• 検索結果がありません。

Study on Transitivity of Situational Case "Wo":Comparative with Chinese Translation

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "Study on Transitivity of Situational Case "Wo":Comparative with Chinese Translation"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

Study on Transitivity of Situational Case "Wo":

Comparative with Chinese Translation

Xie Xin Ping

Graduate School of Social and Cultural Studies, Kyushu University

https://doi.org/10.15017/1337150

出版情報:比較社会文化研究. 13, pp.21-25, 2003-03-20. Graduate School of Social and Cultural Studies, Kyushu University

バージョン:

権利関係:

(2)

Sociαtαnd Cultuγαl Studies 

No.13  (2003),  pp.2125 

状況「ヲ」格の他動性について

一中国語訳との対照から一

謝 新 平

1 .はじめに

移動動詞、移動動詞構文について多くの研究が行われて きた。移動の「ヲ

J

格も「目的格

J

の一種であり、移動動 詞構文にはある程度の他動性があると考える研究者も少な くない。しかし、以下の2つの例文に示す、いわゆる「状 況格」(1)の「ヲJについての研究は必ずしも十分行われて

きたとは言い難い。

(例文1)彼は雨の史

Z

歩きながら、もう一度後の架空線 を見上げた。 (芥或169頁)

(例文2)お君は背中の子供を揺すり上げ、炎天のヱ

Z

走 った。 (小父102頁)

第2節で従来の「状況格Jの「ヲ jの解釈とその問題点 を指摘し、第3節と第4節ではこれまでとは異なる観点、

すなわち意味的観点と統語的観点からこの状況格の「ヲJ

を議論する。本論の特徴はこれらの新しい観点からの議 論と、日本語の中の狭い解釈に囚われないよう、「状況格J

の「ヲJについて、日本語と中国語との対比から議論する ことにある。

2.従来の研究

状況格の「ヲ」について、これまで2つの説明がなされ てきた。柴谷や許斐らの副詞説と、杉本や寺村の状況・移 動説および準必須補語説である。

(A)副詞格(副詞句)説

柴谷(1978)や許斐(1993)らは、主に以下の2点を根拠に

「副詞説Jを主張した。

根拠l:二重対格目的語制限を受けていない。つまり、

一つの文は対格をこつとることが出来ない。

根 拠2:「ヲj格句と動詞が、(例文3)の「雨の中ヲ登 りきったJのように「目的語−動調jの関係を表 わしていない。

これらの根拠を支える例として以下のような例を示した。

(例文3)少年は雨の呈

Z

坂を登りきり、院長の前で立ち 止まり、ぴょこんと頭を下げた。

(柴谷1978)

(例文4)彼は雨の降る史豆八木山峠を超えて行った。

(例文5)お忙しい史Zよくいらっしゃいました。

(例文6)4人の学生は日吉館を出ると、厳しい寒気の史 ヲ徒歩で、新薬師寺へ向かった。

(許斐1993) (B)  状況・移動説(杉本1986、1993)、準必須補語説(寺村1982)

「副詞格Jと「文法格jの二分説とは対照的に、「状況・

移動説Jと「準必須補語説」は状況格の「ヲ j格を文法格 の目的語と類似性がある中間のものであるとして、連続的 に状況格の「ヲ

J

を捉えた。

(Bl)  状況・移動説

杉本(1986)は最初、状況格の「ヲ j格を「状況補語」と 主張した。その後、杉本(1993)は状況格の「ヲ jも移動格「ヲJ

の一種であり、意味的に共通性があり、別扱いする必要が ないと考え直した。

(例文7)桜吹雪の史乏歩いた。

(例文8)桜吹雪の旦Z道を歩いた。

(例文 9)太郎は友人の制止の旦

Z

次郎に殴りかかった。

(例文10)濃霧の史Z峠を超えた。

(杉本1993) 移動説の根拠は以下の4点である。

根 拠1: (例文7)(例文8)のように「状況補語Jか「移

(I)この用語は杉本(1985)による。杉本(1985)は目的語を示す「ヲ」を「対格」、移動場所を示す「ヲ」を「移動格」、次のような状況を示す「ヲJ を状況格或いは「状況補語」としている。

例:強風の中を着陸する。

しかし、杉本(1993)は「状況格」も「移動格Jの一種で、状況を示す移動格の「を」と呼ぶべきと考え直したが議論の都合上、同じ呼 び方をしていた。

本論は便宜上、同じ呼び方をすることにした。

21 

(3)

謝 動補語」かが暖昧な場合がある。

根拠2 : (例文9)のように何らかの移動性を伴う動詞と しか共起しない。

根拠3:「状況補語

J

は「中

J

などによって場所化される。

根拠 4:(例文 8)(例文 10)のようなに「一文一格の原理J

に反しているように見える場合は、状況補語「濃 霧の中

J

が広い範囲、移動補語「峠

J

が狭い範囲 というように、「全体j と「部分Jの関係で成り 立っている。

(B2)  準必須補語説

寺村(1982)は格を補語とし、述語にとってそれがなけれ ば描写が不完全と感じられる補語を「必須補語」、そうで はないものを「副次補語

J

と呼んでいる。二分できない場 合、または述語の下位分類にとっての意味が大きいと思わ れるものを「準必須補語 jと呼んでいる。以下の「ヲ」格 を「準必須補語j としている。

(例文11)街道ヲ行く。

(例文12)こんな大雨の中ヲ来てくださった……

(例文13)夕焼けの空ヲ西へ帰る雁の群れ。

(寺村1982) 寺村は、「行く、来る、帰る j などは移動動詞の特殊な ものであり、「ヲJは通り道を表わしている、と述べてい る((例文12)だけは本論の「状況格jである)。また「ヲ j 格を使う動機は、移動のイメージを思い浮かべさせ、一つ の情景を醸し出す「ヲjの力にある、としている。

以上のようにこれまで少ないながらも、副詞説と状況・

移動説および準必須補語説が提案されてきた。しかしなが らこれらの研究は文法関係、動詞の形態からの議論に偏っ ており、意味論からの議論は少ない。また、杉本(1993)の

「移動補語J説の根拠2および根拠3には無理が感じられる。

すなわち、根拠2は移動動詞の範囲を拡大しすぎているし、

根拠3も「中Jなどの場所化より「場所の抽象化j になっ てしまっていると思われる。

本論文では、これらの問題点に鑑み、議論を以下の2課 題に絞って第3節と第4節で議論する。

課題I:意味的他動性から、状況「ヲ j格の使用動機の 追求。

課題2:「ヲ j格と対応する動詞の問題。つまり「目的 語−動調Jの関係。

3.意味的他動性

状況格の「ヲ」は、意味的にも、次節で述べる統語的(構 文)的にも他動性が高いと筆者は考える。意味的観点から の「ヲ」の他動性は、「話し手Jあるいは「動作主」が特 殊で好ましくない状況に対時して、何かの動作を決定し、

新平

戦う心的プロセスがある点に現れている。また、「ヲJ格 の処置意味が文中に表わされている。

この意味的他動性を、次の3つの観点から、下の3.1節 で詳しく考察する。

(1)「ヲ j格名詞句からの考察

(2)中国語訳と認知的心プロセスからの考察 (3)「ヲJ格の本来の意味合いからの考察

3.1  「ヲj格前の名調句について

先ず次の例文の「ヲJ格名詞句を見ていこう。以下の 例文は芥川龍之介の40短篇と小林多喜二の 10短篇(計約 344万字)から抽出したすべてで、全部で 10例のみであ った。

(例文14)しかし、それだとしても苦しい中ヲ通ってい たので一一秋になって、雑穀の出廻れ期になる と、姉は学校を帰るなり、輸出青碗豆の「手選 工場jへ行った。 (小向60頁) 訳:即使如此,姐姐也選是在困苦中求皐。因此,一到秋 天雑糧上市的季節,姐姐放皐回来就到出口青碗豆的 手土選豆土場去勢動。 (傷田61頁)

(例文15)彼は雨の中ヲ歩きながら、もう一度後の架空 線を見上げた

(芥或169頁) 訳:他宣亙走着,再次仰望了一下後面的架空銭。

(龍某 463頁)

(例文16)お君は背中の子供を揺すり上げ上げ、ゑ亙2

王立走った。 (小父102頁) 訳:阿君掻晃着背上背着的該子,在盛夏的烈日底下迅胞。

(傷慰 103頁)

(例文17)そこへ割引の電車が来た。こみあっている中ヲ、

やっと吊皮にぶら下がると、誰か後から自分の肩 をたたく者がある。 (芥父12頁) 訳:開来一輔減債加班車,車上~盈,我好不容易オ事K 住 投手。這時有人従背後拍了拍我的肩勝。(龍父29頁)

(例文18)乗った時と同じように、こみあっている中ヲ、

やっと電車から下りて停車場へ入ると…一

(芥父12頁) 訳:電車還是上的時候型監査,好不容易オ下了車,走進 火車拍ー看 (龍父30頁)

(例文19)雪もよひの空の下ヲ西へ西へと走っていた。

(芥嵐15頁) 訳:在雪花行牌瓢落的天空下 一宣往西航行着。

(龍訊39頁)

(例文20)血の池の空を挑めますと、そのひっそりとし た暗の中ヲ、遠い遠い天上から、銀色の蜘妹の糸

(4)

が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一筋 細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参 るのではありませんか。 (芥蜘昧39頁)

訳:拾起頭来往血池上空牌目一望,只見寂静異常的 A 片黒暗中,従遥遠的天遺垂下一纏銀色的蜘妹縁。官 佑イ弗伯被人殺現似的 抱曳着一銭細長的微光。

(龍蜘妹103頁)

(例文21)俊吉は全てに無頓着なのか、不相変気の利いた 冗談ばかり投げつけながら、目まぐましい往来の 人通りの中ヲ、大股にゆっくり歩いて行った。

(芥秋79頁)

訳:也許俊吉是封一切都漫不鰹心日巴 他依曹ー遺妙語連 珠地関談,−遭遇着大歩在令人眼花績面L的行人中間 行走着。 (龍秋211頁)

(例文22)医者が雨の中ヲ帰った後、慎太郎は父を店に 残して、急ぎ足に茶の間へ引き返した。

(芥律97頁)

訳:大夫宣亙回去以後,父親留在店里,慎太郎急忙回到 喫飯問。 (龍阿268頁)

(例文23)僕はこの担架に乗せられたまま、大勢の河童の 群がった中ヲ静かに何町進んでゆきました。

(芥河149頁)

訳:我被拾上捨架,周圏擁着一大群水虎。我何静静的前 進了好幾百米。

(龍水397頁)

以上の「ヲ j格名調句に共通する意味的特徴は、ほとん どの場合、明らかに「話し手Jあるいは「動作主jの立場 からの「状況

J

が好ましくない、あるいは特殊な「状況」

であることを示すことである。

3.2  中国語訳と認知的心プロセスについて

中国語訳との対比を見れば、又もう一つの特徴が明らか になってくる。それは、「話し手Jあるいは「動作主Jが その好ましくない「状況Jを恐れずに対峠し、戦っていく 心プロセスがあることである。その後何らかの行動を決定

し、対抗する。(例文15・22)の訳は説明容易な典型的な 例である。

(例文15)彼は雨の中ヲ歩きながら、もう一度後の架空 線を見上げた (芥或 169頁)

訳:他白雨走着,再次仰望了一下后面的架空銭。

(龍某463頁)

(例文22)医者が雨の中ヲ帰った後、慎太郎は父を店に 残して、急ぎ足に茶の間へ引き返した。

(芥律97頁)

訳:大夫豆亙回去以后,父来留在店里,慎太郎急忙回到 吃仮!可。 (龍阿268頁)

「冒雨jは日本語に逆訳すれば「雨ヲ衝くJあるいは「雨 ヲ撞くJになる。また湖南省南部の方言(2)では「冒雨j と同じ意味で、よく「闘雨j と表現することがある。「闘 雨出門J(訳:雨の中ヲ出かける)とか「他闘雨挿田J(訳: 彼は雨の中ヲ田植えする)とかはよく聞く言葉である。「冒 雨J(闘雨)は雨が降っていても、それを気にせず戦って 行動することである。

3.3  「ヲj格の本来の意味合いについて

以上のような解釈、つまり「好ましくない状況を気にせ ず、あるいは対峠して、戦っていく jのような意味が表現 されるのは、「ヲJ格本来の意味合いにこのような意味が 存在すると考えるしかない。それは、「ヲ jの一番典型的 な特徴−「処置Jの役割であると考えられる。もし類義の

「デ・二格」などに交替したら違う意味合いが出てくるで あろう。ここで先行研究の例文をもう一度並べて検証した

0

(例文3)少年は雨の中ヲ坂を登りきり、院長の前で立 ち止まり、ぴょこんと頭を下げた。

(柴谷1978)

(例文4)彼は雨の降る中ヲ八木山峠を超えて行った。

(例文5)お忙しい中ヲよくいらっしゃいました。

(例文6) 4人の学生は日吉館を出ると、厳しい寒気の 史三徒歩で新薬師寺へ向かった。

(許斐1993)

(例文7)桜吹雪の中ヲ歩いた。

(例文8)桜吹雪の中ヲ道を歩いた。

(例文9)太郎は友人の制止の中ヲ次郎に殴りかかった。

(例文10)濃霧の中ヲ峠を超えた。

(杉本1993)

(例文12)こんな大雨の中ヲ来てくださった…一・

(寺村1982) 以上のような「ヲJ格の状況は「好ましくない状況j と 言えよう。またその「状況Jに対峠し戦う意味合いも感じ

られる。ただし、杉本(1993)では(例文24)(例文25)のような、

上述の状況に分類されない例文もあった。

例文

(例文24)穏やかな春の陽の中ヲ公園を散策した。

(例文25)観衆の声援の中ヲ折り返し地点を通過した。

(杉本1993)

(2)北京標準語では「冒雨」をよく使うが、湖南省南部の出身の筆者は、子供の頃から母が「闘雨」をよく使っていたことを覚えている。

(5)

新平

この「ヲ j格は、「状況」の「特殊性J或いは「特指性J つまり伝えようとする意味の一部分だけに焦点を当て、他 を表わすために、使われたのであろうか。あるいは「状況J の部分は人間の認知によって補完的解釈をする簡略的表現 を強調するためであろうか。又は寺村(1982)の言う「一つ である、というのである。これらの多くの用法は慣用表現 の情景」を醸し出すための「臨場性Jであろうか。この間 になっている。分かり易くするために、本論文では、この 題は今後の検討課題とし、本論ではこれ以上深く考察しな ような用法乞簡略概括表現(4)と呼ぼう。簡略概括表現 いことにする。 を用いれば、(例文27)は次のように解釈することができる。

4.統 語 的 他 動 性 に つ い て

第3節の意味的他動性と同様、統語的観点からの他動性 についても以下の特徴がある。

(1)他動性の記号「ヲJ格が使用されている。

(2)対応する動詞は省略されているが、表面的に対応して いる動詞には意志性が含まれている。

動詞が単純に対応しない用法は、日中両言語に広く見ら れる。したがって目的語−動調の「不一致性Jで片付けて しまうのは乱暴である。筆者は、この現象を「簡略概括表 現Jで説明できると考えている。この表現は他動構文の経 済性とも関わっている、と考えられる。

統語的他動性に関しては、先ず、他動性の記号「ヲJ格 が記されている。しかし、副調説(柴谷1978)に指摘され ているように、「ヲ」格と後の動詞との関係が「目的−動詞

J

の関係になっていない問題が残されている。この問題につ いては次の2点から考える。

(1)日中両語の「文法の不一致性Jから (2)認知的「簡略概括表現Jから

4.1  日中両語の「文法の不一致性

J

について

日本語と中国語の双方に、目的語と動調が単純に対応しな い現象が多く見られる。特に中国語の場合には少なくない。

(例文26)吃大碗。 (直訳:どんぶりを食べる)

(例文27)梼公共汽車。 (直訳:パスを込む)

このような用法は、中国語では文法の一致性がないと言 われるほど多く使われ発展している。日本語にも、(例文 26)に対応した次の文がよく使われている。

(例文28) ドンブリを平らげる。(山梨1995)

4.2  認知的「簡略概括表現

J

について

山梨(1995)は4.1節の現象をメトニミ一的表現(3)と呼ぶ。

(例文27)梼公共汽車=パスが混んで、いるが、一生懸命 乗らなければならない。(「乗る」という動作が簡略)

4.3  状況「ヲ

J

格に対応する動詞の問題

状況「ヲJ格に対応する動詞の問題も「簡略概括表現J

で説明することができる。これまで見てきたように、「目 的語−動詞jの不対応問題は日中両語に広く見られる。場 合によっては「動詞Jが省略されることもある。しかし、

本当は以下の例のょっに括弧の中の述語が簡略されている のであるが、後に続く意志動調との関係で意味は正しく捉 えられる。

(例文1)彼は雨の中ヲ(かまわず)歩きながら、もう 一度後の架空線を見上げた。

(芥或169頁)

(例文5)お忙しい中ヲ(かまわず)よくいらっしゃい ました。 (許斐1993)

5.結び

本論文では状況の「ヲ j格を、意味的観点と統語的観点 からの議論、および、中国語訳との対照の視点から議論し た。この考察を通じて、以下の点が明らかになった。

(1)状況の「ヲJ格は、意味的、統語的他動性の高い文 法格である。

(2)意味的他動性は、「ヲJ格の本来の処置性によって表 わされている。

(3)「ヲJ格の使用動機は、意味的には特殊の好ましくな い状況を気にせず対峠し、戦っていく心的プロセス がある点にある。

(4)統語的他動性は、第1には「ヲ」格の使用に表わさ れる。第2には具体的に対応する動詞が「簡略概括 表現j によって表面に出ていないが、意志性のある 動詞との連動関係が十分成立していることに表わさ

(3)「メトニミー的な表現Jは山梨(1995)3031頁を参照のこと。メトニミ一的な表現の理解には、次のような認知のプロセスが問題になる。

(a)与えられた状況ないしは対象のどの特徴に注意を向けるか。

b)与えられた状況ないしは対象のどの部分を相対的に際立たせるか。

慣用的メトニミーを特徴づける接近の関係としては次のような具体例が挙げられた。

「容器一虫盈」:ーとと

n

を平らげる。 (ドンブリの中の食べ物)

「主体−亘直盟」:駅の丞盟が荷物を運ぶ。 (赤帽子をかぶっている人)

(4)この表現は名詞だけではなく動調にも使われていると,筆者は考える。

また適切な状況や文脈によって補完的に解釈できる表現を敢えて「簡略概括表現Jと呼びたい。

(6)

れる。

本論文では以上の点に関する結論を得たが、以下のよう な残された課題もある。

(1)何故必ずと言ってよいほど「ヲ j格の前に「中・下J

が来るのか。

(2)「中・下

J

が「ヲ

J

格の前に来ない例外的な場合をど う考えるか。

(例文29)暗い水の空ヲ寒そうに鳴く、千鳥の声を 聞いた。 (芥Jll175頁) (3)「好ましいj状況(例文 24・25のような「穏やかな

春の陽の中ヲJなど)の場合はどう位置づけるか。

(4)自動詞と共起し、同じく「目的語−動詞j関係が不 成立、不一致の問題が残されている「ところヲJを どう考えるのか。

(例文30)僕は、君のおかげで、危ないところヲ助 かった。 (杉本1994) これらの問題の議論は、今後の課題として取り組んでいきた

参考文献

柴谷方良(1978)『日本語の分析

J

、大修館書店出版

寺村秀夫(1982)『日本語のシンタクスと意味J1、くろしお 出版

杉 本 武 (1986)「格助詞 j、『いわゆる日本語助詞の研究J

奥津敬一郎・沼田善子・杉本武、凡人社出版 杉本武(1993)「状況の『をJについてJ、『九州工業大学情 報工学部紀要(人文・社会科学篇)J6、九 州工業大学出版

許斐慧二(1993)「『ところ j補文のシンタックス j、『言語 学からの眺望

J

福岡言語研究会編、九州大学 出版

杉本 武(1994)『「警察はその泥棒が逃げていくところを捕 まえたJ再考

J r

九州工業大学情報工学部紀 要(人文・社会科学篇)J7、九州工業大学 出版

山梨正明(1995)『認知文法論jひつじ書房出版 河上誓作(1996)『認知言語学の基礎

J

研究社出版

例文出典 日本語関係

「小同j:『傷痕j の「同士田口の感傷J日漢対照、小林多 喜 二 著 、 楊 幸 雄 ・ 楊 国 華 訳 注 、 上 海 訳 文 出 版 社 (1980) 

「小父j:『傷痕

J

の「父帰る」日漢対照、 小林多喜二著、

楊幸雄・楊国華訳注、上海訳文出版社(1980)

「芥父

J

:「父

J r

芥川龍之介全集lJ筑摩書房(1986)

「芥訊

J

:「訊」『現代日本文学大系43芥川龍之介集

J

筑摩 書房(1968)

「芥蜘昧」:「蜘妹の糸

J r

芥 川 龍 之 介 全 集

2 J

筑 摩 書 房 (1985) 

「芥秋山「秋」『現代日本文学大系43芥川龍之介集

J

筑摩 書房(1968)

「芥律j:「お律と子等とJ『芥川龍之介全集

4 J

筑摩書房 (1987) 

「芥河j:「河童J『河童・或る阿呆の一生』芥川龍之介著、

旺文社文庫(1966)

「芥或」:「或阿呆の一生J

r

現代日本文学大系43芥川龍之 介集』筑摩書房(1950)

「芥Jll

J

: 「 大 川 の 水

J

『 羅 生 門 ・ 鼻 ・ 芋 粥

J

芥 川 龍之介著、角川書店(1985)

中国語関係

「傷田

J

:『傷痕

J

の「田口同志的傷感

J

小林多喜二著、楊幸雄・

楊国華訳、上海訳文出版社(1980)

「傷慰」:『傷痕』の「慰慰要因来J小林多喜二著、楊幸雄・

楊国華訳、上海訳文出版社(1980)

「龍父

J

:『芥川龍之介小説選

J

の「父

J

、芥川龍之介著、文 学朴訳、人民文学出版社(1981)

「龍訊J:『芥川龍之介小説選』の「訊」芥川龍之介著、呂 元明訳、人民文学出版社(1981)

「龍蜘妹」:『芥川龍之介小説選Jの「蜘妹綜」芥川龍之介著、

呉樹文訳、人民文学出版社(1981)

「龍秋j:『芥川龍之介小説選

J

の「秋j芥川龍之介著、呉 樹文訳、人民文学出版社(1981)

「龍阿

J

:『芥川龍之介小説選

J

の「阿律和該子例

J J

芥川龍 之介著、文学朴訳、人民文学出版社(1981)

「龍水

J

:『芥川龍之介小説選

J

の「水虎

J

芥川龍之介著、

文潔若訳、人民文学出版社(1981)

「龍某J:『芥川龍之介小説選』の「某俊子的一生J芥川龍 之介著、文学朴訳、人民文学出版社(1981)

参照

関連したドキュメント

From the comparison of students' performance table, it could be observed that on the whole, the Japanese students of both Grade/Class five and six did far better than

Violence conjugale et aide aux victimes en France Young Japanese Settlers in Manchuria (“Manmo-Kaitaku- Seisyonen-Giyugun”):. The Truth of Their Daily Life Die Waldenser

The Role of Cultural Influences in Japanese Communication : A Literature Review on Social

In contrast, for students with sufficiently high scores in the midterm examination, relative performance information is a signal that they can pass with only moderate effort.. Our

The motivation for this study steams from the fact that each watercourse state is entitled, within its territory, to a reasonable and equitable share in the bene…cial uses of the

[r]

Furthermore, in the presence of Ni catalyst and PPh 3 under the similar catalytic conditions, the regio selectivity was changed dramatically to provide the symmetrical

Since the invention of electronic computers, their performance has been constantly advanced. The recent progress of micro processors in performance has been mainly achieved