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水工学論文集,第58巻,2014年3月

レベル化された気象警報に対する

情報利用者の認識

AN ANALYSIS OF UNDERSTANDING OF USERS

FOR GRADED WEATHER WARNING INFORMATION

牛山素行

1

Motoyuki USHIYAMA

1正会員 博(農)・博(工) 静岡大学教授 (〒422-8529 静岡市駿河区大谷836)

The weather warning is important disaster prevention information. Understanding of Internet users for weather warning information was researched based on Internet questionary survey in March 2013. The respondent who understood the correct meaning of a traditional weather warning was only 43%. The traditional warning is, so to speak, “plain text warning information”. It is difficult to announce the risk of the disaster only by “plain text warning information”. Therefore we asked about graded warning with numerical level. Respondents who chose “When a warning of level 4 was announced, I will evacuate.” were 38% of all respondents. On the other hand, respondents who chose “When the super warning was announced, I will evacuate.” were only 27%. The “super warning” is “plain text warning” that is equal to a warning of level 4. The answer "graded warning was simply" was 50%. On the other hand, the answer "plain text warning was simply" was 28%. It is possible that graded warning is more effective than plain text warning.

Key Words : weather warning, disaster prevention information, plain text warning, graded warning. 1.はじめに 豪雨災害に対するソフト対策の中で,最も伝統的で大 きな役割を占めているものの一つは,気象庁が発表する 「警報」だろう.日本における警報は,1883年に中央気 象台が開始した暴風警報(主に海上の暴風が対象)の事業 が原点である.その後,1934年の室戸台風災害を教訓に 「気象特報」が設けられ,洪水,高潮などへの注意喚起 も行うとともに,陸上での被害を考慮して全国を気象区 (現在の予報区)に分けて出すなど,現在の気象警報の原 型が作られた.1952年には気象業務法が施行され,現在 の警報制度がほぼ確立した1).「昭和57(1982)年7月豪 雨」(通称・長崎豪雨)の際には,警報の頻発による「警 報慣れ」が指摘され,危険度の高い場合に「特別警報 (スーパー警報)」を出すなどの「警報二段階論」が提言 された2).これを一部受ける形で,1984年から「記録的 短時間大雨情報」が発表されるようになった.また, 2005年からは気象庁と都道府県が共同で発表する「土砂 災害警戒情報」の運用も始まり,2008年までに全国で運 用が開始された3).2013年8月からは,警報より激しい気 象状況となった際に発表される「特別警報」の運用も始 まっている. このように,「警報」は充実が図られつつあるが, 様々な情報が増設されたことにより,かえってわかりに くくなっている可能性もある.洪水等については,2006 年に気象庁に「洪水等の防災用語改善検討会」が置かれ, 従来の「警戒水位」,「危険水位」等の用語がわかりに くいとして,洪水予報に関しては,危険度をレベル1~ 5の5段階で表現する「レベル化」が提言され4),2007 年から実施された.2012年に気象庁は「防災気象情報の 改善に関する検討会」を設置し,気象警報全般について も「レベル化」を導入するべきではないかとの議論が行 われた5) 警報による被害軽減のためには,どのような情報が効 果的かについての知見が必要である.警報等の「伝達手 段」についてはいくつかの検討がなされているが6) 「内容」については,既存の情報に対し,新設する情報 の方が効果的であるといった検証はほとんど行われてい ない.「洪水等の防災用語改善検討会」の報告書におい ても,従来の用語が「わかりにくい」もので,新たに導 入する「レベル」の方が「わかりやすい」とする客観的 な根拠は示されていない.そこで本研究では,気象警報 を例とし,既存の情報に対する利用者の理解の実態を把 握した上で,「特別警報」のような「言葉により危険度 を表現した情報」と,「レベル化した情報」がどのよう 土木学会論文集B1(水工学) Vol.70, No.4, I_1513-I_1518, 2014.

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に受け止められるかという観点から調査した.なお,筆 者らは2010年にもほぼ同様な方法で調査を行っており7) 以下では一部の設問について今回の結果と比較する. 2.調査手法 調査は,インターネットを通じた社会調査サービスで あるgooリサーチ(NTTコム オンライン・マーケティン グ・ソリューション株式会社運営)を利用した.同サー ビスに登録しているモニターに対して調査依頼のメール を配信し,これに応じた回答者から先着順に一定数まで の回答を受け付ける方式で行われる.対象者は,2010年 の調査と同様に,盛岡市(近年大きな豪雨災害がない), 静岡市(地震災害が強く警告されているが近年大きな豪 雨災害はない),名古屋市(2000年・2008年に市内で数千 ~数万棟の浸水被害が発生)の在住者とした.回答依頼 メールは2013年3月1日に配信,3月5日〆切で,有効回答 数は547件(盛岡173,静岡186,名古屋188)だった.ここ で用いた回収方法は割当法,すなわちあらかじめ回収数 を決め,予定回収数に達した時点で受け付けを終了する, あるいは予定数に達するまで依頼を続けるという方法で ある.従って印刷したアンケートを配布する際のような, 「配布数」や「回収率」という概念は存在しない.自由 回答を除き,すべての質問について回答を入力しないと 次画面に進めない仕様としており,「無回答」は存在し ない. インターネット調査は,高齢者の回答が少なくなるこ とや,郵送調査等に比べ高学歴者の回答が多くなると いった特性があるが,従来からの無作為抽出・郵送調査 においてもネット調査とは異なる様々な偏りが生じうる ことが知られている8).現時点ではネット調査が他の調 査法に比べ特別に問題がある手法であるとは言えない. 3.結果 (1)回答者の属性 回答者の年代は,30代から50代で77.8%を占め,20代 以下は10.7%,60代以上の高齢者は11.5%と,壮年層を中 心とした年代構成となっている.性別は,男性49.4%, 女性50.6%と,男女間で大きな偏りはない.インター ネット上での調査であることから,基本的に全員が何ら かの形でインターネットを利用している回答者である. (2)気象警報に対する認知 警報に対する基礎的な理解を確認するため,「気象庁 から、大雨警報、暴風警報など、気象に関する警報が発 表されることがあります。この「警報」とはどのような 意味を持つ情報だと思いますか」と尋ね,内容の深刻度 6.2  4.0  7.5  6.9  43.7  46.2  44.1  41.0  43.1  42.2  40.3  46.8  5.1  5.8  6.5  3.2  1.8  1.7  1.6  2.1  0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 災害が起こるほどではないが念のため注意することを呼びかける情報 災害が起こるおそれがあることを注意する情報 重大な災害が起こるおそれのあることを警告する情報 非常に危険な状況になったので避難を呼びかける情報 わからない 図-1 気象警報の意味に対する認知(2013年) 6.2  5.8  5.4  7.4  36.0  38.7  31.7  37.8  38.4  43.9  39.8  31.9  15.0  7.5  19.9  17.0  4.4  4.0  3.2  5.9  0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 県単位くらい 県内を複数の地域に区分するくらい 市町村単位くらい 市町村内をさらに複数の地域に区分するくらい わからない 図-2 警報の地域区分に対する認知(2013年) を尺度に5種類の選択肢を設けた(図-1).警報とは, 「重大な災害の起るおそれのある旨を警告して行う予 報」(気象業務法第二条7項)なので,この質問のいわば 「正解」は「重大な災害が起るおそれのあることを警告 する情報」であり,43.1%の回答者が選択している.一 方,注意報に当たる「災害が起るおそれがあることを注 意する情報」と「災害が起るほどではないが念のため注 意することを呼びかける情報」の合計が49.9%となった. つまり,回答者のほぼ半数は,警報を本来の意味よりも 弱く認識していることになる.選択肢と居住地の間で独 立性の検定を行うと,有意水準5%で連関は認められな かった.以下では,同様な検討で連関が認められなかっ た場合に「地域による回答の違いは明瞭ではない」と記 述する. 警報の空間分解能に対する理解を知るため,「気象に 関する警報は、どの程度の地域的な広がりを単位として 発表されていると思いますか」と尋ねた結果が,図-2で ある.現実に近い「市町村単位くらい」を選択した回答 者は38.4%にとどまる.一方,現実より粗い「県単位く らい」と「県内を複数の地域に区分するくらい」が 42.2%に達している.地域による回答の違いは明瞭では ない. これらの設問については2010年も同様な調査を行って いる(図-3,図-4).警報の意味を正しく認知しているの

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5.6  3.3  7.2  6.2  39.7  44.8  39.4  34.8  45.8  41.4  46.1  50.0  6.5  9.4  3.9  6.2  2.4  1.1  3.3  2.8  0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 災害が起こるほどではないが念のため注意することを呼びかける情報 災害が起こるおそれがあることを注意する情報 重大な災害が起こるおそれのあることを警告する情報 非常に危険な状況になったので避難を呼びかける情報 わからない 図-3 気象警報の意味に対する認知(2010年) 5.8  7.7  3.3  6.2  43.2  47.0  36.1  46.6  33.8  37.0  35.0  29.2  12.8  4.4  21.1  12.9  4.5  3.9  4.4  5.1  0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 県単位くらい 県内を複数の地域に区分するくらい 市町村単位くらい 市町村内をさらに複数の地域に区分するくらい わからない 図-4 警報の地域区分に対する認知(2010年) は2013年の43.1%に対して2010年は45.8%と,大きな変化 はない.警報の地域区分は2010年に市町村単位に変更さ れたので,当時の「正解」は「県内を複数の地域に区分 するくらい」であり,直接比較はできないが,2010年と 2013年の間で明瞭な変化は認められない.2010年,2013 年ともに地域による違いも明瞭ではない.警報は最も基 本的な防災気象情報と言えるが,その意味や空間分解等 は十分理解されているとは言い難い. (3)土砂災害警戒情報に対する認知 「土砂災害警戒情報という情報を見たり、聞いたりし たことがありますか」に対する回答が図-5である.「あ る」がほぼ半数で,少なくとも名称だけは認知している 回答者が約半数と理解される.地域別では盛岡市の「あ る」の率が高くなっている(有意水準5%で有意). 「土砂災害警戒情報とはどのような時に発表される情 報だと思いますか」に対する回答が図-6である.気象庁 HPの解説からは,「土砂災害が発生する危険度が高まっ た時」と読み取れるが,これは40.8%にとどまる.「す ぐに土砂災害が発生するほどではないが、念のため注意 した方がよい時」と「土砂災害が発生する可能性が生じ た時」という,弱い意味に解釈する回答の方が多い (52.3%).地域による回答の違いは明瞭ではない.本調 査の対象地で土砂災害警戒情報の運用が開始されたのは ある 51.9  63.0  47.3  46.3  ない 35.1  25.4  39.2  39.9  わからない 13.0  11.6  13.4  13.8  0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 図-5 土砂災害警戒情報に対する認知 8.8  7.5  10.2  8.5  43.5  46.2  42.5  42.0  40.8  41.0  37.6  43.6  0.9  1.7  0.0  1.1  6.0  3.5  9.7  4.8  0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) すぐに土砂災害が発生するほどではないが、念のため注意した方がよい時 土砂災害が発生する可能性が生じた時 土砂災害が発生する危険度が高まった時 土砂災害が発生した時 わからない 図-6 土砂災害警戒情報の意味に対する認知 3市とも2007年であり,調査時点まで約6年が経過して いる.土砂災害警戒情報は警報よりは新しい情報だが, その意味が正しく認知されている率は警報と同程度であ る.情報が新設されてからの期間にかかわらず,情報の 意味を利用者が十分理解することは困難であることが示 唆される. (4)「レベル」の数字と危険性の関係に対する認知 気象情報が「レベル」で発表されるようになった場合, 「数字が大きいほど危険性・深刻性が高い」ということ がまず理解されねばならない.そこで「仮に「大雨警報 レベル1」~「大雨警報レベル5」のように、5段階の レベルで警報が発表された場合、災害発生の危険性が高 いのは「レベル5」の方だと感じますか、あるいは「レ ベル1」の方だと感じますか」と尋ねた結果が図-7であ る.「「レベル5」の方が災害発生の危険性が高いと感 じる」という回答が圧倒的多数を占め,地域による差も 明瞭ではない.数値の大小と危険性の関係について誤解 の生じる危険性はごく低いと見なされる. 「レベル」と災害の対応関係についての認識を調べる ため,「仮に「大雨警報レベル1」~「大雨警報レベル 5」のように、5段階のレベルで警報が発表された場合、 死者の発生・住家の床上浸水や全壊などの被害が発生す る可能性があると感じるのは、どのレベルですか」と尋 ねた結果が図-8である.まとまった被害が出始めるのは レベル3以上と認識している回答者が大多数だが,過半 数はレベル5を挙げており,最大のレベルであると伝え

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「レベル1」が高 2.7  1.2  4.8  2.1  「レベル5」が高 97.3  98.8  95.2  97.9  0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 図-7 「レベル」の数値に対する認知 1.8  1.7  1.6  2.1  1.3  1.7  1.6  0.5  12.2  9.8  14.5  12.2  32.4  34.7  30.1  32.4  52.3  52.0  52.2  52.7  0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 大雨警報レベル1 大雨警報レベル2 大雨警報レベル3 大雨警報レベル4 大雨警報レベル5 図-8 「レベル」と被害の関係 られなければたいした被害にならないと考える者が少な くないとも理解される.地域による差は明瞭ではない. (5)防災気象情報に対する避難等対応行動の意向 災害時に望ましい行動は災害の種類や状況により異な るため,条件設定が比較的単純化できる土砂災害を例と し,「次のような場所にあなたが居住していると仮定し てお答えください」と注記して,以下の条件を挙げた. ・あなたのご自宅は山に近く、ハザードマップ上で「土 砂災害警戒区域(土砂災害に見舞われる可能性のある 場所)」内にあると示されています。 ・あなたのご自宅の構造は、木造2階建てです。 ・ご自宅から徒歩5分ほどのところに、避難所となって いる公民館があります。この公民館がある場所は、 「土砂災害警戒区域」の範囲外にあります。 避難途中の遭難などもあり得るので,豪雨災害時の避 難所への避難は,常に望ましい対応行動だとは言えない が,土砂災害警戒区域内の木造家屋で,すぐ近所に安全 な避難所があるという条件下であれば,自宅から避難所 へ避難することが望ましい対応行動と見なして良い.こ れら条件を挙げた上で,「この場所に居住している時に、 次のような名称の情報が発表されたとしたら、あなたは それぞれどのように行動すると思いますか」と尋ね,土 砂災害注意報,土砂災害警報,土砂災害特別警報,土砂 災害発生情報,土砂災害警報レベル1~5,避難勧告, 避難指示の11種類の情報を挙げた.対応行動としては, 「土砂災害注意報」 0.9  0.6  1.1  1.1  37.8  38.7  36.6  38.3  23.6  23.1  22.6  25.0  35.6  34.7  38.2  34.0  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 「土砂災害警報」 9.0  6.4  5.4  14.9  47.3  51.4  45.7  45.2  23.4  22.5  23.1  24.5  18.6  16.8  24.7  14.4  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 「土砂災害特別警報」 27.4  27.7  21.5  33.0  41.0  43.9  40.9  38.3  16.3  15.6  17.2  16.0  13.3  10.4  17.7  11.7  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 「土砂災害発生情報」 19.0  18.5  17.7  20.7  46.6  49.7  45.2  45.2  16.1  14.5  15.1  18.6  16.1  14.5  19.9  13.8  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) すぐに避難所に避難する テレビなどで情報を集める 付近の様子を見る 特に何もしない わからない 図-9 土砂災害関係の「言葉」情報への対応意向 ①すぐに避難所に避難する,②テレビなどで情報を集め る,③付近の様子を見る,④特に何もしない,⑤わから ない,の5種類を挙げた. まず「言葉」で危険性を示す情報呼称への対応を図-9 に示す.「土砂災害特別警報」で「すぐに避難所に避難 する」率が最も高いが,全体で3割程度である.現在イ メージされている土砂災害の情報体系では5),「発生情 報」は「特別警報」より厳しい状況を示す言葉と位置づ けられている.しかし,今回の結果では,「発生情報」 の方が「すぐに避難所に避難する」の率が低くなってい る.「発生情報」という言葉では,事態の深刻度を十分 伝えられない危険性がある.地域による差は「土砂災害 注意報」と「土砂災害発生情報」では不明瞭だが,「土 砂災害警報」,「土砂災害特別警報」では,名古屋市の

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「土砂災害警報レベル1」 4.6  6.4  4.3  3.2  41.9  43.9  41.4  40.4  23.9  19.7  23.1  28.7  27.1  27.2  29.0  25.0  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 「土砂災害警報レベル2」 5.3  8.7  4.3  3.2  45.2  43.4  44.6  47.3  26.3  24.3  25.8  28.7  21.2  20.8  23.7  19.1  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 「土砂災害警報レベル3」 15.5  19.7  13.4  13.8  48.8  45.7  48.4  52.1  21.8  23.1  21.0  21.3  11.7  8.7  14.5  11.7  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 「土砂災害警報レベル4」 38.0  38.7  35.5  39.9  38.0  38.7  36.0  39.4  14.3  14.5  15.6  12.8  7.7  5.2  10.8  6.9  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 「土砂災害警報レベル5」 53.9  58.4  49.5  54.3  28.0  24.9  28.5  30.3  8.8  10.4  9.1  6.9  7.5  4.0  10.8  7.4  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) すぐに避難所に避難する テレビなどで情報を集める 付近の様子を見る 特に何もしない わからない 図-10 「土砂災害レベル*」に対する対応意向 「すぐに避難所に避難する」率がやや高い(有意水準5% で有意). 「土砂災害警報レベル*」という表現に対する対応意 向が図-10である.「レベル3」から「すぐに避難所に 避難する」率が1割以上となる.「レベル4」,「レベ ル5」では,「言葉」による情報で「すぐに避難所に避 避難勧告 56.1  61.3  57.5  50.0  25.2  23.1  22.6  29.8  13.0  10.4  12.4  16.0  3.5  1.7  4.8  3.7  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 避難指示 71.5  75.1  73.7  66.0  14.8  12.1  11.3  20.7  8.4  8.1  8.1  9.0  2.9  1.7  3.8  3.2  0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) すぐに避難所に避難する テレビなどで情報を集める 付近の様子を見る 特に何もしない わからない 図-11 避難勧告・指示に対する対応意向 難する」率が最も高かった「土砂災害特別警報」の「す ぐに避難所に避難する」率を上回った.「言葉」による 情報より,「レベル」による情報の方が,避難行動を促 す上では効果的である可能性が示唆される.ただし, 「レベル5」でも「すぐに避難所に避難する」率は全体 で53.9%にとどまる.なお,いずれのレベルについても, 地域による回答の差は明瞭でない. 避難勧告,避難指示に対する対応意向が図-11である. 避難勧告に対しては「すぐに避難所に避難する」率が, 「土砂災害警報レベル5」と同程度で,避難指示ではさ らに高い.地域による回答の差は明瞭でない.避難勧告, 避難指示の方が,「レベル」で伝えられる気象情報より も,避難行動に関してはより敏感に反応する可能性が示 唆される. なお,実際の災害時に避難勧告が出された場合でも避 難率が5割に達することは希で,数%ということも珍し くない.ここでの回答は,あくまでも仮想的な状況下で の「意向」を示しているものであり,「すぐに避難所に 避難する」率の大小関係については参考になるが,絶対 値についての厳密な議論はできないと考えられる. (6)言葉で伝える場合とレベルで伝える場合の比較 さらに,「言葉」による情報と「レベル」による情報 についての受け止め方を直接問うために,「大雨や土砂 災害など、気象災害の危険性の程度を伝える情報は、 「大雨注意報、大雨警報」のように言葉で表す方法と、 「大雨警報レベル3」のように数字で表す方法が考えら れます。あなたにとっては、どちらの方法の方が、危険 性の程度を理解しやすいと思いますか」と尋ねた結果が 図-12である.「言葉」よりは「レベル」の方がよいと

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27.6  30.1  25.8  27.1  49.7  44.5  52.2  52.1  15.0  15.0  15.6  14.4  7.7  10.4  6.5  6.4  0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体(n=547) 盛岡市(n=173) 静岡市(n=186) 名古屋市(n=188) 「大雨注意報、大雨警報」のように言葉で表す方法が理解しやすい 「大雨警報レベル3」のように数字で表す方法が理解しやすい どちらでも変わらない わからない 図-12 「言葉」と「レベル」の比較 の回答が多いが,約半数(49.7%)であり,「どちらでも 変わらない」(15.0%)や「わからない」(7.7%)も少なく ない.地域による回答の差は明瞭ではない.「言葉」に よる情報よりは「レベル」による情報の方がわかりやす いと考える回答者が多いと読み取れるが,圧倒的多数意 見であるとは言えない. 4.おわりに 今回の調査から,近年運用開始された土砂災害警戒情 報ばかりでなく,長い歴史を持つ警報に対しても,その 意味や空間分解能など,基本的な事項ですら利用者に十 分理解されているとは言えないことが示唆された.本稿 では詳述しなかったが,アンケートでは記録的短時間大 雨情報についても尋ねており,結果は土砂災害警戒情報 に対する認識とほぼ同様だった.災害発生につながるよ うな気象現象の激しさを伝える情報のあり方は,何らか の改善を図る意義があると考えられる. 防災気象情報は,近年様々な改善が試みられてきた. これまでは主に「言葉」で状況の深刻度を伝える方法が とられてきた.しかし今回の結果からは,「発生情報」 より「特別警報」の深刻度が高いと理解する回答者が多 いなど,「言葉」による警報では情報発信者の意図と反 する認識がなされてしまう可能性も示唆された. 言葉とは別に「レベル」(段階化した数値)によって警 報的情報を伝える方法が考えられる.「レベル」の数値 が大きいと危険度が高いことは9割以上の人が理解して いた.被害が出始めると感じる「レベル」や,避難など の行動を起こし始める「レベル」は「3」以上と考える 回答者が9割以上だった.また,「レベル4」や「レベ ル5」に対して「すぐに避難所に避難する」率は,「特 別警報」などの「言葉」による情報に対して「すぐに避 難所に避難する」率より高かった.「言葉」による警報 と,「レベル」による警報を比べてどちらが理解しやす いかを尋ねた質問に対しては5割以上が「レベル」の方 が理解しやすいと回答した.これらの回答傾向は,調査 対象の3都市の間でほとんど相違は見られず,近年の災 害経験などの地域性にかかわらず,同様な反応が見られ ると理解される. 警報的な情報は,従来のように「言葉」のみで伝える 方法に比べ,「レベル」によって伝える方法が効果的な 可能性があると言ってよさそうである.ただし,最も強 い危険性を告げる「レベル5」でも「すぐに避難所に避 難する」率は5割程度であり,避難勧告や避難指示に対 する「すぐに避難所に避難する」率より低かった.確実 な避難行動を促す目的であれば,警報的な情報だけでは なく,避難勧告などの情報を組み合わせて運用すること も重要と思われる. 注:本稿で上げたアンケートの集計結果の一部は,気象 庁防災気象情報の改善に関する検討会の席上,および筆 者ホームページで公表したものである. 謝辞:調査票設計に際しては,静岡大学防災総合セン ターの横幕早季学術研究員(当時)の協力を得た.本研究 の一部は,環境省環境研究総合推進費(S-8),科学研究費 補助金「客観的根拠に基づく津波防災情報及び豪雨防災 情報のあり方に関する研究」(研究代表者・牛山素行), 平成22年度科学技術振興調整費「災害科学的基礎を持っ た防災実務者の養成」の研究助成によるものである. 参考文献 1) 気象庁:気象百年史,日本気象学会,1975. 2) 平塚和夫:気象の警報と気象情報の改善,気象年鑑 1984年版,pp.72-73,1985. 3) 村中明:気象情報,災害情報論入門,弘文堂,pp.59-66,2008. 4) 気象庁:「洪水等に関する防災情報体系のあり方につ いて」の提言について,http://www.jma.go.jp/jma/press/ 0606/22a/kouzui_yougo_houkoku.html,2006(2013年9月2 2日参照). 5) 気象庁:防災気象情報の改善に関する検討会,http://w ww.jma.go.jp/jma/kishou/shingikai/kentoukai/H24johokaize n/H24jouho_kaizen_kentoukai.html,2013(2013年9月22日 参照). 6) 鈴木裕久・川上善郎・村田光二・福田充:「頑健な」災害警 報作成のための研究(1),東京大学社会情報学研究所調査研 究紀要,No.8,pp.1-52,1996. 7) 牛山素行・栗田幸将:豪雨防災情報に対するインター ネット利用者の認識・2010年,水文・水資源学会2008年 研究発表会要旨集,pp.282-283,2010. 8) 石田浩ら:信頼できるインターネット調査法の確立に向けて, SSJ Data Archive Research Paper Series,42,https://ssjda.iss.u-tokyo.ac.jp/rps/RPS042.pdf,2009.

参照

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