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植物性食品の蓚酸含有量と栄養に就いて

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Academic year: 2021

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(1)Title. 植物性食品の蓚酸含有量と栄養に就いて. Author(s). 吉村, 花子. Citation. 北海道學藝大學紀要. 第二部, 9(1): 82-86. Issue Date. 1958-07. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5573. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第9 巻 第1号. 北海道学芸大学紀要 (第二部). 昭和33年7月. 植物性食品の修酸含有量と栄養に 就いて 村. 吉. 花. 子. 北海道学芸大学函館分校家政学教室. iol trion i l to NL I HanakO Y08日工ハ . ・ Vegetable Food : .ts Re1at .URA : oxaー C acid i. l. 序. 我々の食生活に於ては Caが不足して居る事が常に版上げられて屠る, 従って Ca を食品に強化 ・究されっ ある現状である. 一方叉 Caを過剰に撮り過ぎる時は同時に摂った脂肪 する事も常に樹. の吸収に悪影響を及ぼす事も報ぜられて居る. 叉 Ca が食品中に充 分含まれて居ても同時に修酸を多く含む食品をとる時 Ca の吸収は阻害 され ) により報ぜられて居る, る事が小笠原公氏1. 従って食品中の修酸含有量を検べる事は Ca必要量を問題とする際の重要な 要素と考えられる. 厚生省の栄養対策審議会の案によれば大人1人 1日 Ca と して L5gr を必要とされて居るが 実際に 摂って居る量 は凡300~500mg (後にくわしく述べる) 或はそれ以下である, Heysted2 ) によれば長期にわたって低 Ca 摂版で生活して来た人々についての実験によればCa. 平衡推さ 寺の必要量は 1日当 り 200~300mg 程 度 で よ い と 云 っ て 居 る, 叉世 界 中 の 人々 は 成 人 1 人 1 日5 00mg以下で Ca欠亡者はほとんどないとも 報告されて居る 従って吾国の場合も好ましい食. , 品配合の場合 Ca不足は起らないのであるが修酸含量の高い植物性食品を 多く 摂る食生活の場合問 )は我々の日常食事には例外なく修酸が含まれているとも 云っ 題になるものと考えられる, 岩尾氏3 て居る, 依って野菜中に含まれる諺酸含有量を定量し我々の日常摂って居る食品中の総 Ca量と修 酸のバランスに就いて 考えて見たいと思い植物性食品中の修酸含量を検べる事と した. 11 実. 験. 1 . 食品中の可溶性の修酸塩及 び済離状の諺酸もあれば之も同時に測定した, 従って不 溶 性の 1 Ca塩は測定して居ない. 即腸からの吸収率は極少いからである (小笠原) ,). 先ず初めに試料中に修酸を含有するものとないものを見分ける為酷酸々性の水溶液を 作 り 之 に 1 CaC 2を加え白濁を生ずるか否かを検した. 白濁を生ずるものは溶酸を含有し 1方白濁を生ぜぬも のには酷酸々性の水溶液に修酸ア ンモニウムを加え可溶性の Caの存在を確めた. 2 , 修酸を含有するものについては之を定量するため1定量の試料を乳鉢にとり, すりつぶし水. 1 ooc を加え酷酸を加え微酸性と し加熱滋過 して全量をl c 2 を加えて沈澱を一夜放置し分 . ,とし CaC 0 I N KM 離し , , no 1を用いて普通の方法に従い定量す. . 1 1 1. 実験結果及び考察. 次に手に這入る種々の植物性食品について検べた処によると, 植物性食品に修酸を含むものが多 いと云う事は当らない, 叉修酸を含むものの中で食品として問題となるものはほうれん草, 夏菜, - 82 -.

(3) . 吉. 村 、花 1. 第. ほ う れ ん 草 夏 菜 砂. で ー フ. 糖. 芥. 玉. 菜. ふ 紫. 菜. 白 せ ね. ば ざ. か. 子. 葉. 葱. (果. 茶、 ひめすいば. 菜. 実). (野 草). ク ロ ー ノミ ー. ぎ し ぎ し. ぐ み ぐ す べ り. キ ヤ ベ. 大 根. そ あ. 表. 可 溶 性C a を 含 む も の(可熔 臓 含まず). 犠 鰭 駿 総1. レ フア ノ. 子. 春. . も. す い み つ ぎ. 人. 参. 莱. り. ん. ご. 茶の類である, ルブァーブは外国の料理類な どを見ると時に用いられて居る, 上表の結果より見る 時実際には可溶性 Ca塩を含有する種類が大部分を占めて居る事が明らかであろう. 次に修酸含量 の定量結果を示すと次の様である, 種. 第. 05. ▲. 市販 ほう れ ん 草. 02T ▲. 花. 2 ー1 0 61 0 6 . .. %. 0 30 ,. 常に多い事が明かで, 次にほうれん草の部分による差異を検べたろ に第3表の様である, 以上軟い葉の部 分に修酸が多く含まれ葉柄根の部分に少く花実の. 部分にも相当 多く含まれて居ろ, 次に. 第 4 表. 分 1修酸含量 %. 期モ部. 5月22日. 10r. 若芽後数葉. 然し実際問題として之は普通ゆでて水にさらして用いるの. 67 十 と第5表の如く若い軟い葉程とげ出る修酸量が多く生長す 03ハ U. 7月1 0日{ . の. 時. 06^ Uるに従って薩酸含量は減少するがその溶出量も. ~ 部. 第. る. 結局我々が食用に供するもの. 5. 7月25日. 叉減少す. 4~0 5% 中 には大 体0 . .. 即 400mg 乃 至 500mg の 修 酸が あ る と 云. 表. 期. 5月2 2日 6月 5 日 6月28日. 1 2 8% の多きに 連する, ,. 6 ′ h VT ▲ 00 0 2 で相当量はとけ出ると考えられるので次に其の結果を示す. の 部 6月2 8日{ 葉 大い軸の部 葉 の 部 葉. ほうれん草の生育による差異を検べたる結果は第4表に 量高くloogr中1g の諺酸含量 「見られる様に若いもの程含 /. 7( Xて之を無水物として計算すると 00 U / b 2. 葉 の 部 6月5日{ 葉 柄 の部. 7月25日. 0 26 , 0 39 , 64 0 .. ば. 上表の如く我 々の好んで食用に供するほうれん草の修酸含量が非. 第 3 表. 時. 修酸含量(%). 03( = v. 莱. % 際柄 〆. 類. ひ め す い ば ざ あ か. 03. ー. 砂糖大根{蓬. 表. そ. 10F フ. 若いほ う れ ん 草. 葉. 種. 修酸含量(%). 類. 夏. 2. う事が明らかになった, 且てはほうれん tamin A.C 及び 鉄分が含ま 草には Vi. 041. 39. 0名. 50. れその栄養価を失わぬ為水を用いず蒸し. 049. 72. 044. 73. 煮と云う事が行われた時 代もあった, あ. くが強く味も悪かったがこう した修酸が 多量に含まれて居る事を考えると恐ろし. 3- -8.

(4) . 植物性食品の修酸含有量と栄養に就いて. い事である. 次に噂好品のお茶について検べた, 実験方法は試料3gに熱湯loo c c .を加え3分間放置 し溶出せ , る滋液を実験に供した其の結果は次の如 し, 表の如く玉露には修酸含量最も高く次いで煎茶, 番茶に最も --- ------ 少くほうじ茶 紅茶にも含まれて居る, 茶から来る蔭酸の量は , 茶 の 種 類 1修 酸 含 量 竪 少い様であるが単独にお茶だけ飲まれた場合叉濃い お茶を飲ん 第 6. フ. 表. ほうじ茶 香 茶 煎 玉 紅 抹. 6 O . 6 3 . 8 5 .. 茶 露 茶. だ場合その影響力は少くないものと考えられ る, 玉露を粉にし. た抹茶等は全部を飲んで終うので一層量は多いと考えられる, 高血圧の方が医師から抹茶を飲むことを禁じられたと云って居. 15 3 . 4~5. たが此辺の影 響ではなかろぅか,. 免に角今日の食生活に於て最も考えなければならない事は此. 実験出来ずG 実験出来ず (慮. 茶. 過困難のため 過「 難のた ). 処数年来特に多く用いられるようになったほうれん草である. 1回に用いられるほうれん草の量が問題である, 即食品中に含まれる可溶性の Caは 修酸 Ca とな り Ca の吸収が非常に悪くなるのが其の一つであるが 更に悪い事は中和量以上の修酸がある場合過 剰の諺酸が血液の中に吸収され血液中の可溶性 Ca と結合 し血液中に沈澱が出来うる事が考えられ る, 之について栄研の岩尾格氏3月まCaに対応する以上の彦酸が存在する時 その含有量と飼育期間 00% の発現率で尿路結石の形成をみたと報ぜられて居る。 の長短に応じて常に30~1. 依って我々が普通の食事を摂る場合同時にほうれん草を用いた場合の Caと修酸のっり合に つい. て検べて見よう. 国民食糧および栄養対策審議会による日本人食糧構成試案に基づき其の食品中の. Ca 量 を 見 る に. 第 食. 品. 7. 表. o 摂販 劉l o g 中の Ca 竃 。. 摂取a多い繋ぎ !『量書し ; , ,. 360. 30. 20. 20. 4. 100. 35. 35. 200. 12. 24. 100. 13. 13. 30. 192. 57. lo. loo. lo. 120. 30. 36. lo. 5. I. 20. 100. 20. lo. 15. I. 150. 南瓜 44. 南瓜 66. 150. lo. 15. 50. 15. 15. 撃 500 わかめこん一. 108. 108. わかめ. 7. 4 35 24 13 57 lo 36 I 20 I. 人参. io 15 7. こ ん≧ ; 75. 浅草のり 3. 472. 323. 上表の如く Ca の摂取量は有色野菜, 海藻類の種類の選び方によっても著しく 左右され 多い時は 472mg 少 い 時 は 323mg と 云う 150mg の差 を 生ず る. 依 って 1 日 3 回食とし之を3等分すると 1回 量 が 160~1lomg の Ca 量 とな る,. 此 際 1 回に ほ うれ ん 草 の 浸 し物 loogr を 食 べ た と す る と 400mg の 修 酸 が あ る の で 中 和 に要す る - 84 -.

(5) . 村. 吉. 子. 花. Ca 量 は (中和 す る 分 子 量 の 比, 修酸 90: Ca40 で あるか ら) 180mg なければならない .従って ,. Caが20~7 0mg不足する, 過剰の修酸が吸収されると云う危険性がある理である , 時に食欲のな い時さっぱりした食事がよいと云ってほうれん草に味の素と鰹節をかけて舌鼓を打って済ま した場 合恐しい事と云わなければならない. 次にほうれん草の量を半分にして丁度 卵大50gr どけとったら プ 如 何 か, 之 は 修 酸 含 量 200gr で 9omg の Ca と中 和 す る ,. 従 っ て 食 品 中に 160~11omg の Ca が 含. まれて居る場合則好ましい食品配合がなされて居ればCaが7 0~2 0mg残る事になる, 繰返す様で あるが如何に少量でもほうれん草だけで落す事0士危険であると考えたい, 之は修酸が過剰である危 険性とCaの修酸塩は不溶性の為腸からの吸収率が甚悪いの である即小笠原氏1 ) によると腸管内に. 修酸ソ←ダを注射すると Ca の吸収率は 2 0% 前后となり他の有機物質の注射の際は 60~70% の Caか吸収される, 斯様に Ca吸収率は著しく劣るとの事である , 以上腸から吸収利用されるCa量次表の如くなる. 8. 第 Ca. 含. 有. 表. 昭 から吸収されるCa量. 量. 多{1回 F齢農書 1日. 160×3・ 480 ・ ・. 量 少 1回 F喬宏 離 合 {1日. 110mg 1lo×3…330mg. F盤多 i. 160mg. ′吸収きれ易い Ca ー吸収され難い Ca. 朝 昼. タ 1日. F滋鵠少. 朝 昼. { 叢書富g 蚤 I. 夕 1日. Ca 含量 多い. 摂る. 食品配合 含量 少い 食品配合. Ca. 1臼 1日. 上表の計算よりすると適当の食品配合の場合其 Caの吸収量は20 0~3 0 0mg 余りとなり Heysted 2 { 氏 )の実験による低C可愛取者のCa平衡推持量に連 して居 る, 叉 Thorpe氏4 ) の 報告 によ る と尿. 中に排遣される Ca は 少 い 場 合 は loomg 多 い場 合は 300mg で Ca を 多く 含 む. 食 品 を 多 量に 摂っ て. 0mgを越えず (成長発育の場合を別と して) 叉 吸 収 される Ca が 無い場合も も吸収される量は30 l oomgは排世されると云う事を証明して居るものと考えられる 従って最高3 00mgが吸収される . 条件を作れば充分であると云う事になる, 日常食品中 Ca含量の高いものは牛乳で loogr中 loomg も含まれて居 りその吸収率もよいものとされて居る, 此最も利用率のよい牛乳を以て してもアメ リ カ人についてその吸収率を検べた処によると2 0 30% 程度が吸収される程度であると , 之を日本 人について速水氏が実験した処によると4 0% が吸収されたと報ぜられる, 之は日本人の Ca飽 0・6 和度の低い結果が吸収率を高めた事 になるのであろうと述べて居る, 同一栄養源も受入れ側の条件 が大 きく左右するものであり叉過剰に摂つても不 必要なものは吸収されない事 の証明でも ある, - 85 -.

(6) . 植物性食品の修酸含有量と栄養に就いて 1 日 1 回 50grの ほ う れ ん 草 を 食 べ た 場 合 も 289~186mg の Ca が 吸 収 され 充 分 と は 云 えな い が 間. 00~96mg となり少い場合は Ca不足とな に合 って居る, 然し50grづつでも三度三度摂つた場合2 る, 而も此の場合の Ca含量少い場合と雄先に挙げた数字は栄養審議会案に基づく 各種食品を組合 せて摂つた場合であって栄養学的考慮の払われない場合には或ははるかに少いことも考えられる,. 0grを用いた場合 修酸による Caの吸収不足を補う便利な方法は牛乳(或 故にほうれ ん草のお浸し5 omg 含むので丁度中和される事になる, は脱脂乳) である. 牛乳を約5勺用いると Caを9 1 米人がほうれん草を盛に推賞して用いて居るが 方充分にミルクを飲んで過剰の Caを 摂って居. る豊な食生活にある為に何等の心配がないのである, 総. 括. 1) 1般に野草に修酸が多く 含まれて居ると云うが必ずしもそうではない.. 2 ) ほうれん草中の修酸含量は他の植物性食品中最も高く幼いもの程叉新芽の処程多い, 0% 以上の 修 酸が普通 3) ほうれ ん草はゆでて水にさらす事により修酸が相当除かれるが, 猶5. の こる,. 4 ) 従って日本人の食生活に Ca が不足し勝であると云われるが 其の影響力の大なるものにはほ. うれん草がえ考られると思う, 5 ) 以上の事よりほうれん草を用いる場合1 方Caの多い食品, 例えば牛乳或は脱脂乳の如きも. のを併せ用いる事が望ましい, 6) 噌好食品の茶の中にも修酸が含まれ若芽より作られた高級品ほ ど其の含 量は高い, 抹茶に於 て は特 に 著 しい も の と 云 え よ う, 文. 献. 1) 小笠原公 : 生化学 2 8 ー95 6) 141 . (. 2) Hegs t ed: J 1 . NeL , . 46 . (1952) 181. 3) 岩尾 格 : 食生活 昭 和30年3月 4) Thoipe: Biochfor Medicai Students London (1938) 411. 一 86 一.

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参照

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