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4.植物養分の有効性 8.おわりに

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(1)

1.はじめに 5.植物養分の欠乏症および過剰症

2.黒島の位置と地勢 6.黒島の草地の土壌環境(土壌の理化学性) 3.八重山群島の土壌 7.要約

4.植物養分の有効性 8.おわりに

沖縄県は有人島 を含む 島の島々からなる。

気候は亜熱帯海洋性気候で、 沖縄農業とりわけ畜産にとって温帯の南限と同時に熱帯の北限となっ てる

1)

沖縄の畜産業はこのような自然環境のもとでこれまで行われてきた。

肉用牛は昭和 年代前半までは、 1万3千頭台で推移し低迷状態にあったが、 昭和 年以後牛肉 需要の拡大に伴い増加傾向となった。 そして、 復帰の翌年 (昭和 年) に至り、 ようやく戦前の水 準に達した。 最近は、 牛肉の自由化 (平成3年4月) の波を受けながらも、 その発展は目を見張る ものがある

1)

畜産は、 常にサトウキビに続く第二の作物であったが、 この年 億円で全体の %を占めるに 至り、 サトウキビの 億円 ( %) を抜く結果となった

1)

畜産の部門別粗生産額 (平成 年) は、 豚 億円 ( %)、 肉用牛 億円 ( %)、 鶏 億円 (

%)、 乳用牛 億円 ( %) であり、 豚がその大宗を占めている

1)

沖縄は、 概して、 地理的に沖縄本島、 宮古群島および八重山群島の3つの群島から成りたってい る。

沖縄本島は、 県総土地面積の半分以上を占め、 人口の約9割が居住している。

耕地面積の約半分は、 沖縄本島にあり、 農家数の7割を抱えているため経営耕地面積は と 零細である。

これに対し宮古群島は 、 八重山群島は と経営規模は比較的大きい地域である。

(2)

肉用牛の飼養は、 宮古および八重山に特化しており、 肉用牛の約4割は八重山群島で飼養されて いる。

戦前から八重山群島は、 肉用牛の飼養条件に適した地域であった

1)

沖縄は、 積算温度が大きく、 大家畜のための自給飼料生産にとって、 恵まれた条件を有している ことから、 早くから肉用牛振興が叫ばれていた。

このことを受けて、 復帰以降 (昭和 年) 多くの基盤整備事業が実施され、 未墾地、 遊休地が草 地へと開発、 利用された。

その中にあって、 畜産基地建設事業は昭和 年度の石垣第1区域を皮切りに7区域、 6地町村で 約 の草地造成が実施された。

畜産基地建設事業の草地造成面積の実績を見ると、 草地開発事業全体で昭和 年に僅か であった草地は畜産基地建設事業の開始と同時に大幅に増加し、 最近 (平成2年) では , と5倍強の伸びを示している。 そのうち, 全体の約 %にあたる が畜産基地建設事業で造 成され、 特に、 開発可能地が多く賦存する八重山地域では、 約4%を超し、 自給飼料増産、 肉用牛 の増頭に結びつく結果となった。

次に、 草地造成面積の土地利用区分を事業区域別に見ると、 畜産基地建設事業で実施した草地造 成面積は、 , で、 土地利用の内訳を見ると、 採草地 、 放牧地 、 兼用地 となっている。

区域別では、 山原第一、 第二、 与那国区域は、 概ね牧草地が多く、 それ以外の区域にあっては、

放牧地が中心の造成となっている

1)

なお、 兼用地は、 採草地並の造成工法を採用し、 採草、 放牧の利用が可能な形態となっている

1)

。 肉用牛や乳牛などの牛の飼育には、 その飼料としての草の供給が必要である。 乳牛は草類を粗 飼料とする他に濃厚飼料も給餌して生乳生産を上げるように飼育するのが一般的であるが、 肉用牛 は経済的見地から粗飼料の牧草で飼育される。 従って肉用牛の飼育生産には牧草の供給がなければ ならず、 牧草を充分に生産確保するためには応分の草地が必要である

2)

このような趨勢を受けて沖縄県内各地で牧草生産のための草地が開発整備されるようになった。

それは温度や降雨に恵まれており、 気候的には粗飼料 (牧草) 生産が容易と考えられるものの、 そ の基盤となる土壌環境は多様であり、 必ずしも恵まれているとはいえないからである。 うちでも竹 富町の黒島においては基盤が石灰岩で土壌が浅いため時折干害を受けやすく、 また牧草生産性が低 いので安定した牧草の生産確保に難渋していた。 このような状況への対策として大型機械のスタビ ライザーで石灰岩を破砕して土地の土層を深くする草地造成が行われている

2)

スタビライザーによる草地造成地 (黒島) の土壌の理化学性等については詳細な報告

2)

がある。

本稿ではこれまで得られた知見を基にスタビライザーによる草地造成が土壌環境に及ぼす影響に ついて考察を加える。 そのことが草地の肥培管理の一助になれば幸いである。

(3)

黒島は沖縄県の先島地方八重山郡の竹富町にあり、 石垣島の南西約 ㎞、 西表島の東南東約 ㎞ に位置する小島で、 東西約4㎞、 南北約 ㎞、 面積は である。 地形は概ね平坦で島の西北端 にある昔の石積み物見台が mの標高を示すのみで他は 以下の段丘となっている。

地質は新しく第四紀更新世の琉球石灰岩

3)

よりなり (図1)、 土壌は島の北から北西にかけての 海岸沿いはさんご質砂の堆積により黄褐色の砂質土 (屋部統) であるが、 他は石灰岩を母材とする 暗赤色土摩文仁統 (島尻マージ) で粘質である (国土調査 )。

島の各所に石灰岩が露出し、 石灰岩の露出のないところは石礫が多く土層は浅い。 − 年の 団体営草地開発整備事業や − 年の里山等利用促進対策事業でリッピング除石された草地 (竹 富町経済課、 ) でも土層は平均 ㎝前後である。

土地の利用は、 海岸線は、 防風林、 石礫地は灌木となっている。 利用できるところは、 小面積の 野菜畑が点在するものの殆どは草地 (採草および放牧) となっている。

沖縄県に分布する主な土壌はジャーがル、 島尻マージおよび国頭マージである。

八重山群島に分布する土壌は島尻マージおよび国頭マージが分布し、 黒島には前者が分布してい

(4)

る。 (図2)。

島尻マージおよび国頭マージの特性については、 次の通りである。

島尻マージ

島尻マージは県全土面積 ( , ) の約 %、 県全耕地面積 ( , ) の %をそれぞ れ占め比較的にかなり広く分布している。 主な主要分布地域は、 沖縄本島中・南部、 宮古群島、 石

(5)

垣島およびその周辺離島および久米島等の平坦地や傾斜地である。

島尻マージ琉球石灰岩 (第四紀更新世に発達した珊瑚礁堆積物) が風化してできた微酸性ないし 微アルカリ性の土壌である。 琉球石灰岩の層は、 形成された時期に基づき那覇石灰岩 (約 万年前 に形成)、 読谷石灰岩 (約 万年前に形成) および牧港石灰岩 (約 万年前に形成) に分類されて いる。 一般的に島尻マージの土層は浅く、 保水力が弱く、 干ばつの影響を受けやすいが土層が深く なると下層土は緻密で硬くなり排水不良となる。 表土の土壌構造は良く発達し、 扱いやすく、 耕起 作業や肥培管理作業などは行いやすい。

有機物および養分の含量は、 比較的に、 やや高めである。

土色は褐色ないし暗褐色でジャーガルと同様に母材である琉球石灰岩の影響を強く反映している。

なお、 島尻マージについて数多くの研究や報告がなされているが、 それの母材や生成過程などにつ いてはまだ不明なことが多く、 十分に明らかにはされてはいない。 考え方には、 島尻マージは は 琉球石灰岩が風化してできた土壌であるとの考え方、 大陸からの風成塵 (黄砂等) も含めて周辺土 砂が風化してできた土壌であるとの考え方などがある。

地力保全基本調査によれば島尻マージは暗赤色土に分類されているが中性ないし弱アルカリ性の ものは暗赤色土に強酸性以下のものは赤色土や黄色土に振り分けられる。

日本の統一的土壌分類体系 (第1次案) によれば、 島尻マージはその発達過程と段丘面の相対的 年代との関係をもとに、 若い方からレンジナ様土、 テラフスク様土およびテラロッサ様土に分類さ れている。

物理的性質

表土の土色は殆ど赤褐色ないし黄褐色で、 下層土の色は表土よりわずかに明るくなっている。 島 尻マージは沖縄の三大土壌の中で粘土含量が最も高く、 土性は重埴土である。

島尻マージは分散率が低く, 耐水性団粒の多い土壌で、 表土の構造は良く発達している。 そして その表土の有効水分と易効性水分はジャーガルや国頭マージのそれより多くなる傾向にある。 水分 率については、 下層土が表土より高い値を示す。

島尻マージは、 一般的に、 土層が浅く、 作土層の下には琉球石灰岩層が堆積している。 雨水など の浸透水はその石灰岩の孔隙や割れ目などから流出するため、 干ばつの害を受けやすくなっている。

他方、 下層土では、 固相、 容積重、 緻密度が大きく、 気相と透水係数が小さくなっているので、 作 物はその根の伸長が容易ではなく、 土層の比較的に深いところでも干ばつの影響を受けやすい。

化学的性質

島尻マージの (

) は、 表土や下層土とともに 〜 の中性ないし弱アルカリ性を示し、

それらの多くは 前後を示すがそれらを超える値もみられる。 一般に、 土層が浅く、 琉球石灰岩 の礫が混入している場合は は高く、 土層が1 以上もあるような場合には、 酸性を帯びて は低くなる傾向がみられる。 南・北大東その他の地域には、 強酸性を示す島尻マージが多く分布し ている。

の値は g当たり 当量を示してジャーガルよりは小さいが、 国頭マージよりも大き

(6)

く養分を保持する能力は中程度である。

交換性 や の塩基含量も比較的に多く、 表土の塩基飽和度は殆ど %以上を示すが表土 と下層土のそれは %以下を示すことが多い。

腐植含量はジャーガルや国頭マージよりも高いが表土と下層土では2%以下とそれ以下を示すこ とが多い。 リン酸吸収係数はジャーガルのそれに近く、 当たり , 前後の高い値を示 す。

全リン酸含量は g当たり g程度で、 ジャーガルや国頭マージよりかなり高く、 有効態リン 酸含量は、 当たり数 程度で著しく少ない。

国頭マージ

国頭マージは酸性土壌で主な分布地域は沖縄本島の中・北部、 石垣島、 西表島、 久米島および与 那国などの傾斜地や段丘面である。

国頭マージは県全土面積 ( ) の約 %、 県全耕地面積 ( ) の約 %をそれぞ れ占め比較的に広く分布している。

国頭マージの母材は国頭礫層 (第四紀更新世発達)、 花崗岩や安山岩 (第三紀中〜漸新世前後に 発達)、 嘉陽層 (第三紀しょう〜始新世前後に発達した砂岩と泥岩からなる層)、 名護層 (白亜紀前 後に発達した千枚岩からなる層)、 本部層 (中〜古生代のジュラ紀〜二畳紀に発達した石灰岩、 チャー ト、 粘板岩、 砂岩、 緑色片岩などからなる層) や今帰仁層 (中〜古生代のジュラ紀〜二畳紀に発達 した石灰岩、 チャート、 粘板岩、 砂岩、 緑色片岩などからなる層) である。 即ち国頭マージはジャー ガルおよび島尻マージの母材以外のものが風化して生成した土壌である。

国頭マージは、 傾斜地や段丘地に分布し さらに、 それの粘土が分散しやすいため、 土壌浸食を 受けやすい特徴がある。 また有機物含量が低く、 養分も少ない、 痩せた土壌である。

下層土は 緻密で一般には排水不良であるが、 土壌は扱いやすく、 耕起作業や肥培管理作業など は行いやすい。

土色は鮮やかな赤褐色〜黄褐色を呈してジャーガルや島尻マージとは異なり、 母材の影響よりも、

むしろ湿潤亜熱帯気候条件下の生物や気候の影響を強く反映している。 従って、 国頭マージは 層は薄くて腐植含量の少ない、 塩基類ほとんど溶脱された の低い強酸性土壌である。

地力保全基本調査の結果によれば、 国頭マージは赤色土および黄色土に分類されているが 層 が赤色のものは赤色土に、 黄色のものは黄色土にそれぞれ振り分けられている。

日本の統一的土壌分類体系 (第1次案) によれば、 国頭マージは、 薄い 層および赤色や黄色 の 層を有し、 塩基不飽和土壌の特徴を示すことにより赤黄色土に分類されている。

さらに、 土層が赤色のものを赤色土、 そうでないものを黄色土としてそれぞれ区分分類されてい る。

物理的性質

表土の土色はほとんど赤褐色ないし黄褐色で下層土のそれは表土よりかなり鮮やかな赤褐色また は黄褐色である。 沖縄の3大土壌土壌であるジャーガル、 島尻マージ、 国頭マージの中では最も粘

(7)

土含量が低く土性は軽埴土である。 また、 粒径組成も母材によって異なり、 細粒質から粗粒質まで、

変化に富むことが知られている。

国頭マージは、 一般的に分散率が高く、 粒組成的に侵食を受けやすい土壌で、 耐水性団粒は少な く島尻マージと比較して表土の構造はそれほど発達していない。

その表土のおいて有効水分はジャーガルのそれに近く、 易効性有効水分はジャーガルと島尻マー ジとの中間に位置して少なく、 水分率は、 島尻マージと同様に、 表土より下層土が大きい。 表土の 物理性は比較的に良好であるが、 下層土の構造は、 発達が不十分であるために、 固相が大きく粗孔 隙が少ないため、 通気および透水性が不良である。 そのために、 多量の雨が降ると、 下層土に一時 的に水が停滞しやすくなっている。

さらに、 下層土では、 気相が少なく、 緻密度が高く、 深いと層まで根が伸長できないため、 島尻 マージに次いで、 干ばつの害を受けやすい。

化学的性質

国頭マージの (

) は表土、 下層土ともに 前後の強酸性を示し、 それらの多くは 以 下を示す。

の値は 当たり 当量前後でジャーガルや島尻マージのそれよりも著しく低く養 分を保持する能力も低い。

交換性 (置換性) および の塩基含量もそれぞれ 当たり 当量および 当た り 当量以下で著しく少ない。

表土の塩基飽和度は 〜 %を示し、 下層土のそれらの値は、 表土の値とほぼ同じかまたはそれ 以下示すことが多い。

腐植含量は、 ジャーガルや島尻マージよりもかなり低くいが、 表土と下層土では、 それぞれ2%

弱程度とそれ以下を示すことが多い。

リン酸吸収係数は、 ジャーガルや島尻マージよりもかなり低くて 当たり 前後を示 す。

また、 全リン酸含量は、 当たり ないし 程度で、 ジャーガルよりも低く、 特に、 島 尻マージよりも著しく低く、 有効態リン酸含量もほとんどが、 当たり で著しくない。

土壌の は、 物質の水への溶けやすさ (溶解度) や作物への有効性に大きな影響を与える (図 3)。 その結果、 低 の酸性状態で作物に有害なイオンが土壌から溶け出し、 それが作物生育を 抑制したり、 直接的な害作用をもたらしたりする。 土壌中の粘土鉱物を構成するアルミニウム ( ) やその他土壌中に存在するアルミニウムの水酸化物は、 が5程度より低下すると、 溶解 度が急激に大きくなる。 この は作物に非常に有害で、 作物の根の細胞に直接害を与えて生育を 悪くする (松本、 )。

だけでなく、 土壌中に多く含まれる。 鉄 ( ) やマンガン ( ) も酸性側で溶解度が高ま

(8)

り、 土壌溶液中に溶け出す (図1)。 この や は、 作物にとって必須成分である。 しかし、

酸性になって溶解度が高まった や は、 土壌溶液に過剰に溶け出し、 それが作物生育に影響 を及ぼす。 土壌の酸性化によって作物生育が抑制されるのは、 この 、 および などによる 害作用が大きく作用している。

土壌の酸性化により溶出した や は土壌中のリン酸と結合し土壌中の が多くなり土壌 がアルカリ性になると リン酸と結合する。

土壌環境の変化、 特に の変化に伴い養分の土壌中における動態が変化する。 スタビ造成によ り土壌の は高くなることが予測される。 そこで土壌の

と養分の動態との関係について観る

必要がある。

養分元素の動態は次ぎの通りである

8)

(窒素)

土壌に加えられる窒素の主な給源は動植物および微生物の遺体の中にある有機の窒素化合物であ る。 そのほか雨雪に溶解して地上に落下する

があり、 また肥料として加えられ る

、 尿素、 石灰窒素などがある。 これらのうち有機態窒素は微生物の作用でまず

に変わる。

(リン)

リンは土壌中ではリン化合物であるリン酸として存在し、 リン酸は土壌溶液中では

およ び

として存在する。 が低い場合は前者が主体であり、

が高い場合は後者の割合が

増加してくる。 たとえば 5では約 %、 6では約 %、 7では約 %が

としてそ れぞれ存在する。 リン酸は土壌中で吸収あるいは固定されるので、 一般には土壌溶液の濃度はかな り低く、 〜 m ( ) で平均 mくらいであるとされている。

土壌に水溶性のリン酸塩を加えると、 ごく少量のものが水溶性の形で残り、 大部分のものは土壌 に吸収される。 土壌に吸収されたリンのうち一部は置換性であるが、 大部分は非置換性である。 リ ンの固定 (可溶性のリンが非置換性のリンになること) については、 次の3種の反応より起こる。

土壌が酸性になると沈殿による固定が起こり、 土壌溶液中にはA

が遊離してきて、 水 溶性のリン酸と化合して溶解度の極めて低いアルミニウムや鉄の化合物、 たとえば A ( )

!

( )

などを生じ沈殿する (表1)。

土壌が中性ないし弱アルカリ性の場合には土壌溶液中に

2+

が多く、 リン酸はまず第二リン酸 カルシウム

・2

Oとして沈殿し、 これはさらに

2+

と反応して結局はリン灰石

"2+

・3

(

)

(X

# $

F) に変化すると考えられている (表1)。 酸性土壌におい ては、 土壌粒子の表面んにリン酸が固定されるが、 このリン酸の固定は粘土鉱物の結晶周辺のA や に結合している とリン酸が置換するか、 あるいは

とリン酸との同形置換による直 接反応であると考えられている。 また石灰質土壌では方解石粒子の表面に一分子層として吸収固定 されるといわれている。

生物の同化によって固定されたリン酸は土壌の有機態リンの給源となるものであり、 この種の固

(9)

定は植物や微生物によって行われるものである。 このリン酸は分解されれば再び利用される。

リン酸の固定で事実上問題となるのは非生物的な固定である。 リン酸吸収固定力の著しく強い土 壌では土壌の有効態リンが少なく、 植物はリン欠乏となる。 反対に吸収力が著しく弱い土壌では、

施用したリン酸の一部は滲透水中に流亡する。 従来の研究によれば後者の場合はまれである。 吸収 力がつよすぎてリン酸肥料を施しても肥効の現れにくい土壌はかなり多い。 我が国にはリン酸固定 力の強い土壌がかなり広く分布している。

なお、 我が国の耕地は一般に酸性に傾いているので、 リンの固定は主として土壌中のアルミニウ ムおよび鉄によるものである。

一般に

3〜4でリン酸の溶解度は最少になる。 これは前記の

の等電 点がそれぞれ

および4であることによるものと考えられる。 これより土壌が酸性になれば難溶 性の

も再び溶解しはじめ、 リン酸が溶液中に出るようになる。 また石灰を 施して土壌の

が3〜4より高くなっても

お溶解度は増加し、 リン酸も 一部溶解し始める。 かくして土壌反応が

6前後で溶解度は最も高い。 さらに

が高くなると リン酸は石灰塩として沈殿し、

7〜8で溶解度は最少になる。 作物のリン酸吸収を容易にさせ るためには以上の理由から土壌反応を

ぐらいの値に保つことが最もよいと考えられる。

有機物を土壌に加えると土壌の無機リン酸の溶解度は増加する。 これは有機物の分解や腐植化の 過程で生成される種々の有機酸や腐植酸の作用によるものと考えられている。 有機酸の中では

とキレートをつくるようなα−

酸はリン酸の有効度を高める作用が特に高いとされて

(10)

いる。 有機酸のなかでリン酸の有効度を高める作用の強い順位は次の通りである。

クエン酸>シュウ酸>酒石酸>リンゴ酸>乳酸

なお腐植酸もまたリン酸の固定を減少させ、 土壌リン酸の溶解度を高める作用がある。

リン酸の供給を良好にするためには新鮮有機物、 推厩肥を利用することが有効な手段である。

土壌の可給態リン酸は作物の生育期間中に未風化鉱物の風化や有機態リン酸の分解によって供給 されるものが多く、 これらは水分、 温度、 反応、 微生物活動、

などの外囲の条件によって影響 される。

(カリウム)

土壌中のカリウムは非置換態、 置換態および水溶態に分けられる。 多くの土壌ではカリウムの大 部分は非置換態であり、 置換態カリウムがこれに次ぎ、 水溶態カリウムはきわめて小部分を占める。

土壌溶液中のカリウムの濃度はカルシウムやマグネシウムに比較すれば一般に極めて低い。 溶液 中の各種の塩基の濃度はそれぞれ置換性塩基と平衡関係にある。 溶液中にカリウムが少ないのは主 として置換性カリウムが置換性カルシウムやマグネシウムに比較して著しく少ないことによるもの である。

一般の耕地土壌の土壌溶液中のカリウム濃度は 〜2 くらいの範囲であり、 その量は置 換性カリウムの1〜 %くらいであると考えられている。

カリウムは土壌中の無機あるいは有機コロイドに交換吸着される。 したがって置換態カリウムは 一般に粘土質の土壌で高く、 砂質の土壌では低い。 泥炭など有機質土壌では置換態のカリウムがカ リウム総量の主要な部分を占めているが、 一般に鉱質土壌では置換態カリウムが総量の1%を超え ることはない。 置換態カリウムは耕地土壌で大体 くらいで、 置換態全塩基の 〜 くらいを占めている。 なお置換態カリウムは水溶態カリウムとともに作物に最も容易に利用され るものである。

固定されたカリウムは再び水溶態、 置換態に変わらないかぎり作物に利用されないので、 一種の 非置換態カリウムといえる。 しかしこのような固定態カリウムは一次鉱物中に含まれるカリウムと 異なり、 置換態カリウム一種の平衡関係にあり、 置換態カリウムの減少に伴って、 〜 %ぐらい は作物に利用されるようになると考えられている。

以上のことは粘土に吸着している

の総量と共に、 吸着の強さが作物に対するカリウムの栄養 に大きく影響していることを示唆している。

なお、 中性塩のカリ肥料を施す場合にはあらかじめ石灰を施して土壌の塩基飽和度を高めておく 必要がある。 また置換容量が小さかったり、 吸着力の弱い土壌にたいしてはカリ肥料は分施すべき である。

(カルシウム) および(マグネシウム)

我が国の河川中には平均してカルシウムが 〜 、 マグネシウムが約3 含まれており、

灌漑水として稲作期間中に a当たり 〜 のカルシウムと約3のマグネシウムがそれぞ れ供給される。 そのほか動植物の遺体、 肥料がこれらの給源となる。

(11)

熱帯、 亜熱帯のラテライト土壌では母材がカルシウムに富んでいる場合でも、 カルシウム含量は 〜 %しか含まれていない。

これと反対に乾燥ないし半乾燥地帯ではカルシウムに非常に富んでいる。 湿潤な温帯地方はちょ うど中間で約1〜2%の全 を含んでいる。 カルシウムは化学的風化によって損失が大きいので、

むしろ土壌の粗粒部分に多く、 粘土部分に少ない。

マグネシウムの土壌中の含量は風化の型と程度によって大きく異なる。 風化の進んだラテライト 土壌やポドソル土壌では低く、 チェルノーゼムでは高い。

カルシウムおよびマグネシウムは土壌溶液中の主要なカチオンであり、 カルシウムはまた置換態 カチオンの主要部分を構成し、 マグネシウムがこれにつづいている。

養分として最も容易に利用しうるものは水溶態または置換態の部分である。 前期の一次および二 次鉱物中に含まれるカルシウム、 マグネシウムは非置換態であり、 それ自体では作業栄養源として あまり価値がない。 しかし非置換態のカルシウム、 マグネシウムは風化により少しずつ置換性に変 わり、 やがて作物に利用されるようになる。 土壌の母材が同じであれば、 非置換態から置換態への 変化は風化の強度とともに増加するはずである。 しかし、 激しい風化が長く続くと非置換態の延期 の供給はなくなり、 置換性塩基は減少する。 土壌の塩基飽和度は土壌からの置換性塩基の損失と非 置換態のものから置換態のものへの変化との間のバランスをある程度示しているといえる。

カルシウムおよびマグネシウムの吸着、 溶出は土壌に含有されている土壌コロイドの種類とその 含量、 塩基飽和度、 随伴するカチオン、 アニオンの種類と濃度などによって著しく異なる。

置換態カルシウムの

による置換溶出は土壌コロイドの補足陽イオン

の時が一番多く、

2+

のときに中程度であり、

のときに一番少なくなる。 つまり、 ある陽イオンが置換溶出さ れる割合は、 土壌コロイドに共存している補足陽イオンの土壌コロイドに対する結合力が増加する につれて増加する。

溶脱によるカルシウム、 マグネシウムの損失は降雨量、 土壌中のカルシウム、 マグネシウムの含 量、 土性、 土壌コロイドの種類などによって異なることは当然であるが、 施用する肥料の量と種類 でも差異がある。

アンモニア系肥料を施したときアンモニアが土壌中で硝酸態に変わって溶脱する際にはカルシウ ム、 マグネシウムなどの塩基を伴う。 またアンモニア系肥料に随伴する

2−

は土壌に吸着 されず流亡するが、 その際にやはり塩基を伴う。 実際硫安の の炭酸カルシウムの損失を生ず る。 しかしながらリン安を施用した場合はリン酸が土壌に固定されるので損失は少ない。 カリ肥料 の施用も同様にカルシウム、 マグネシウムの損失を生ずる。 ただしカリウムを炭酸塩、 重炭酸塩で 与えれば損失はずっと少なくなる。

窒素、 リン、 カリウム、 カルシウムおよびマグネシウム以外に植物が土壌中から吸収する養分と して、 イオウ、 ケイ素、 鉄、 銅、 亜鉛、 マンガン、 ホウ素およびモリブデンなどがある。 それらの 動態は次の通りである。

(12)

(イオウ)

土壌溶解中ではイオウは

2−

として存在している。 湿潤地帯の耕地土壌は 〜 の水 溶性または弱酸可溶性の硫塩酸を含んでおり、 〜 の全イオウを含んでいる。 乾燥地 帯の土壌、 とくに塩類土壌は全イオウ含量が非常に高く、 1%におよぶことがあり、 大部分は 、 、 および の硫酸塩である

2−

は土壌に弱く吸収される。 子の吸着は土壌 が低下す るほど増加し、 土壌が鉄やアルミニウムに富んでいるほど大きい傾向を示す。 しかし

2−

の吸 着はリン酸イオンに比較すればきわめて弱い。 したがってイオウの溶脱損失は一般に大きい。 硫酸 塩のなかでは石膏だけが難溶性であるが、 非常に風化しやすいので、 作物によく利用される。 硫化 物は不溶性であるが、 好気的条件では酸化されて硫酸塩となり土壌溶液に入ってくる。 硫化物に富 んだ土壌が酸化されると、 土壌反応が著しく酸性に傾くことがある。 これは海や湖沼の干拓地など によく見られる現象である。 また元素状イオウはアルカリ土壌の改良に用いられるが、 これは酸化 によって硫酸となり、 反応矯正に役立つからである。 逆に、 嫌気的条件下では酸化還元電位の低下 に伴い微生物の作用で

2−

が還元されて

2−

となる。 水田に湛水すると、 ごく表層を除いて、

この反応が起こる。

非置換態のイオウは黄鉄鉱、 白鉄鉱

、 黄銅鉱

、 および磁硫鉄鉱として土壌中に存 在している。 また嫌気条件下で生成したハイドロトロイライト ・ が存在する場合がある。

そのほか有機物中にはタンパク質の構成素材であるシスチン、 システイン、 メチオウニンなどのア ミノ酸としてイオウが含まれている。 これら非置換態のイオウは風化あるいは微生物による分解に よって、 水溶性となり植物に利用される。

なお、 かなり多量のイオウが毎年降雨によって土壌に加えられる。 特に都市や工場の近辺では著 しく多い。 従来の報告によれば 〜 のイオウが1 当たり毎年降下しているといわれてい る。

(ケイ素)

ケイ素の大部分は不溶性のケイ酸塩鉱物、 すなわち石英、 長石、 雲母、 角閃石、 輝石などの一次 鉱物と粘土鉱物の中に存在している。 石英を除けばこれらの鉱物中のケイ素含量は 〜 %である。

このようなケイ素は結晶格子中に固く結合されており、 風化によらなければ遊離してこない。

粘土鉱物のケイ素の一部は 基やリン酸、 ヒ酸などと置換しうる形で存在している。 このよ うなケイ素はおそらく粘土鉱物の表面に結合しており、 大きな吸着エネルギーをもった陰イオンと 置換するものと思われる。

土壌溶液中にはケイ酸鉱物の風化によって生じたケイ酸が溶液状ないしコロイド状として存在し ている。 一般に

含量は花崗岩地帯を流れてくる河川水中に少なく、 火山灰地帯を流れてくる 河川中に高い。

灌漑水によって水田に供給されるケイ酸の量は平均して であるといわれている。

ケイ酸鉱物の風化は母岩の組成、 気候、 植生、 反応および溶脱の有無などで影響をうける。 風化 によって可溶性となったケイ酸は、 一部は植物に吸収され、 やがてその遺体となって表土に還元さ

(13)

れ、 一部は溶脱して地下水に入る。

水稲はケイ素を必須元素としており、 茎葉中には平均5〜6%もの を含んでいるが、 この給 源は土壌が8、 灌漑水が3の割合であるといわれている。

(鉄)

土壌中における鉄は二価および三価の形で存在し、 その含量は温帯地方の1〜4%から、 熱帯地 方のラテライト土壌の %まで幅が広い。 大部分の耕土では置換態として土壌に吸着されている鉄 は少なく、 また土壌溶液中の鉄の含量も少ない。 土壌に置換態として存在している鉄は

2+

で、

三価の鉄は ( )

2+

、 ( )

あるいは ( )

などの形で土壌の有機無機コロイド状に沈 殿し、 強く付着している。 これらの三価の鉄は水あるいは中性塩類では溶解しないが、 腐植酸その 他のα−オキシ酸やジカルボン酸などの有機酸とは容易に複合体を形成し、 土壌溶液中に入り移動 することがある。

3+

の低下とともに増加し、

以下の強酸性土壌においてのみ高濃度 となる。

鉄の溶解度および風化速度は土壌の反応や、 酸化還元電位に大きく影響される。 炭酸を含んだ水 は嫌気的条件下では (

)

をつくりながら二価の鉄をゆっくりと溶かす。 炭酸ガスの分圧が 低下すると、 次式のように鉄が

として沈殿する。

(

)

土壌を湛水状態に放置すると、 土壌微生物の作用で酸化還元電位は低下し、 可溶性の

2+

の量 が増加し置換態

2+

が多くなり、 いわゆる特異酸性を示すようになる。 そして硫酸塩の還元によっ て生じた硫化水素と反応して一部は硫化鉄として沈殿する。

2+

は酸化状態におかれると再び酸 化され ( )

として沈殿する。 土壌の反応がアルカリ性になると鉄の溶解度は減少してくる。

たとえば石灰を過剰に施用すると、 鉄が不溶性になり、 作物は鉄欠乏を起こすことがある。 このよ うな場合、 鉄のキレート化合物を土壌に施用して作物に吸収させることがある。

(銅)

銅は土壌中で主として二価の形で存在する。 この二価の銅は土壌の腐植によって強く吸着され、

溶解度はきわめて低く、 ほとんど置換溶出しない。 このことは施用した銅の大部分が表層の大部分 に留まっていることからもわかる。 腐植と二価金属との吸着エネルギーは

< < < < < < < < < <

の順に大きいといわれている。 このように固く腐植に結合している銅は塩類溶液を作用させてもほ とんど溶出しない。 このような銅を溶出するためには硝酸や塩酸のような強酸類か、 特殊な錯イオ ンをつくるものを作用させねばならない。 たとえば

は全銅の1%しか置換しないが、

溶 液 を 用 い れ ば 全 銅 の % が 溶 出 し て く る 。 こ の 際 シ ア ン は 銅 と 結 合 し て 錯 イ オ ン ( )

2−

をつくり、 銅を溶出する。

銅は土壌溶液中に通常 ぐらいで を超えることはない。 この値は土壌の全銅含量 の1%ぐらいに相当する。 この溶けた銅の主要部分は先述の理由からシュウ酸やクエン酸のような 有機酸と可溶性のキレート化合物をつくっているものと考えられている。

(14)

湛水下の土壌中には あるいは

が存在する。 これら硫化銅は酸化状態のもとで +

= ( )

となり、 ついで

と反応して

となるものと思われる。 この酸化は化学的あるいはイオ ウバクテリアによって進行する。 の溶解度が低いにもかかわらず作物がある程度これを銅の 給源となしうるのは の酸化によるものと考えられる。

土壌中の全銅含量は2〜 の範囲にある。

(亜鉛)

亜鉛は土壌中および岩石中に二価の形で存在する。 亜鉛の土壌中の行動は銅のそれと類似してい るところがある。 土壌溶液中の亜鉛の量はデータがほとんどないが、 銅と同じ程度と考えられてお り、 の低下により増加する。 これまでの報告によれば、 置換態の亜鉛は 〜 であると いわれている。 風化によって放出された亜鉛はおそらく

2+

として土壌コロイド上に吸着される か、 有機物と結合するものと思われる。 亜鉛は

2+

、 ( )

、 および

などの 形で無機コロイドに吸着されるが、 一部は酢酸アンモニウムで置換されないので、 亜鉛の一部は固 定されるものと考えられる。 この固定は二次鉱物のアルミニウム八面体層の格子欠陥中に の 替りとして入り込んだものと考えられている。

このようにして固定されたものは作物にはほとんど利用されない。

通常の土壌の全亜鉛含量は 〜 である。 しかし、 これは必ずしも有効性との関係があ るとはいえない。 通常、 塩基性岩や石灰岩に由来する土壌は亜鉛に富んでいるが、 ポドソル土壌や 砂質土壌に少なく、 また腐植質土壌ではやや高いとの報告がある。

亜鉛の溶解度は の低下とともに増加する。 果樹園などの亜鉛欠乏症は全亜鉛含量よりも、 土 壌反応とむしろ関係が深いようである。 石灰の施用などで土壌

が6以上になった場合に亜鉛欠

乏が起こる場合がある。

(マンガン)

土壌中のマンガンは二価、 三価および四価の形で存在し、 土壌溶液中に存在している

2+

、 置 換性イオンとして存在している

2+

、 非置換態の二価のマンガン、 不溶性の三価および四価のマ ンガン、 鉱物および有機態中のマンガンなどに分けることができる。

土壌溶液中のマンガン含量はデータが少ないが、 耕地の排水中のマンガンが − で あることからも推測されるようにかなり低く、 とくに中性ないしアルカリ性ではきわめて低いもの と思われる。

置換性マンガンは土壌 、 酸化還元状態で著しく変動する。 酸化状態で の高い土壌では置 換態マンガンは低く、 これに反して酸性土壌ではマンガン過剰症が生ずるぐらいにかなり高くなる。

置換性マンガンは普通中性塩溶液で浸出する方法で定量されているが、 この方法で2〜3 の があれば作物にとって十分であるといわれている。

土壌中のマンガンの主要部分は不溶性の酸化物で、 鉱物としては四価の軟マンガン鉱

が 主体で、 三価の褐マンガン鉱

の存在も確かめられている。 三価および四価のマンガンは不

(15)

溶性であるが土壌中の活性マンガンの給源であってマンガンのプールとして働いている。 普通の土 壌の有効マンガンは、 以上である。

マンガンの有効性を決定する土壌の主要因子は と酸化還元状態である。 土壌の が低くな ることと、 酸化還元電位が低くなることは

2+

の増加をもたらし、 有効性を高めることになる。

したがって湛水するとか、 有機物を添加することは有効態マンガン量を増すことになる。 逆に が高くなると

2+

は減少し、 欠乏の危険性が出てくる。 またマンガン欠乏は無機質土壌より有機 質土壌に起こりやすい。 これは銅の場合と同じように、 マンガンが有機物と不溶性の複合体を構成 するためと考えられている。

(ホウ素)

ホウ素は土壌中で水溶態、 置換態および非置換態の形でホウ酸塩として、 あるいはケイ酸塩構成 物として存在している。 しかしこれらの範ちゅうについての明確な区別はない。 植物に吸収される ホウ素の量は熱水で抽出されるホウ素の量と高い相関がある。 その量は 〜 で欠乏レベ ルは抽出条件とか有機物含量などで決まるが、 〜 以下にあるといわれている。

ホウ素吸着量および吸着強度は、 結晶性粘土鉱物を主体とする土壌では小さい。 強酸の陰イオン は土壌のホウ素吸着を減少させない。 ホウ素吸着におよぼす の影響は土壌により異なる。 結晶 質粘土を含む土壌では 3〜4と 9にホウ素吸着のピークがあり、 4〜7では吸着量に変 化がないとされている。 石灰の施用はアルカリ性でホウ素の有効性を減少させるといわれ、 実際石 灰の過剰施用でホウ素欠乏がよく発生する。

土壌中の全ホウ素は2〜 の範囲にあり、 含有量は平均して である。

(モリブデン)

土壌中のモリブデンは水溶態、 置換態および非置換態に分けられる。 水溶態のモリブデンは

2−

および

として存在している。 置換態モリブデンもこのようなモリブデン酸イオンで あり、 を高めたり、 リン酸を添加することで溶出してくる。 一次鉱物あるいは二次鉱物の結晶 格子中に保持されていて、 風化によらなければ有効とならないもの、 あるいは有機物中に含まれて いて、 微生物による分解によってはじめて有効になるものが非置換態モリブデンであり、 土壌の全 モリブデンの %を占める。

モリブデン酸の吸着はアニオン吸着であり、 硫酸イオンやリン酸イオン、 とくにリン酸イオンと 強い競合がある。 したがって の上昇、 リン酸の添加で吸着量は減少し、 作物はモリブデンを吸 収しやすくなり、 反対に反応が酸性に傾くとモリブデンの溶解性は減少し、 作物のモリブデン吸収 量は減少する。

土壌中のモリブデンの主要な給源は火成岩中の輝水鉛鉱

、 パウエライト

および モリブデン鉛鉱

である。 岩石中の平均含量は約 であり、 土壌中の全モリブデン は 〜 、 平均約 である。

(16)

土壌環境の変化に伴い、 植物の生育に必要な養分のいずれか一つが欠けたとき植物はそれぞれの 場合に特有の欠乏症状を呈する。 これらの症状は一見してその欠乏元素を推測できるほど明瞭なこ ともあるが、 場合によっては、 どの元素の欠乏であるか詳しく調査しなければ分からないことも多 い。 またある元素が過剰の場合も特徴のある症状が現れることがある。 植物の生育に必要な元素が 欠乏あるいは過剰の場合の症状については次の通りである

9)

窒素

窒素が欠乏すると葉は黄化し小形化する。 また一般には古い葉により早く症状が現れてくる。 窒 素が過剰になると黄色が濃く、 過繁茂になり、 組織も軟弱になり、 成熟も遅延しやすい。

リン

リンが欠乏すると葉は濃緑色となり、 しばしばアントチアミン色素が形成され赤紫色、 または赤 色を呈することがある。 葉の生長はおとり、 下葉より枯死し、 落葉する。 果実類は組織が壊死し、

酸味が強く、 甘みの不足した味の悪いものになる。

リンが過剰に与えられると、 場合によっては組織内にリン酸鉄を生じ、 鉄の生理作用を妨害する こともある。

カリウム

カリウムが欠乏するとしばしば葉に褐色斑点が生じ、 また症状が進むと葉の先端や周辺の組織が 壊死する。 植物体は軟弱になり下葉より枯れ上がり、 落葉する。 カリウムが過剰に与えられるとし ばしばマグネシウム欠乏を誘起することがある。

カルシウム

カルシウムが欠乏すると根や茎の先端部の発育部位の生長が異常になり、 新たに作られる葉は奇 形になる。 稲では新しい葉のクロロシス、 枯死が起こる。

マグネシウム

マグネシウムが欠乏すると下葉から黄変が起こり、 次第に、 上葉に及んでくる。 麦類ではしばし ば、 縞状またはジュズ玉模様に黄化が起こる。 葉脈と葉脈との間が黄化し始め、 やがて葉全体に黄 化がすすみ、 落葉する。

硫黄

硫黄が欠乏すると植物は全体的に小型になる。 また古い葉より次第に葉色が淡くなってくる。

鉄が欠乏すると必ず若い葉が黄化をする。 特に葉脈と葉脈の間の変化は顕著であり、 ほとんど白 色を呈するようになる。 葉脈の部分はそれほど黄化せず比較的濃い緑色を残している場合が多い。

果樹類などで、 古い葉は青々としているのに、 枝先の葉だけが黄色ないし白色になったまま、 長い 間落ちないで留まっているのがよく観察される。 陸稲の萎黄病は鉄欠乏である。

マンガン

マンガンが欠乏すると、 新しい葉の色があせ、 また葉に褐色や灰色の斑点ができる。 葉脈間の黄

(17)

変が起こり落葉する。 麦類の褐色斑点病は主にマンガン欠乏である。

マンガンが過剰になると、 柑橘類では異常落葉を起こす。 葉や茎などに褐色の斑点や斑紋が生ず ることがある。

銅が欠乏すると若い葉の先端がしおれ、 やがて葉が脱落する。 ムギ類では出穂期頃に欠乏症が現 れやすい。 特に止葉が異常になる。 穂軸が完全に伸びず穂が葉鞘に半分包まれたような出すくみ状 態になり、 稔実しなくなる。 腐植質の多い開墾地などにしばしば欠乏が認められるので開墾地病と 呼ばれたことがある。 銅が過剰になると根の伸長が阻害され、 葉部には鉄クロシスを生ずることが 多い。

亜鉛

亜鉛が欠乏すると、 下葉の先端や周辺が黄変する。 葉が奇形化することもある。 新葉の生長が悪 くなり、 全体としてロゼット状になる。

亜鉛が過剰になると葉に鉄欠乏クロロシスを生ずることが多く、 豆科植物などでは、 葉柄や葉の 裏が紫褐色に変色することがある。

塩素

塩素が欠乏すると葉は、 クロロシスを起こし、 壊死しながら枯れ上がる。 しばしば褐色斑が生ず る。

ホウ素

ホウ素が欠乏すると根や葉の伸長が停止し、 壊死してくる。 多肉の組織では内部が壊死し、 褐色 を呈するようになる。

白菜やビート、 セロリの芯ぐされ、 大根のサメハダ、 ブドウのエビ病、 リンゴの縮果病などは、

ホウ素欠乏である。

ホウ素が過剰になると生長が減少停止し、 葉縁が黄変、 褐変してくる。

モリブデン

モリブデンが欠乏すると、 新葉の生長が抑えられ、 葉が内側にコップ状に巻き込み、 また葉面の 凹凸も著しくなる。

モリブデンが過剰になると、 トマトやジャガイモでは黄色、 青色斑が茎、 葉に出現し、 クロロシ スになる。

スタビ造成による土壌環境の変化と前述の土壌の と養分の有効性 (図3)、 土壌中における 養分元素の動態、 必須元素の欠乏症および過剰症との関係について考察を加える。

黒島では草地 (採草および放牧) は島の面積の約4分の3を占めると思われる。

草種はローズ、 ギニア、 パンゴラ等であったが、 最近は, ジャイアンツスターグラスが広がりつ つある。 たスタビ造成された草地は礫が多いものの草勢はしっかりしており、 極めて良好な状態と

(18)

観察された。

未造成地では礫が約 %であるのに対して不陸均し地およびスタビ造成地では約 〜 %で、 多 いところでは、 % (B地点) にも達する。 未造成地に比べてスタビ造成地は不陸均し時点から著 しく礫が増加することが分かる (表2、 3)。

竹富町経済課、 ( ) の調査によるとスタビ造成前の礫は径0〜3 が %、 3〜5 が7

%、 5〜 が %、 以上が %に対し、 造成後は、 それぞれ %、 9%、 3%、 0%で あった。 しかし、 その後の他の調査でスタビ造成地において 前後の礫が点在することが観察 されている。

黒島の草地はスタビ造成以前は土層の深さが 前後であったものがスタビ造成により径2 以上の礫が著しく増加し、 大型礫の点在はあるものの殆ど3 以下で耕てんや牧草の根張りに 大きな障害はなくなったと考えられる。

黒島全域の土壌反応 (

)

黒島全域にわたる現地での 測定地点は (図4) に示す通りである。

第4図 地点の (平均±標準偏差) は ± であった。 基盤が石灰岩で土壌は浅いため、

土壌は母材 (琉球石灰岩) の影響が強く反映されてかなりアルカリ性である。 造成経年の異なる 草地土壌の理化学性およびスタビライザーによる造成経年の異なる草地の土壌理化学性については

!"

#$%&'()*+

(19)

第4表に示した。 造成後1年以上7年の土壌で理化学性の変化はない。

土壌 は造成前 ( 草地) が であるのに対しスタビ造成後 ( 〜 草地) は とかなり高 くなっている。 これはスタビ造成により、 石灰岩の礫や細紛土壌に混入するため、 それの炭カル的 効果によるものと考えられる。 このことは造成前の不陸均し ( 草地) にも当てはまる。 このよう な 上昇は図4に示してあるように作物の多量必須元素の鉄、 亜鉛、 銅、 ホウ素などの不溶化を 招き牧草の吸収不良・欠乏を起こす恐れがあるので注意が必要である。

ギニアグラスあパンゴラグラスは強酸性適応範囲が広いと言われるので (県畜産試場 )、

のみに関しては問題はないであろう。

陽イオン交換容量 ( ) (表4)

土壌の は沿い得生前の約 gに対しスタビ造成後は、 約 と低下している。 これ はスタビ造成により破砕された石灰岩の砂状部分が土壌の細土 (2mm以下) に混入したと考えら れる。 は粘土分の量や質、 腐植の多寡などに左右されるので、 黒島の土壌のような暗赤色土 (島尻マージ) の粘土鉱物はカオリン鉱物が主体となっており粘土の質が同一の場合は粘土分が少 なくなると, は小さくなる。 スタビ造成されることにより、 土壌の粘土含有は減少し土性は 軽埴土が多くなっている。

が小さくなると養水分の保持力が下がる。 しかし、 ここで得られた結果は県内島尻マージ

の持つ の範囲にある。

交換性塩基 (表4)

交換性塩基の 、 、

は植物の必須多量元素であるが、

は造成前の約 gから 造成後は に増加している。 そのことにより、 リンや微量元素を不溶化するおそれがある。

(20)

は造成前後で2 g台となっている。

草地で約4

gとなっているのは原野状態 の時に僅かながら集積された腐植によるものと思われる。 は造成前後とも約 gと変化 ない。

は造成前後で大きな変化はない。 は必須元素ではなく多すぎると塩害の元になるが、 適 量の存在は の役割を補うので有用である。

塩基飽和度 (表4)

(21)

塩基飽和度は理論的には図5に示してあるように %を超えない

5)

が、 %以上となっており 著しく高い。 これは土壌中の石灰岩 (

) が溶出し土壌中に が多くなることに起因するも のである。 塩基飽和度が高くなると は高くなる

6)

。 (図6)

炭素 (表4)

の多くない中性以下の土壌では全炭素=有機炭素であるが、 今回の調査土壌のように が 多く も高い土壌では炭酸塩が含まれ、 その無機炭素分も全炭素の中に測定される。 土壌では有 機炭素に係数 を乗して有機物 (腐植) 含量を算出するが、 調査土壌においてはスタビ造成前 後で有機炭素は % (腐植換算 %) 〜 % (腐植換算 %) の増加している。 これは造成に より牧草根の生長が良くなりそれが土壌に腐植として残っていくためと考えられる。 普通畑では頻 繁な耕転により腐植は速やかに分解するが、 草地では耕転が少ないので腐植は比較的残りやすいの が一般的である。 なお前記基準案で腐植は2〜5%と示されるが、 調査草地の土壌はこの範囲にあ り良好である。 全炭素中の無機炭素は 草地 %、 草地 %、 〜 草地 %となっており、

前述のように土壌の や 含量と関係することが分かる。

窒素および

(表4)

窒素はスタビ造成前後において %で変化はない。 窒素は作物に必須であり作物による要求が 最も高く地力の根幹をなす元素である。 土壌では窒素は腐植に含まれて貯まるので腐植が多いと窒 素も多くなるが、 草地では %高いものの 比も と高くなっているので、 この草地の窒素 は他の草地より可給性がやや低いであろう。

有効リン酸 (表4)

有効リン酸はスタビ造成前 ( 草地) は gとかなり高いが、 造成後 ( 〜 草地) は 7 に減少している。 前記土壌診断基準案は、 有効リン酸を 以上と示している。 スタビ造 成草地ではこの値より低いが、 かなり近い状態ではある。 ただし、 両草地とも草地内のばらつき (標準偏差) が大きくリン酸含量は極端に少ない所があると考えられるので、 肥培に関しては草地 内に均等に施肥するよう留意する必要がある。

土壌の と有効リン酸が草地のスタビ造成経年の違いによりどのように変化するかをみると (第3図) 土壌 はスタビ造成により上昇し、 その後経年的に僅かながら低下する傾向がある。

これは造成により生じた石灰紛の溶失と牧草の 収奪によると考えられる。 リン酸は大きく見る と経年的に微減する傾向にある。

リン酸吸収係数 (表4)

スタビ造成前後でリン酸吸収係数の変化は僅かである。 いずれも約 , mg以下であり、 施肥 リン酸が牧草にひどく吸収利用されにくくなることはないと考えられる。

土性 (表4)

スタビ造成前の土壌は粘土 %以上の重埴土 ( ) であるが、 スタビ造成後は粘土 〜 %の 軽埴土 ( ) となる所がある。 これは石灰岩細片の混入により細土中の粘土%が下がるためと考 えられる。

(22)

スタビ造成草地土壌の理化学性 (表5、 6)

スタビ造成草地 ケ所の土壌理化学性は次の通りである。

(

) および ( ) は平均がそれぞれ と で草地間のばらつきは少なく、 県の土 壌診断基準案 6〜7より全て高い。 また (

) と ( ) の差は1ユニット程度であ るのが普通であるが、 この造成草地の場合はその差がやや小さい。 これは土壌に潜在水素イオンが 少ないためと考えられる。

は平均 であるが、 草地間にばらつきが大きく、 最低と最高はそれぞれ8 と

(23)

となっている。 この差は粘土含量の差によると考えられる。 また県の基準案では となっ ているが、 ここでは、 それ以下が ケ所もある。

交換性塩基の は平均 でばらつきは %程度である。 は平均 であるが草地間 でばらつきが大きく、 最低 最高 であり県の基準案 (3〜5 ) より低い草地が ケ所あ る。 当量比は となっている。

これは が作物の 吸収を抑え、 不足を誘発する恐れがあることを示唆する。 は平均 でばらつきは多少ある。 ただし土性の粗い草地 (例:黒島1、 砂質埴壌土、 ) では極端に低くなる恐れがあるので注意する必要がある。

当量比は平均

で基準案の値6

〜7より低い。 これは牧草の 吸収が により抑えられる恐れのあることを示唆する。 、 、 はどれかが多いと他が抑えられる関係にあるので 、 、 のバランスは常に注意を払う 必要がある。 は平均 であるが、 草地間にばらつきが大きい。 これは海岸からの距離の ばらつきに起因するものと考えられる。 の高い草地 (黒島 、

) でも の % 程度であり問題はない。

塩基飽和度は 〜 %とかなり高いといえる。 土性は粘土 〜 %砂質埴壌土が1草地、 粘土 〜 %の砂質埴土、 シルト質埴土、 軽埴土などが 草地、 粘土 %以上の重埴土が 草地となっ ており、 スタビ造成草地は全体的に土壌の粘土含量が低くなっていることが分かる。

全炭素は平均約 %で、 有機炭素は平均 %である。 有機炭素含量から換算した腐植%は県の 基準案 (2〜5%) 程度に入る。 全炭素は平均 %でばらつきも大きい。 これは有機炭素含量の ばらつきと関係している。 比は 〜 とやや高い状態にある。

有効リン酸 (表6では可給態リン酸) の平均は であるが草地間のばらつきが大きく

(24)

(基準案の値) 以下の草地が ケ所もある。 そこへのリン酸肥料施用には特に注意を払う必要があ る。 リン酸級数係数は 〜 , の範囲にある。

微量元素の は平均 で草地簡にややばらつきがある。 土壌の の有効性は土壌の の高低、 また 、 、 等の多寡に影響されるし、 また作物の種類によっても必要レベルが 異なるので、 の土壌における望ましいレベルを打ち出すのは難しい。

濃度は平均 であるが、 草地間にばらつきがある。 この 濃度が充分であるかどう かは、 土壌の 、 、 に影響されるので判断が難しい。

濃度は平均 であるがこれも草地間のばらつきが大きい。 の有効性は土壌の や 、 の多寡に影響されるので、 このレベルの適否を論じるのは難しい。 濃度は平均 で、 これも草地間のばらつきが大きい。

の濃度は平均

で、 草地間のばらつきは大きい。 土壌の水様性

以下のと きは作物に欠乏が起こるといわれる (三好、 )。 スタビ造成草地は総てこの限界値より大きい。

(1) 黒島全域の土壌

および理化学性の概略

黒島全域にわたる ケ所の表土の は総てアルカリ性で 前後である (図4)。

!"

(25)

造成前の土壌

であったが、 スタビ造成より平均 に上昇した。 詳しく見みと造成後は 経年的に僅かながら低下する傾向にあった。

スタビ造成により は約 gから約 gに低下した。

交換性塩基の は約 gから約 gに増加した。 、 、 はあまり変化 しなかった。

スタビ造成により塩基飽和度は %以上と著しく高くなった。

有機炭素は造成前 % (腐植換算) から造成後 % (腐植換算 %) に増加した。 全炭素 中無機炭素の占める割合は造成前は %で造成後は %となった。

窒素は造成前後で %と変化はなかった。

有効リン酸含量は造成前 gが造成後は平均7 gとなった。 ただし、 草地間お よび草地内で大きなばらつきがあった。 造成後は経年的に減少する傾向が分かった。

土性は造成前の重埴土から造成による石灰岩細片の混入により軽埴土となった草地もあった。

1) スタビ造成草地土壌の理化学性 (表 、 ) 土壌の (

) は で草地間のばらつきは少ない。

は平均 gであるが草地間にばらつきが大きく、 最低8 g、 最高 gである。

交換性 は で、 は平均 で草地間のばらつきが大きい。 基準案 (3〜5 ) よ り低い草地が ケ所ある。

当量比は約 である。 (4〜5) より著しく高くなっていた。 は平均 で多少の ばらつきがある。 当量比は約 とやや低い。 、 、 のバランスには注意を払う必要

(26)

がある。 は平均 であるが、 ばらつきが大きい。 これは海岸からの距離の差によるもの と考えられる。

土性は重埴土、 軽埴土の他にシルト質埴土、 砂質埴土、 砂質埴壌土などの草地があった。 全炭素 中の有機炭素は平均 %でばらつきが大きい。

窒素は平均 %で炭素同様ばらつきが大きい。

有効リン酸は平均 である。

リン酸吸収係数は 〜 , で問題はないものと考えられる。

微量元素の交換性 は平均 であり、 総ての草地でソルガムの生育限界値とみなされる 〜 より高い。 交換性 平均 で草地間にかなりのばらつきがみられるが、 エン 麦の生育限界とみられる 〜 よりは高かい。 交換性 は平均 で草地間のばらつ きは大きいもののトウモロコシの生育限界とみられる 〜 より低い草地は1ケ所のみで ある。 交換性 は平均 であるが草地間のばらつきが大きく大麦やエン麦の生育限界とみ なされる より低い草地が5ケ所ある。 水様性 は平均 で草地間のばらつきは大 きいものの、 作物に欠乏が起こるといわれる よりは高い。

(2) スタビ造成草地土壌の水分保持力 1) −水分関係について (図7)

黒島および子が城島の草地土壌の

と水分の関係を図にしめした。 図によると水分保持率は黒

島土壌 (スタビ造成前、 重埴土) の方が石垣島草地の中性土壌 (重埴土) や酸性土壌 (砂質埴土) や酸性土壌より高いことがわかる。

黒島のスタビ造成前草地、 石垣島の中性土壌草地、 同酸性土壌草地の 1、 2、 3における含 水比は、 水分保持率は黒島土壌>石垣中性土壌>石垣酸性土壌の順となり、 黒島の草地土壌は礫が

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