の最も少ないのはトロロアオイで,最も多いのは糊麻である.また3作物ともに・,細胞液 の襟度ほ高くなるがらその程度東トロbアオイが最も著しく,オクラ,糊麻は殆んど同じである..なお土壌の乾炊 のため,植勿体の水分は減少し,したがって,其の乾物蚤,灰分および集録来合亀は3作物ともに・著しく増加した が,その程度はトロロアかイが最も著しい… また呼吸作用ほオクラ,糊麻は普通区と殆んど変らなかったが,トロ 8アかイは精々著しく増加した 葉は3作物ともに薄くなり,兼敏畳ほ減少した。.また気孔の数は増加したが,小さくなった. き根は3作物とも紅短かくなり;表皮の粗放はトロロアオイでは梢々厚くなったエ また椒の乾物奮および灰飢ま3 作物ともに.々増加の傾向を示した (4)湛水土壌・(32.0∼抑0%)に.おいては,′3作物ともに草丈,乗数いずれも影響を受けて低くまたは少なくな るが,乾燥土壌における場合とは反対に,トdロアオ・イが最も著しく影響を受けた… なお未散乱 呼吸量は3作物 どもに.増大した..細胞液の壊皮はオクラ,トロ占アオイは梢々低下したが,糊麻は普通区と殆んど変らなかった 薬療蜃含盈は3作物ともに普通区に比し梢々減少の傾向を示し,かつ3作物間の差異も少なくなった 葉は密通区に此し;オクラ,トロロケオイは殆んど変らないが,糊麻は蒋くなった気孔は3作物ともに多くな り,かつ長さは短かくなるが,幅は大きくなった しかも数はトロロアオイが最も多く,次はオクラ,糊麻の順で あった…娘は3作物ともに襲皮は薄くなり,かりいずれも短かくなり,特にLトロロアオイが若しかったい なお主根 の乾物重は3作物ともに普通区と殆んど同じであるが,庚分は減少したい また側板の乾物重,灰分はともに.減少し た. 伍)トロロアオイは乾燥土壌に倒しては最も強く,逆に・湛水土壌に対しては最も弱かった。.糊廉とオクラは乾燥 およか湛水士優に対しては類似の生理現象を示した Ⅵ 引 用 文 献 喝 甲川五郎,市島紀郎:日作紀22,(3′}4),(1954) 醜 岡本 軍:日作紀,19(3∼4),(1951). a5)ScHEIDER,G.W.&CHILDERS,N.F.:Plant アゐ.γSダ∂J.,1¢.(1941) 師)SIMONIS,W∴」印加祓‰ イ川〔Cゐβ沼.A∂ぶf、46: 4611d,(1952)〕,(1952) 椚 田崎順郎:日作紀,28(1),(1959) ㈲ ToMBESI,L:点古びい gC¢わg紘1,〔β∠〃JりA∂.sf. 25:25323,(1951).〕,(1949) 且9)−−& FoRTINI,S.:A乃乃.ぶタβγ.αgγαγ.6, 〔Cゐβ椚.』∂√Sf.46:7180h,(1952)い〕,(1952) 帥 浦野啓司,長瀬某辿,小口忠彦:日作紀,27(2), (1958) (1)ARIXAD?,A∴∴Fれ柑.C㌢・〃ク 5‘ブ・5〃C・カ♪・2$ (1),(1954) (2)福井垂郎,小島陛男:日作紀,26(1),(1957) (3〕伊東信吾,蔭山力:日作紀,19(3∼4),(1951) (4)香粧冬夫:日作講演会発表及び個人出版,(1944) 伍)小林 章:国学椎,16(1947) (6)木戸三夫,武舎武夫:日作紀,23(1),(1954) (7)桑田 晃:日作紀,22(1∼2),(1953) (8)−:香農大学報,2(1),(1950) (9)一−・:香大農学報,11(1),(1959) ㈹−:香大鹿学報,12(1),(1960) 刷 LousTALOT,AnJ.:.ル鋸γ..Agγ・∴鮎・ざ,71,(1945). ㈹ MARIIN,E.Ⅴ∴PJα乃タグゐ.γ・Sg〃Jリ15,(1940) Rるs11me

(1)Studieswere made on the rIelation between the water content ofsoiland the various physi・ siologicalcharacters onthe course of plant growth ofNor.i−Asa(glutinous−hemp),an amphidiploid cr・OpI・aisedbetweenAbelmoschus esculeniusandA”Manihot・incomparisonwiththoseofitspar・entS

(2)The soilmoistures at thedrIy,nOrmaland Aooded condition were63%∼14・0%,17l0%∼23l0% and320%∼400%respectively

(3)Underthedrysoilshowing6l3%∼14−0%insoilmoisture,the height of plant becamelow and thenumber・Ofleaves decr・eaSedineachcrop compared withthoseof control,and the degree of the effectofsoildrynesswasthesmallestin Manihot,thelargestinNori−Asa”Theconcentrationofcell sapincreasedinthr・eeCr・OpS,anditsdegree wasthelargestinMdnihot,and eSCulentusand Nori−Asa werealmost the same

(9)

Thewatercontentofleavesdecreasedowingtothesoildrynes芦,COnSequently the dr.y matt甲■,?Sh and the amount.of chlorophyllin theleaves of thrIee CrpPS Showed markedincrease,anditsdegree was thelargestin Manihot.The r9Spirationsin escuZeniys and Nori−Asa wer・ealmost the samein

COntr・01,but thatin Manihot sl10Wed a remarLkableincr’eaSe

Theleaves of three crIOpS became thih and thenumber・Of stomataincreased,althoughitssi2;ebecame Smau,and the transpiration decreased.

The r・OOtS Of three crops became short,and the dry matter・and ash showed gradualincr’eaSe,and the epiderImis of the root of Manihot became somewhat thick.

(4)Under・the flooded soilshowing32。0∼40、0%in soilmoistur・e,the height of plant becamelow and the number ofleaves decreasedin each crop compared with tho$e Of control,and thedegr・ee Of the

effect of soilfl00dness was,On the contr・ary under・the dr・y SOil,thelar・geStin Manihot. The transpiration and respirIationincreasedin three crops. The concentration of celllSap decr.easedin esculentus and肋nihot,and was simi1ar・incontrolinNori−Asa. The amount of chlorophy11ineach CrIOp WaS Simi量arincontrol,but the differences among thr’ee Cr.OpS decreased to some extent。

The numer・Of stomata ofleaves became numer・OuS,COunting the most numerousin Manihoi,the

mediumisesc・ulentus,theleastinNori−Asa,.anditslengthbecame short butitswidthbecamelar・ge・ Theleaves ofNori・Asa became thick,though those of esculentus and Mknihot were almost the same

in contr01

The root of three crops became short,andits degrIee WaS the most evidentin Manihot,andthe epidermis ofI00tS decreasedin each crop.The dry matter・Of the main roots was almost the samein contrIOl,although the ash decrIeased,and the dry matter and ash oflater・alroots decreasedin three

CI■OpS

伍)Under・the dry soil,肋nihot was the most vigorous,but under the且00ded one,Mbnihot on the COntrIary,YaSthepoor’eSL Under the dry and魚00ded soil,thevarious physiologicalcharactersin Nori−Asa,,r・eSembledin escuLentui. (Received Novemberl,1960)

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