• 検索結果がありません。

主桁エンドプレート溶接部の疲労損傷発生原因把握のための応力計測

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "主桁エンドプレート溶接部の疲労損傷発生原因把握のための応力計測 "

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

主桁エンドプレート溶接部の疲労損傷発生原因把握のための応力計測

首都高速道路㈱    正会員  ○梶原  仁 首都高速道路㈱    正会員    中村  充

(財)首都高速道路技術センター    正会員  仲野  孝洋

1.はじめに  

首都高速道路の定期点検において伸縮継手直下の主桁ウェブとエンドプレートの廻し溶接部から主桁ウェ ブ母材に進展する疲労き裂が数多く発見された.発見されたき裂の近傍には、主桁ウェブの切欠きや落橋防止 装置が存在しており,これが疲労き裂の発生に何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられた. 

ここでは,補修・補強方法を確定させるための前段階として,き裂損傷発見原因を明らかとすることを目的 とした荷重車応力計測を実施したので,その結果について報告する. 

2.き裂の発生位置と発生状況  

  き裂は,供用後 17 年経過した 3 径間連続鋼床版箱桁橋において 24 箇 所発見された.き裂の発生状況を図‑1,写真‑1 に示す.き裂はいずれも 主桁ウェブ母材に進展しており,発見された最大き裂長さは 230mm であ った.このようなき裂に対しては緊急処置として,ボルト締めストップ ホール施工を順次実施している. 

3.荷重車による応力計測  

  損傷原因把握を目的とし荷重車による応力計測を実施した.応力計測に 使用した荷重車を図‑2 に示す.荷重車は,総重量 25t(前輪 2 軸 10t,後 輪 2 軸 15t)とした. 

着目部位及び主な測定位置を図‑3 に示す.着目部位直上に荷重車が載荷 されるように、上り線第二走行車線を走行させることとした。さらに、緊 急的にストップホール施工を実施した箇所の応力状態を確認するために下 り線走行車線部においても計測を実施した。 

測定位置は、損傷発生部位の挙動の把握するために,ウェブ面(エンド プレートの廻し溶接止端部より 10 ㎜位置)の表裏に 3 軸ゲージ(1 ㎜),

ウェブコバ面中央(廻し溶接止端部から 10 ㎜位置)に 1 軸ゲージ(1 ㎜)を貼付した.また、桁の全体的な 挙動が当該部位に与える影響について把握するために箱桁下フランジにも 1 軸ゲージ(3mm)を貼付した.スト ップホール部においては、孔壁まわりに 1 軸(1mm)を貼付した.  

4.応力計測結果  

  着目部位の車線に荷重車を走行させ,得られた応 力変動波形を図‑4 に示す.ウェブ面(G1,G3 部)に ついては,荷重車の移動に伴う主応力方向に変化は 無く,ほぼ鉛直方向であった.また,ウェブ表裏面 の応力差はほとんどない.図上には,箱桁下フラン ジ支間中央部の応力変動波形(G5,G6)も示している が,着目部位の応力変動は,桁の全体的な挙動によ

図-1  き裂の発生位置

落橋防止装置 

写真-1  発見されたき裂

図-2  計測に用いた荷重車

キーワード  荷重車計測,主桁エンドプレート溶接部,落橋防止構造,疲労損傷, 

  連絡先  〒103‑0015  東京都中央区日本橋箱崎町 43‑5  首都高速道路㈱  TEL03‑5640‑4864  土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑345‑

Ⅰ‑173

(2)

るものではなく,着目部位直上近傍に輪が載荷された場合のみ発生す るものであることが判明した.応力変動波形は正負交番しており,老 番側(G3)については,着目部位直上に輪が進入する直前に引張り応 力が作用し,対象部位直上に載荷されると圧縮応力が作用する.一方,

若番側(G1)については,老番側の応力変動波形を反転させた傾向とな っている.また,前輪が着目部位に載荷される前の応力がほぼ0であ ることから落橋防止構造の拘束の影響は低いものと考えられる. 

これらの結果から,着目部位直上から少し離れた位置に輪が載荷さ れると,主桁ウェブの落橋防止装置添接部の切欠部に股を割くような 挙動が発生し,この部位とエンドプレート溶接部の廻し溶接が近接し ていることがき裂発生の原因の1つではないかと考えた. 

次にストップホール孔壁近傍の変動波形を図‑5 に示す.ウェブ面で

の傾向と同様である.計測結果は,孔壁部の応力集中の影響を含んだ結果となっているが 25t の荷重車一台の 走行により最大約 120MPa の応力範囲が発生していた.     

5.まとめ  

① 着目部位近傍の発生応力は鉛直方向成分が卓越し正負交番していた. 

② 着目部位の応力変動は,着目部位直上近傍に輪が載荷された場合のみ発生するものであることが判明した. 

③ 落橋防止装置の拘束により疲労損傷が発生した可能性は低いものと考えられる. 

今後,これらの計測結果を利用し FEM 解析を実施し、最終的な補強構造の検討を実施して行きたい。 

図-5  ストップホール部の応力変動 -30

-20 -10 0 10 20

3 5 7

応力(MPa)

G1-2 G13 G5 G6 -30

-20 -10 0 10 20

3 5 7

応力(MPa)

G3-2 G16 G5

G6 -40

-30 -20 -10 0 10 20

3 5 7

応力(MPa)

G1,2面内 G1,2面外 G13

図-4  主桁ウェブの応力変動波形

(a)老番側 (b)若番側 (c)面内、面外成分

図-3  ゲージ貼付位置図

位置 若番側

ゲージ

老番側

ゲージ ゲージ位置

主桁ウェブ G1 G3

ウェブコバ G13 G16

桁下フランジ G5 G6

孔壁部 G22  G20(G21) 

4.5  9  10 

10  10 

① 

エンドプレート 

主桁ウェブ 

② 

:損傷有りウェブ 

:損傷無しウェブ 

G2

G1

下り線 

上り線 

老番 若番

写 真写 真 写 真

着目部位 SH 計測箇

若番 老番

計測位置

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑346‑

Ⅰ‑173

参照

関連したドキュメント

ミドルビームとサポートビームの接合は,ドイツより技術導入された 1971 年以降 2002

損傷が確認された橋梁は,2 層構造となっており,3 径間連続 PC 箱桁橋の上層は,中央支点 2

1.はじめに 鋼床版構造では,近年,疲労き裂を伴う損傷が多数報告されている.特に,U リブ鋼床版では,U

  図 3 はデッキプレート側の疲労寿命(デッキプレート下面のき裂 長さが 30mm となった荷重繰返し数)を示したものである.図中に は,同じ寸法・形状の溶接ままの

1.まえがき

母材部の硬さは Table 2 に示す耐力,引張強度と同様に,HT 材>DLT 材>304材となっている.ナゲット部の硬さは,HT 材 では母材に比べ大きく低下するが,

13.. 横桁取付部、交差部 ソールプレート周辺 ガセットプレート周辺 対傾構取付部 補剛材とフランジの溶接部 亀裂 疲労損傷マップ(桁橋)

第3章では,溶接継手CT試験片を用いて,大気中ならびに塩水中におけるFCP挙動について,