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アミノフェノール3異性体の毒性に関する実験的研究

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Academic year: 2021

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212 氏名(生年月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

(89) イ トウ イチ ロウ

伊東一郎(昭和3

医学博士 細分903号

昭和63年2月19日

学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)

Experimental studies on the toxicity of three kinds of isomeric amino・ phenols (アミノフェノール3異性体の毒性に関する実験的研究) (主査)教授 石津 澄子 (副査)教授 香川 順,教授 小山 生子

論 文 内 容 の 要 旨

目的 アミノフェノールは染料の中間体や医薬品の原料と して広く使用されている化学物質で,ortho-amino-

phenol(OAP), meta-aminopheno1(MAP), para-

aminopheno1(PAP)の3つの異性体がある. 産業での広汎な使用にもかかかわらず,長期取扱い 者の健康障害の有無が問題となった. そこで著者は,アミノフェノールの3異性体の生体 作用を動物実験的に検討し,実験に作業者の健康管理 に役立つ基礎データーとすることを目的とした. 方法 1.マウスを用いた3異性体の腹腔内投与による LD50の算出. 2.メトヘモグロビン,ハインツ小体形成率の観察. 3.血液中および組織中のグルタチオン濃度の測定. 4。投与後血中アミノフェノール濃度のHPLCによ る測定. 5.腎毒性を評価する方法として,尿中NAG(N- acethyl一β一D-gluc6saminidase)を測定. 6,光学顕微鏡電子顕微鏡による組織変化の観察 (主に腎組織). 結果および考察 3異性体についてLD5Dを測定してみると, MAP が,最も高い毒性を示し,次いでOAP, PAPの順と なった.次に,メトヘモグロビン形成量とハインツ小 体出現率においては,3異性体共,低率で,古い文献 に散見されるアミノフェノールがMet・Hb formerで あるという知見とは一致しなかった.また,アミノフェ ノール投与による血液中のグルタチオン(GSH)の変 動について見ると,MAPが最も顕著に減少したが,肝 臓,腎臓など臓器中のGSHの変動では,3異性体間で 差は認められなかった. アミノフェノールの血中動態について,高速液体ク ロマトグラフィー(HPLC)を用い分析してみると, MAPのみは,投与15分後より6時間後まで検出され たが,他の2異性体は,いかなる時点においても検出 されなかった.勿麗〃。実験で,アミノフェノールと GSH, BSA(牛血清アルブミン)との反応をみると, MAPは時間が経過してもフリーの形で高濃度を維持 していた.このことはMAPが,遊離の形で長く存在 し,抱合,重合を受けにくいことを示唆しており,毒 性と関係しているのではないかと思われた.、 アミノフェノール3異性体の腎毒性を評価する方法 として,尿中NAG(N-acethyl一β一D-glucosaminidase) を測定してみると,アミノフェノールの投与量と, dose dependentに上昇していた. 腎臓の病理組織学的な変化は,尿細管壊死,空胞変 性等,尿細管上皮細胞の変化が高度であった. 電子顕微鏡による観察では,ミトコンドリア傷害と ミエリソ小体の出現がみられた. 結語 1)アミノフェノール3異性体の急性毒性は,MAP 一876一

(2)

213 が最も高い毒性を示した.

2)MAPは投与6時間後まで血中に遊離の形で検

出され,解毒代謝機構が他の異性体より遅延していた. 3)アミノフェノールの投与後,尿NAG活性は投与 量とdose dependentに上昇していた. 4)アミノフェノール投与動物の腎臓の病理組織学 的変化は,尿細管壊死,空胞変性等,尿細管上皮細胞 の変化を主としていた.

論 文 審 査 の 要 旨

本論文は,染料の中間体や医薬品の原料として汎用されているアミノフェノール3異性体の毒性

を,動物実験的に検討し,3異性体の中ではMAP(メタアミノフェノール)が最も強い毒性を示すこ

と,3異性体共,投与により量依存的に尿NAG活性が上昇し,これを裏づける腎尿細管上皮細胞の

変性・壊死などが観察されることなどを明らかにしたもので産業中毒学上価値の高いものである. 主論文公表誌

Experimental studies on the toxicity of three kinds of isomeric aminophenols

(アミノフェノール3異性体の毒性に関する実験 的研究) 東京女子医科大学雑誌 第57巻 第12号 1655~1666頁(昭和62年12月25日発行) 副論文公表誌 1)副甲状腺全摘術および前腕筋内自象移植を行っ た良性骨異栄養症例 臨床水電解質 12(2)167~170(1984) 2)血液透析患者における2次性副甲状腺機能充進 症の診断 腎と透析 18(2)245~251(1985) 3)急性腎不全を呈し,パルス療法が有効であった 急性糸球体腎炎の1例 腎と透析 20(4)661~666(1986) 4)当所における腎疾患管理の考察 逓信医学 38(11)591~596(1986) 5)NTT従業員の身長,体重一従来報告との比較 逓信医学 39(6)359~364(1987) 6)ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによる メチルブロマイド従事者の血漿中臭化物イオ ソの簡易測定法 産業医学 29(3)196~201(1987) 877一

参照

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