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であった まず 全ての膝を肉眼解剖による解析を行った さらに 全ての膝の中から 6 膝を選定し 組織学的研究を行った 肉眼解剖学的研究 膝の標本は 8% のホルマリンで固定し 30% のエタノールにて保存した まず 軟部組織を残し 大腿骨遠位 1/3 脛骨近位 1/3 で切り落とした 皮膚と皮下の軟

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Academic year: 2021

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学位論文の内容の要旨

論 文 提 出 者 氏 名 藤代 瞳

論 文 審 査 担 当 者 主査 宗田 大

副査 星 治、森田 定雄

論 文 題 目

Attachment area of fibres from the horns of lateral meniscus: anatomic study with special reference to the positional relationship of anterior cruciate ligament. (論文内容の要旨) 【要旨】 外側半月板(lateral meniscus; LM)から連続する線維の付着部に対する詳細な解剖研究は少な い。LM の解剖を、LM 前角と後角からの線維の付着部、LM と前十字靭帯(Anterior cruciate ligament; ACL)との関連性を中心に解析することを目的に本研究を行った。 24 膝を対象に肉眼解剖学的研究を、6 膝を対象に組織学的研究を行った。LM 後角からの最も 外側の線維の走行を評価するためにmicro CT を用いた解析を行った。 肉眼解剖学的にはLM 前角からの外周線維は ACL の線維と混合しているように見えたが、組 織学的には LM と ACL の間には明瞭な境界が存在した。LM 前角からの内周線維は外側顆間隆 起に付着し、ACL の外側縁を構成していた。LM 後角からの線維は前外側脚と後内側脚に区別さ れ、それぞれ外側顆間結節と内側顆間結節の後部に付着していた。これらの2つの線維脚はACL の付着部の後縁を構成していた。 LM 前角からの外周線維は ACL と隣接していた。LM 前角からの内周線維、LM 後角からの線 維はACL 付着部の境界を構成していた。LM からの線維は ACL の解剖の指標となり、関節鏡手 術における解剖学的指標になりうる。 【緒言】 LM の前方端(前角)と後方端(後角)から連続する線維の付着部は臨床的に重要である。LM は ACL と独立した組織であると考えられてきたが、ACL 損傷患者において損傷のない LM が弛緩 している所見が臨床で見られることがあり、LM が ACL と関連性を持つ可能性が示唆される。さ らに、LM の前角と後角からの外周の線維が ACL の線維と混ざり合うという報告も存在する。 我々は肉眼解剖学的研究に加え組織学的研究とmicro CT による評価を行うことにより、ACL と LM の前角と後角からの線維との位置関係について詳細に調査することを目的に研究を行っ た。

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- 2 - であった。まず、全ての膝を肉眼解剖による解析を行った。さらに、全ての膝の中から6 膝を選 定し、組織学的研究を行った。 《肉眼解剖学的研究》 膝の標本は 8%のホルマリンで固定し、30%のエタノールにて保存した。まず、軟部組織を残 し、大腿骨遠位1/3、脛骨近位 1/3 で切り落とした。 皮膚と皮下の軟部組織を取り除いた後、膝蓋腱を脛骨側で切り落とし、ACL と半月板が存在す る脛骨の近位の表面を用いた。ACL は大腿骨の付着部で切り落とし、後十字靭帯、側副靭帯を含 む他の全ての支持組織を脛骨の付着部で切り落とした。その後、ACL と LM の関連性を中心に観 察した。 《組織学的研究》 肉眼解剖学的研究後、さらに 8%のホルマリンで後固定を行い、組織学的研究を行った。ACL の脛骨側、LM の前角、脛骨を含む箇所を、大型試料用トリミング機器であるダイアモンドバン ドソー(BS-312、メイワフォーシス)で LM の外周の線維に対して平行に切断し、切り落とした部 位を強酸性の迅速脱灰液(Plank-rychlo 溶液)を用いて脱灰した後、脱水、パラフィン包埋を行っ た。組織を厚さ5μm で ACL と LM の間の表面組織に対して平行に、骨表面に対して垂直に作成 した。作成した組織はMasson’s trichrome 染色にて染色を行った。 《マイクロCT を用いた解析》 脛骨の表面構造をmicro CT スキャナ(inspeXio smx100-ct、島津製作所)を用いて評価した。さ らに、micro CT で撮影したデータを用い、3 次元立体モデル構築ソフトウェア(VG Studio Max 2.0、ボリュームグラフィックス)を用いて脛骨の 3 次元立体モデルを作成し、骨構造の評価を行 った。 また、micro CT を使用して LM 後角からの線維の骨付着部を評価するため、LM の後角のうち 最も外側を走行する線維に沿うようにX 線非透過性のシリコンマーカーを置き、線維の付着位置 を評価した。さらに、ACL と LM の線維の付着部範囲を micro CT を使用して作成した 3 次元の 脛骨のモデルに重ね、画像を作成した。 【結果】 《ACL と LM の前角との関連性》 LM 前角から連続する線維は外周と内周で線維走行が異なっていた。 肉眼的にはLM 前角から連続する外周線維は ACL まで伸長し、ACL の線維と混合していた。 しかし、組織学的には、外周線維とACL の線維には明らかな境界が存在した。 LM 前角から連続する内周線維は、外側顆間結節の下方の側面を走行し、外側顆間結節に付着 していた。肉眼的にも、内周線維とACL との間には明らかな境界が存在した。内周線維は ACL の脛骨付着部の外側縁を構成していた。

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《ACL と LM の後角との関連性》 LM 後角からの線維は前外側脚と後内側脚に分けることができた。前外側脚は LM 後角からの 線維のうち前側の線維であり、外側顆間結節に付着するものである。後内側脚は、LM 後角から の線維のうち後側の線維であり、内側顆間結節に付着するものである。 前外側脚は外側顆間結節の後側の側面に付着していた。前外側脚は ACL の付着部のうち後部 の外側縁を構成していた。ACL は前後に広く外側顆間結節に付着していた。 肉眼解剖により、後内側脚はACL と PCL の間を走行し、内側顆間結節の後部に付着していた。 micro CT により、後内側脚が内側顆間結節の上後部に付着していることが確認された。ACL は 内側顆間結節に付着しているため、LM の後外側脚は ACL の脛骨付着部の内側部における後縁を 構成していた。さらに、顆間隆起の間には血管孔が存在し、それが ACL のすぐ後方に存在する こともmicro CT 像から明らかとなった。 後内側脚の前方で、ACL は顆間隆起の内側壁の外側面に付着していた。さらに、ACL は顆間 隆起の外側壁の内側面に付着し、前外側脚の前方に付着していた。つまり、ACL は内側顆間結節 と外側顆間結節の間に存在し、LM からの線維の付着部を避けるように付着していた。 【考察】 LM からの線維は ACL と解剖学的な関係性を持っていた。①前角からの外周線維は ACL と隣 接していた。②前角からの内周線維は ACL の付着部の外側縁を構成していた。③後角からの前 外側脚の線維はACL の付着部の後外側部を構成していた。④後角からの後内側脚の線維は ACL の付着部の後内側部を構成していた。LM の線維は肉眼解剖学では ACL と混合しているように見 えたが、組織学的研究により、ACL と LM の間には明確な境界が存在することが判明した。 原らは、ACL の脛骨付着部後方の中心部には ACL の線維は存在せず、その部分に血管と脂肪 組織が存在すると報告した(Hara et al. 2009)。本研究の micro CT の解析でも、ACL 付着部の後 方には血管孔が存在していた。ACL の線維は内側と外側の顆間隆起の間に血管と脂肪組織を避け るように付着していた。

Siebold らは、ACL の脛骨付着部に関する肉眼解剖学的研究を行い、ACL と LM の前角からの 線維が混ざり合うと報告した(Siebold et al. 2014)。LaPrade らは LM の前角からの線維は ACL の付着部に重なっているとした(LaPrade et al. 2014)。本研究における組織学的解析において、 ACL と LM の線維には明瞭な境界があることが明らかとなった。 本研究の臨床的意義は、LM と ACL における解剖学的関連性が①ACL 不全患者の LM の弛緩 についての病態の理解につながること、②半月板移植術や ACL 再建術中の解剖学的指標となり うることである。LM の弛緩は LM の損傷が原因によると考えられてきたが、LM と ACL に解剖 学的な関連性があることから ACL の損傷が LM の突出の原因になりうる。本研究では、LM 前 角からの外側線維はACL に隣接しており、LM 前角からの内側線維、後角からの前外側線維脚と 後内側線維脚はACL の付着部領域の境界を構成していた。LM は解剖学的に ACL と密接な関連 性があると考えられる。本研究では、断裂後の遺残組織を温存したACL 再建術により、LM 線維

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- 4 - 【結論】

LM 前角からの外周線維は ACL と隣接していた。LM 前角からの内周線維、LM 後角からの線 維はACL 付着部の境界を構成していた。このことから、LM の線維は、ACL 再建術などの関節 鏡手術における解剖学的指標になりうる。

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論文審査の要旨および担当者

報 告 番 号 甲 第 号 藤代 瞳 論文審査担当者 主 査 宗田 大 副 査 星 治、森田 定雄 【論文審査の要旨】 1.論文内容 本論文は近年注目されている外側半月板の脛骨への付着部と前十字靭帯(ACL)と後十字靭帯 (PCL)の付着部の解剖を組織所見と μCT を組み合わせた解析で、外側半月板は前角、後角とも に2 つの線維束に分かれて付着し、内側および外側顆間隆起と密接な関係にあることを明らかに した。 2.論文審査 1)研究目的の先駆性・独創性 肉眼解剖にμCT を組み合わせて、より骨組織との関係を正確に評価することは先駆的であり、 手法として独創的と評価できる。また論文申請者の肉眼解剖の手技の技術が高いことが本研究と 過去の研究実績から示されている。 2)社会的意義 本研究で得られた解剖学的な知見により、スポーツ膝外傷として手術数の多い前十字靭帯再建 術の解剖学的脛骨骨孔の形成の指標がより明瞭になった。このことは解剖学的 ACL 再建術の成 績向上につながる。一方外側半月板後角損傷の治療においても骨孔位置の正確な形成に役立つ知 見である。 3)研究方法・倫理観 申請者は、肉眼解剖の緻密な技術を持って、これまでの肉眼解剖の報告で明らかになっていな い外側半月板前角・後角の線維性付着を明らかにした。さらにμCT と組み合わせることにより、 より立体的でかつ正確な付着部の位置関係を示すことが可能になった。加えて組織学的検討を行 うことにより、肉眼解剖所見をより確かなものとした。 本研究は献体と系統解剖学の倫理にのっとり施行された。 4)考察・今後の発展性 申請者は肉眼解剖手技とμCT、組織学を組み合わせた、先駆的な肉眼解剖を実践したことによ り、これまでにない外側半月板の正確な脛骨への付着状態を明らかにしたことは、今後の膝手術

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( 2 ) 今後さらに軟骨の所見を加えることにより、実際に関節表面として見えている軟骨と靭帯や半 月板の付着様式がより詳細に明らかにされる。今後軟骨組織の描出を加えた解剖学的検討により 本研究はさらに実践的な手術解剖として意義が高まると期待される。 3. その他 4.審査結果 以上をふまえ、本論文は博士(医学)の学位を申請するにあたり、十分な価値があると認めた。

参照

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