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加藤大鶴【キーワード】延慶本平家物語声点アクセント

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『延慶本平家物語』における声点の資料性

—漠語アクセントと和語アクセントによる検討―

1 はじめに

加藤大鶴

【キーワード】延慶本平家物語声点アクセント 漢語声調

『延慶本平家物語』における声点については、すでに高松政雄 1971 による研究 報告がある。この研究報告では、漢語に差声された 372 例を提示した上で、主に 韻書との比較に基づき清濁とアクセントについて部分的な言及がなされている。

和語に差声された 38 例も提示されており、漢語への差声と合わせて本資料の概 略的な差声状況を知ることができる。ただ、この調査は古典研究会による 1964 年の複製本に基づいており、現在ではこれよりも精密な大東急記念文庫 1982 の 複製本によることで、より正確な調査を行うことができる状況にある。また北原 保雄・小川栄一編 1989• 1995 の翻字・索引や、汲古書院から栃木孝惟,谷口耕 一編 2000 ほかの校訂本も刊行されつつあり、声点や被差声語の同定もしやすく なって来ている。

本稿の主な目的は、新しい複製本と諸先行研究に基づき資料の再整理を行いつ つ、漢語および和語の声点を解釈し時代的な位置づけを行うことにある。特に漢 語は商松論文では韻書とのみ比較されていたが、呉音資料とも可能な限り比較し た上で、漢音系字音による漢語と呉音系字音による漢語を分類し、それぞれの特 徴を探る。高松論文で解釈までは言及されていない和語についても、他のアクセ ント史資料と比較し解釈することで、時代的な特徴を明らかにしたい。

本資料は高松論文で触れられるように、「辞書ならぬ、具体的な言語作品」で あり、漢語声調・アクセント研究の観点からすれば「規範的なものと、通行のも のとの或幅を示す」ことが推測される。すなわち、原音に規範的な声調が、和語 のアクセント体系に融和する一断面が観察され得る* 1 ことが期待されるのであ

*1 小倉肇 1983 によれば「時代・社会階層等によって、『正音』レベルのも の、『和音』レベルのものがあったとしても、一向に差し支えないであろ う」とする。佐々木勇 2003 では、社会階層・学習の度合い・場面といっ た使い分けによって、原音の規範のゆるみを段階的にとらえる枠組みが提 示されている。

(2)

る。たとえばその一端として、本資料では入声と平声を取り違えたものが 3 例見 える* 2 。本稿では、こうした例のほか、高松論文で「同一字で四声の異なるもの がまだ見えるが、漢呉音だけでは解決がつきそうにもない。熟語となると、それ ぞれの字が元のアクセントを代えることもあり、また、所謂その語の話線的関係 によっても、韻害の四声を固守しないことがある」と言及される実態を観察し、

その一特徴も明らかにしたい。

2 資料と分析方法について

大東急記念文庫蔵『延慶本平家物語』は第 1 (本・末)、第 2 (本・中・末)、

第 3 (本・末)、第 4 、第 5 (本・末)、第 6 (本・末)の全 6 巻 12 帖からなる。

伊地知鉄男 1965 ほかによれば、本資料は巻末奥書によって 2 段階の書写過程 を経ていることが知られる丸これらによれば根来寺の僧栄厳によって延慶 2-3 (1 308-1309) 年に第 1 段階の書写がなされ、応永 26-27 (1419-1420) 年に第 2 段階としてそれをさらに多聞丸、有重、融憲、有淳らの僧が書写したものであ ることが分かる。 2 段階の害写を経ているが、北原保雄 1990 によれば、第 2 中 の奥書* 4 により「応永年間の書写においては、手が加えられることは、あまりな かったものと推定され_ (p .3) ている。

したがって、ひとまず本資料の本文は概ね延慶年間の書写を伝えるものと考え られるが、本稿で分析の対象とする声点については一定の留保が必要である。本 資料の声点については高松論文において、①本文と同筆のものと異筆のものが混 ざっていること②本文書写が複数の手によっていることから、声点の資料的均一 性について「純度にやや欠陥があると云わねばならない」と述べられている* 50

*2 牛車・入濁平・キツー (lh023b-01) 、周勃・一平濁・ーホッ (2n017b-05) 、 怯猿•平平 (6h020b-03) の 3 例。記号等については注 13 を参照。

•3 延慶の書写奥書は第 3 本・第 5 本・第 6 本にあり、応永の書写奥書は第 2 中•第 2 末•第 3 本・第 3 末•第 6 本のそれぞれ帖末にある。参考に第 3 本帖末の両書写奥書を記す。「本云 干時延慶二年目七月廿五日 於紀朴I 那賀郡根来寺石曳院之内禅定院之住坊書写之 穴賢不可有外見披覧 之義而已執筆栄厳竺:」「応永廿七年八月廿一日 於妙楽院書写之 権 律師融憲」

*4  「応永廿七年9 五月十三日 写本事外往復之言文字之謬多之 雖然不及 添削大概写之了」

亭 5 このほか本資料の声点には墨筆圏点(二筆)と星点が認められる。商松

‑40‑

(3)

資料的均一性が保証されにくい場合は、資料内の記述された言語や記号類を同時 代における他資料と比較するか、あるいは読み取れた声調変化のパターンが先行 研究と整合的に解釈できるか、といった方法に頼るほかない。 しかし本資料に多 く含まれる、高松論文が触れるような「漢呉音だけでは解決がつきそうにもな」

く、かつ他資料に漢語声調の記述を見つけにくいものは、それだけでは分析が困 難である。

そこで本稿では、漢語への声点だけではなく、和語への声点も分析の対象とす る。漢語アクセントよりも進んでいる和語アクセント研究の成果を用いて、まず 和語への声点を検証し、資料の時代的定位を行う。その上で漢語への声点を分析

した V 、 0

3 和語声点の分析

和語への差声例は全 41 例ある。語種別の内訳は、名詞 6 例、動詞 15 例、形容 詞 3 例、副詞 1 例、助詞 11 例、固有名詞他 5 例、不明 2 例であった。 うち 34 例 が双点によって濁音であることが示され、 4 例が単点によって清音であることが 示されている (2 例が清濁に無関係、 1 例が不明)。よって、少なくとも和語に関 してはアクセントそのものよりも清濁を示すことによって語義を特定することに 注意が向けられていることが分かる。

以下、自立語 25 例に限定して、和語への差声についてアクセントと清濁の観 点から検討する* 60

論文で述べられるように、星点は後筆のものと考えられる。星点は、漢字 表記の漢語(漢字)には 5 例、和語には 3 例存した。このほか本稿では分 析の対象としていないが、仮名表記漢語や漢語の振り仮名に対する声点に は星点のものが多く含まれている。

*6 説明中の略称は次の通り。『ア資』・・・『日本語アクセント史総合資料』(文 献の略称もそのまま用いた)、『日国』•••『日本国語大辞典』。また用例を 掲げる際は「 」内に『延慶本平家物語』での表記、〈 〉に解釈、差声の ない拍は 0 で示した。出現箇所は( )内に示し、巻 (h は本、 m は末、 n は屯巻 41ま l 帖のみだが便宜的に h とした)、丁、オモテウラ(それぞ れ ab) 、行数を記した。

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3.1  名詞

「カタツ」〈固唾〉 00 上濁 (4h037a-03)

「マナ」〈真魚〉上上 (2n003a-03)

「湯津ノ爪櫛」〈湯津爪櫛〉 0 平濁 000(6h047b‑08) 

「ユマキ」〈湯巻き〉平上上 (3h018b-08)

「ホタシ」〈絆し〉上上濁 0 (5m051a‑03) 

「ツシ」〈つし〉上平 (lm060a-09)

〈固唾〉は『ア資』で近松.に HHL 、京ア.で HHL と LLH。語構成から考える と前部「かた(し)」は 1 類形容詞終止形の語幹で HH (F) 、「つ(ばき)」は『ア 資』和名.ほかに L (LL) 、名義に L (LX) 、名義に H (LL) とあり、高起式と 低起式の両様あったと考えられる。したがって〈固唾〉は HHL のほかに HHH もあった可能性もある。〈真魚〉は『ア資』名義.に HH とあり、本資料と合う。

〈湯津爪櫛〉(ゆつのつまぐし・ゆづのつまぐし)は『ア資』袖中.に LLLHHHL 、 巫私.に LLXHHHL·LLXHHHH とあり、本資料と合う。消濁については、古 くは清音、巫私.(応永 35 年 1428) で「ゆ 2 のつまぐし」と濁音であるが、どこ までさかのぼれるかは不明である。〈湯巻き〉は語構成から考えて、「湯」は『ア 資』和名.ほかで L。「巻く」は 4 段動詞第 1 類であるが、秋氷一枝 1980 によれ ばこの派生名詞は HH で現れるとされる。これらが複合語となった場合の、体系 変化前のアクセントは LHH であったと考えられ、本資料と合う。体系変化後の アクセントは『ア資』平節.京アに HLL とある。〈絆し〉は「絆す」 (3 拍動詞第 1 類)の派生名祠である。秋永一枝 1980, p .94 の動詞・派生名詞のアクセント対 応表によれば、 HHH とある。〈つし戸は他資料でのアクセント記載が見つから ないので不明。

3.2  動詞

3.2.1  終止形 2 拍・連体形 3 拍の語 第 1 類動詞

「アケ」〈上げ〉上平濁 (3m090b-02)

「ワヒテ」〈詫び(で)〉上上濁平濁 (6m029a-06)

〈上げ〉は終止形「上ぐ」で『ア資』法華.和名.ほかに HL。連用形一般形* 8 で

*7 本文では「民ノ家ニハツシト云所アリ」とあり、『小学館古語大辞典』では

「天井裏、屋根裏に、囲いをして作った物置場」とある。

*8 用言活用形の分類は秋永一枝 1991 にしたがう。

‑42‑

(5)

HL となる。〈詫び・・〉は終止形「{宅ぶ」で『ア資』名義古今で HL。未然形一 般形で HH となる。

第 2 類動詞

「アヒタリケレハ」〈浴び(たりければ)〉 0 去濁 00000 (3m046a‑03) 

「イテテ」〈出で(で)〉平上濁平濁 (3m006b-06)

「ハケテ」〈化け(て)〉平濁J::上 (lm050b-07)

「夕ヘケル」〈食べ(ける)〉 0 平濁 00 (3h005a‑06) 

「ワケリ」〈分け(り)〉上上平 (3m090b-03)

〈浴び・・・〉は終止形「浴ぶ(浴む)」で『ア資』名義.ほかに LF。連用形一般 形で LF。本資料の声点体系は 4 声体系であるため、声点としては平上で現れる と考えられるが、ここでは〈浴び…〉 0 去濁である。上声を誤って去声に差声し たものか。〈出で(で)〉は終止形「出づ」で『ア資』名義.ほかに LF。未然形一 般形で LH。〈化け…〉は終止形「化く」で『ア資』色葉.ほかに LF 、連用形一般 形で LF。

〈食べ…〉の「食ぶ」は「賜ぶ」からの派生であるから、終止形「賜ぶ」で『ア 資』神紀.ほかに LF とあり、連用形一般で LF。〈分け…〉は終止形「分<」で

『ア資』古今.ほかに LF 、已然形で LF *9 。この〈分け(り)〉上上(平)のみ推 定アクセントに合わず不審である。

3.2.2  終止形 3 拍・連体形 3 拍の語 第 1 類動詞

「アフレ」〈溢れ〉 0 上 0 (2h044b‑04) 

〈溢れ〉は『日国』によれば平安頃まで「アプル」と濁音であったかとされる。

ここでは清音であることを示したか。終止形「あぶる」で『ア資』名義.図書寮 本で HHL。「あふる」でも漢籍で HHL*10 。連用形一般形で HHL。

*9 秋永一枝 1991 では終止形二拍・連体形三拍の動詞のうち、已然形は確例 がないとしている。ここでは推定アクセント一覧(p .74) に基づいた C 同 書p .218 によれば完了の「り」は直前の拍が下降拍である場合「高くつき にくく、低まって接続することになる」とされ、〈分け(り)〉のアクセン

ト型は LFL と推定される。

*1° ここでの『ア資』漢籍.は、小林芳規 1967, p .581 に記載される夏本紀鎌 倉初期点の例であるが、「上上平」となっている。同書にて夏本紀鎌倉初 期点の例には、例えばp .571 に「潟」「上平濁」とあり、濁音表示もある。

『延慶本平家物語』での清音表示を積極的に裏付けはしないが、当該期は

(6)

第 2 類動詞

「シケル」〈茂る〉 0 平濁 0 (5h081a‑03) 

「イソカス」〈急が(ず)〉 00 去濁 0 (3m032b‑10) 

「スタク(キリギリス)」〈集だく〉 0 平濁 0 (5h074a‑Ol) 

「タトリ付ニケリ」〈辿り(付きにけり)〉 0 平濁 000000 (2h053b‑02) 

〈茂る〉の体系変化前のアクセントは不明だが、形容詞「茂し」の「しげー」

と同根であれば、『ア資』名義,ほかの「茂し」 LLF により、第 2 類動詞終止形

「茂る」 LLF と推定される。〈急が…〉は終止形「急ぐ」で『ア資』名義.ほかに LLF。未然形特殊形で LLL。〈集だく〉は『ア資』顕後.に LLF。連体形 LLH。

〈辿り…〉は終止形「辿る」で『ア資』古今.に LLF。連用形一般形で LLF。

3.2.3  終止形 3 拍·連体形 4 拍の語 第 1 類動詞

「オホレ」〈湖れ〉去去濁 0 (5h079b‑Ol) 

〈溺れ〉は終止形「崩る」で『ア資』大般.ほかで HHL。連用形一般形で HHL。

去去濁であらわれるのは上声点を誤って移したか。

3.2.4  その他

「タマキラセ」〈魂消らせ〉 00 上濁 00 (2n087a‑04) 

「トトメキケリ」〈轟めき・・・〉平濁平濁 0000 (3h044a‑Oll 

〈魂消らせ〉の終止形「魂消る」は『ア資』にアクセントの記載がない。『日国』

によれば「消る」はキエル>ケルという変化を経たとされる。「消ゆ」『ア資』名

義.ほかの HL から考えて、「消ら(せ)」は未然形特殊形であるから HH (L) で 本資料と合う。ただし複合を考えるとうまく合わない。「たま」は『ア資』和名.

ほかに LL。「魂」は「玉」と同語源として取り扱って良いだろう。「魂消る」終止

形のアクセントは終止形・連体形 4 拍の第 2 類動詞相当の LLHL と推測される。

ところが第 2 類動詞相当の未然形特殊形は LLLL とされており、本資料と合わ ない。〈轟めき…〉は終止形「轟めく」が『ア資』名義に HHHL とあり、連用形 一般形では HHHL と推定され、本資料の声点と合わない。同根の「と(ど)どー」

を持つ「轟かす」と派生関係であれば、『ア資』乾私.ほかの HHHHL とはべつ に、神紀.ほかに LLLHL もあり、終止形「轟めく」 LLHL も存していたか* 110

清音だった可能性はある。

*11 秋永一枝 1991 によれば古今集声点本では「とどろ(に)」にも両様(稿者 注: HHH と LHH) のアクセントが見られ、「『轟く・轟かす』にも当然高

‑111‑

(7)

したがって〈轟めき…〉の平濁平濁••も当該期のアクセントを示している可能性 はある。

3.3  形容詞·副詞

「アトナカリケル」〈幼かり(ける)〉平平濁00000 (5h006b‑10) 

囁”'薙/;」〈堆く(して)〉 00上0000

(2m024b10) 

「ヲトロヲトロシク」〈おどろおどろしく〉 0 平濁000000 (2h018b‑10) 

「アサアサ」〈鮮鮮〉 0 平濁000 (lm095a‑03) 

〈幼かりける〉は当該期のアクセントは不明である* 12 。〈堆くして〉は『日国』

「うずたかい」の項目に「室町・近世は『うづたかし』『うづだかし』の両様」と ある。『ア資』に「うづたかし」名義. HHHHF とあり、連用形は HHHHL か* 130 声点は第 3 拍が清音であることを示したものと考えられる。〈おどろおどろしく〉

は『ア資』に 3 拍体言「おどろ」として記載がある。「おどろ」と「おどろおどろ し」が派生関係にあるとすれば、名義.での HHL 、補忘.および京アでの HHH とは整合的に説明が付かない。移点時のミスであろうか。

副詞〈鮮鮮〉は同根の「あざ—」を持つ「鮮やか」が『ア資』金光.ほかで LLHL とある。『ア資』平節.では HHLL とあり、体系変化後の姿から考えれば、秋永 一枝 1980, p.404 に示される「畳語及びそれに準じるもの」 4 拍語の、 LLLH との 対応が考えられる。

3.4  和語の声点についてのまとめ

以上、和語自立語声点についての分析を行った。全 25 例中、不審な声点 3 例 と移点ミスと思しき 2 例をのぞき、南北朝期 (1336-1392) に起こったいわゆる アクセントの体系変化* 14 前のアクセント史資料と整合的な解釈ができた。本資 料の和語声点は、部分差声のものがほとんどであるが* 15 、語頭に低拍が連続し

起式と低起式の両様が存在したことが考えられ」(p .107) るとする。

•12 ただし体系変化後の資料として『ア資』近松.に「あどなき」 HHLL とあ る。

•13 ただし「うづたかき」平節. HHHLL (3 拍目濁音)とあり、このアクセント 型は体系変化前の推定アクセント型 LLLLF と対応する。両様あったか。

•14 坂本清恵 1998 によれば、「南北朝期に起こった体系変化は低拍が続くも のが高起式に変わるという、式が交替する大きな音韻変化」とされる。

*15 自立語 25 例のうち、 18 例が双点による濁音を示したものだが、このう ち 18 例が部分差声であり、当該拍にのみ双点を差すものはうち 15 例だっ

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ていると推定されるものが見受けられた。

したがって、本資料の声点は少なくとも応永の害写時ではなく、延慶の書写以 前のものであると考えられる。これは巻第 2 中の奥書の記述とも齢顧しないもの である。

4 漠語声点の分析

4.1  漠語声点の分析方法

高松政雄 1971 では、本資料に現れる単字声調を基本的には韻書の声調と対応 させ、場合によっては仮名音注をも参照することで、そこに現れる一致とずれを 漢音的なものと呉音的なものとに分析している。本稿では、韻書との比較に加え て 4 種の呉音資料* 16 を用いることで、より実証的な分析を試みた。また韻書と 呉音資料との一致・不一致の組み合わせに基づき、漢音か呉音かの判定に段階的 な要素を持たせた。以下、 0 ・・・一致、 X ・・・不一致、△…不明または複数声調に対 応していることを示す。また「+」の記載は漢音・呉音である可能性が高いもの、

「-」の記載は同じく低いもの、「不」はどちらにも一致しないことを示す。* 170

•広韻〇呉音 x

. . .  

「漢+」

•広韻〇呉音△ ... 「漢」

•広韻〇呉音 0 ...  「同」

•広韻 X 呉音△ … 「呉」

•広韻 X 呉音 0 … 「呉+」

•広韻 X 呉音 x ... 「不」

た。秋永一枝 1991 では「清濁を示すための部分差声」について「この方 法は当然ながら古い資料にはごく少ない」(p .420) としており、本資料の 差声が延慶を遡るとしてもさほど古くはないと推測される。

•16 『九条家本法華経音』『観智院本類染名義抄』『金光明最勝王経音義』『保 延本法華経単字』の 4 種。本稿末尾に詳細を示した。

*17 韻書は澤存堂本を底本とした『大宋重修広韻』(以後広韻と呼ぶ)を用い た。対応にあたっては、呉音系字音側に上声と去声を区別せず去声として 扱った。また広韻側の全濁上声字が去声で現れる場合は一致例に含めた。

‑,16‑

(9)

4.2  単字の分析

単字単位での分析を行う。表 1 は、『延慶本平家物語』に現れた声点を、声点・

拍数と前節で示した段階的な漢音・呉音認定で分類したものである。

まず、全平声 192 例の拍数内訳は 1 拍字 45 例対 2 拍字 147 例(以下 45 : 147  と示す)、全去声 77 例中の内訳は 8: 69 であるに対し、全上声 80 例中の内訳は 36: 44 と 1 拍字の割合が高いことが分かる。呉音系字音については、奥村三雄 1957 においてもと去声字であったものが拍数(音節数)に応じて、去声は 2 拍 字、上声は 1 拍字に現れる傾向があるとしている。「呉ー」と「呉+」の上声のう ち 1 拍字が 40~60 %含まれるのに対し、去声では 1 拍字が 10 %前後であるの はこれを反映したものと考えられよう。「漢+」上声でも同様の分布を確認でき るが、総数が少ないので単字だけの分析では確実なことは言いにくい。詳細は 4.3 二字漢語の分析で述べる。

声点 拍数 漢音系字音 呉音系字音

漢+ 漢 計 呉— 呉+

平 l 拍 7  12  19 

,

13  22  2  2  45 

2 拍 56  46  102  12  17  29  11  5  147 

小計 63  58  121  21  30  51  13  7  192 

上 l 拍 7  1  8 

,

12  21  5  2  36 

2 拍 5 

,

14  7  18  25  3  2  44 

小計 12  10  22  16  30  46  8  4  80 

去 1 拍 2 

1  1  8 

2 拍 26  15  41  8  14  22  5  1  69 

/」ヽ計 28  15  43  10  16  26  6  2  77 

計 103  83  186  46  76  122  27  13  348 

表 1 単字分析

4.3  二字漢語の分析

以下では入声が含まれない二字漢語 106 例 (212 字)のうち、「同」と認定さ れた字を含まないもの 83 例 (166 字)を対象とし、漢音漢語・呉音漢語・その他

とに分けて分析を行う。

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4.3.1  漢音漢語と認められるもの

単字分析で「漢+」または「漢」と認定した声調だけで構成されるものが以下 である。これらは漢音系字音の声調を反映した、いわば漢音漢語と考えて良いだ ろう。全 38 例のうち、語頭平声が 25 例、語頭上声が 4 例、語頭去声が 9 例と なっている* 180

1.安寧(天皇) •平平 (2n098b-04) 2. 軍門・平平 (3m053b-03) 3. 弘農•平平 (3m003a-08) 4. 神恩•平平 (3m053a-03) 5. 崇斑•平平 (2h07lb-05) 6. 尊崇•平平 (3m052b-Ol) 7. 村南•平平 (2h016a-06) 8. 丹誠•平平 (3m053b-Ol) 9. 天孫•平平 (6h048a-10) 10. 扮楡•平平・ーユ (2m090a-03) 1 1.交談•平平・カウタム (2h072b-02) 12. 同襟•平平・トウキム (2h072aー 10) 13. 山玄•平平濁 (2h016a-08) 14. 傍人・平平濁 (2h096b-08) 15. 人間・平濁平 (2h016a-Ol) 16. 邪謀•平濁平濁 (3m053b-02) 17. 遥嶺•平上 (2m089b-04) 18. 傭里•平上・イウリ (5m02la-Ol) 19. 微子・平濁上・ヒシ (2n017b-05) 20. 閑放•平去 (2m089b-06) 2 1.帰敬•平去 (2m090a-09) 22. 凶乱•平去 (3m053a-02) 23. 心事・平去 (3m047b-04) 24. 朝憲·平去 (3m052b-07) 25. 羅洞•平去 (3m05la-09) 26. 永平(十五年) •上平 (2h050b-09) 27. 感降・上平 (2ml04b-04) 28. 嶺嵐・上平 (2h09la-05)

*18 用例は、漢語(解釈の補助のため前後を示したものもある)・声点・出現 箇所。当該字に声点がない場合は一で示した。出現箇所については注 3 を 参照。

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29. 梢然·上平濁 (3m005a-Ol) 30. 孝霊(天皇).去平 (2n098b-08) 3 1.仲哀·去平 (2n099b-02)

32. 孝安(天皇)・去平・カンアン (2n098b-07) 33. 後聞・去平濁 (5h075b-Ol)

34. 孝元(天皇).去平濁 (2n098b-08) 35. 太原・去平濁 (lm078b-05) 36. 瑞離·去濁平 (2m089b-07) 37. 道宣・去濁平 (2h012a-06) 38. 諫鼓・去上 (2h042a-06)

声調 1 拍 2 拍 計 声調

語頭上声

語頭上声

語頭去声

, ,

語頭去声

語末上声 3  1  4  語末上声 語末去声 1  5  6  語末去声

1 拍 2 拍 計

4  3  7 

表 2 漢音漢語・上声と去声 表 3 呉音漢語・上声と去声

さて、 4.2 「単字分析」では、「漢+」と認定したものに去声は 2 拍字、上声は 1 拍字という傾向が見られることについて触れたが、ここでは「漢」と合わせて語 環境別にどのように現れるか表 2 にまとめた。表からは、語末の上声は多くが 1 拍であり 2 拍ではほとんど現れず、語末の去声は多くが 2 拍であり 1 拍ではほと んど現れないことが分かる。これは和語において、 1 拍去声は語頭にのみ現れる

(金田一春彦 1971, p.46) 現象が漢音漢語にも及んだ結果、語中末の 1 拍去声が上 声となり、このような数的分布となって現れたと考えられる。 1 拍の語頭上声・

去声が 1 例もないことについては、よく分からない。偶然の結果であろうか。

4.3.2  呉音漠語と認められるもの

単字分析で「呉+」または「呉ー」と認定した声調だけで構成されるものが以 下である。これらは呉音系字音の声調を反映した、いわば呉音漢語と考えて良い だろう。全 13 例のうち、語頭平声が 6 例、語頭上声が 3 例、語頭去声が 4 例と なっている。

1.滉漢•平平・クワウヤウ (2h090b-Ol) 2. 渡書•平上・トショ (2n004a-03) 3. 病病•平上 (2m089b-09)

(12)

4. 冥恩•平上 (2m089b-07) 5. 宝宮・平去 (2m089b-08) 6. 解陳•平濁去濁 (5h001a-06) 7. 吏務・上平 (5m064b-07) 8. 亜夫・上上濁 (lm023b-03)

9. 荼昭・上濁上濁・タセウ (2h063a-09) 10. 今上・去平濁・コン一 (lh046a-07) 1 1.清浄.去平濁 (2m090a-03) 12. 晃錯・去上・テウソ (lm023b-02) 13. 攘災・去濁上 (2h019a-03)

語環境別にどのように現れるかまとめたものが表 3 である。表によれば語頭上 声は全て 1 拍であり、語頭去声は全て 2 拍となっている。また上声・去声に後接 する字に去声字のないことが用例から分かる。語末上声は 1 拍 4 例、 2 拍 3 例と あるが、 2 拍は 3 例とも上声または去声に後接することが用例から分かる。語末 去声はすべて 2 拍である。こうした特徴は、先行研究で指摘される呉音声調の特 徴* 19 を反映したものと考えられる。

4.3.3  その他の二字漠語

以下は単字で漢音系字音と認定したものと、呉音系字音と認定したものが混在 している漢語、およびどちらにも認定できなかったものが含まれている漢語であ る。全 32 例のうち、語頭平声が 18 例、語頭上声が 6 例、語頭去声が 8 例となっ ている*200

1.奥区・平平 (2h016a-01) $去平®平?

2. 開化(天皇) •平平 (2n099a-01) ⑲平去®去平 3. 青侍·平平・セイシ (lh067b-06) $平去®去平

*19 沼本克明 1971 • 1979 によれば、呉音声調の特徴として①曲調音節の消滅 による去声(上昇調)の上声化(高平調化)、去声字+去声字という連音上 の声調変化による高平調の出現する例を掲げ、単字または語頭、非去声字 に連接するなど、 1 音節去声字はほとんどが高平調で実現するようになる とする。また②「語中・語尾に於いては、語頭の場合に比して、漢字本来 の四声を保つ度合いが非常に少なかった」として、特に 1 音節字に上声化 が見られるとされる。

*2° 用例中、®®はそれぞれ推定される漢音漢語の声調型と呉音漢語の声調 型である。?は声調の推定ができなかったものを示す。

‑50‑

(13)

4. 尊貴•平平 (2m090a-09) ®平去®去平 5. 翔楚•平平 (lm004b-03) @平上®?去 6. 尋所・平濁平濁 (4h044a-03) ®平上®去平 7. 聟車・平平濁・レンシャ (lh023b-O l) @上平®平去 8. 童帝•平平・トウタイ (lh046b-01) @平去®去平 9. 緩靖(天皇) •平平・スイセイ (2n098b-04) @平上®? ?  10. 残害•平平濁 (3m053b-03) ®平去®平平/去平

1 1.前駈•平平濁・セングウ (lh055b-02) ⑲平去®去平/去去 12. 詔苦•平濁平/去濁平 (3m049a-09) ⑲去平@平去/去去 13. 遠路・平上 (2m090a-03) ®上去®去平/去去

14. 九野・平上 (2h072b-05) ®上上®去平 15. 人庶•平濁上・ーソ (2h030b-10) @平去®去去 16. 台階•平上 (2n037b-05) ⑱平平@去`?

17. 退迩•平去・カシ (2h016a-06) ⑲平上®? ?  18. 隣境•平去 (3m052b-08) ®平上®去?

19. 丹祈・上平 (2m090b-02) @平平⑲去?

20. 微陽・上平 (2m090a-02) ®平平⑲去?

2 1.懇念・上平 (2m089b-07) ⑱上去®?平 22. 精誠・上平濁 (2m089b-07) ⑲平平®去去 23. 買誼・上上濁 (lm023b-03) @上去®平?

24. 允恭(天皇) •上上・ヰンクヰヤウ (2n100a-08) ®上平@?去 25. 韓影・去平 (lm023b-Ol) @平平®'?

26. 商オ・去平 (lm004b-02) @平平®去去 27. 鼎臣・去平 (2h071b-06) @上平®?去

28. 萌芽.去平濁・マウケ (5m043b-05) @平平®去?

29. 叙念・去平濁·ーテン (lh079a-04) @去去@?平 30. 往詣.去上 (2m090a-09) ®去去@平去

3 1.上宰.去上 (2n038a-04) ®去平®平平/去平 32. 御宇・去濁去 (3m051a-10) ®去平®平?

これらの漢語の声調はどのように考えるべきだろうか。書写過程での写し誤り や漢音呉音混読を疑うこともあり得るだろうが、ひとまずは両者を交えず正確に 写したと仮定し、これらが何らかの音韻変化や類推変化を経たものと考えたい。

検討できる母数が少ないためにアドホックな解釈である可能性もあるが、い くつかは変化の過程を推測することもできよう。たとえば、 15. 人庶•平上は推 定される漢音声調型の平去の後項が 1 拍去声であるために上声に変化したもの、

24. 買誼・上上濁や 3 1.往詣.去上の後項は同じく推定漢音声調型の上去·去去

(14)

が 1 語化する時に連音上の変化を起こしたもの、などである* 210

このほか、漢音系字音や呉音系字音など字音声調の来源と比較するだけでな く、後代のものとの整合性を図りながら解釈するという方法もあるが、はっきり とした対応は見られなかった。体系変化後のアクセントを反映するとされる『平 家正節』(上野和昭 2000• 2001 を参照した)と、体系変化前と考えられる本資料 のデータを比較すると、たとえば 6. 尋所・平濁平濁 (LLL) は『平家正節』に

「上 xx 」 (HLL) とあり、『平家正節』に期待される HHL とは異なる。同様に 11. 前駈•平平濁(LLLL) ・セングウは「上 XXX 」(HLLL) で、これも期待さ れる HHHL と異なる。 3. 青侍•平平 (LLL) と『平家正節』の「上上上」(HHH) も同様。唯一対応が考えられるのは 13. 遠路•平上 (LLH) に対する、『平家正

節』藷蕗「上 xx …」(HLL) である。 LLH > 

HLH 

>  HLL と変化したか。だ

とすれば、原音から説明のつかない例には、別の声調型に類推して変化したもの も含まれることになる。

結局、漢語の場合は複合の度合いや馴染み度の問題があるため、和語のような 整合性のあるアクセント体系をなしておらず、語によって個別に検討する必要が あると考えられる。

4.4  三字漢語の分析

三字の漢語は以下の 6 語である。

以下の 3 語ぱ基本的に「漢+」「漢」で構成され、漢音漢語と認められる。

1.新垣平•平平平・シムエムヘイ (3m005b-02) 2. 腸玄」炎•平平上 (3m003a-08)

3. 野太夫・上上平・ヤタイウ (lml08b-09)

このうち 3. 野太夫・上上平の「太」は広韻で去声である(判定では「不」)が、 1 語化する時に上声に後接しアクセントの高さの山が 2 箇所に分かれることを避け たと考えられる。

以下は基本的に「呉+」「呉ー」で構成される三字漢語である。呉音漢語と認め られるのは次の 3 語。

1.尊星玉・去上濁上 (3h087b-08)

2. 胡飲酒・上平平濁・コインジュ Oh092a-05) 3. 周公旦·上上平濁・シユクダン Oh046b-02)

*21 漢音系字音における声調変化に言及されることは少ないが、佐々木勇 1988 では淡音系字音を反映するとされる岩崎本『蒙求』に、 1 音節去声字 が見られないという指摘がある。

‑52‑

(15)

1 .尊星王・去上濁上は語頭 2 拍字が去声で現れ、語中尾は上声で現れるという点 で呉音の特徴にも合う。 2. 胡飲酒・上平平濁・コインジュの「飲」は仮名音形が 呉音「オム」漢音「イム」で合わないが、声点は呉音と認定される。『三巻本色葉 字類抄』では「コイムス・平上上」とあり仮名音形も声点も漢音系字音を反映す るのと合わない(胡飲酒については高松政雄 1971 でも言及されている)。 3. 周 公旦・上上平濁・シュクダンは仮名音形も呉音に合う。また 2. と 3. は語頭 1 拍 字が上声で現れ、呉音の特徴に合う。

5 おわりに

以上、はじめに述べた目的に沿って分析を行ってきた。時代的な位置づけにつ いては、和語に差声された声点をアクセント史の先行研究と対照することで、体 系変化前の状況を反映するものと考えた。すなわち応永書写時以降に新たに害き 込まれた声点はほとんどないとみなしてよく、本資料の声点は延慶書写以前の状 況を反映したものと考えられる。漢語に差声された声点についても、同時代の音 調を反映したものとみなすことができるだろう。その上で他資料との比較から単 字レベルで漢音と呉音を認定し、さらに二字漢語・三字漢語の声点を分析したと ころ、以下のことが分かったc

•呉音系字音と分類されたものは、先行研究で指摘される呉音系字音の特徴 に合致していた。

•漢音系字音と認定されたものには、語末上声・去声に数的分布の偏りがあ り、従来指摘されることの少なかった漢音系字音声調における連音上の変 化が疑われる。

•呉音系字音・漢音系字音のどちらにも認定しにくかったものには、漢音 系字音を反映した漢語が連音上の変化を起こしたと思しき例が含まれて V ヽた。

漢語についての上の指摘は、原音に規範的な漢語声調が、あるものはその姿を とどめ、あるものは変化してゆくという姿を捉えたものと言える。このほか、上 記で説明しきれない多数の例は、和語アクセント体系への融和という流れとは別 に、複合の度合いや馴染み度によって臨時的な声調型で現れたり、またある場合

(16)

には有力な型へ類推変化*22 したことも想定しなければならないだろう。本稿で は限られたデータの中で推測を交えながら解釈を行ったため、こうした観点から の分析を十分に行うことができなかった。今後も、本資料のような「具体的な言 語作品」に近い種類の文献について同様の分析を行うことで、そうした分析の難 しい例の解釈を含め、漢語声調が和諾アクセント体系に融和していく実態を検証 して行きたい。

(参考文献)

秋永一枝 1980 『古今和歌集声点本の研究 研究篇上』校倉書房 秋永一枝 1991 『古今和歌集声点本の研究 研究篇下』校倉書房 伊地知鉄男 1965 『延慶本平家物語解説·対校表』古典研究会 上野和昭 2000 『平家正節 声譜付語彙索引上』アクセント史資料研究会 上野和昭 2001 『平家正節 声譜付語彙索引下』アクセント史資料研究会 奥村三雄 1957 「呉音の声調体系」訓点語と訓点資料 8

奥村三雄 1961 「漢語のアクセント」国語国文 30-1

奥村三雄 1963 「漢語のアクセントーアクセントから語彙論ヘー」国語学 55

小倉肇 1983 「〔書評〕沼本克明著『平安鎌倉時代に於る日本漢字音に就ての研究』」国語 学 135

蒲原淑子 1989 「漢語アクセントの一性格ー『平家正節』を資料として一」活水日文 19 川瀬一馬 1982 『延慶本平家物語(巻ー~六)』大東急記念文庫

北原保雄・小川栄一編 1989 『延慶本平家物語 本文編(上・下)』勉誠社 北原保雄・小川栄一編 1995 『延慶本平家物語 索引編(上・下)』勉誠社 金田一春彦 1979 『国語アクセントの史的研究 原理と方法』塙書房

小林芳規 1967 『平安鎌倉時代に於ける漢籍訓読の国語史的研究』東京大学出版会 坂本清恵 1998 「体系変化の前後におけるアクセント体系について」(『日本語アクセント

史総合資料研究篇』東京堂出版)

佐々木勇 1988 「日本漢音に於ける声調変化ー岩崎文庫本『蒙求』を中心に一」新大国語

14 

佐々木勇 2003 「日本漢字音史における位相的研究」国文学解釈と教材の研究 48-4 高松政雄 1971 「延慶本平家物語における声点」岐阜大学研究報告(人文科学) 20 栃木孝准•谷口耕ー 2000 『延慶本平家物語:校訂. 1 』汲古書院

沼本克明 1971 「毘富羅声の機能」国語学 84

*22 奥村三雄 1961 ・ 1963 、蒲原淑子 1989 では、伝統的アクセントから説明の つかない現代京都の漢語アクセントは頭高型で現れる傾向があるという。

これらは日常語として頻用度の低いものであり、伝統を離れて多数型で発 音されるようになったものと説明される。

ー和l-

(17)

沼本克明 1979 「平安時代に於ける日常漢語のアクセント」国語国文 48-6

(参照辞書類)

『九条家本法華経音』沼本克明 1982 における分類

『広韻校本』中華書局,周祖護 1960

『古辞書音義集成 12 金光明最勝王経音義』汲古書院, 1981

『天理図書館善本叢書 観智院本類漿名義抄』八木書店, 1976

『保延本法華経単字』古辞書叢刊刊行会, 1973

『日本語アクセント史総合資料 索引篇』東京堂出版, 1997

『日本国語大辞典 第 2 版』小学館, 2000

ー山形短期大学総合文化学科一

参照

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