2016年11月18日
オープンソースライセンスのキホン
(社)オープンソースライセンス研究所
代表理事
杉本 等
第14回とくしまOSS勉強会
【業界団体】
(一社)オープンソースライセンス研究所 代表理事
OSSコンソーシアム 理事
(一社)PHP技術者認定機構 理事/CIO
しずおかオープンデータ推進協議会 幹事
【ITコミュニティ】
OSC浜名湖 実行委員長
浜名湖LibreOffice勉強会 代表
オープンデータ浜名湖 代表
静岡大学客員教授
自己紹介
産
民
学
1999年から、オープンソースソフトウェアに特化した
LAMP、LAPPサーバ構築管理、脆弱性テスト、コンサル
【市民活動起業支援系】
(公財)ふじのくに未来財団 理事
(一社)絆塾 理事
(一社)遠州の知恵袋 監事
【産業支援】
静岡県地域情報化コーディネータ
(公財)浜松地域イノベーション推
進機構 特任コーディネーター
静岡県商工会連合会 専門家
言語
インフラ
CMS
ビジネス
コンプライアンス
業界など
Novell ソリューションパートナー(SUSE Linux)
vmware テクノロジー アライアンス パートナー
GMOクラウド セールスパートナー
オープンソースライセンス研究所の概要
• OSS適正利用のための人材育成
• OSSの適正利用の啓蒙活動
• OSSライセンスの調査および研究活動
• OSSビジネスサポート
• OSSを理解し、適正に利用し、ビジネスに生かす企業や
個人を増やす。
• 企業がOSSを利用するにあたり、直面する様々な問題の
解決方法を相談できる場をつくることにより、安心し
てOSSを活用できる社会・文化をつくる。
◎IT業界+法曹界で協力
OLLの活動
• セミナー(年1~3回)
• 勉強会(2ヶ月に1回)
• 深掘り勉強会(毎月)
• 技術用語解説分科会(毎月)
• 企業向け研修
• オープンソースカンファレンス
• 学会(情報ネットワーク法学会)
詳細は https://www.osll.jp/ へ。
オープンソースソフトウェア(
OSS)を定義する
プログラムソースが
オープン(公開)にされているソフトウェアのことを言う
Open Source Initiativeが定義する10の条件を
満たしているプログラムのことを言う
!=
後者
OSSの10の条件
1.再頒布の自由
2.ソースコード
3.派生ソフトウェア
4.作者のソースコードの完全性
5.個人やグループに対する差別の禁止
6.利用する分野に対する差別の禁止
7.ライセンスの分配
8.特定製品でのみ有効なライセンスの禁止
9.他のソフトウェアを制限するライセンスの禁止
10.ライセンスは技術中立的でなければならない
オープンソースの定義(
Open Source Definition)
序文.
オープンソースとは単にソースコードへアクセスできることだけを意味するの
ではない。オープンソースソフトウェアの頒布条件は以下の基準に適合しな
ければならない。
1.自由な再頒布
ライセンスで無料で頒布することを禁止してはいけない
2. ソースコード
ソースコードでの頒布が許可されていなければならない
3. 派生著作物
派生物を作成できなければならない。
また、派生物に同じライセンスを適用できなければならない
※ライセンス自体にも著作権がある
オープンソースの定義(
Open Source Definition)
4. 作者のソースコードの完全性
ソースコード+パッチファイルの形式での頒布に限り、変更部分の
ソースコードの頒布をライセンスで制限してもよい
5. 個人やグループに対する非差別(非区別)
特定の個人やグループの差別は禁止
6. 活用分野に対する非差別(非区別)
特定の分野でプログラムを活用することを禁止してはならない
7. ライセンスの流通
再頒布の際に追加的なライセンスの実行を義務付けてはならない
オープンソースの定義(
Open Source Definition)
8. ライセンスは製品固有であってはならない
特定のソフトウェアディストリビューションの一部に依存してはならない
9. ライセンスは他のソフトウェアを制限してはならない
頒布の際に一緒に頒布される他のソフトウェアを制限してはならない
10. ライセンスは技術中立的でなければならない
個別の技術・インターフェース形式を前提としてはならない
→ポップアップウインドウで同意を求めることを、ライセンス上で強制
するライセンスはOSSライセンスではない。
契約が明示的に行われることをライセンス中で、強制できない。
強制すると、環境によってはOSSを利用できないため、ライセンスとし
て個別の技術・インターフェース形式を前提としてはならない。
オープンソースソフトウェアの歴史
1
UNIX
大学
研究所
その他
AT&T
ベル
研究所
AT&Tが分解されて
独立禁止法の制約を逃れる
AT&T
UNIX
販売
反発
リチャードストールマン
GNU
オープンソースソフトウェアの歴史
2
GPLライセンス
Linuxディストリビューションの発展
リチャードストールマン
GNU
リーナス・トーバルズ
Linuxの開発
エリック・レイモンド
ディストリビューションの発展を研究
Open Source Initiative立上げ
オープンソースという言葉を提唱
1993
1998
1983
1989
Free Software Foundation
1985
LinuxをGPLで提供
1991
ソフトウェアを利用するためには
顧客管理ソフト、ワープロソフト、会計ソフト
多くのソフトウェアは誰かが著作権を持っている
顧客管理ソフト、ワープロソフト、会計ソフト
多くのソフトウェアは誰かが著作権を持っている
利用許諾
利用許諾
利用者
利用者
著作物の利用(利用許諾・ライセンスについて)
利用者
二次利用者
×
×
×
○
ライセンス
利用許諾
ソフトウェア
ソフトウェアを利用(利用許諾・ライセンスについて)
著作権者
A
顧客管理ソフト
利用許諾
A
利用者
著作権者
B
ワープロソフト
著作権者
C
会計ソフト
利用許諾
B
利用許諾
C
•
利用許諾
Aは個別ライセンス(利用許諾)
•
利用許諾
Bは一般的なライセンス(利用許諾)
•
利用許諾
Cはオープンソースライセンス(利用許諾)
いろいろな利用許諾の形態がある
ソフトウェアを利用(利用許諾・ライセンスについて)
利用者
著作権者(特許保持者)
著作権者(特許保持者)
利用者
利用者
こうやって
利用してね
利用方法に合わせて
利用するね
契約
OSIが認定するオープンソースライセンス
Naumen Public License (Naumen) Nethack General Public License (NGPL) Nokia Open Source License
Non-Profit Open Software License 3.0 (Non-Profit OSL 3.0) OCLC Research Public License 2.0 (OCLC-2.0)
Open Font License 1.1 (OFL 1.1) Open Group Test Suite License (OGTSL) Open Software License 3.0 (OSL-3.0) PHP License 3.0 (PHP-3.0)
The PostgreSQL License (PostgreSQL)
Python License (Python-2.0) (overall Python license) CNRI Python license (CNRI portion of Python License) Q Public License (QPL-1.0)
RealNetworks Public Source License V1.0 (RPSL-1.0) Reciprocal Public License 1.5 (RPL-1.5)
Ricoh Source Code Public License (RSCPL) Simple Public License 2.0 (Simple-2.0) Sleepycat License (Sleepycat) Sun Public License (SPL)
Sybase Open Watcom Public License 1.0 (Watcom-1.0) University of Illinois/NCSA Open Source License (NCSA) Vovida Software License v. 1.0 (VSL-1.0)
W3C License
wxWindows Library License (WXwindows) X.Net License (Xnet)
Zope Public License 2.0 (ZPL-2.0) zlib/libpng license (Zlib)
2012-3-21現在
Academic Free License 3.0 (AFL-3.0)
Affero GNU Public License: See "GNU Affero General Public License 3.0 (AGPL-3.0)" Adaptive Public License (APL-1.0)
Apache License 2.0 (Apache-2.0) Apple Public Source License (APSL-2.0) Artistic license 2.0 (Artistic-2.0) Attribution Assurance Licenses (AAL)
BSD 3-Clause "New" or "Revised" License (BSD-3-Clause) BSD 2-Clause "Simplified" or "FreeBSD" License (BSD-2-Clause) Boost Software License (BSL-1.0)
Computer Associates Trusted Open Source License 1.1 (CATOSL-1.1) Common Development and Distribution License 1.0 (CDDL-1.0) Common Public Attribution License 1.0 (CPAL-1.0)
CUA Office Public License Version 1.0 (CUA-OPL-1.0) EU DataGrid Software License (EUDatagrid)
Eclipse Public License 1.0 (EPL-1.0)
Educational Community License, Version 2.0 (ECL-2.0) Eiffel Forum License V2.0 (EFL-2.0)
Entessa Public License (Entessa)
European Union Public License, Version 1.1 (EUPL-1.1) (links to every language's version on their site)
Fair License
Frameworx License (Frameworx-1.0)
GNU Affero General Public License v3 (AGPL-3.0) GNU General Public License version 2.0 (GPL-2.0) GNU General Public License version 3.0 (GPL-3.0)
GNU Library or "Lesser" General Public License version 2.1 (LGPL-2.1) GNU Library or "Lesser" General Public License version 3.0 (LGPL-3.0) Historical Permission Notice and Disclaimer (HPND)
IBM Public License 1.0 (IPL-1.0) IPA Font License (IPA)
ISC License (ISC)
LaTeX Project Public License 1.3c (LPPL-1.3c) Lucent Public License Version 1.02
MirOS Licence
Microsoft Public License (Ms-PL) Microsoft Reciprocal License (Ms-RL) MIT license (MIT)
Motosoto License (Motosoto) Mozilla Public License 2.0 (MPL-2.0) Multics License
OSIによるライセンスの分類とそれらに属するライセンス
Category
license
Licenses that are popular and widely used or
with strong communities
Apache-2.0, BSD-3-Clause, BSD-2-Clause, GPL
v2, GPL v3, LGPL-2.1, LGPL-3.0, MIT, MPL-2.0,
EPL-1.0
Special purpose licenses
ECL-2.0, IPA, NASA-1.3, OFL-1.1
Other/Miscellaneous licenses
APL-1.0, Artistic-2.0, OSL-3.0, QPL-1.0, Zlib
Licenses that are redundant with more popular
licenses
AFL-3.0, AAL, EFL-2.0, Fair, HPND, LPL-1.02,
PostgreSQL, NCSA, Xnet
Non-reusable licenses
APSL-2.0, CATOSL-1.1, CUA-OPL-1.0,
EUDatagrid, Entessa, Frameworx-1.0, IPL-1.0,
LPPL-1.3c, Multics, NGPL, Nokia,
OCLC-2.0,PHP-3.0, Python-2.0, RPSL-1.0, RSCPL,
SPL-1.0, Watcom-1.0, VSL-1.0, W3C, ZPL-2.0
Uncategorized Licenses
BSL-1.0, CECILL-2.1, CPAL-1.0, EUPL-1.1,
OSSライセンスの状況
OSSライセンスの状況
http://osswatch.jiscinvolve.org/wp/2015/02/05/open-source-software-licensing-trends/
(2015.2)
OSSライセンスの状況
http://osswatch.jiscinvolve.org/wp/2015/02/05/open-source-software-licensing-trends/
(2015.2)
オープンソースライセンスの選択
http://choosealicense.com/
CC BY 3.0
特許問題
Apacheライセンス
MPL
GPLV3
GPLV2
ソフトウェアを使っている人に特許権を
主張しない
特許を主張した場合、そのライセンス
自体が無効になる
GPLV1
全く特許に触れていない
著作者、二次著作者がもっているソフトウェアに含まれる特許については利用可能
ライセンスの互換性
OSS Cは
再開発
OKの場合と
再開発
NGの場合がある
OSSライセンス A
再開発
OK
OSSライセンス B
再開発
OK
OSSライセンス AorB
ライセンス
C
再開発
OKの場合、ライセンスの互換性があり
再開発
NGの場合、ライセンスは非互換となる
?
組み合わせ再開発は
非互換ライセンス例
GPL V2は特許の利用許諾を得られない
Apache License MPLは特許の利用許諾も得られる
license
非共通条項
コピーレフト
GPL
多数
コピーレフト型
AGPL
多数
コピーレフト型
LGPL
多数
準コピーレフト型
CDDL
準拠法
米国政府のエンドユーザ向け規定
特許条項
準コピーレフト型
EPL
商用のディストリビューションの規定
準拠法
準コピーレフト型
Apache
特許条項
商標条項
非コピーレフト型
MIT
―
非コピーレフト型
現場で話題になったライセンスの非共通事項
およびコピーレフトによる分類
共通の条項
●
自由な利用、自由な使用
●
再頒布条件表示
●
著作権者の免責条項(無保証)
なお、
OSSライセンス以外でも、免責条項が入れられているソフ
トウエアは多い。
●
著作権表示
その他共通のこと
商用での利用は可能 (禁止していない)
5. 個人やグループに対する非差別(非区別)
6. 活用分野に対する非差別(非区別)
非共通の条項
●
特許条項
●
商標、その他知的財産権に関する条項
●
コピーレフト条項
●
準拠法についての条項
●
宣伝条項
非共通の条項
Popular Licenseの非共通の条項
Apache License 2.0
特許条項、商標条項
BSD 3-Clause license
名前の宣伝目的での使用禁止
BSD 2-Clause license
GNU General Public License (GPL)
多数の非共通の条項
GNU Library or “Lesser” General Public License (LGPL)
準コピーレフト等
MIT license
Mozilla Public License 2.0
特許条項、商標条項、準コピーレフト、準拠法
Common Development and Distribution License
準拠法、米国政府
のエンドユーザ向け規定、特許条項
リーガルリスクの存在
Ciscoとの和解を報じるFSN のWebページ
http://www.fsf.org/news/2009-05-cisco-settlement.html
ソースコード公開
損害賠償
製品の打ち切り
企業イメージの低下
ライセンス違反
最近の話題
係争一覧(おそらく一部)
https://www.ipa.go.jp/files/000028335.pdf
●
S.B.V. vs University of Germany
http://www.jbb.de/Docs/LG_Halle_GPL3.pdf
●