多主桁多径間鋼鈑桁橋への塩分付着挙動
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(2) ウェブ上部. 図-5 に各部位における平均付着塩分量の月別変化を示す。 測定月によらず付着塩分量はウェブ上部からフランジ上面へ 露により塩分が下へ洗い流されているのが原因だと考えられ る。また、フランジでは洗い流された塩分が堆積すると考え. フランジ上面. 0.04 0.03 0.02 0.01. られ、フランジ上面には、ウェブ下部の 4. 6 倍の塩分が付着. 0.00 9月 10月 11月 12月 1月. していた。桁下飛来塩分量に対する割合はウェブで 3.5%以下、. 2月. 3月. 4月. 2009年. フランジは 10. 3%の塩分が付着していることが明らかとなっ. 5月. 6月. 7月. 8月. 9月. 2010年. 図-5 横断方向付着塩分量. た。 図-6 に海水の塩類組成、図-7. ウェブ下部. 0.05. 付着塩分量(mdd). と下方にいくにつれて、大きい値になっている。これは、結. ウェブ中央. 0.06. Cation ←・→ Anion. -1.5. -1.0. Cation ←・→ Anion 8月 1月 -0.5. 0.0. 0.5. 1.0. 1.5. に 8 月と 1 月の桁下飛来塩類組 Na+ +K+. 成のヘキサダイアグラムを示す。 海水は Na⁺と Cl⁻が多い盃型で. Cl-. Ca2+. あり、桁下飛来塩類も同じ盃型. SO4 2-. ClSO4 2-. Ca2+. NO3 -. Mg2+. をしており、飛来塩類は海塩粒. Na+ +K+. Mg2+. NO3 -. 子に由来していると考えられる。 しかし、飛来塩類には海水にない. 図-6 海水. 図-7 飛来塩分量. NO₃⁻や SO₄²⁻が含まれている。光市は工業地域のため、工. 140. と考えられる。. 120. 関図を示す。対象橋梁は、さび安定化補助処理が施されて. 膜厚(µm). 場から排出される窒素酸化物や硫黄酸化物が影響している 図-8 に各部位における膜厚測定結果と付着塩分量の相. フランジ. 160. 100 80. 60 40. いる。図より付着塩分量が多い部位ほど膜厚が大きい傾向. 20. にある。この結果から、付着塩分量が鋼材の腐食に大きく. 0 0.00. 影響していると考えられる。. 0.01. 0.02 0.03 0.04 付着塩分量(mdd). 図-9 に橋軸方向における飛来塩分量を、図-10 に付着塩 分量をそれぞれ示す。両者ともに橋軸方向において位置による. 西側←・→東側. ず、飛来塩分は橋 に到達し付着して. 0.05. は横断方向同様に. 飛来塩分量(mdd). 0.00. 0.15. 0.35. 0.040. 平均 C-1. 11月. 12月. 0.035 0.030 0.025 0.020 0.015 0.010 0.000. 0.25. 大きい。. 10月. 0.005. 0.20. 0.30. この調査により、. C-3. 0.10. 下方にいくにつれ 4. まとめ. 10月. 西側←・→東側 11月 12月 C-L C-2. 付着塩分量(mdd). C-4. 梁に対しほぼ一様. また、付着塩分量. 0.05. 図-8 膜厚と付着塩分量相関図. 差はあまり見られ. いると考えられる。. ウェブ. ウ ェ ブ 上 部. 図-9 橋軸方向飛来塩分量. ウ ェ ブ 下 部. フ ラ ン ジ. ウ ェ ブ 上 部. ウ ェ ブ 下 部. フ ラ ン ジ. ウ ェ ブ 上 部. ウ ェ ブ 下 部. フ ラ ン ジ. ウ ェ ブ 上 部. ウ ェ ブ 下 部. フ ラ ン ジ. 図-10 橋軸方向付着塩分量. 対象橋梁における飛来塩分量と付着塩分量の関係が明らかとなった。本橋のような多主桁多径間の橋梁は複 雑な構造を持つため、桁の位置により付着塩分量が異なる結果となり、フランジ上面はウェブ下部の約 4.6 倍の塩分が付着していることがわかった。また、膜厚測定の結果より膜厚の大きさと付着塩分量には関係が あることが示された。.
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