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平成 29 年度産業経済研究委託事業 ( 企業の地方税負担に関する調査 ) 報告書 平成 30 年 3 月 株式会社野村総合研究所

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(1)

平成29年度産業経済研究委託事業

(企業の地方税負担に関する調査)

報告書

平成 30 年 3 月

株式会社野村総合研究所

(2)
(3)

はじめに

■本調査の背景と目的

企業の国際競争力の強化及び国内立地の促進等を図るためには、企業の設備投資環境の 改善を図ることが重要である。特に地方税について企業の税負担を見直すことで、新規の 設備投資を促進し、老朽化した設備の入替えによる生産性の向上や新規立地の増加を図る 必要がある。

このため、固定資産税等の企業の地方税等の負担について調査・分析を行うことを目的 とする。

■本調査の実施内容

(1)企業が負担する国内地方税の現状分析

企業が負担する固定資産税に関し、各種統計等を集計・分析し、業種別の視点から詳細 な整理を行った。また、企業の税負担が変化した場合の政策効果(投資・GDPへの影響 等)を短期と中長期に分けて推計した。短期では、税制の変更による税負担の減少から生 じる乗数効果を推計し、付加価値の増加額を推計した。中長期では、設備投資による資本 財(固定資産)のストックの増加を考慮した生産・消費・投資の増加を検討した。

(2)企業の税負担に係る国際比較

企業が負担する法人税、固定資産税等を中心に、企業の税負担の最新状況を把握するた め、欧州の先進国(フランス、ドイツ)における制度やその改正の経緯、背景にある経済 情勢の変化等を調査し、国際比較を行った。

調査に当たっては、政府機関、研究機関及び企業等の公表資料から情報収集を行うとと もに、欧州の現地調査を行った。

(4)

目次

Ⅰ.償却資産課税の変更に関する税収変化の推計 ... 1

0.本推計の目的 ... 1

1.検討の枠組み ... 1

2.フローの推計 ... 3

3.フローからストックの推計 ... 12

4.償却方法に変更による影響 ... 19

Ⅱ.経済効果 ... 21

0.本推計の目的 ... 21

1.経済効果の考え方 ... 21

2.短期的効果 ... 22

3.中長期的効果 ... 31

Ⅲ.海外の法人関連税制の動向 ... 38

1.調査の対象 ... 38

2.ドイツ財産税 ... 38

3.フランス職業税 ... 54

4.フランスにおける法人税率引下げの動向 ... 68

5.欧州における共通法人税制 ... 78

(5)

1

. 償却資産課税の変更に関する税収変化の推計

0.本推計の目的

本推計では、償却資産等の固定資産の評価を際の償却方法の変更を行った場合に、業種別 に企業の税負担の変化の傾向を明らかにすることを目的としている。

1.検討の枠組み

償却資産等の固定資産の税額の算出は、固定資産の課税標準額×税率で計算されるため、

償却方法を変更した場合の税負担の変化を計算するためには、まず固定資産の課税標準額 を導出する必要がある。課税標準額の算出のために評価される固定資産としては、生産用機 械、業務用機械等の機械・設備や構築物等が含まれ、マクロ的にはこれらの固定資産に対し 毎年設備投資がなされている。固定資産は、故障や劣化等が発生しなければ、長期に渡り保 有さるため、課税標準額は過去から保有している対象の固定資産となる評価額の累計とな る。したがって、課税標準額を算出するためには、まず固定資産の資産別の設備投資額を長 期間において推計する必要がある。

次に、各年の設備投資額からストックの課税標準額を算出するためには、固定資産の減価 償却と除却について考慮しなければならない。減価償却とは、固定資産が使用するにつれて、

財としての価値を減少することを評価することで、除却とは、廃棄等を行うことである。こ れらを考慮した計算の結果、減価償却済み、除却分が控除され、ストック額が推計される。

固定資産税額をマクロ的に推計する場合には、免税点1の償却資産分を控除した後、税率 をかけることにより、償却方法を変更した場合の税額の変化が把握できる。

これらをとりまとめたものが図表 1 であるが、以降ではこのフローにしたがって検討を 進める。

1 免税点とは、課税標準額が一定の金額未満の場合に課税しないこととされている場合 の、その一定の金額をいう。償却資産においては、課税標準額が150万円未満の場合に は固定資産税を課することができないとしている。

(6)

2

図表 1 固定資産への課税方法に変更による税負担の変化の推計方法

フローの推計

各年の設備投資額の推計

ストックの推計

固定資本の各年の設備投資額をもとに減価 償却、除却を考慮し推計

税額の推計

課税標準に税率をかけ税収計算

(7)

3 2.フローの推計

各年の設備投資のフローの推計は、以下の手順で進める。

図表 2 各年の設備投資の推計の手順

固定資本マトリックスによる 固定資産別の設備投資額の収集

(4、5頁参照)

長期間の分類の整合のためのコンバ ータの作成(6頁参照)

・資本財コンバータ(7頁参照)

・業種コンバータ(8頁参照)

生産者価格から 購入者価格への変換

(9、10頁参照)

中間年の設備投資額の接続

(10頁、11頁参照)

課税対象とならない資本財の除外

(10頁参照)

(8)

4 2.1 設備投資額のデータ収集

図表 3 のように、業種別・品目別の設備投資額が整備されている固定資本マトリックス に基づき、固定資産別の設備投資額を長期的に推計する材料とする。

固定資本マトリックスは、産業連関表の付属表で(2011年を除き)通常5年おきに作成 されており、政府及び民間が1年間に行った国内総固定資本形成2について、資本財の種類 ごとに産出先の部門内訳(業種別)を明らかにしたものである。

産業連関表の取引基本表における固定資本形成は、最終需要の「国内総固定資本形成(公 的)」及び「国内総固定資本形成(民間)」として資本財の種類ごとにその総額が列ベクトル で計上されているのみであり、どの列部門(資本形成部門)がどのような資本財をどれだけ 購入(資本形成)したかについては示されていない。そのため、固定資本マトリックスでは、

「公的」及び「民間」別について、生産活動等を行う列部門別に固定資本形成の内訳をマト リックスで示している。

ここでは、固定資産税の対象となる資産の推計に用いるため、民間の固定資本マトリック スを用いる。

図表 3 固定資本マトリックスの様式

出所)総務省ホームページ

固定資本マトリックスは1970年より作成されているが、この統計データを長期的に収集 する。

2 日本国内において民間法人が新規に購入した有形または無形の資産(中古品やスクラ ップ、土地等の純販売額は控除。マージン、移転経費は含む)であり、有形固定資 産、無形固定資産、有形非生産資産の改良(土地の造成・改良、鉱山・農地等の開 発、拡張等)が含まれる。

(9)

5

図表 4 長期的な固定資本マトリックスのデータの収集

機械及び装

船舶 航空機 車両および運

搬具

工具・器具及 び備品 その他 農林水産業

鉱業 製造業

建設 電力・ガス・水道

 ・・・

 ・・・

 ・・・

サービス 分類不明

機械及び装

船舶 航空機 車両および運

搬具

工具・器具及 び備品 その他 農林水産業

鉱業 製造業

建設 電力・ガス・水道

 ・・・

 ・・・

 ・・・

サービス 分類不明

機械及び装

船舶 航空機 車両および運

搬具

工具・器具及 び備品 その他 農林水産業

鉱業 製造業

建設 電力・ガス・水道

 ・・・

 ・・・

 ・・・

サービス 分類不明

2005 2011 1995 2000

1975 ・・・

1970

固定資本 マトリックス

固定資本

マトリックス 固定資本

マトリックス

固定資本 マトリックス

固定資本 マトリックス

固定資本 マトリックス

1970年の設備投資分

・・・・・

1975年の設備投資分 機械及び装

船舶 航空機 車両および運

搬具

工具・器具及 び備品 その他 農林水産業

鉱業 製造業

建設 電力・ガス・水道

 ・・・

 ・・・

 ・・・

サービス 分類不明

1970年の設備投資額

・・・

(10)

6 2.2 コンバータの作成

固定資本マトリックスが作成された年により、業種ならびに資本財(固定資産)の分類が 異なっている。そのため、各年の固定資本マトリックスを接続するためには、業種ならびに 資本財(固定資産)の分類を整合させる必要がある。

以降では、図表5のように、資本財コンバータ、業種コンバータと呼ばれる分類を整合さ せる方法について言及する。

図表 5 コンバータ作成の必要性と進め方 1970年

固定資本 マトリックス

1975年 固定資本 マトリックス

2005年 固定資本 マトリックス

2011年 固定資本 マトリックス

・・・

1970 資本財

分類

・・・

各年で業種分類、資本財分類が異なる

1975 資本財

分類

2005 資本財

分類

2011 資本財

分類

資本財分類の整合

1970 業種分類

1975 業種分類

業種分類の整合

・・・ 2005

業種分類

2011 業種分類

(11)

7 2.2.1 資本財コンバータ

1970年から2011年の固定資本マトリックスは、すべての作成年において同じ資本財(固 定資産)の分類で構成されているわけではないので、作成年の間でこれらの分類を調整する 必要がある。

そのため、図表 6 のように各年の分類を調整し、全期間での共通の固定資産の分類を作 成する必要がある。例えば、家具・装備品に関しては、1975年においては木製家具・建具 材、その他の木製家具、金属製家具となっていたが、2011年は木製家具、金属製家具、そ の他の木製家具・装備品となっていた。そのため、これらの分類を接続するために統合し、

家具・装備品とした。

図表 6 資本財(固定資産)のコンバータの作成方法

【全期間での固定資産の分類】

1970年 IOコード

1970年 IO財名称

1975年 IOコード

1975年 IO財名称

1980年

IOコード ・ ・ ・ 2011年 IOコード

2011年 IO財名称

1970年~

2011年 IOコード

1970年~

2011年 IO財統合名称

0113010 柑きつ 0013010 柑きつ 0013-010 0114-011 かんきつ 0114-011 かんきつ

0113020 りんご 0013020 りんご 0013-020 0114-012 りんご 0114-012 りんご

0113090 その他の果物 0013090 その他の果物 0013-090 0114-019 その他の果実 0114-019 その他の果実

0114329 その他の飲料用作物 0014690 その他の飲料用作物 0014-690 0115-029 その他の飲料用作物 0115-029 その他の飲料用作物

0114400 製紙原料作物 0015230 製紙原料作物 - - - 0116-099 製紙原料作物

0116190 その他の酪農生産物 0016190 その他の酪農生産物 0016-190 0121-019 その他の酪農生産物 0121-019 その他の酪農生産物

0116991 肉畜 0016920 肉畜 0016-920 0121-099 他に分類されない畜産 0121-099 他に分類されない畜産

0117010 繊維用畜産(羊毛を除く) - - - 0121-099 他に分類されない畜産 0121-099 他に分類されない畜産

0118020 養蚕副産物 0017020 養蚕副産物 0017-020 0121-099 他に分類されない畜産 0121-099 他に分類されない畜産

2330000 ロープ・漁網 2390400 ロープ・漁網 2390-400 1519-091 綱・網 1519-091 綱・網

2390300 製綿・じゅうたん 2390300 製綿・じゅうたん 2390-300 1529-021 じゅうたん・床敷物 1521-000 繊維製品(除綱・網)

2390300 製綿・じゅうたん 2390300 製綿・じゅうたん 2390-300 1521-011 織物製衣服 1521-000 繊維製品(除綱・網)

2390300 製綿・じゅうたん 2390300 製綿・じゅうたん 2390-300 1521-021 ニット製衣服 1521-000 繊維製品(除綱・網)

2390300 製綿・じゅうたん 2390300 製綿・じゅうたん 2390-300 1529-011 寝具 1521-000 繊維製品(除綱・網)

2520020 木製品(除別掲) 2520020 木製品(除別掲) 2520-020 1619-099 他に分類されない木製品 1619-099 他に分類されない木製品

2600110 木製家具・建具材 2600110 木製家具・建具材 2600-110 1621-011 木製家具 1621-000 家具・装備品

2600110 木製家具・建具材 2600110 木製家具・建具材 2600-110 1621-011 木製家具 1621-000 家具・装備品

2600190 その他の木製家具 2600190 その他の木製家具 2600-190 1621-011 木製家具 1621-000 家具・装備品

2600190 その他の木製家具 2600190 その他の木製家具 2600-190 1621-099 その他の家具・装備品 1621-000 家具・装備品

2600200 金属製家具 2600200 金属製家具 2600-200 1621-021 金属製家具 1621-000 家具・装備品

2600200 金属製家具 2600200 金属製家具 2600-200 1621-099 その他の家具・装備品 1621-000 家具・装備品

・・・

3601100 原動機・ボイラー 3601100 原動機・ボイラー 3601-100 3541-031 舶用内燃機関 2911-000 原動機・ボイラ

3602100 工作機械 3602100 工作機械 3602-100 3016-011 金属工作機械 3016-011 金属工作機械

3602200 金属加工機械 3602200 金属加工機械 3602-200 3016-021 金属加工機械 3016-021 金属加工機械

3603100 農業機械 3603100 農業機械 3603-100 3011-011 農業用機械 3011-011 農業用機械

3603200 鉱山・土木建設機械 3603200 鉱山・土木建設機械 3603-200 3012-011 建設・鉱山機械 3012-011 建設・鉱山機械

3603300 化学機械 3603300 化学機械 3603-300 3015-011 化学機械 3015-011 化学機械

3603400 繊維機械 3603400 繊維機械 3603-400 3013-011 繊維機械 3013-011 繊維機械

3603510 食料品加工機械 3603510 食料品加工機械 3603-510 3014-011 食品機械・同装置 3014-011 食品機械・同装置

3603520 製材木工機械 3603520 製材木工機械 3603-520 3014-012 木材加工機械 3014-012 木材加工機械

3603530 パルプ装置・製紙機械 3603530 パルプ装置・製紙機械 3603-530 3014-013 パルプ装置・製紙機械 3014-013 パルプ装置・製紙機械

3603540 印刷・製本・紙加工機械 3603540 印刷・製本・紙加工機械 3603-540 3014-014 印刷・製本・紙工機械 3014-014 印刷・製本・紙工機械

3603551 冷凍機・同装置 3604141 冷凍機・同装置 3604-141 2914-011 冷凍機・温湿調整装置 2914-011 冷凍機・温湿調整装置

3603552 温湿調整装置 3604142 温湿調整装置 3604-142 2914-011 冷凍機・温湿調整装置 2914-011 冷凍機・温湿調整装置

3603561 娯楽用機器 3604153 娯楽用機器 3604-153 3112-012 娯楽用機器 3112-012 娯楽用機器

- - 3604151 サービス用機械 3604-151 3112-019 その他のサービス用機器 3112-019 その他のサービス用機器

- - 3604152 自動販売器 3604-152 3112-011 自動販売機 3112-011 自動販売機

- - 3603571 鋳造装置 3603-571 3015-021 鋳造装置 3015-021 鋳造装置

3603569 その他の特殊産業機械 3603579 その他の特殊産業機械 3603-579 3019-099 その他の生産用機械 3019-099 その他の生産用機械

- - 3603572 プラスチック加工機械 3603-572 3015-022 プラスチック加工機械 3015-022 プラスチック加工機械

- - - - - 3017-011 半導体製造装置 3017-011 半導体製造装置

- - - - - 3019-021 真空装置・真空機器 3019-021 真空装置・真空機器

3603600 産業車輌 3604160 産業用運搬車両 3604-160 3599-091 産業用運搬車両 3599-091 産業用運搬車両

3603700 その他の機械 3604170 工業窯炉 3604-170 2919-099 他に分類されないはん用機械 2919-099 他に分類されないはん用機械

- - - - - 3016-031 機械工具 3016-031 機械工具

3604110 ポンプおよび圧縮機 3604110 ポンプおよび圧縮機 3604-110 2912-011 ポンプ・圧縮機 2912-011 ポンプ・圧縮機

3604120 運搬機械 3604120 運搬機械 3604-120 2913-011 運搬機械 2913-011 運搬機械

3604130 破砕,ま砕および選別機 3603200 鉱山・土木建設機械 3603-200 3012-011 建設・鉱山機械 3012-011 建設・鉱山機械

3604190 その他の一般産業機械および装置3604190 その他の一般産業機械および装置3604-190 2919-099 他に分類されないはん用機械 2919-099 他に分類されないはん用機械

3703210 電子計算機同付属装置 3703000 電子計算機同付属装置 3703-000 3421-021 電子計算機本体(パソコンを除く。) 3421-021 電子計算機本体(パソコンを除く。)

3703210 電子計算機同付属装置 3703000 電子計算機同付属装置 3703-000 3421-031 電子計算機附属装置 3421-031 電子計算機附属装置

3703220 その他の電子応用装置 3704220 その他の電子応用装置 3704-220 3331-011 電子応用装置 3331-011 電子応用装置

3703300 電気通信機械および関連機器 3704300 電気通信機械及び関連機器 3704-300 3412-011 有線電気通信機器 3412-011 有線電気通信機器

3703300 電気通信機械および関連機器 3704300 電気通信機械及び関連機器 3704-300 3412-021 携帯電話機 3412-020 無線電気通信機器

3703300 電気通信機械および関連機器 3704300 電気通信機械及び関連機器 3704-300 3412-031 無線電気通信機器(携帯電話機を除く。) 3412-020 無線電気通信機器

3703300 電気通信機械および関連機器 3704300 電気通信機械及び関連機器 3704-300 3412-099 その他の電気通信機器 3412-099 その他の電気通信機器

3703400 電気計測器 3704400 電気計測器 3704-400 3332-011 電気計測器 3332-011 電気計測器

(12)

8 2.2.2 業種コンバータの作成

1970 年から 2011 年の固定資本マトリックスは、すべての作成年において同じ固定資産 の分類、同じ業種の分類で構成されているわけではないので、作成年の間でこれらの分類を 調整し共通化する必要がある。

そのため、図表7のように各年の分類を調整している。例えば、1975年においては農業 の分類であったが、2011 年には耕種農業、畜産、農業サービスに分かれているため農業に 統合している。

図表 7 業種コンバータの作成

【全期間での業種の分類】

1970年 IOコード

1970年 IO業種名称

1975年 IOコード

1975年

IO業種名称 ・・・ 2011年

IOコード 2011年 IO業種名称

1970年~

2011年 IOコード

1970年~

2011年 IO業種統合名称

101 農業 101000 農業 01-0010 耕種農業 01-0001 農業

101 農業 101000 農業 01-0020 畜産 01-0001 農業

101 農業 101000 農業 01-0030 農業サービス 01-0001 農業

102 林業(狩猟業を含む) 102050 林業(狩猟業を含む) 01-0040 林業 01-0002 林業

103 漁業 103060 漁業 01-0050 漁業 01-0003 漁業

104 鉱業 104000 鉱業 02-0020 石炭・原油・天然ガス 02-0000 鉱業

104 鉱業 104000 鉱業 02-0020 石炭・原油・天然ガス 02-0000 鉱業

104 鉱業 104000 鉱業 02-0010 金属鉱物 02-0000 鉱業

104 鉱業 104000 鉱業 02-0030 非金属鉱物 02-0000 鉱業

105 食品工業 105000 食品工業 03-0010 食料品 03-0000 食料品・飲料・たばこ・飼料製造業

105 食品工業 105000 食品工業 03-0020 飲料 03-0000 食料品・飲料・たばこ・飼料製造業

105 食品工業 105000 食品工業 03-0030 飼料・有機質肥料(別掲を 除く。) 03-0000 食料品・飲料・たばこ・飼料製造業

105 食品工業 105000 食品工業 03-0040 たばこ 03-0000 食料品・飲料・たばこ・飼料製造業

106 繊維工業 106000 繊維工業 04-0010 繊維工業製品 04-0000 繊維工業

106 繊維工業 106000 繊維工業 04-0010 繊維工業製品 04-0000 繊維工業

106 繊維工業 106000 繊維工業 04-0020 衣服・その他の繊維既製品 04-0000 繊維工業

・・・

128 運輸 128510 運輸 28-0010 鉄道輸送 28-0010 鉄道業

128 運輸 128510 運輸 28-0020 道路輸送(自家輸送を除く。) 28-0020 道路運送

128 運輸 128510 運輸 - - 28-0020 道路運送

128 運輸 128510 運輸 28-0040 水運 28-0040 水運業

128 運輸 128510 運輸 28-0050 航空輸送 28-0050 航空運輸業

202 港湾 202000 港湾 28-0080 運輸附帯サービス 28-0060 その他の運輸業

203 空港 203000 空港 28-0080 運輸附帯サービス 28-0060 その他の運輸業

128 運輸 128510 運輸 28-0060 貨物利用運送 28-0060 その他の運輸業

128 運輸 128510 運輸 28-0070 倉庫 28-0060 その他の運輸業

128 運輸 128510 運輸 28-0080 運輸附帯サービス 28-0060 その他の運輸業

128 運輸 132600 梱包 28-0080 運輸附帯サービス 28-0060 その他の運輸業

129 通信 129520 通信 29-0010 通信 29-0010 電信・電話・郵便業

- - - - 29-0040 インターネット附随サービス 29-0010 電信・電話・郵便業

129 通信 129520 通信 28-0090 郵便・信書便 29-0010 電信・電話・郵便業

131 その他のサービス 131000 その他のサービス 29-0020 放送 29-0020 放送

- - - - 29-0030 情報サービス 29-0030 情報サービス

- - - - 29-0050 映像・音声・文字情報制作 29-0050 映像・音声・文字情報制作

131 その他のサービス 131000 その他のサービス 34-0010 物品賃貸サービス 34-0010 物品賃貸サービス

- - - - 34-0020 広告 34-0020 広告

131 その他のサービス 131000 その他のサービス 34-0030 自動車整備・機械修理 34-0030 自動車整備・機械修理 131 その他のサービス 131000 その他のサービス 34-0040 その他の対事業所サービス 34-0040 その他の対事業所サービス 131 その他のサービス 131000 その他のサービス 31-0010 教育 31-0010 教育

131 その他のサービス 131000 その他のサービス 31-0020 研究 31-0020 研究

132 学術研究機関(政府) - - - - 31-0020 研究

- - - - 35-0040 娯楽サービス 35-0040 娯楽業

131 その他のサービス 131000 その他のサービス 35-0020 飲食サービス 35-0020 飲食サービス 131 その他のサービス 131000 その他のサービス 35-0010 宿泊業 35-0010 宿泊業

131 その他のサービス 131000 その他のサービス 35-0030 洗濯・理容・美容・浴場業 35-0050 その他の対個人サービス 131 その他のサービス 131000 その他のサービス 35-0050 その他の対個人サービス 35-0050 その他の対個人サービス 131 その他のサービス 131000 その他のサービス 32-0010 医療 32-0010 医療・保健・社会保障 131 その他のサービス 131000 その他のサービス 32-0020 保健衛生 32-0010 医療・保健・社会保障 131 その他のサービス 131000 その他のサービス 32-0030 社会保険・社会福祉 32-0010 医療・保健・社会保障 131 その他のサービス 131000 その他のサービス 32-0040 介護 32-0010 医療・保健・社会保障 131 その他のサービス 131000 その他のサービス 33-0010 その他の非営利団体サービ ス 33-0010 その他の非営利団体サービス

- - - - - - 36-0000 事務用品

135 分類不明 133610 分類不明 37-0010 分類不明 37-0010 分類不明

- - 130530 公務 30-0011 公務(中央) 30-0000 公務

- - 130530 公務 30-0012 公務(地方) 30-0000 公務

209 政府施設 - - - - 30-0000 公務

211 その他 210000 その他 - - 30-0000 公務

201 道路 201000 道路 38-0001 道路 38-0001 その他(道路)

204 住宅 204000 住宅 38-0002 住宅 38-0002 その他(住宅)

205 環境衛生 205000 環境衛生 38-0003 環境衛生 38-0003 その他(環境衛生)

208 国土保全 208000 国土保全 38-0004 国土保全 38-0004 その他(国土保全)

210 土地造成 209000 土地造成 38-0005 土地造成 38-0005 その他(土地造成)

(13)

9 2.3 生産者価格から購入者価格への転換

固定資本マトリックスは、生産者価格で構成されているため、民間企業が設備投資等のた めに購入した価格(購入者価格)とは異なっている。そのため、購入者価格に転換する必要 があり、卸売マージン、小売マージン、鉄道貨物輸送等の輸送マージン、倉庫のマージン等 の生産者から購入者に固定資産が流通する間に生じるマージン等を各固定資産に付加する 必要がある。

図表 8 生産者価格から購入者価格への転換

固定資本マトリックスの各行の資本財について、産業連関表の国内総固定資本形成の額 を購入者価格と生産者価格を調べ、両者の比率(購入者価格/生産者価格)をとる。この比 率を各行の業種の額にかけることで、マージン分を付加する。

図表 9 マージン分を付加する方法 生産者価格

流通マージン

購入者価格

固 定資本マ トリッ ク スの業種 別設備 投 資額は生 産者価 格。

購入者価格では、固 定資産別のトータル の固定資本形成額が 示されているいが、

業種別の額は示され ていない。

輸送マージン、流通マージン等を各産業の生産 者価格での総固定資本形成額に付加する。

輸送マージン その他のマージン

各資本財の国内総固定資本 形成の購入者価格の額と生 産者価格の額の比率を該当 する行の投資額にかける

(14)

10

なお、産業連関表の生産者価格表等の売り手が供給する財・サービスの名称が固定資本マ トリックスの資本財と一致しない場合は、両者をコンバート(整合)させて購入者価格/生 産者価格の比率をとる。

2.4 課税対象とならない資本財(固定資産)の除外

課税対象により、固定資本マトリックスの資本財分類のすべてを用いるわけではない。

具体的には、償却資産を対象とした場合、非住宅建築(木造)、非住宅建築(非木造)、農 林関係公共事業、その他の土木建築は除く必要がある。また、償却資産の対象外となる資本 財として「乗用車」、「トラック・バス・その他の自動車」、「二輪自動車」も除かれる。

2.5 中間年の設備投資額の接続

固定資産マトリックスが作成されていない中間年の設備投資額については、前後の推計 額を線形で接続して求めることとした。例えば、2000年の設備投資額がA円で2005年が B円の場合は、2002年はA+(B-A)×2/5円となる。

直近に作成された固定資本マトリックスは2011年であるが、それ以降は個々の資本財に ついての総固定資本形成は把握できない。そのため、業種間・資本財間の構成は2011年の ものとし、総固定資本形成の総額を内閣府「国民経済計算」の民間企業の総固定資本形成の 変化率にあわせて推計することとした。

(15)

11

図表 10 中間年の設備投資額の推計

機械及び装

船舶 航空機 車両および運 搬具

工具・器具及 び備品 その他 農林水産業

鉱業 製造業

建設 電力・ガス・水道

 ・・・

 ・・・

 ・・・

サービス 分類不明

機械及び装

船舶 航空機 車両および運 搬具

工具・器具及 び備品 その他 農林水産業

鉱業 製造業

建設 電力・ガス・水道

 ・・・

 ・・・

 ・・・

サービス 分類不明

機械及び装

船舶 航空機 車両および運 搬具

工具・器具及 び備品 その他 農林水産業

鉱業 製造業

建設 電力・ガス・水道

 ・・・

 ・・・

 ・・・

サービス 分類不明

2011 2005

1995 2000 1960 ・・・

1955

中間年は 線形補完

中間年は 線形補完

中間年は 線形補完

中間年は 線形補完

中間年は

線形補完 中間年は

線形補完 固定資本

マトリックス

固定資本 マトリックス

固定資本 マトリックス

固定資本 マトリックス

固定資本 マトリックス

固定資本 マトリックス 総固定資本

形成の民間 企業設備の 推移に応じ て推計

1955年の設備投資分

・・・・・

1956年の設備投資分 機械及び装

船舶 航空機 車両および運 搬具

工具・器具及 び備品 その他 農林水産業

鉱業 製造業

建設 電力・ガス・水道

 ・・・

 ・・・

 ・・・

サービス 分類不明 1955年の設備投資額

・・・

(16)

12 3.フローからストックの推計

各年の投資された固定資産は、生産設備として数年間は稼働させ、故障や新製品の固定資 産との生産能力に大きな差が生じた場合に、除却されることになる。このような過程を考慮 すると、設備投資を実施した年ごとに資産別設備投資額から評価額を計算し、これに残存率 をかけることにより各資産のストック額を推計する。

図表 11 ストック額の推計方法

内閣府「民間企業投資・除却調査」

の資産別の使用期間分布より推計 2005 2011

1990 1995

・・・

1955

1990年の 資産別設備投資の

資産価額

(減価償却済み)

資産別の 残存率

(1990年=100%)

×

100%

0%

耐用年数、減価償却方法等 に基づき推計。

1990年の 資産別設備投資の

資産価額

(減価償却・除却済み)

他の年、他の資産も統合 して課税標準額を推計 2000

(17)

13 3.1 減価償却による評価

減価償却方法には、定額法、定率法があるが、さらに新定額法、旧定額法、新定率法、旧 定率法のように多数のものが存在している。以下に示したように、国税と地方税とでは、同 じ固定資産であっても、その償却方法が異なっている。

図表 12 国税と地方税における減価償却方法の違い

項目 国税 地方税

減価償却方法

平成19年3月31日以前取得

建物 旧定額法 原則として旧定率法(固定資

産評価基準に定める減価率)

構築物・建物附属設備 旧定率法、旧定額法等 の選択制度

その他(償却資産を含む)

平成19年4月1日~平成28年3月31日取得

建物 定額法 原則として旧定率法(固定資

産評価基準に定める減価率 構築物・建物附属設備 定率法、定額法等の選択制度

その他(償却資産を含む)

平成28年4月1日以後取得

建物 定額法 原則として旧定率法(固定資

産評価基準に定める減価率 構築物・建物附属設備

その他(償却資産を含む) 定率法、定額法等の選択制度

評価額の最低限度 備忘価額(1円) 取得価額の100分の5 中小企業者等の小額資産の損

金算入の特例

(租税特別措置法)

認められる 認められない

出所)東京都主税局 都税事務所「平成 30 年度 固定資産税(償却資産)申告の手引き」

を元に作成

なお、新定額法、旧定額法、新定率法、旧定率法の計算式については、図表13で示した とおりである。

(18)

14

図表 13 各償却方法の計算式(※( )内は補足説明)

旧定額法 取得価額×90%×旧定額法の償却率

(ただし、漁業権や特許権などの無形固定資産は、90%乗じる必要 がない)

旧定率法 未償却残高×旧定率法の償却率

(未償却残高とは取得価額から前年までの償却費の合計額を差し 引いた金額をいう)

定額法 取得価額×定額法の償却率

(平成19年度税制改正により、平成19年4月1日以後に取得する 減価償却資産については償却可能限度額及び残存価額が廃止され、

1円まで償却することとされた)

定率法 未償却残高×定率法の償却率(=調整前償却額)

(上記の金額が償却保証額に満たなくなった年分以後は、改定取得 価額×改定償却率の算式よる。なお、改定取得価額とは、調整前償 却額が初めて償却保証額に満たないこととなる年の期首未償却残 高をいう。改定償却率とは、改定取得価額に対しその償却費の額が その後同一となるように当該資産の耐用年数に応じた償却率をい う)

固定資産評価基準

に定める減価率 前年中に取得した資産 前年前に取得した資産 取得価額×(1-r/2) 前年度評価額×(1‐r)

r :耐用年数に応ずる減価率

(算出した評価額が取得価額の5%を下回る場合は、取得価額の5%

の額が評価額となる)

出所)国税庁ホームページ、東京都主税局 都税事務所「平成30年度 固定資産税(償却 資産)申告の手引き」を元に作成

(19)

15

購入した資本財(固定資産)の減価償却の方法は、定率法・定率法の違い、評価額の最低 限度(備忘価額1円か、取得価額の100分の5)により異なってくる。いくつかの償却方法 に基づく各年の評価額は、耐用年数が10年については図表14のようになる。

図表 14 異なる減価償却方法による評価額の違い

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 旧定率法(備忘価格1円)

旧定率法(残存簿価5%)(=現在の固定資 産税の減価償却方法)

新定率法(200%)

(20)

16 3.2 除却分の控除

法定耐用年数は、資産の一般的使用期間を考慮しているものの、あくまでも恣意性を排除 するため画一的に設定された基準年数であるため、耐用年数と実際の使用期間は一致しな い。

実際には、生産性向上等を意図した新たな設備の購入や故障による耐用年数未満での除 却や、新規設備の購入資金不足等を背景とした法定耐用年数以上の利用等が想定される。

そのため、内閣府「民間企業投資・除却調査」を用いて、資産ごとの使用期間のデータか ら、残存率(1-除却率)を求める。

使用期間の分布は、同じ時点(年度)に設置した資本財の除却が何年であるかをもとに求 めるべきであるが、今回は除却した時点(例えば2015年)から逆に資産を設置した時期に 基づき分布を規定することとする。その理由は、「民間企業投資・除却調査」は開始が平成 18 年度で現時点では 11 年間分のデータしかなく、耐用年数が長い資本財を中心に除却期 間の分布を把握しにくくなるためである。例えば、耐用年数20 年で20 年前の設置された 資本財については、恐らく20年後くらいに最も除却の頻度が多くなるだろうが、11年前か らしか統計のデータがないため、早期に除却されたサンプルしか入手できず使用期間の分 布を把握することができないであろう。

図表 15 使用期間の分布の課題

したがって、除却した資本財を設置した時点(年度)のデータをもとに、今回は使用期間 の分布を作成することとする。

なお、固定資産マトリックスと「民間企業投資・除却調査」とでは、業種ならびに資本財

(固定資産)の分類が異なっている。そのため、固定資産マトリックスのデータから「民間 企業投資・除却調査」の除却のデータを控除するためには、業種ならびに資本財(固定資産)

の分類を整合させる必要がある。

その方法は、前述の年次の違う固定資本マトリックスにおいて制作した資本財・業種のコ 2015

2005

年度 長い使用期間の場合は、

現時点では除却のデー タは入手できない可能性 がある。

同じ時点をもとにした分布 ではないが、長い使用期 間でもデータを入手できる

(21)

17 ンバータの作成と同様な方法で行う。

3.3 ストックの推計方法

特定の時点(N年)の設備投資についてのN+k年時点でのストック額を算出するには、

k年間においてN年の設備投資額について毎年償却・除却を行い求める。さらに、N+1年、

N+2年、・・・、N+k-1、N+k年の設備投資についても同様に求める。このように、現存 している固定資産(資本財)の評価額について、複数年について累積したものがストック額 となる。

図表 16 資本財のストック額の推計方法

N年 投資額

N年

償却・除却済み

(N+1年)

N+1年 投資額

N+1年

償却・除却済み

(N+2年)

N年

償却・除却済み

(N+2年)

N+2年 投資額

N+1年

償却・除却済み

(N+k年)

N年

償却・除却済み

(N+k年)

N+2年

償却・除却済み

(N+k年)

N+k-1年

償却・除却済み

(N+k年)

N+k年

償却・除却済み

(N+k年)

N+1年

償却・除却済み

(N+k-1年)

N年

償却・除却済み

(N+k-1年)

N+2年

償却・除却済み

(N+k-1年)

N+k-1年

・・・

投資額

・・・

N+k年の資本ストック

(22)

18 3.4 免税点分の控除

所有する償却資産が150万円(免税点)未満の場合は課税されない。そのため、推計さ れた資本財(固定資産)のストック額から免税点未満の事業者の償却資産のストックの分 を控除する必要がある。

総務省「平成27年度 固定資産の価格等の概要調書」によると、全国の償却資産の課 税標準額は113.6兆円で、そのうち150万円未満の償却資産を持つ事業者の課税標準額は 1.4兆円である。したがって、免税点を考慮して控除したストックの割合は約98.7%であ り、前述の固定資本マトリックスに基づくストック額の推計値にかける。

図表 17 償却資産の課税標準額と免税点分(単位:千円)

区分 150万円未満のもの

(免税点) 合計 免税点分を 除いた割合

課税標準額 1,436,522,313 113,613,706,124 約98.7%

出所)総務省「平成27年度 固定資産の価格等の概要調書」

3.5 税収の計算

税収においては、免税点分除いた課税標準額に対し、固定資産税の標準税率である 1.4%をかけて計算する。

(23)

19 4.償却方法に変更による影響

4.1 旧定率法において残存簿価5%の廃止の場合

償却資産課税における旧定率法では、残存簿価は5%となっている。

企業が耐用年数を過ぎても資本財(固定資産)を保有するケースは多いが、耐用年数を経 過後も毎年5%の税負担は継続されることになる。これに対し、旧定率法であっても、5年 後に備忘価格の1円まで減少していく償却方法も存在する。(なお、ここでの償却の計算は 最終的に0円としている。)

図表 18 旧定率法における残存簿価5%の場合と備忘価格1円の場合の比較

(耐用年数10年)

残存簿価5%を廃止した場合、幅広い業種の税負担が減少することがわかった。特に、耐 用年数を超えて使用している資本財が多いと考えられる製造業(電気機械、自動車等)に税 負担の減少効果が大きいと推計された。

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 旧定率法(備忘価格1円)

現在の固定資産税の減価償却方法

(24)

20 4.2 新定率法(200%)に変更の場合

残存簿価5%の旧定率法と新定率法(200%)の場合での比較を行う。新定率法(200%)

は、旧定率法よりも償却スピードが速い上に、評価額の最低限度も備忘価額の1円(計算上 は0円に設定)であるため、旧定率法と比較した場合の減税額は増加する。

図表 19 旧定率法(残存簿価5%)と新定率法(200%)の比較(耐用年数10年)

新定率法に減価償却の方法を変更した場合も、幅広い業種の税負担が軽減されることが わかった。製造業に加えて電気業も比較的多くの負担減になると推計される。

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 旧定率法(残存簿価5%)

新定率法(200%)

(25)

21

Ⅱ.経済効果

0.本推計の目的

Ⅰ.においては、減価償却の方法により固定資産税の税負担が軽減される可能性を言及し たが、ここでは税負担が軽減された結果、マクロ経済においてどのような影響が現れるかに ついて検討を行う。

1.経済効果の考え方

税において企業に対する負担が減少した場合の経済効果については、短期的効果と中長 期的効果に分けて検討する。

■短期的効果

短期的効果は、1年間に生じる経済効果とする。

短期では、設備投資や生産構造のような変化に 1 年以上の時間を要するものは含めず、

政策による付加価値の増加を短期的に反映しやすい消費による効果について推計する。

■中長期的効果

中長期的効果は、複数年にわたってのマクロ経済での変化を踏まえた効果とする。

中長期では、消費だけでなく設備投資や生産構造のようなその変化に 1 年以上の時間を 要するものも含めて推計する。

上記を整理したものが、図表20である。

図表 20 短期的効果、中長期的効果の違い

消費 投資 生産

短期的効果 ○ - -

中長期的効果 ○ ○ ○

(26)

22 2.短期的効果

短期的効果は、減税がもたらす 1 年間に生じる経済効果で、ここでは乗数効果の推計を 行なう。

2.1 乗数効果の考え方

例えば、政府支出の増加の政策を講じた場合、国内経済における新たな付加価値(下式で は、ΔG で示されている)が増加する効果が生じるが、乗数とは外生変数が 1 単位増加し た増加したことにより、国内経済全体での付加価値の総和がどれだけ増加するか(下式では、

ΔYで示されている)という比率を示している。

乗数=ΔY/ΔG---式 1

国内経済において乗数効果を発揮させるための政策としては、減税も考えられる。その場 合の乗数効果については後述する。

例えば、何らかの政策を講じたことにより設備投資が1,000億円(ΔG)だけ増加すると、

企業は資本財を生産する企業(以下、資本財生産企業)に対し発注を行う。この結果、資本 財生産企業は1,000億円の売上の増加がもたらされる。このように1巡目において、1,000 億円の付加価値が発生する。

2巡目においては、1巡目に発生した1,000億円の付加価値は、それが国内経済において 分配されることにより必ず誰かの所得となる。このようにして分配された所得は、消費され るか貯蓄されるかである。マクロの消費関数における限界消費性向を c1とした場合に、c1

×1,000 億円が消費され、残りの(1-c1)×1,000 億円が貯蓄されることになる。この結 果、2巡目においてはc1×1,000億円の付加価値が発生することになる。

3巡目においては、2巡目に発生したc1×1,000億円の付加価値は、それが国内経済にお いて分配されることにより必ず誰かの所得となる。このようにして分配された所得は、消費 されるか貯蓄されるかである。マクロの消費関数における限界消費性向をc1とした場合に、

c12×1,000億円(=c1×c1×1,000億円)が消費され、残りの(1-c1)×c1×1,000億円が 貯蓄されることになる。この結果、3巡目においてはc12×1,000億円の付加価値が発生する ことになる。

同様に、4 巡目においても同様な付加価値の分配、消費・貯蓄活動が行われるとすると、

c13×1,000億円(=c1×c12×1,000億円)が消費され、残りの(1-c1)×c12×1,000億円 が貯蓄され、c13×1,000億円の付加価値が発生することになる。

このようなプロセスを無限に繰り返した場合の付加価値の累積的な増加額ΔYは、式2の ように示される。

(27)

23

ΔY=(c1+c12+c13+・・・+c13+・・・)×ΔG---式 2

式2のうちc1+c12+c13+・・・+c1+・・・は、等比数列として以下のように表すこと ができる。

c1+c12+c13+・・・+c1+・・・=c1∑c1-=c1(c1-1)/(c1-1)---式 3

その場合、c1は消費性向で1より小さいため、それに係るnを無限大に持っていった場合 には、c1/(1-c1)に収束する。これにより乗数は、以下のようになる。

乗数=ΔY/ΔG= c1/(1-c1)---式 4

また、政策による付加価値の増加(ΔG)に基づく乗数効果は、以下のように計算される。

乗数✕ΔG=ΔY= c1/(1-c1)✕ΔG---式 5

このような乗数効果により付加価値が累積するプロセスを示したものが、図表21である。

(28)

24

図表 21 乗数効果が発生するプロセス 政府支出

(付加価値)

政策を講じたことにより発生した付加価値

(例:政府支出)

・ ・ ・

1-c1 c1

消費

(付加価値)

貯蓄

消費

(付加価値)

貯蓄

消費

(付加価値) 貯蓄

=1/(1-消費性向)

上記の付加価値の累積( の部分の和)

c1 1-c1

1-c1 c1

【 1 巡目】

【 2 巡目】

【 3 巡目】

【 4 巡目】

図表  54  職業税の改革効果(産業分野別税負担配分)
図表  67  日独行政機関ごとの税収構造比較(2012 年)

参照

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