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博(生)甲第205号

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Academic year: 2021

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博(生)甲第205号 氏 名 濱野 和正

主査 藤村 誠 副査 宮原 末治 副査 喜安 千弥

論文審査の結果の要旨

濱野和正氏は、2003 年 4 月に長崎大学大学院生産科学研究科博士後期課程に(社会人学生として)

入学し、現在に至っている。同氏は、生産科学研究科に入学以降、システム科学を専攻して所定の 単位を修得するとともに、画像のネットワーク配信およびそのコンテンツ管理に関する研究に従事 し、その成果を 2009 年 12 月に主論文「インターネット放送とコンテンツ管理に関する研究」とし て完成させ、参考論文として、学位論文の印刷公表論文 5 編(うち審査付き論文 2 編)、学位の基 礎となる論文 3 編を付して、博士(工学)の学位の申請をした。長崎大学大学院生産科学研究科教 授会は、2009 年 12 月 16 日の定例教授会において論文内容等を検討し、本論文を受理して差し支え ないものと認め、上記の審査委員を選定した。委員は主査を中心に論文内容について慎重に審議し、

公開論文発表会を実施するとともに、最終試験を行い、論文審査および最終試験の結果を 2010 年 2 月 17 日の生産科学研究科教授会に報告した。

本研究は、佐賀県有田町における陶器に関する情報のディジタル化およびその有効利用のための コンテンツ管理、画像コンテンツの情報量削減、インターネット放送システム構築の設計方法につ いて検討したものである。

第 2 章では、ディジタル化した陶器情報のコンテンツ管理に関して検討している。陶器製造およ び鑑定など窯業専門家に対し陶器とその文様の静止画像データを提供するため、簡明な検索、閲覧 が可能なシステムを構築した。この検索、閲覧について簡明な操作性を実現するための陶器・文様 データ設計について提案している。また、著作権管理のため画像に電子透かしを埋め込めこんでい る。これらの画像コンテンツをマルチメディアコンテンツの標準化記述方式である MPEG-7と MPEG-21 に準拠した形式での配信実験を行い、あらかじめ埋め込んだ電子透かしが検出できること を確認している。提案した検索、閲覧システムについての 6 名の窯業専門家による主観評価実験で は高評価を得ている。また、窯業関連の催しの動画像配信実験ではコンテンツ ID フォーラム準拠の 電子透かしを埋め込んだ動画像を配信し、受信側で電子透かしが検出できることを検証している。

第 3 章では、電子透かし技術を画像情報の圧縮に適用した高能率符号化方式を提案している。こ

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の符号化方式は、JPEG による符号化処理において符号化パラメータの一部である DCT 係数の直流成 分を交流成分に埋め込むことで情報量の削減を実現している。評価実験では画像品質を同程度にし て符号化した場合、従来の JPEG による符号化に比べて約 2.48%の圧縮率の改善を示している。

第 4 章では、町村などの小規模地域から情報発信を行うためのインターネット放送システムの構 築について検討している。インターネット放送システムの設計では情報発信のための回線容量、配 信するコンテンツの情報量、想定する同時視聴利用者数などをパラメータとして最適なシステム構 成を求める手法を用いており、この設計結果よりシステムを構築している。評価実験では 31,489 時 間のインターネット放送を実施し、その間一日平均 67 人の視聴者を得ている。また、映像品質の主 観評価において 94%の利用者が映像を問題なく視聴できるという結果を示している。

以上のように本論文は、陶器に関する情報のディジタル化とそのコンテンツ管理、情報量削 減およびインターネット放送に関して有効な方法を示し、今後のディジタルコンテンツの管理 および放送の分野に対して多大の寄与をするものと評価できる。

学位審査委員会は、画像の高能率符号化の分野において極めて有益な成果を得るとともに、画 像コンテンツのネットワーク配信の進歩発展に貢献するところが大であり、博士(工学)の学 位に値するものとして合格と判定した。

参照

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