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獅子目博文 序

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Academic year: 2021

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鹿 児 島 県 総 合 教 育 セ ン タ ー

獅 子 目 博 文

所 長

昨年は,科学や技術にかかわっている者だけでなく,日本国民のすべてにとってすばらしいニュー スが飛び込んできました。小柴昌俊さんのノーベル物理学賞受賞と田中耕一さんのノーベル化学賞受 賞です。同じ年に2人の日本人が受賞するのは初の快挙であり,私たちに自信と希望を与えてくれる ニュースでした。また,ノーベル化学賞において日本人は3年連続受賞しており,近年の日本の科学 研究のレベルが,世界的にも高いことを物語っていると言えます。

一方,平成11年に行われた国際教育到達度評価学会(IEA)による国際数学・理科教育調査では,

「日本の子どもの成績は戦後一貫して国際的に上位」であるものの 「数学や理科が好きである,将, 来それらに関する職業に就きたいという者が少ない 」という指摘がされています。平成12年に行わ。 れたOECDによる生徒の学習到達度調査(PISA)では 「宿題や自分の勉強をする時間は参加, 国中,最低」で「高いレベルの学力を有する子どもの割合が,それほど高くない 」という結果が出。 されました。

国土が狭く資源の乏しい日本が,科学・技術立国として更に発展し,国際社会に積極的に貢献する ためには,ノーベル賞受賞に象徴されるような独創的で高度な科学や技術の進歩は不可欠です。それ を可能にしたり支えたりする人材,いわゆる科学のスペシャリストを育成することは,理科教育の一 つの大きな責務です。諸調査によって明らかになった日本の子どもの実態を変えていくことが,理科 教育に強く求められていると言っても過言ではないと思います。

生徒の能力・適性,興味・関心等の多様化に対応し,個性の伸長を図るために,中学校学習指導要 領においては,選択教科の時数や内容等が大幅に拡充されました。選択理科においては,生徒が自分 で問題を発見し,問題解決のために,じっくりと時間をかけて納得するまで探究活動に取り組むこと が可能です。確かな問題意識に裏付けされた探究のプロセスを通して,生徒は科学的な探究の技能を 手に入れ,科学的な見方や考え方を身に付け,科学的に解決する喜びを味わうことができます。その ことで,生徒の科学や技術への指向性を高めることができると考えます。

このようなことから,理科教育における選択理科の果たす役割は大きいと考え,当教育センターで は,平成13年度から「中学校における選択理科学習の在り方」について調査研究を進めてきました。

研究の成果をここにまとめるとともに,実際の授業で活用していただくために,本研究で開発した

「観察,実験書」をCDに収録しました。本研究が,各学校における選択理科の授業の充実と理科好 きの生徒の育成に資することができれば幸いです。

平成15年3月

参照

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