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はじめに(pdf)

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Academic year: 2021

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main : 2010/3/11(10:32)

はじめに

科学技術立国を標榜する21世紀の日本にあって,化学的自然を賢明に利用し ようとする化学技術はど うあるべきだろうか . たとえば新物質や化学的新現象の発見を産業に結びつけるまでには ,物質自 体の性質はもちろん ,原料から製品に至る過程を定量的に把握する必要があり, 従来から ,応用化学・化学工学両分野の協力が欠かせないといわれてきた.一 方で ,企業化にはノウハウがつきものであり,個別の問題は各企業に任せるよ り仕方がない,といわれているのも事実である.このような化学の工学に関わ る教育研究現場にあって ,私共は ,常々「両分野の具体的な協力のあるべき姿」 を掲載している教育的な成書がもっと欲しいね ,と話し合ってきた . 一方で ,現代は爆発的に増え続ける知識をいかに体系化するか ,という視点 が求められている.私共も,研究を通してこれまで得てきた知識のうち,教育 的な体系化の過程で「何を伝え ,何をそぎ落とすか」に細心の配慮をしよう,と 話し合ってきた .原料から製品への変化の道筋とその速度過程を定量的に捉え ることを目的とする「プロセス速度」に関わる本書は ,私共のこのような意見 交換をもとに生まれたものである.具体的なテーマの選択に際しては ,化学周 辺の物理,生物等の自然科学と ,機械,電子等の先端技術との関わりを考慮す

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main : 2010/3/11(10:32) ii はじめに ることはもちろんながら ,同時に物質収支・エネルギー収支を基盤にした化学 環境保全技術,低炭素社会構築のための技術の確立が必須と考える視点を持ち 続けたつもりである. さて ,上梓にあたり私共は一貫して「入口はやさしいけれど も到達目標は高 いところに置く」という執筆スタイルをとった .その結果,本書は第一に ,化 学技術者さらには広くプロセス技術者のためのプロセス速度解析入門書として 利用でき,そして第二に ,化学環境保全,低炭素社会構築のためのモノグラフ としても利用できると考えている. 低炭素社会構築のため,という点で述べると,例題,演習問題として本書の3 割強は光化学関連反応速度,光反応装置設計,石炭熱分解に伴う形態別イオウ 変化速度等,直接省エネルギープロセス設計に応用できる例を選んだ .それら は私共の研究成果が中心であり,すべての例について途中の思考過程および計 算過程を( 多少込み入る場合は付録としたが )省略しないで記述している.基 礎式の導き方,解法を一つずつ基礎から応用までたゆむことなく学び続けるこ とによって ,化学技術者,プロセス技術者としての本当の実力がつくというこ とを肝に銘じて欲しい. ちなみに ,選んだテーマ名とそれが含まれている章節を以下に記す. ・「化学光量計として利用できるシュウ酸鉄(III)カリウムの水溶液中におけ る光分解」( 第1章1.2節 単一液相反応速度解析) ・「クロロホルムの気相光塩素化」(第1章1.3節 定容系での単一気相反応速 度解析,および ,第2章2.1節 流通反応器における量論関係,2.2節 微分 反応器による反応速度解析,第3章3.1節 栓流反応器) ・「固液系流動層の流体混合拡散」(第4章4.2節 混合拡散モデルによる混合 特性の表現) ・「環状光反応器による枯草菌胞子の殺菌」(第4章4.4節 滞留時間分布が反 応特性に及ぼす影響) ・「二酸化チタン光触媒によるエチレンの酸化に及ぼす湿度の影響」( 第6章 6.1節 触媒反応速度の定式化)

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main : 2010/3/11(10:32) はじめに iii ・「石炭の熱分解に伴う形態別イオウの変化」(第8章8.1節 流体固体間反応 モデルと速度解析) 本書を学び修めたあかつきには ,読者諸氏はプロセス速度の解析が実に広い応 用分野を持っているかということを実感されると思う.一方,本書から,基礎的 な扱い方を学んでおけば取り扱う対象が未知のものであっても挑戦できる,と いう気持ちも獲得できるようになるとすれば ,それは私共の望外の喜びである. なお,私共の浅学のため,本書中に不備な箇所があることを懸念している.お 気付きの点は是非ご指摘頂ければ幸いである.最後に ,本書出版にあたってお 世話頂いた共立出版の木村邦光,石井徹也,鵜飼訓子各氏に心よりお礼申し上 げる.

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