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大 企 業 の 所 有 と 支 配

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Academic year: 2022

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(1)

西

企 業 の 所 有 と 支 配

相互参加規制を考える

J I   I 

(2)

筆者は﹁日独一

00

大企業の持分権者比較①︑②﹂証券経済一三九号︑

00

大企業の所有と支配構造を比較対照することによって︑両国一

00

大企業の所有と支配構造の特徴を明らかにす

ると共に︑両国の相互参加規制を︑その現実の機能に着目しながら︑比較検討した︒また︑筆者は﹁米国一

00

大工

業会社の所有と支配①︑②﹂証券経済一四六号(‑九八三年︶︑一四七号(‑九八四年︶において︑米国一

00

大工業

会社の所有および支配構造の特徴を明らかにしている︒本稿では資料については特に断らない限りこの両拙稿に全面

的に依存している︒ここでは︑西独︑米国および日本の一

00

大企業の所有と支配構造を比較対照する前提として︑

それぞれの資料のもつ特質を本稿に必要な限りで明らかにしておこう︒

西独

00

大企業の選出は

M o

n o

p o

l

K o

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i s

s i

o n

,   H

o u

p t

g u

t a

c h

t e

n  

I I  

(一九七八年︶によっている︒これによれ 2資料について 1

目 的

は し が き

一 四

0

号(‑九八二年︶において︑ 西独︑米国および日本の一

00

大企業の主要株主と支配構造を比較対照することによって︑

日独

日本の大企業における

所有および支配構造の特徴を明らかにする︒日本の大企業における所有および支配構造の顕著な特徴は企業集団内の

マトリックス型相互参加にある︒このマトリックス型相互参加が企業支配構造ひいては日本の社会にどのような影脚

を有するかについて考える︒相互参加は商法上︑資本空洞化︑株主総会形骸化等様々の問題を含むと考えられている︒

マトリックス型相互参加のもつ商法上の問題点を検討する︒

(3)

SH

IP

 

1 0

0

大企業の決定は一九 地域団体および社会保険は対象から除外されている︒また一 ば︑調査は一九七六年度について行われたが︑農林業︑信用機関および保険業︑営利的性格を有しない組織ならびに

00

大企業はコンツェルン外部売上高を基準として選出

されている︒そのさい︑商業部門での売上げが全売上げの三分の二を超える企業については︑付加価植に配慮して︑

売上げの四分の三だけが考慮されている︒西独一

00

大企業の持分権者についても主として同書が利用された︒同書

によれば︑持分権者については一九七七年末の状況である︒なお持分権者については︑

C o

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k ,

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g e h o

r t  

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12

. A u

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e  

(一九七七年︶が補充的に利用された︒

米国

00

大工業会社

( I n d

u s t r

i a l

C o r p

o r a t

i o n s

)  

社は一九七九年度の売上高を基準にして選出された︒そのさい売上高の半分より多くを製造業や鉱業から得ている会

社のみが選出の対象となった︒子会社が連結されている場合には︑子会社の売上高も親会社のそれに含められた︒

米国

00

大工業会社の株主については︑二

0

大以内の株主を考慮した︒その資料は

CD

E

DI

RE

CT

OR

F o r t

u n e ,

Ma

19 80

によった︒これによれば一

00

大工業会

F o

r t

u n

e   500 

(一九八一年︶によった︒これによれば︑株主資料は原則として一九八

0

年末の

ものである︒同書によれば︑株主の持株には︑株主が投資裁量権や受託者権限を有するにすぎない株式も含められて

いる︒また同書によれば︑株主の全権力を明らかにするため︑同一グループに属する株主の持株はすべてグループの

トップ︵究極の親︶に属するものとして扱われている︒なお同書は原則として持株比率

O ・

ニ%以上の株主だけを明

らかにしており︑二

0

大以内の株主であっても

0

.二%未満しか所有していない株主は明らかにされていない︒

日本

00

大企業の選出については︑公正取引委員会事務局経済部企業課編﹃大企業上位一

00

社の経済力集中の

状況﹄(‑九七九年︶によった︒同書の調査は金融業を除く全法人企業を対象としている︒

ST

OC

OW

NE

R‑

七七年度の総資産上位一

00

社ランキングによった︒ここでの総資産は個別企業の総資産であり︑子会社資産を含ま

(4)

1 西独,米国および日本の大工業会社規模比較

西

し、

企 業 数 累 積 数 企 業 数 累積数 企 業 数 累積数 200億 ド ル 以 上

゜゜ , ,  ゜゜

200億 ド ル 未 満100億 ド ル 以 上 11  20  100  FL  50  JI 

, 

16  38  58  11 

50  II  40 

 

18  45  83  15 

40  II  30  II  24  28  111  23  30  II  20  II  32  62  173  21  44  20    10  II  20  52  112  285  54  98  10  }}  II  11  63  70  355  32  130  資料の出所:西独と日本については Fortune,August 11,  1980, 米国については For‑

tune, May 5,  1980. 

億二

0

一六万ドル︑米国では五四億七︑ニ四六万ドル︑日本では

ない︒日本一

00

大企業の株主は︑上場会社については︑東洋経済臨

時増刊一九七八年版企業系列総覧(‑九七七年︶により︑未上場会社

については︑日本経済新聞社刊一九七八年版会社総鑑未上場会社版︵一

後書によれば︑六大株主までが明らかにされている︒

1 0

大企業の規模比較

0

企業の所有と支配構造は企業規模によって異なりうると思われる︒

ここにおいて︑西独︑米国および日本の大企業の規模を

F o

r t

u n

e 誌

よりながら比較してみよう︒資料の関係で工業会社についてのみ比較

を試

みる

米国

0

大工業会社に相当するような規模の大工業会社は︑

は共に存しない︵第1表参照︶︒米国五

0

大工業会社に相当するような

規模の大工業会社は︑西独には一六社︑日本には六社ある︒米国一〇

0

大工業会社に相当するような規模の大工業会社は︑

社は︑西独には五一二社︑米国には二八五社ある︒ 日独には共に二

一社ある︒日本の一

00

大工業会社に相当するような規模の大工業会

三カ国の第五

0

位の大工業会社の売上高を見ると︑西独では約一〇 日独に

九七八年︶によった︒原則として︑前書によれば︑二

0

大株主までが︑

(5)

2 西 独100大企業の持分権者①

\ 

持分権者の種 25未満 25,.......,50  50 合 計

手② 4  4  5  13 

fi  31 

34 

2  5 

100  13  23  4  40 

個(家族人財団とを家除く族)  10  4  14  28 

外 国 大 企 業 ③ 1  3  23  27  その他の外国参加 8  4 

12 

そ の 他 の 参 加 6  4  11  21  11  16  34 

54  89  73  216 

①  間接的な参加の場合には、ヒエラルヒーの最高の段 階が基準となった。そのさい中間をつなぐ持株会社に 対する持分による比例配分はなされなかった。それゆ え、直接的な参加の額が各々の親会社に全額で帰嘱す るものとされた。家族構成員の持分は合わせて家族の 持分とみなされた。

②  offentliche Handの訳である。以後、西独について は、連邦(Bund)I(Lander)および市町村(Gemein‑ de)を、日本については、国、県および市町村を表わ すものとして用いる。

③  FORTUNEまたは VISIONのリストによって、米 国内の500大 ま た は 米 国 外 の300大または欧小卜1500 工業企業 (Industrieunternehmen)に入る企業。

資料の出所: Hauptgutachten 11.S.  147。

持分権者の概要

西

順位の大工業会社の約三倍の規模がある︒ 八

億九

外国大企業二七件(‑四・八四%︶︑ 個人と家族二八件(-五•三八%)、

・九

八%

︶︑

八%

︶︑

保険

七件

︵三

・八

五%

︶︑

と︑公の手一三件︵知りえた参加総 りえた参加総数に占める割合を見る 主の種類ごとに︑参加件数とその知 八三二万ドルである︒米国内五

0

位の大工業会社の規模は︑西独の同順位の大工業会社の約五倍︑

企業について知りえた参加総数は一

八二件である︵以下第2

表参照︶︒株

数に占める割合ー~以下同じI七・一四%)、銀行三四件(-八•六

00

大企業四

0

件︵

ニ︱

分散所有を除いて︑西独一

00

大 日本の同

(6)

その他の外国参加―二件(六•五九%)およびその他の参加ニ―件(-―•五四%)である。分散所有を除いて、最

も多いのは、一00大企業の参加で知りえた参加総数のニ―•九八%を占める。これは西独一00大企業間の高度の

結合を明らかにしているものと思われる︒外国大企業とその他の外国参加を合せると︑つまり外国からの参加は知り

えた参加総数のニ―•四三%になり、参加件数でほぽ一00大企業に匹敵するようになる。これは西独経済への外国

資本の積極的取込ないし関与を示すものであろう︒

持分比率の大きさごとに︑分散所有を除いた参加総数に占める割合を見ると︑二五%未満四七件︵二五・八二%︶︑

二五%以上五

0

%以下七八件︵四ニ・八六%︶︑

0

%超五七件︵三一・三二%︶である︒最も多いのが二五%以上五

0

%以下の参加であり︑中太り的になっている︒これに次ぐのが五

0

%超の参加であり︑この両者を合せると︑知り

えた参加総数の七四・一八%になる︒つまり知りえた参加総数の約四分の三は二五%以上の参加である︒

西独

00

大企業において︑分散所有は三四企業に見られる︒分散所有の比率が二五%未満のものは七企業︑二五

%以上五

0

%以下のものは一︱企業︑五

0

%を超えるものは一六企業である︒

持分権者の種類ごとに持分比率の大きさを見てみよう︒外国大企業からの参加には持分比率五

0

%を超えるものが

極めて多く︑個人と家族の参加およびその他の参加にも五

0

%を超えるものが半分以上でありかなり多い︒これはこ

れらの参加が主として企業支配確保を目的とするものであることを示すものであろう︒これに対して︑銀行と保険か

らの参加およびその他の外国参加には五

0

%を超えるものが全くない︒

U

支配構造

, 1 ,  

持分権者集会の意思を決定できるだけの持分を所有する者を企業の支配的持分権者と考え︑その支配的持分権者の

/¥ 

(7)

に存するか否かは考えないことにする︒

有する参加を支配参加と呼ぶことにする︒支配的持分権者をその有り様によって︑単独︑集団︑共同に区別する︒単

独とは支配的持分権者が単一の場合であり︑集団とは支配的持分権者が歴史的︑資本的︑公共的などの特別な共通性

を有する場合であり︑共同とは支配的持分権者が特別な共通性を有しない少数の持分権者から成り立つ場合であって

しかもこれらの持分権者間に格段の差の見られない場合である︒

支配的持分権者の存する場合に︑支配的持分権者が過半数の持分を所有する場合を絶対的支配とし︑その他の場合

を相対的支配とする︒相対的支配とは︑支配的持分権者が過半数の持分を所有していないが︑他の持分権者と比較し

て支配的影孵力を有すると認められる場合であってしかも原則として一五%以上の持分を所有する場合である︒

共同支配について︑四者以内の持分権者が合せて五

0

%を超える持分を所有する場合を絶対的支配とし︑二持分権

者が合せて五

0

%以下一五%以上の持分を所有する場合を相対的支配とする︒その際︑持分権者間の協力関係が現実

支配的持分権者は存しないが︑他の持分権者に比較して有力な持分権者が存し︑この者が八%以上の持分を所有す

る場合には︑この者を有力持分権者︑その参加を有力参加と呼ぶことにする︒

このような基準に従って西独一

00

大企業の支配的持分権者および有力持分権者を種類ごとに見たのが第

3

表であ

る︒この表において支配力比とは︑各持分権者の各企業への支配関与度を支配関与持分権者数に反比例するものとし

て計算し︑持分権者の種類ごとにその和を求めたものである︒すなわち単独または集団支配については単一の持分権

者または単一の持分権者集団が支配を確保しているのでその支配力比を一と考え︑共同支配については持分権者数二

の場合には各持分権者の支配力比を二分の一︑持分権者数三の場合には各持分権者の支配力比を三分の一︑持分権者

数四の場合には各持分権者の支配力比を四分の一と考えた︒有力持分権者は各企業に一者しかいないのでその支配力

(8)

③ 相 互 参 加

六•五0になる。 比を二分の一と考えた︒このようにして求められた支配力比は︑持分権者の種類ごとにその一

00

大企業に対する支

配力の大きさを企業数換算で示すものと思われる︒

② 直 接 的 支 配

1 0

0

大企業の直接の持分権者による支配を直接的支配と呼ぶ︒ここではこの直接的支配について見てみよう︒

西独

00

大企業中支配的持分権者の存する企業は九三企業︑有力持分権者の存する企業は一企業ある︵以下第

3

表参

照︶

1 0

0

大企業のほとんどにおいて支配的持分権者があると見てよかろう︒支配的持分権者の見られる九三企

︱一企業は相対的支配のものである︒支配的持分権者の見られる企

業の大部分は絶対的支配と見てよかろう︒支配的持分権者の見られる九三企業のうち︑単独支配のものは五二企業︑

集団支配のものは一七企業︑共同支配のものは二四企業である︒支配的持分権者の見られる企業の大半は単独支配と

見てよかろう︒

持分権者の種類ごとに直接的支配の支配力比を見ると︑公の手八・五

0

︑銀行七・ニ五︑保険

O ・

八 三

企業一―•一七、個人と家族二0.二五、外国大企業二四·00、その他の外国参加ニ・八三、労働組合連合や協同

組合連合を中心とするその他の集団六・三三︑財団や一

00

大企業以外の国内非金融企業を中心とするその他の参加

︱ニ・三三である︒これらの支配力比合計は九三・五

0

になる︒仮に残りを分散所有の支配力比と考えると︑これは

西独

00

大企業の直接的支配における支配力比においては︑外国大企業が最も大きく︑これに次ぐのが個人と家

族で

ある

業の

うち

八二企業は絶対的支配のものであり︑

/¥ 

1 0

0

(9)

3 西独100大企業への支配参加

持 \ 分 権 者 の 種

絶対的支配 相対的支配

十 支配力比 単 独 集 団 共同 単 独 集団 有力参加

共同

4  2  2  1  1  10  8.50 

14  1  1  16  7.25 

1  1  2  0.83 

100  3  1  14  1  19  11.17  個 人 と 家 族 11  5  4  1  1  1  23  20.25  外 国 大 企 業 22  1  2  25  24.00  その他の外国参加 4  1  1  6  2.83  そ の 他 の 集 団 6  1  7  6.33  5  13  2  1  21  12.33 

22企業に対し 2企惚に対し

45  15  55  7  2  4  1  129  93.50 

行に対して持分を全く所有していない︒

だけでは十分でない︒その支配的持分権者が企業である場合には︑

分権者企業の支配的持分権者を知る必要がある︒ことに支配的持

分権者企業の支配的持分権者が被参加企業である場合つまり参加

企業と被参加企業との間に双方共に支配的な相互参加の存する場

合には︑双方の経営者の協調による経営者支配が成立する︒ここ

において西独一

00

大企業とその持分権者との間の相互参加につ

西独

00

大企業とその持分権者との間に直接的な相互参加は

知りえた限りでは全く存しない︒ただ間接的な相互参加は両者の

間に二件のみ存するが︑いずれもその持分比率の大きさから見て︑

( 3

)  

1 0

大企業の支配構造に影響を及ぼすようなものではない︒

0

④ 金 融 機 関 の 支 配 構 造

西独

00

大企業への知りえた参加のうちでは銀行からの参加

1 0

大企業からの参加についで多い︵第2表参

0

照︶

︒だ

が一

00

大企業は知りえた限りではその持分権者である銀

1 0

0

大企業に対し二件

は三

四件

あり

いて

見て

みよ

う︒

持分権者である企業に対して支配力を有するものつまり支配的持 企業の支配構造を知るためには︑企業の支配的持分権者を知る

(10)

するか見てみよう︒ 以上の参加を有している五銀行の支配構造を見てみよう︒五銀行とは

D e

u t

s c

h e

と思

われ

る︒

配的持分権者︑

これに次ぐのが外国大企業である︒

B a

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k ,

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および

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k

W

である︒このうち前四銀行は︑

e r   g

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u   w

em

12

. A u

f l

a g

e  

︵一九七七年︶から知る限りでは︑すべての持分が分散所有にある︒残る

e s

t d

e u

t s

c h

e L

a n

d e

s b

a n

k はその持分のす

西独

00

大企業への知りえた参加のうちでは保険からの参加は七件ある︒

AL

LI

AN

M u

n c

h e

n e

r   R i i c k v e r s i c h e r u n g

が二件の参加を有している︒この両社に対して一

00

大企業は知りえた限りでは持分

を所有していない︒この両者は相互に二五%の持分を所有し合っており︑この両社に対しては外に

C o

m m

e r

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a l

U n

i o

n  

A s

s u

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e   C

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p .

  がいずれに対しても五%の持分を所有している︒両社共その他の持分はすべて分散所有にあるもの

固 究 極 的 支 配

企業の支配構造を知るためには当該企業の支配的持分権者を知るだけでは十分でない︒この支配的持分権者が企業

である場合には︑さらにその支配的持分権者を知ることが必要である︒そのゆえここにおいて︑支配的持分権者の支

さらにその支配的持分権者と可能な限り遡って︑究極的な支配的持分権者についての支配力比を見て

みよう︒また究極的支配について所有と支配がどの程度一致しているかつまり所有者支配と経営者支配がどの程度存

西独

00

大企業の究極的支配における支配力比は︑公の手一三・四五︑相互参加一

六︑外国大企業二四・九四︑その他の外国参加三・一三︑

散所有一六・一五になる︒究極的支配においては︑個人と家族が最も大きく︑ べてを公の手によって所有されている︒

・八三︑個人と家族二六・八

その他の集団六・一三︑財団六

・ 0 0

不明

・ 0

0

︑分 V 

e r

s i

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e r

u n

g が

五件

1 0

 

(11)

る︶二件がある︒その他の参加三五件のうちには︑ 件

と︑

1 0

0

大工業会社の金融子会社の参加四件と︑

米国

00

大工業会社への二

0

大株主までの知りえた参加の総数は一︑九三三件である︵第4表参照︶︒株主の種類

ごとに参加件数とその参加総数に占める割合を見ると︑銀行信託部七三

0

件︵三七・七七%︶︑保険一六九件︵八・七

四%)、証券(投資会社、投資顧問業者を含む)四一三件(ニ―•三七%)、年金基金二二六件(

と家族一八六件(九・六二%)、米国一00大工業会社六一件(三・一六%)、外国大企業六件(O•三一%)、その他

の外国参加五八件︵三

・ 0

0

%︶および米国内一

00

大工業会社以外の他の非金融企業の参加を中心とするその他の

参加三五件︵一・八一%︶である︒銀行信託部の参加件数が最も多い︒これは米国一

00

大工業会社と銀行との緊密

な関係を示すものであろう︒次いで証券の参加件数が多い︒これは米国企業金融における証券市場の重要性を示すも

ので

あろ

う︒

米国

00

大工業会社からの参加六一件のうちには︑

1 0

0

大工業会社以外の非金融会社の金融子会社の参加が二四件

0

大株主

米 国

公の手︑個人と家族︑外国大企業︑

その他の外国参加︑

1 0

0

大工業会社の管理する自社従業員福祉基金の参加五一

i O

O

大工業会社の自社株所有︵従属会社の株式所有と思われ

一・

六九

%︶

︑個

その他の集団および財団を所有者支配と考え︑相互参加お

よび分散所有を経営者支配と考えると︑所有者支配八一

・ 0

1

︑経営者支配一七・九八となる︒西独一

00

大企業に

(4

) 

おいては究極的に見た場合にも大部分において所有者支配が成立していると見てよかろう︒

(12)

4 米国100大工業会社への20大株主の参加

'>!< 0未満.50  00..5I  I  I 909  1  1..0909  2  2..0909  3  3..\ 0909  4  4..0\ 909  5  9..0909  1  104..\ 0909 1 159..I  I 0909 2 204..0909 2 550..\ 0000 5 705..\ 0010  75.0  以上 合計

銀 行 信 託 部 93  306  207  57  21  10  24  4  5  2  1  730  18  82  47  11 

, 

169 

41  161  135  33  23  14  413  'rf.  29  99  81  13  2  2  226 

財団と教育基金 4  28  14  49 

個 人 と 家 族 34  47  50  15 

, 

2  12  4  2  5  5  1  186  米国100大[業会社

, 

23  17  5  1  2  2  1  1  61 

外 国 大 企 業 ① 2  1 

その他/])外国参加 7  27  18  2  1  2  1  58  そ の 他 の 参 加 8  7  13  2  1  2  1  35 

r1  243  781  582  139  68  33  48  12  8  7 

, 

2  1 1,933  従業員福祉基金 5  26  23  23  5  7  16  7  4  2  1  108 

① Fortune, August 11,  1980のリストによって、米国外の世界500大工業会社に入る企業。

\ニ・九九%一三九件︵七・一九%︶︑

七一

%︶

•OO\九・九九%四八件(ニ・四八%)、

%六

八件

︵三

・五

二%

︶︑

•OOS三・九九

O 0

\四・九九%三三件︵一・

1 ・ O   0¥ 

・九

九%

五八

二件

(‑

1 0 ・

‑ % ︶ ︑

ある︒金融会社の参加は他人資金による参加であるとすれ

ば︑米国では会社が一

00

大工業会社に自己資金で参加す

従業員福祉資金

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  S a

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s  

P l

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s 等︶は直接株主名に現れることはなく︑その基金の管

理者名で株主に現れる︒銀行信託部管理のものは銀行信託

部名で︑使用者会社管理のものは使用者会社名で現れる︒

従業員福祉基金が受益的所有者であるのを知ることのでき

た参加について︑各社の従業員福祉基金を各社ごとに一っ

相当する場合を第4表の最下段に示した︒

持株比率の大きさごとに参加件数とその参加総数に占め

る割

合を

見る

と︑

‑%

未満

一︑

0

二四

件︵

五ニ

・九

七%

︶︑

0 0

にま

とめ

て︑

その参加が被参加会社の二

0

大以内の株主に

( C

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e   P

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l o

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e  

ることは稀なように思われる︒

(13)

0

%以上三九件︵二

・ O

二 %

であ

る︒

-%未満の参加が最も多く、次いで一•OO\一・九九%の参加が多い。両

方を合せると参加総数の八三

・ O

八%になる︒このような参加が極めて多いことは︑二

0

大株主の中にもすでに純投

1 0

%以上の参加は約五

0

件に一件の割合となり︑相対的資的な参加が極めて多いことを意味するものと思われる︒

 

には極めて大きな参加となる︒米国一

00

大工業会社の二

0

大株主までにおける参加の大きさと参加件数の関係は︑

持株比率が小さくなるにつれて件数の増大するしかも極端なすそ広がりの︑いわば富士山型を示している︒

外部株式総数より二

0

大までの知りえた株主によって所有されている合計株式数を差し引いた残りの株式は分散所

有にあると考える︒このように考えると︑米国一

00

大工業会社のうち分散所有の占める比率が二五%未満のものは

二社︑二五%以上五

0

%以下のものは︱一社︑五

0

%超七五%未満のものは五八社︑七五%以上のものは二九社であ

る︒

米国

00

大工業会社においては︑大部分の会社において分散所有の占める比率は五

0

%を超えると見てよかろ

株主の種類ごとに持株比率の大きさを見てみよう︒個人と家族︑外国大企業および従業員福祉基金からの参加につ

いては比較的持株比率の大きいものが多い︒これはこれらからの参加には比較的会社支配に関与するものの多いこと

を示すものであろう︒保険︑年金基金および財団と教育基金からの参加には比較的持株比率の小さいものが多い︒こ

れはこれらからの参加には比較的純投資的なものの多いことを示すものであろう︒

支配構造

U

米国

00

大工業会社においては︑二

0

大株主中にもすでに純投資的参加が極めて多く︑また大部分の会社におい

て分散所有の占める比率が五

0

%を超える︒さらに米国一

00

大工業会社の二

0

大株主間には資本参加に基づく企業

2  ゜

(14)

5 米国100大工業会社への支配参加

\ 株 主 の 種 類

絶対的支配 相対的支配

合計 支配力比

単 独 共同 単 独 共同

銀 行 信 託 部 因12) 固12)

5) ) (Z

b1.9Z.!::170) 

3  3  0.83 

24  1  25  9.75 

4  4  l. 75 

財 団 と 教 育 基 金 1  1  1.00 

個 人 と 家 族 1  2  11  18  32  20.02  米国100大 工 業 会 社 3  1  5  4.00 

2) 1) 3) (内屋立50)

外 国 大 企 業 1  2  1  4  3.50  そ の 他 の 外 国 参 加 2  3  1. 70 

1) 1) 1.00)

そ の 他 の 参 加 1  1  3  5  3.17 

1企哭に対し2  32  32企業に対し81  8  126  72.00 

従 業 員 福 祉 基 金 15  12  6  33  23.20  函

株主の種類ごとに直接的支配の支配力比を見

銀行信託部管理株の過半数の受益的所有者が被参加会社の従業員福祉基金である ことを示す(以下同じ)。

管理株が自社株であって、その過半数の受益的所有者が自社の従業員福祉基金で あることを示す。

1 0

0

大工業会社に限って︑持株比率七%以上

を相対的支配︑同四%以上を有力参加の基準と

直接的支配 ,I

米国

00

大工業会社中支配的株主の存する

のは六八社︑有力株主の存するのは八社である

︵以

下第

5表

参照

︶︒

米国

00

大工業会社の場

支配的株主の存する会社のうち絶対的支配は四

社︑相対的支配は六四社である︒米国一

00

支配的株主の存する会社のほとんどは相対的支

配である︒支配的株主の存する会社のうち単独

支配

は三

五社

支配

が多

い︒

共同支配は三三社で︑やや単独 工業会社においては︑絶対的支配は稀であり︑ 合︑支配的株主の存するのは三分の二強である︒ におけると同じである︒ する︒その他の点については西独一

00

大企業 集団は存在しないと思われる︒それゆえ︑米国

一 四

(15)

6表 米国100大工業会社と20大株主との相互参加

順位 100大 工 業 会 社 株 主順位 持 株 20  株主順位 比 株 1 Exxon  67  0.19  Morgan (JP) Co Inc  7 0.95  2 General Motors  41  0.23  First National Boston Corp  15  0.39 

, 

General Electric Co  ⑱  58  0.25  Morgan (JP) Co Inc  4 1.02  General Electric Co  ⑮  43  0.23  Manufacturers Hanover Corp  7 0.99  General Electric Co  15  0.84  Citicorp  10  0.93  General Electric Co  ⑮ 

, 

0.89  Chase Manhattan Corp  15  0.63  14  United States Steel  ⑮  6 1.95  First Intl Bancshares Inc  15  0.37  United States Steel  ⑱  10  1.49  Wells Fargo Co  16  0.36  16  Du Pont (EI)  de Nemoures  60  0.23  General Electric  ⑲  18  0.55  38  Bethlehem Steel  )嘔 22  0.62  Morgan (JP) Co Inc  囮 I 1 7.57  Bethlehem Steel  ⑮  15  1.12  Wells Fargo Co  13  0.99  Bethlehem Steel  ⑱  30  0.43  First Intl  Bancshares Inc  20  0.45  72  Continental Group  17  0.76  Maryland National Corp 

, 

l. 27 

Continental Group  8 0.83  United Virginia Bankshares Inc  20  0.71  会社名の後の株主順位と持株比率はその会社の参加の相手方会社における株主順位と 持株比率である。

⑮  参加会社の管理株の過半数の受益的所有者が参加会社の従業員福祉基金であるこ とを示す

一 五

これに続くのが従業員福祉基金および個人と家 て最も支配力比の大きいのは分散所有であり︑

米国

00

大工業会社への直接的支配におい 力比は二三・ニ

0

であ

る︒

見て従業員福祉基金に帰属すると思われる支配 年

金基

金一

個人と家族二

O ・ O

︑米

国一

00

大工業会社

企業三・五

0

従業員福祉基金一•OO)

その他の参加三・一

七および分散所有二八

・ 0

0

である︒実質的に

族である︒米国一

00

大工業会社への参加は︑

一方での従業員福祉基金および個人と家族への

大量株所有の集中と︑他方での年金基金や保険

等の参加も含めた少量株所有の広範な分散とに

二極分解しているように思われる︒ その他の外国参加

・ 七

0(

内 四

・ 0 0

(内従業員福祉基金ニ・五

0 )

︑外国大

・ 七

五 ︑

財団と教育基金一

・ 0

0

︑ 金一九・七

0 )

︑保険

0

. 八

三 ︑

証券

九・

七五

ると︑銀行信託部二六・ニ九︵内従業員福祉基

(16)

米国 一

00

大工業会社の二

0

大株主までに五件以上の参加を有する三〇銀行の直接的支配を見ると︑支配参加のあ

るもの二

0

社︑有力参加のあるもの一社︑そのいずれも見られないもの七社︑株主構造について知りえないもの二社

である︒支配参加のある二

0

社のうち単独支配も共同支配も共に一

0

社ある︒単独支配一

0

社のうち二社は家族支配︑

同支

配一

0

社のうち︑二社は自社と家族の共同支配であり︑ 八社は自社支配である︒自社支配のうち三社は実質的には自社の従業員福祉基金が支配参加の中核となっている︒共

八社は自社︑銀行︑保険︑証券︑ b

銀 行

金融機関の支配構造

1 0

0

大工業会社

③ 相 互 参 加

米国

00

大工業会社とその二

0

大株主との間には知りえた限りで一四件の相互参加がある︵第

6

表参照︶︒ただ株

主側からの参加はすべて他人資金の管理運用としての参加である︒また一

00

大工業会社側からの参加も九件は実質

的には参加会社の従業員福祉基金の参加であり︑二件は一

00

大工業会社の金融子会社の参加である︒すなわち米国

1 0

大工業会社とその二

0

大株主との間の相互参加においては出資金の還流は見られないと思われる︒また︑米国

0

1 0

大工業会社とその二

0 0

大株主との間の相互参加は︑参加件数およびその持株比率から見て︑

の支配構造に影響を及ぽすようなものとは思われない︒

銀行信託部︑保険および証券の三者は合せて米国一

00

大工業会社への二

0

大株主までの知りえた参加総数の六

七・八七%を有する︒米国一

00

大工業会社に対して二

0

大株主までに五件以上の参加を有する金融機関は銀行信託

(5

) 

部 ︱ ︱

1 0

社︑

保険

0

社︑証券二五社である︒これらの支配構造を見てみよう︒

1 0

0

大工業会社︵実 一

(17)

一 七

質的には従業員福祉基金︶等の三\六者による共同支配である︒支配参加の見られない一社と有力参加のある一社と

(6

) 

はその主要株主との間に相互参加が成立している︒

三〇銀行の究極的支配における支配力比は︑銀行︵自社︶八・一三︑銀行︵相互参加︶二

・ 0

︑銀行︵不明︶ニ・

0

00、保険相互会社0•四六、証券(不明)

O ・  

九六、年金基金0•五三、個人と家族四・六八、その他の外国参加

0•四四、従業員福祉基金四·O七および分散所有六・七三となる。証券(不明)、年金墓金、個人と家族、その他の

外国参加および従業員福祉基金を所有者支配︑銀行︵自社︶︑銀行︵相互参加︶︑保険相互会社および分散所有を経営

者支配と考えると︑所有者支配

O ・

六八︑経営者支配一七・三二︑不明二

・ O

0

となる︒所有者支配と経営者支配

加のある五社はすべて共同支配参加であり︑

米国

00

大工業会社に対し二

0

大株主までに五件以上の参加を有する保険会社は一

0

社ある︒このうち四社は相

互会社である︒残る六社の直接的支配を見ると︑支配参加のあるもの五社︑有力参加のあるもの一社である︒支配参

そのうちの一社においては︑その主要株主との間に相互参加が成立して

1 0

保険会社の究極的支配における支配力比は銀行︵自社︶

O ・  

0、銀行(相互参加)0•四五、銀行(不明)

0•0、保険相互会社四.00、保険(相互参加)一·00、証券(私的会社)一·O七、個人と家族0•0

従業員福祉基金ニ・一六および分散所有

0

・ニ三である︒証券︵私的会社︶︑個人と家族および従業員福祉基金を所有

者支配︑自社︑相互参加︑保険相互会社および分散所有を経営者支配と考えると︑所有者支配三・七三︑経営者支配

五・八八、不明0•0となる。

い る

保 険

は約三対五の割合になる︒

(18)

究極的支配 ち︑公開会社であって︑

‑.八三︑銀

米国

00

大工業会社に対して二

0

大株主までに五件以上の参加を有している証券関係会社は二五社ある︒このう

その株主構造を知ることができるのは四社にすぎない︒ただしこの四社の外に一

0

社は私的

会社

( p r i

v a t e

c o

r p

o r

a t

i o

n )

 

よか

ろう

であることが判明している︒この一

0

社は個人と家族または経営者集団の支配下にある

と考えられる︒四公開会社の直接的支配を見ると︑家族単独支配と経営者集団支配各一社︑家族とその他の外国参加

の共同支配二社である︒四公開会社の究極的支配における支配力比は個人と家族三・三

0

︑その他の外国参加

O ・

0

になる︒このいずれも所有者支配と考えられる︒私的会社であることの判明している一

0

社も所有者支配と考えて

とすると︑残る株主構造不明の一一社もおそらく所有者支配と考えてよいと思われる︒

米国

00

大工業会社の究極的支配における支配力比は︑銀行︵自社︶ニ・五

0

︑銀行︵相互参加︶

行︵

不明

O ・  

六七︑保険相互会社

O ・

八三︑証券︵私的会社︶五・四二︑証券︵不明︶四・三三︑年金基金一・七

五︑財団と教育基金一.

00

︑個人と家族ニニ・ニ

0

︑外国大企業三・七五︑その他の外国参加

O ・

六二︑従業員福

祉基金二五

・ O

四および分散所有三

0・O

六となる︒究極的に見ても支配力比の最も大きいのは分散所有であり︑従

業員福祉基金および個人と家族がこれに続く︒証券︵私的会社︶︑証券︵不明︶︑年金基金︑財団と教育基金︑個人と

家族︑外国大企業︑その他の外国参加および従業員福祉基金を所有者支配︑銀行︵自社︶︑銀行︵相互参加︶︑保険相

互会社および分散所有を経営者支配と考えると︑所有者支配六四.︱一︑経営者支配三五・ニニとなる︒米国一

00

大工業会社については︑究極的に見た場合︑三分の二弱の会社において所有者支配が成立している︒ d

証 券

一 八

参照

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