物理学2
No. 5
総復習としての単振動
ばねによる⼒(復元⼒)
ばねによって作⽤される⼒は,ばねの⾃然⻑から ののびや縮みに⽐例し,ばねが⾃然⻑に戻ろうと する⽅向に作⽤する。
0 x
0 x
ばねが⾃然⻑のときの
おもりの位置をx=0とする
x 0
kをばね定数という F<0
x>0
F > 0
x<0 F = kx
ばね毎に決まる定数
ただし,のばしすぎたりしたときは成り⽴たなくなる
⾃然⻑:ばねがのび縮みしていないときの⻑さ
復元⼒による運動
0 x
F = kx
質量 m ばねが⾃然⻑のときの質点の位置
m d2x(t)
dt2 = kx(t)
運動⽅程式:
初期条件: t =0のときに x (0)= x0, v (0)= v0
運動⽅程式を解いて,この物体の運動を調べる
運動⽅程式を解く
m d2x(t)
dt2 = kx(t)
d2x(t)
dt2 = k
m x(t)
両辺を m で割る
d2x(t)
dt2 = !2x(t)
の形の微分⽅程式
! =
r k m
!
⼀般解は
x(t) = C1 cos !t + C2 sin !t積分定数
運動⽅程式を解く
初期条件を使って積分定数を決める
x(t) = C1 cos !t + C2 sin !tv(t) = dx(t)
dt = C1! sin !t + C2! cos !t
v(0) = C2! = v0 x(0) = C1 = x0
t =0のときを考えると,
C1 = x0, C2 = v0
!
より
( x(t) = x0 cos !t + v0
! sin !t
v(t) = x0! sin !t + v0 cos !t
条件を満たす解
が得られた!
運動の様⼦を調べる
t x
A
‒ A
x
0 x(t) = x0 cos !t + v0! sin !t =
r
x20 + v02
!2 sin(!t + ✓0) A =
r
x20 + v02
!2
振幅は
周期
単振動(調和振動)
接線の傾きが v0
単振動の重要性
単振動はばねの運動を記述するだけではない
⾃然界のあらゆるところで,近似的に単振動のようにふ るまう運動を⾒ることができる
⽅程式がばねの運動と同じ形をしているものは,単振動 としてあつかえる。
微分⽅程式が同じ形なら,数学的な解も同じ。
単振動の例
振り⼦の運動
O
弧に沿って X 軸をとる
質量 m
重⼒ mg 張⼒
X ⽅向の運動⽅程式
振り⼦の周期は
振り⼦の運動
X
t X
t
振れ幅が⼩さい場合,振り
⼦の運動は近似的に単振動 この時,周期は重⼒加 速度と⽷の⻑さで決ま り,振れ幅やおもりの 質量によらない
振れ幅が⼤きくなると近似が悪くなる
振り⼦の運動
振れ幅が⼤きくなる(単振動の近似が悪くなる)と,周期が最初 の振幅に依存するようになる。
だと周期はほとんど振幅によらない X
t
単振動の例2
⾃⼰インダクタンス L 電気容量 C
–Q +Q
両端の電圧が等しいから
m=L , k=1/C , x=Q と思え
ば,単振動の運動⽅程式
周期は
復元⼒のポテンシャル
F = kx
この⼒がする仕事は経路によらない
ポテンシャル U ( x )が存在する x =0を基準の位置に選ぶ( U (0)=0)
x =0から任意の位置Xまで質点が動くときに,
ばねによる⼒がする仕事は?
W =
Z X 0
F dx =
Z X 0
( kx)dx = k
2 X2 U (0) U(X)
= ポテンシャルの定義
U (x) = k
2 x2
0 x
F = kx
ばねによる⼒とポテンシャル
F = kx U(x) = k
2 x2
x U
F = dU (x)
dx = kx
ポテンシャルの勾配が保存⼒!
ポテンシャルと仕事
x = A から x =0までおもりが動く場合にばねがする仕事 W = U (A) U (0) = k
2 A2
この分だけポテンシャルが減る
U (A) = k2 A2 ! U (0) = 0
ばねが伸びたり縮んだりすると,そこには のエネルギー が貯まっていると思えばよい。
k
2 x2
x = x
0から x = x1まで質点が動くときに, F がする仕事は
U (x) = k
2 x2
0 x
F = kx
ポテンシャル
ポテンシャルの意味
ばねの場合を考えるのが分かりやすい
0 x
F = kx
x = A から x =0までおもりが動く場合にばねがする仕事 W = U (A) U (0) = k
2 A2
ポテンシャルが減る
U (A) = k2 A2 ! U (0) = 0
ばねが伸びたり縮んだりすると,そこには のエネルギー が貯まっていると思えばよい。
k
2 x2
エネルギー保存則
単振動の場合,作⽤している⼒は保存⼒のみ
( x(t) = x0 cos !t + v0! sin !t
v(t) = x0! sin !t + v0 cos !t
! =
r k m
!
運動エネルギーとポテンシャルの和を計算してみる
K + U = m
2 v2 + k
2 x2
= m
2 ( x0! sin !t + v0 cos !t)2 + k 2
⇣x0 cos !t + v0
! sin !t⌘2
= m
2 v02 + k
2 x20 cos2 !t + sin2 !t = 1
に注意
確かに時間によらず⼀定値!
エネルギー積分
保存⼒だけが作⽤する場合には,エネルギー保存則を利⽤して 運動⽅程式を1回積分することが可能
m dv
dt = F F = dU dx m dv
dt = dU dx mv dv
dt = dU dx
dx
dt = dU (x(t)) dt
両辺を t で積分すると
m2
dv2 dt
=
m
2 v2 = U (x(t)) + C v(t) =
r
C 2U (x(t)) m
ばねの場合
v(t) =
r
C 2U (x(t)) m
!2 v(t) =
r
C k
m x(t)2
より だから
dx(t)dt = p
C !2x(t)2
あとは変数分離で積分
あるいは,
v(t)2 + !2x(t)2 = Cx v
( v(t) = C cos(!t + ✓0) x(t) = C
! sin(!t + ✓0)
のようにして解くこともできる。
エネルギー保存則と可動範囲
x U
x
K = m 2 v2
U = k
2 x2
E = m
2 v02 + k
2 x20
エネルギー保存則と可動範囲
x U
E = m
2 v02 + k
2 x20
x
運動エネルギー K は常に正
K < 0U
これはありえない 物体が動けるのは
この範囲だけ
– A A
k2 A2 = m
2 v02 + k
2 x20 A2 = m
k v02 + x20
近似としての単振動
レナード=ジョーンズ ポテンシャル
2つの原⼦間の相互作⽤のポテンシャルモデル
U (r) = 4✏ h⇣r
⌘p ⇣ r
⌘qi
r
近似としての単振動
レナード=ジョーンズ ポテンシャル
2つの原⼦間の相互作⽤のポテンシャルモデル
U (r) = 4✏ h⇣r
⌘p ⇣ r
⌘qi
r この付近の微⼩な運動であれば
単振動で近似できる
近似としての単振動
レナード=ジョーンズ ポテンシャル
2つの原⼦間の相互作⽤のポテンシャルモデル
U (r) = 4✏ h⇣r
⌘p ⇣ r
⌘qi
r この付近の微⼩な運動であれば
単振動で近似できる
このように,局所的なふるまい
を単振動で近似できる例は多い
理解度の確認
理解度の確認
ニュートンの運動の3法則の内容を記せ。
様々な⼒の例を挙げよ。
地上に⽴っている⼈に働く⼒を描き出せ。
この⼈が⾶び上がる瞬間に作⽤する⼒はどうか?
ある物体が⼀定の⼒を受けて空間内を運動している。このとき,物 体の運動がどのようになるかを運動⽅程式に基づいて説明せよ。
速度に⽐例するような抵抗⼒を受けて運動するような物体の運動を 議論せよ。
理解度の確認
仕事の定義を様々な物体の運動に適⽤できる形式で表せ
⼒と経路を⾃由に設定して仕事を求めよ
仕事と運動エネルギーの間にどのような関係があるか?また,それは どうやって導けるか?
保存⼒とは何か?
保存⼒とポテンシャルの関係を述べよ。
⼒学的エネルギー保存則とは何か?どのように導くか?
ばねにつながれた質点の運動について説明せよ。