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10.肝切除後肝再生に関連する因子の検討
(消化器外科) 1 宮崎正二郎
〔方法〕対象はHCCおよび転移性肝癌の肝切除例45
例で切除前,後(2週間∼1ヵ月)のCT像より残存
肝体積の切除後門二丁を算出,肝再生の指標とし,①
術前ICG値, Ch−E値, HPT値,②非二丁の組織像(線
維化の程度),③肝障害の病因,④hHGF(human
hepatocyte growth factor)の各因子との関連につい
て検討した.
〔結果〕切除後増大率は,1)術前ICG値, Ch−E値,
HPT値と相関はなく,2)二二肝組織像については,
(A)正常肝群1.88倍,(B)脂肪肝群1.61倍,(C)軽度
線維化群1.46倍,(D)中等度線維化群1.21倍,(E)肝
硬変群1.03倍と線維化の程度に相関し,また軽度例で
は切除量に伴い増大率が上昇したが高度例では増大が
なかった.3)アルコール多飲群が0.96倍と不良だっ
た.4)hHGF値と増大率,線維化の程度との関連はな
かった.
〔結論〕肝切除二二再生に関連する因子として非二
二の線維化の程度が重要と考えられた6
11.肝硬変におけるエネルギ「代謝についての検討
(消化器外科) 桂 浩二
肝硬変症における耐糖能異常は術前,術後のエネル
ギニ代謝に大きく関与している.そこで術前(糖負荷
試験),術後に間接熱量計を用いて呼吸商(RQ),エネ
ルギー消費量(%REE),エネルギー燃焼比率を検討
し,さらに耐糖能別にRQ,%REE,、ケトン三三, RTI
を検討した.
術後1週間の%REEは115∼135%とhyper−
metabolicな状態が持続し,術後1∼2日目は耐糖能
低下によりエネルギー代謝は内因性脂質に依存してい
た.術前の耐糖能異常は境界型を含めて83%(境界型
47%,DM型37%)であり,境界型, DM型の差異は
RQ,%REEの変動では認められず,ケトン三二, RTI
が,両型の糖脂質代謝をより反映した結果となった.
12.門脈大循環系短絡路閉鎖術の適応に関する研究
(消化器外科) 鈴木 隆文
門脈大循環系短絡の存在により脳症および肝機能低
下を起こす猪瀬型脳症の短絡路閉鎖適応に関して検討
した.対象症例は門脈大循環系短絡路に対して短絡路
閉鎖術を施行した24症例であり,肝性脳症に対するも
のが9例,肝切除の適応拡大を目的としたものが8例,
食道静脈瘤閉鎖時に同時に閉鎖したものが7例であっ
た.臨床症状の他にICG,アルブミン,コリンエステ
ラーゼ等の生化学検査を検討した.
脳症の改善はほぼ全例に認め,肝硬変の程度の軽い
ものでは肝機能の改善もみられたため,肝機能改善の
目的においても短絡路閉鎖術の適応があると考えられ
た.しかし広間質性の肝硬変では肝機能の改善はみら
れず効果が期待できなかった.この事実を利用しての
肝切除術の適応拡大の有用性も示唆された.合併症と
しては食道静脈瘤の悪化の可能性があるが食道離断術
等の付加で予防できた.
13.胆嚢癌の術前進展度診断に関する研究
(消化器外科) .竹田 秀一
胆嚢癌め壁深達度に関するCT,血管造影の診断能
と問題点を検討した.対象は1984年10月以降の胆嚢癌
切除例のうちCT,血管造影が行なわれ,術前診断の可
能であった51例である.壁深達度の診断にあたっては,
腹腔側壁深二度と二二浸潤に分けてCT,血管造影そ
れぞれの診断基準に基づきretrospectiveに検討を行
ない,病理組織診断と対比した.腹腔側壁深達度での
正二三はCTで78%,血管造影で71%であった.両者
ともssの正診率が低かった.肝床浸潤での回診率は
CTで86%,血管造影で82%であった.hinf。の正工率が
やや低かった。CT,血管造影を総合することにより,
ssとhinf。の正診率が向上した. hinf、.3についてはCT
単独と変化がなかった.腹腔側壁深達度と三二浸潤の
うちより深い方を真の深達度とした場合の正二二は,
92%と良好であったボ
14.胆嚢癌の予後に関する臨床病理学的研究
(消化器外科) 田中 譲
〔目的〕胆嚢癌の病理学的な予後規定因子を明らか
にすることを目的とした.
〔対象方法〕1989年12月までに当科において経験し
た胆嚢癌切除例のうち相対非治癒切除以上の治癒度で
三二,他病死例を除き病理学二三因子の明らかな67例
を対象に各因子が生存期間に及ぼす影響の大きさを
Coxの比例ハザード法により解析し,有意差はκ2検定
で行なった.
〔結果〕胆嚢癌の予後規定因子としては,有意差検
定の指標である値でみると壁深達度が最大であり予後
規定因子と考えられた.m, pm癌se, si癌では,壁深
達度により予後が規定されてしまうが,ss癌ではそれ
以外の因子が関与していると考えられることよりss
癌だけについて同様の解析を試みると神経周囲浸潤,
リンパ節転移の2因子が予後を規定する因子と考えら
れた.
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