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オーストラリアの家族の変化 (その2)

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岡山大学大学院教育学研究科研究集録 第147号 (2011)57‑61

オーストラリアの家族の変化 ( その2)

野連 政雄

メルボル ンの グ レン ・ア イラ制 こ住 む高齢女性 に2005年 と2006年 に聞 き取 り調査 をお こ ない,彼女たちの語 りを既 に 『研究集録』 に発表 した。その語 りを押解す ることの助 け とな るように,彼女たちが生 きた時代 (1925年か ら2006年 ころ まで)の オー ス トラ リア社 会の 社会変動 を解説 してゆ く。本稿では,統計デー タを提示 しつつ, オース トラリアの家族の変 化 に関す る先行研究の成果 をまとめ,それに考察 を加 えた。

Keyvvords:家族, メルボルン,家族 史.結線 LIJ,産

9 若者 を取 り巻 く状況の変化

1970年代半 ばか ら,若者 が置か れた状 況が大 き く変化 している。 この変化 は,次の3点に まとめる ことがで きる。

第1に,若者 の雇用情勢が悪化 した こ とであ るO

前述 した ように, オース トラ リア経済 は第2次世 界 大戦後か ら1970年代 は じめ まで好調 であ り,完 全 雇用がほぼ実現 されていたO ところが.その後,オー ス トラリア経済 は悪化 し,失業率が以前よ りも高 く なった。不況に陥った とき,若者の失業率 は とくに 高 くなった。例 えば,1990年代 前 半に深刻 な不況 が オー ス トラ リアを襲 ったが.1991年 の失 業率 は 15‑19歳 の若者 で22.9%,20‑24歳 の若 者 で17.4%

となった。 この ように,就業の不確実性が とくに若 者の間で高 まった (セ ンサ スによる)。

第2に,若者が学校 で勉学す る期 間が延 びたこと である。製造業が衰退 し,サー ビス業が発展 した結 栄,技能労働者へ の需要が1980年代か ら1990年代 に高 くなった。技能 を習得す るために,若者は以前 よ りも長期 間にわた って学校 で学 ぶ よ うになった (Hayesetal.2010:6)。第12学年修 Tまで中等教 育 を受ける (日本の高校 卒業 に相 当)生徒 数は,め ざま しく増加 した。第12学年修了者 の割合は1983 年 に410/Oであったが,1992年 に77%となった,Jそ の割 合 は キ ャ ンベ ラの あ る首 都特 別 地域 (ACT) で97%,南 オース トラ リア州 で93%とな り, ほ と ん どの生徒が1992年 には第12学年 を修 了す るよう

になった (DEET 1993)O さらに,多 くの若者が中 等教育修 √後 に高等教育 (tertiaryeducation)を 受 ける ようになった。15‑19歳の若者の うち高等教 育機 関で勉 学す る割 合 は1987年 に19.2%であ った が,2001年 には26.20/oとなった。そ して,20124歳 の若 者のその割合 は.1987年に18.4%であったが, 2001年には35.7%となった (deVaus2004:146)。

第3に,若者の学校か ら仕事へ の移行が.複雑で 多元的になったこ とであるLlかつて大 部分の若者は 学校 を終 える とす ぐにフル タイムの仕事に就 いてい たか ら,学校 か ら仕事へ の移行が明確であった。 と ころが,1990年 頃か ら, 学校 か ら仕事へ の移 行が そ れ ほ ど明確 で は な くなって きてい る (deVaus 2004:146‑7;Wyn2004)01986年 か ら, 就業 す る 24歳 以 卜の若 者の うちパ ー トタイムでの就業 者の 割合 が高 くな ったO と くに,15119歳 の若者 で は.

その割合 の上昇 は急 激 で あ る。 そ して,1996年か らは,15‑19歳の就 業者の過半数がパー トタイムで の就業 となってい る (セ ンサ スによる)。若者 は学 業 と仕事 と両立 させ なが ら学業 を続 け (例 えば, フ ルタイムの学生 を しなが らパー トタイムの仕事 をす る),年齢が高 くな るにつ れてだんだん とフル タイ ムの仕事 に就 くようにな った。1990年代以 降,読 業 者 の 約80%が フ ル タ イム の仕 事 に就 くの は, 25‑29歳か らであ る。 こうして,若者が フル タイム の仕事 についてあ る程 度の収入 を得 ることがで きる 時期がだんだん と遅 くなっている。

岡山大学教育学研究科社会 ・言語教育系社会科教育講座 700‑8530 岡山市北区津島中3‑1‑1 ChangesinAustralianFamilies‑PartⅡ

MaSaONOBE

DivisionofSocialStudiesandLanguageEducation,GraduateSchoolofEducation,OkayamaUniversity,3‑1‑1 Tsushima‑naka,Kita‑ku,Okayam acity70018530

(2)

10 1990年 代 以 降 の家族 (1)若 者 の 両 親 との 同居

若 者 の教 育 期 間が 長 くな り, フル タイムで就 業 す る時期 が 遅 くな ったの で, 若 者 は経 済 的 に 自立 しに く くな っ た。 そ の ため,若 者 は両 親 に経 済 的 に よ り 依存 す る ようにな ったo そ の1つ の現 れ は,両 親 と 同居 す る若 者 の増 大 で あ る。1980年 代 か ら若 者 は 両 親 の家 を出 る時期 を以前 よ りも遅 らせ , 多 くの若 者 が両 親 と同居 す る ようにな った。 また, 若 者 が 両 親 の 家 を い っ た ん 出 て も, そ の 多 くは両 親 の 家 に 戻 っ た り, 両 親 の 家 を再 び 出 て い っ た り して い る

(deVaus2004:145)。2006‑07年 の調 査 で は,両 親 と同居 す る若 者 の 割 合 は20‑24歳 で47.2%,25‑29

歳 で16.80/0,30‑34歳 で8.20/Oで あ る 12‑。 そ して,

20‑34歳 の若 者 (両 親 と同居 す る若 者 と別 居 す る若 者 の両方 を含 む) の うち30.8%は両 親 の家 を離 れ た 後 ,両 親 の家 に少 な くと も1回 は戻 って い た (ABS 2009b:25)。 学 生 は収 入が少 ないか ら, 両 親 と同居

してい るの は就 業 してい る若 者 よ りも就 学 して い る 若 者 に多 い (McDonald1995:44)

表5は,1981年 か ら2001年 ま で の 間 に お け る,

20‑24歳 と25‑29歳 の 若 者 が 両 親 と同居 す る割 合 を 性 別 に示 して い る。 この表 か ら次 の2点 を読 み取 る

こ とが で きる

表5 両親 と同居 す る若 者 の割 合

(単位 :%)

男 性 女 性

20‑24歳 25‑29歳 20‑24歳 25‑29歳

1981年 42.5 13.1 25.6 5.7 1991年 46.0 17.1 33.9 9.1 2001年 44.1 20.0 34.3 11,7

(出典)deⅥluS(2004:146)

第 1に,1981年 以 降, 両 親 と同居 す る若 者 の 割 合 が 増 加 して い る こ とで あ る。20‑24歳 の 男性 の そ の割 合 は あ ま り増 加 して い な い し,1991年 と2001

年 の 間 で は む し ろ 少 し減 少 し て い る しか し,

25‑29歳 の男 性 が 両 親 と同居 す る割 合 は, 一貫 して 増 え て い る。 そ の割 合 は1981年 に13.1% で あ った が,2001年 に20.0%とな っ た。 両 親 と同居 す る若 者 の割 合 の増 加 は, 男性 よ りも女性 の方 が顕 著 で あ る。20‑24歳 の女性 の両 親 と同居 す る割 合 は1981年 に25.6%で あ っ た が,2001年 に34.2%と な っ た。

そ して.25‑29歳 の女性 の そ の割 合 は1981年 に5.7%

であ ったが,2001年 に11.7%とな って い る

第2に,男性 よ りも女性 の方 が 両 親 の家 を若 い と きに出 て い る こ とで あ る。 例 えば,2001年 に25‑29

歳 の 若 者 が 両 親 と 同 居 し て い る 割 合 は, 男 性 が

20.0%で あ るの に対 し 女性 は11.7%であ る。女性 は男性 よ りも若 い と きに両 親 の家 を出 るの は,次 の よ うな こ とか らで あ る。 若者 が 両 親 の家 を出 る主 な 理 由 の

1

つ は結 婚 や 同棲 をす る た め で あ る

( ABS

2008:ll )。 女 性 は 男性 よ りも若 く して 結 婚 を した り, 同棲 を始 め た りす る。 その ため に,女性 は男性 よ りも若 くして両 親 の家 を離 れ るので あ る

1980年 代 以 降, 両 親 と同居 す る若 者 の割 合 が こ の よ うに増 加 したの は. 次の よ うな同居 の利 点 か ら で あ る。1970年 代 半 ば以 降, オ ー ス トラ リア で は 住 宅 費が 高騰 してい る (deVaus2004:275)。若者 は家 賃 を まった く支払 わ な くと も, あ るい は, 少 額 の家 賃 を両親 に渡 す だ けで,両 親 の家 な らば住 む こ とが で きる。 その うえ, 両 親 に食事 を相意 して もら え た り, 衣類 の 洗 濯 な ど も して も らえた りす る13㌧, 経 済 的 に 自立 しに くくな った若者 は, この よ うな利 点 か ら両 親 と同居 して い るのであ る

(2)結 婚 と同棲

1990年代 に入 っ てか ら,晩 婚化 が 更 に進 行 した。

平均 初 婚 年 齢 は1990年 に男性26.5歳 , 女性24.3歳 で あ ったが,2005年 に男性29.5歳,女性27.6歳 となっ た。 そ の後 ,平均 初 婚 年齢 はあ ま り変化 してい ない。

2008年 にお け る平均 初 婚 年 齢 は, 男 性29.6歳, 女 性 は27.7歳 で あ る (図1を参 照 )。 晩婚 化 が 進 ん だ こ とか ら,25歳 か ら29歳 まで の男性 に 占め る既 婚 者 の割 合 と20歳 か ら24歳 まで の女性 に 占め る既 婚 者 の 割 合 も低 下 したo そ して.2006年 にお け る男 性 の割 合 は26,4%,女性 の割合 は10.4% となっ た (衣 1を参 照 )。 さて, 前 述 の よ うに. 教 育 が 長 期 間 に わた る よ うに な り.若 者 が フル タイムで就 業 で きる 時期 が遅 くな った ため に, 若者 は経 済 的 に 自立 しに くくなった。 そ こで.若 者 は教 育 を終 え, フル タイ ムで就業 して あ る程 度 の収 入 を得 られ る まで,結 婚 を延 期 して い るの で あ る。 したが って, 晩婚 化 は若 者 が 置 か れ た新 しい状 況 ‑ の 「合 理 的 な反応」(de

ⅥluS2004:149)で あ る とい え る

晩 婚 化 と と もに, 非 婚 化 もい っそ う進 んで い る

年齢 が低 い か ら, 若者 の生涯 未婚 率 が どうな るか は 分 か らない。 しか し,2000‑2002年 の結 婚 率 が将 来 も続 くとす る と,31% の男 性 と26%の 女性 は生 涯 未婚 で あ ろ う と予想 され て い る

( J

ain2007:45)

1970年 代 か ら, 若 者 は結 婚 に代 わ る暮 ら し方 と して,あ るい は,結 婚 前 に試 しと して 同棲 を始 め た。

さ らに, パ ー トナ ー と離 別,離 婚, 死 別 した 人が 同 棲 す る よ う に な っ た。1990年 代 に入 っ て か ら, 同 棲 は い っそ う広 ま っ た。1991年 の セ ンサ スか ら結 婚 関係 に加 えて 同棲 関係 も調 査 してい るの で, その

‑58‑

(3)

オース トラリアの家族の変化 (その2)

年以 降 に結 婚 や 同棲 してい る人 の割 合 が どの よ うに 変化 したか を詳細 に見 る こ とが で きる

表6の 第1欄 は, す べ ての 人の うちで (調 査 時 点 にお い て)結 婚 してい る人 の割合 が どの よ うに変化 した か を年 齢 帯 別 に示 して い る。 これ か ら,34歳 以下 の いず れ の年齢帯 にお い て も, 結 婚 して い る男 性 と女性 の割 合 が だ ん だ ん と低 下 して い る こ とを読 み取 る こ とが で きる。例 え ば, 結 婚 して い る20‑24

歳 の 女 性 の 割 合 は1991年 に23.6%で あ っ た が,

2006年 に9.5%とな って い る。 この よ うに, 晩婚 化 が 若 者 の 間 で 進 行 して い る。 また,34歳 以 下 の 人 ほ どで は な い け れ ど,35歳 以 上 の 人の 間 で も結 婚 して い る人の割 合 が だ ん だ ん と低 下 して い る

表6の 第2欄 は, すべ ての 人 の うちで (調査 時 点 にお いて) 同棲 してい る人 の割 合 が どの よ うに変化

した か を年 齢 帯 別 に示 して い る。 これ か ら,34歳 以下 の いず れ の年 齢 帯 にお いて も, 同棲 してい る男 性 と女性 の割 合 はだ ん だ ん と上 昇 して い る こ とが分 か る。 例 え ば, 同棲 して い る25‑29歳 の女性 の割 合 は1991年 に9.1% で あ っ た が,2006年 に21.3%と な って い る。 この よ うに, 結 婚 に代 わ って, 同棲 が 若 者 の 間 で 広 ま っ て い る。 さ らに,34歳 以 下 の 人 ほ どで は な い け れ ど,35歳 以 上 の 人 の 間 で も同棲 して い る 人の割 合 が徐 々に上 昇 してい る14)。

結婚 して い る人 の割 合 が低 下 し,これ に代 わ って, 同棲 す る人の割 合 が 上昇 してい た。 で は, 結 婚 して い る人 の割 合 と同棲 して い る人 の割 合 を合計 した, パー トナ ーの い る人の割 合 は どの よ うに変 化 したか を見 たい。衷 6の 第3欄 は, すべ ての 人 の うちパ ー トナ ー の い る人 (結婚 あ るい は同棲 してい る人) の

表6 年 齢別 に見 る結婚 と同棲 を して い る人 の 割 合 すべ ての人の うち すべ て の 人の うち結 婚 すべ ての 人の うち同棲 パー トナーのい る人

している人の割合 している人の割合 (a) (結婚か同棲 している人) の割合

15‑19歳

20‑24歳

25‑29&

30‑34歳

35歳 以 上

15歳 以 上

パ ー トナー のい る人 の うち同棲 して い る人の

割合

男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性

08634021236714675 06053433706525765

1991年

0.8 2.6 7.0 10.0 9.4 9.1 7.2 6.2 3.0 2.2 4.3 4.1 15‑19歳

20‑24歳 25‑29歳 30‑34歳

35歳 以上

15歳 以 上

8805422史U209115776 66175553668936765 7312707780372311

1996年 0.2 0.8 0.9 2.9 7.1 16.0 9.7 13.8 34.4 47.5 14.1 13.6 57.3 64.7 10.9 9.3 73.8 64.6 4.3 3.4 55.1 53.1 6.1 5.9 15‑19歳

20‑24歳 25‑29歳 30‑34歳 35歳 以上

15歳 以 上

17522316888L14676 88299939137826765 49196007955085211 l(H)8129693836421 73350076225074211

2001年 0.2 0.6 1.0 2.8 5.1 11.8 10.5 15.7 28.5 40.6 17.7 17.6 51.5 58.9 14.1 12.1 70.8 62.4 5.7 4.5 53.1 50.9 7.5 7.2 15‑19歳

20‑24歳

25‑29歳

30‑34歳 35歳 以 上

15歳 以 上

16265615656014676 45109037816(‖Xj25765 43454437817286321 l1218327076285311

2006年 0.1 0.5 0.9 2.8 4.0 9.5 11.8 17.6 24.7 35.9 21.0 21.3 49.2 56,0 17.6 14.9 68.5 60.6 7.1 5.8 51.7 49.3 9.0 8.6

18787715565014676 21295837706725765 750348746694QU7421 9930nX3854718486321

(a)1991年は同性のパー トナーを含 まないが、1996年以降は同性のパー トナーを含む。

(出典)各年のセ ンサスにもとづいて著者作成。

(4)

割合が どの ように変化 したかを示 している。 これか ら, 次の こ とが分か る。20‑24歳 と30‑34歳 のパ ー トナーがいる男性の割合は2001年 と2006年の間で 若干増加 している。 このことを除けば,いずれの年 齢帯 において も,パー トナーのいる男性 と女性の割 合 が 低 下 して い る。例 えば,パ ー トナ ー の い る 25‑29歳 の女性 の割合 は1991年 に66.1%で あ った が,2006年 に57.2%となっている。この ようにノト

トナーのいる人の割合が下がっている。ただ し,パー トナ ー の い る15歳 以 上 の男 性 と女 性 の 割 合 は.

1991年 と2006年の間であま り変化 していない。数 値 をあ げ る と, パ ー トナ ー の い る男性 の割 合 は 1991年に61.2%であったが,2006年に60.7%となっ た。 また,パー トナーのい る女性 の割合 は1991年 に59.5%であったが,2006年に57.8%となった。

表6の第4欄 は,パー トナーのいる人の うちで同 棲 している人の割合が どの ように変化 したかを示 し ている。 これか ら,次のことを読み取 ることがで き る。同棲関係 にある男性 と女性の割合は,いずれの 年齢帯 において もだんだん と高 くなっている。なか で も24歳以下の男性 と女性 で,その割合 の上昇 は 顕 著であ るL124歳以下の人にパー トナーがいる場 合 に,同棲関係である割合が急激 に高 くなったのは, 1991年 と1996年 の間であ る。例 えは 20‑24歳 の 男性 の 同棲 関係 で あ る割 合 は1991年 に37.3%で あ っ た が,1996年 に57.9% と な っ た。 そ して, 20‑24歳 の 女性 の同棲 関係 であ る割 合 は1991年 に 29.8%であったが,1996年に46.3%になった。

パー トナーのいない若者の割合がだんだん と増加 していた,J しか し,このことは,若者が結婚 した り, 同棲 した りすることを望 まな くなった とい うことで はない。若者を対象に実施 された結婚や同棲 に関す るさまざまな意向調査では,大 部分の若者はいつか 同棲 した り,結婚 した りす ることを希望 していたO 例 えば, ビク トリア州 に住 む17歳 と18歳の若者 を 対象 に して2000年 に実施 されたオース トラリア人 気質プ ロジェ ク ト(TheAustralianTemperament Project)の調 査結果 は次 の よ うで あ る。男性 は 78%が5年以内に.12%が6年か ら10年の間に同 棲 (havealongtem relationship)したい と回答 していた。女性の割合はそれぞれ840/Oと100/Oであっ た。そ して,同棲 をしない と回答 した若者はほ とん どいなかった。 さらに,男性 も女性 も同棲後 もっと 年齢が高 くなってか ら結婚すると回答 していた。そ して,結婚 をしない と回答 した若者 もほ とん どいな か った (Smart2002)。

さて,前述の ように,多 くの若者は経済的に自立 す ることがむずか しくなったので,年齢が高 くなっ

て も両親 と一緒 に暮 らす ようになった。若者の置か れた状況のこうした変化か ら,新たな男女間の関係 が生 まれている。若者 に決 まった相手がいて も,若 者はその相 手 と一緒 に暮 らしていない。若者は両親 と同居 し.両親が承知の うえで,両親の家でその相 手と性的関係 を持つ。 こうした男女間の関係が若者 の間で広 まってい る。23歳の若者 を対象者 と して 1990年 に実施 された小規模調査 (Hartley1993a) によれば,お よそ3分の2の若者はそ うした関係 を これ までに持 ったことがあった1410

(3)離婚

1987年に2.4であった普通離婚率は上昇 し,1996 年 に2.9となった。1996年か ら2001年 まで普通離 婚率 はその水準で比較的安定 していたが,その後, 低下 している。2001年に2.9であった普通離婚率は, 2008年に2.2となった (図2を参照)。

普通離婚率は2001年か ら低下す る傾 向が見 られ るけれ ども, この指標は離婚の実態 を必ず しも表 し ていない (deVaus2004:212)。 まず,普通離婚率 は人口1000人当た りの年 間離婚件数であ り,結婚 している人L」1000人当た りの年間離婚件数ではな いことであるO前述 したように,近年,結婚 してい る人の割合が低下 している。 この とき,た とえ普通 離婚率が低 下 した といって も,結婚 している人の中 で離婚す る人の割合が低下 していた ということには 必ず しもな らない。次に,近年において同棲関係が 急速に広 まっていることである。同棲関係 は結婚関 係 よ りもは るか に破綻 しやす い (deVaus2004:

122)。そ こで, もし同棲 関係が結婚 関係 であ った とすれば 普通離婚率はもっと高 くなっていたはず である。 この ように,同棲関係の破綻 は実態 として 離婚 に近いけれ ど,普通離婚率に反映 されない。 こ れ らのことを考慮す ると,普通離婚率が低下 してい るのは,結婚 している人の割合が低下 し,同棲が広 まったか らなのか もしれない16)0

同棲関係の破綻や離婚が増加 したので,片親家族 (loneparentfamily),混合家族Cblendedfamily), 継 子 継 親 家 族 (Stepfamily)が 増 え て い る17)。 2001年に実施 された調査 によれば (deVaus2004:

60‑1),18歳 未満の子供がいるすべ ての家族 (結婚 と同棲の両方 を含む)の うち,10.7%が片親家族で あ り,4.0%が混合家族であ り,4.4%が継子継親家 族である。カップルとその実子か らなる家族(intact family)は80.50/.にす ぎない。同棲関係 を解消 した

り,離婚 した りす るとき,子供は母親 と暮 らす こと が多い。そこで,片親家族は母親 とその子供の組み 合わせが圧倒的に多 く,混合家族や継子継親家族で

‑60‑

(5)

オーストラリアの家族の変化 (その2)

は,子供 は実 の母親 とたいてい一緒 に住 んでい る (ABS2008C:8)。混合家族や継子継 親家族 の特徴 は, カップルが結婚 してお らず同棲関係であること が多い ことであ る。 前述 した2001年 の調 査 によれ ば.18歳未満 の子供 が いる混合家族 の カ ップルの うち38.50/Oが 同棲 関係であ った。 そ して,18歳 未 満 の 子 供 が い る継 子 継 親 家 族 の カ ップ ル で は, 53.00/.が同棲関係であったD

(4)出産

1991年 に1.9であった合計特殊 出生率 はだんだん と低下 し,2001年 に1.7となった。 その後,合計特 殊 出生率 は徐 々に高 くな り,2008年 に2.0(1.97)

となった (図3を参照)。 この ように,合計特殊 出

生率 は1991年 か ら2008年の間で変動 してい るが, その変化 の幅 は0.3にす ぎない。そ こで, 合計特殊 出生率 は.1990年代 と2000年代 において比較的安 定 していた といえる。

同棲 関係の割合が1990年代 と2000年代 に高 くな るのにつれて,非嫡出子の割合 も一貫 して高 くなっ ていった。非嫡 出子の割合 は1991年に23.0%であっ たが,2008年 には34.4% となった (図4を参照 )0 非嫡 出 子の割合が 日本 と比べ る ととて も高 いか ら, これは重大 な社 会問題 だ と思われ るか もしれ ない。

しか し,一部の同棲 関係 にあるカップルは,子供の 誕 生 後 に結 婚 して い る と推 測 され て い る (ABS 2009a:ll ) 0

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(1)小数点以下第 2 位までの分析では、たとえば(家族・親戚)の項目の場合、2000 年

[r]

ころ、正確な情報を提供する義務があり、日照・通風等が阻害されることがあることを当然予想

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