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享保改革期の米価政策からみた江戸の位置

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Academic year: 2021

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享 保 改 革 期 の 米 価政策 から み た 江 戸 の 位 置

卜 米 会 所 存 廃 の 顔 .末 I

鶴 岡 実 枝 子

は じ め に

近 世 の 江 戸 が ' 将 軍 の 君 臨 す る 政 治 的 中 枢 都 市 で あ っ た こ と は 自 明 の こ と で あ る が ' 茶 藩 制 市 場 構 造 の 中 で 如 何 に

位 置 づ け ら れ る か は ‑ 特 に 米 に 関 し て ‑ ' 検 証 さ れ る べ く し て 、 史 料 的 制 約 の 故 に ' 未 だ 迷 路 の 域 を 出 な い と い

っ て よ い で あ ろ う 。

か つ て 大 石 慎 三 郎 氏 は ' 中 央 市 場 = 大 坂 1 元 的 市 場 構 造 論 を 批 判 し て ' 享 保 改 革 期 の 大 坂 下 り 荷 物 の 実 倍 調 査 の デ

ー タ を 根 拠 に ' 乗 数 を 中 心 と す る 日 用 生 活 必 需 品 に 関 す る 限 り ' 江 戸 経 済 の 大 坂 へ の 依 存 度 は 認 め ら れ な い と し ' 江 (1 ) 戸 と 大 坂 を 核 と す る 二 元 市 場 論 を 提 起 さ れ た 。 こ の 所 説 に 対 し て は 、 長 野 退 ・ 津 田 秀 夫 ・ 土 肥 鑑 高 ・ 藤 田 貞 一 郎 ら 諸 (2 ) 氏 の 批 判 が あ り ' そ れ ら は 大 石 氏 の 近 刊 r 日 本 近 世 社 会 の 市 場 構 造 ﹄ の 書 評 を さ れ た 富 田 仲 之 氏 に よ っ て 整 理 さ れ て (3 ) い る の で ' そ の 紹 介 は 省 く が ' 米 穀 市 場 に 関 す る 大 石 氏 の 所 説 へ の 批 判 の 主 流 は 、 丑 的 分 析 の み で な ‑ ' 堂 島 の 価 格

形 成 と い う 質 的 側 面 の 評 価 の 必 要 性 が 指 摘 さ れ て い る よ う に 思 わ れ る 0

小 塙 で は ' 堂 島 の 定 期 取 引 公 認 の 前 夜 と も 云 う べ き ' 享 保 中 期 の 大 坂 ・ 江 戸 両 地 に 短 期 間 開 設 さ れ た 米 会 所 の 存 廃

享 保 改 革 期 の 米 価 政 先 か ら み た 江 戸 の 位 置 (鶴 岡 ) 八 五

(3)

史 料 飴 研 究 紀 要 第 一 〇 号 八 六

に 関 す る 史 料 の 紹 介 に 終 始 し ' 従 来 の 米 市 場 論 に せ れ 程 の も の を 付 加 す る も の で も な い が ' 模 索 状 能 お 江 戸 の 位 置 づ

け の 一 里 塚 と な れ ば 幸 わ い で あ る 。

( ‑ ) 大 石 慎 三 郎 「享 保 改 革 期 江 戸 経 済 に 対 す る 大 坂 の 地 位 」 (「 日 木 歴 史 」 1 九 言 P )

( 2 ) 長 野 退 「幕 藩 体 制 中 期 の 市 場 構 造 に つ い て の 覚 書 」 (r 大

阪 の 研 究 J 3 )' 津 田 秀 夫 F封 建 社 会 解 体 過 程 研 究 序 説 J t 土 肥 鑑 高 r近 世 米 穀 金 融 史 の 研 究 し 藤 田 貞 1 郎 「市 有 制 社

会 に お け 各 市 場 中 心 と し て の 大 坂 」 (同 志 社 商 学 二 八 の 三 )

及 び 同 氏 の 「社 会 経 済 史 学 」 四 二 の 三 所 載 の 書 評

( 3 ) 吉 田 仲 之 氏 の 書 評 (「 歴 史 学 研 究 」 四 四 二 号 し

( 1 ) 享 保 十 年 十 一 月 二 十 四 日 ' 江 戸 市 中 に つ ぎ の よ う な 町 蝕 が 発 せ ら れ て い る 。

今 度 本 材 木 町 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 ・ 同 所 大 坂 屋 利 右 衛 門 ・ 北 新 掘 町 野 村 良 甚 兵 衛 ' 買 米 之 儀 相 原 ' 吟 味 之 上 左 之 通

申 付 侯 '

一 於 江 戸 井 大 坂 ' 米 高 何 程 二 両 も 右 三 人 之 者 共 ' 自 分 金 銀 を 以 買 取 侯 筈 二 侯 ' 尤 脇 々 米 商 売 人 共 江 一 切 相 障 不

申 様 申 付 侯 '

一 浅 草 御 蔵 拝 借 申 付 侯 ' 右 買 米 語 置 、 尤 売 払 之 儀 も 勝 手 次 第 申 付 侯 '

一 大 坂 御 城 米 江 戸 表 江 御 廻 米 之 内 ' 拾 万 俵 為 替 之 儀 申 付 、 上 納 之 儀 ハ 浅 草 御 蔵 江 相 納 侯 筈 二 侯 '

一 今 度 於 大 坂 ' 米 相 場 相 立 侯 場 所 差 免 侯 へ 右 場 所 江 仲 買 共 寄 合 売 買 可 仕 侯 ' 此 外 脇 々 江 寄 集 相 場 相 立 候 儀 ' 窒

無 用 可 仕 k . 但 ' 諸 掛 よ り 人 樺 之 売 兼 ' 問 屋 共 方 工 而 其 時 々 相 場 を 蔓 望 月 仕 候 億 ハ ロ ハ今 遷 之 適 可 壮 侯 '

(4)

ノ1

西 国 北 国 筋 其 外 語 大 名 大 坂 着 米 入 札 之 節 ' 払 米 看 板 出 侯 分 ハ 落 札 之 買 入 よ り 壱 石 工 付 銀 弐 分 宛 口 銭 、 右 三 人

r 之 者 方 江 請 取 之 ' 内 半 分 ハ 仲 買 共 方 江 令 割 符 候 筈 二 申 付 侯 問 ' 落 札 之 買 入 共 其 段 相 心 得 ' 無 滞 可 差 出 候 '

但 ' 諸 国 丘 入 葎 之 売 米 ' 町 人 売 買 之 米 よ り ハ 1 切 口 銭 取 不 中 等 二 申 付 侯 '

右 之 趣 申 付 候 間 ' 此 旨 町 中 江 可 触 知 者 也 、

出 願 人 ら に よ る 江 戸 ・ 大 坂 に お け る 米 の 買 持 ち と ' 大 坂 に 集 結 さ れ る 上 方 以 西 の 井 領 年 貢 米 の う ち ' 十 万 債 分 の 江

戸 浅 草 御 蔵 納 入 を 請 負 う 反 対 給 付 と し て ' 願 人 ら に 浅 草 御 米 蔵 の 使 用 を 認 め る と 共 に ' 大 坂 に お い て 相 場 立 会 所 の 設

立 を 認 可 し ' 更 に 大 坂 へ 廻 送 さ れ る 諸 藩 の 蔵 米 の 売 捌 き に 際 し て ' 落 札 の 仲 買 か ら 米 一 石 に つ き 銀 二 分 の 口 銭 を 徴 収

し ' そ の 半 分 は 仲 買 へ 還 付 す る が ' あ と の 半 分 は 願 人 ら の 取 得 と す る 特 権 を 付 与 し た も の で あ る 。 (2 ) こ の 江 戸 町 蝕 は ' 約 半 月 遅 れ て ' 翌 十 二 月 九 日 大 坂 市 中 へ 触 出 さ れ た が ' 同 地 で は ひ き つ づ き 同 月 十 七 日 ' 請 負 人 (3 ) の 願 出 を 容 れ た 第 二 段 の 指 令 が 大 坂 町 奉 行 か ら 出 さ れ て い る 。

1 都 城 米 為 御 替 御 用 閑 人 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 ' 今 度 御 城 米 拾 万 俵 御 売 場 所 に TE 米 相 場 相 立 中 に 付 ' 三 郷 町 中 米 仲 買 之 者

之 分 ' 家 持 借 尾 末 々 迄 先 達 而 承 知 之 事 に 侯 得 共 ' 此 節 人 数 帳 面 に 記 匿 皮 旨 涼 兵 衛 御 番 所 え 御 願 中 上 ' 御 閲 届 被 遊

侯 ' 依 之 町 中 米 仲 買 之 者 共 壱 人 も 不 洩 様 に 右 之 通 急 皮 為 申 開 ' 今 明 日 中 に 涼 兵 衛 方 へ 罷 越 ' 米 仲 買 之 者 共 帳 面 に

付 ' 尤 前 書 令 承 知 為 致 印 形 可 申 侯 事

大 坂 に お い て 御 城 米 十 万 俵 を 以 っ て 米 相 場 を 立 て る た め ' 大 坂 三 郷 の 米 仲 買 の 名 前 を 源 兵 衛 方 に 登 録 す る こ と を 命

じ る と い う の で あ る か ら ' 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 ら の 請 負 っ た 「御 城 米 為 替 御 用 」 と は ' 大 坂 城 米 の 江 戸 廻 送 を 請 負 う の で

は な く ' 相 場 の 立 会 に よ っ て 米 価 の 引 立 て を 期 待 し ' 同 地 で の 幕 府 米 の 有 利 な 換 金 化 と ' 江 戸 で の 浅 草 御 蔵 へ の 買 納

め ‑ 江 戸 市 中 流 通 米 の 宜 的 減 少 策 が 眼 目 で あ っ た か に 窺 わ れ る 。

享 保 改 革 期 の 米 価 政 末 か ら み た 江 戸 の 位 置 (鶴 岡 )

(5)

第 1 表 三季御張粧値段 1 0 0俵 ( 3 5 石)ニ付

史 料 館 研 究 紀 要 第 一 〇 号

「吹塵録 」( F 海舟全集」 弗 4 巻より)

一 . ヽ

▼ \

ノ ノ

領 主

米 の

大 の

販 売 市 場

で あ っ

た 堂

島 に

お け る 延 売

買 が

十 七

世 紀 の 期 中

以 降'

令 に よ

っ て

屡 々

締 ら

れ'

処 罰 の

象 な た と と こ っ

よ く

知 ら

て い る 。

現 に の こ

伊 国

屋 源 兵

衛 に よ る

米 相 場 会 所 公

認 の

前 年 七

月 に は'

万 拾 三 年 の 初 発 以 来' 大 坂

で の

年 の

定 式

触 と

な っ

て い た 米

市 と

形 の 転 売 を 禁 町 触 が じ る

(4 ) 例 年 通 り く り 返 さ れ て ' 諸 藩 蔵 元 名 代 の 町 人 ・ 米 問 屋 ・ 仲 買 か ら 請 書 を 徴 し て い る L t そ の 一 年 前 の 享 保 八 年 八 月 に は 、 不 実 之 米 は た 商 の 商 人 数 名 が 家 財 没 収 の (5 ) 処 分 を 受 け た 旨 の 町 蝕 が 見 受 け ら

。 (6 ) 堂 島 の 「相 場 商 い 」 を 「は

商 」 ・ 「 と た ん 商 」 と し て 嫌 悪 し っ づ け て き た 幕 府 の 米 価 政 荒 が ' 一 変 し て 公 認 に 至 ら (7 ) し め た 背 景 に は 、 享 保 七 年 か ら 始 ま っ た 極 端 な 米 価 の 低 落

が あ っ た こ と は 云 う ま で も

ない。

す な わ ち ' 中 央 都 市 に お け る 米 価 の 低 落 は ' 大 坂 に お い て 享 保 三 年 肥 後 米 一 石 三 三

匁 (享 保 鋭 ) と 底 値 を 記 録 し た の に 始 ま っ て ' 翌 四 年 か ら 六 年 に か け て の 九 州 ・ 畿 内 地 方 の 水 害 に よ っ て 一 時 的 に 値 上 り を 示 す が

' 七 年 以 後 ' 四 〇 匁 台 を 高 下 L t 低 値 を 続 け (8 ) て い る

一 方 江 戸 の 米 価 の 動 き を 市 中 相 場 で 示 す こ と は で

き な い が ' 幕 府 が 公 示 す る 三 季 切 米 の 御 張 紙 値 段 に よ っ て み る と (罪 ‑ 読 )' 低 落 は 大 坂 よ り 1 年 遅 れ て 享 保 四 年 に 哉

允 と 顧 わ れ ' 大 坂 と 同 じ ‑ 五 年 冬 か ら 七 年 夏 に か け て 1 時 値 上 り を 示 す が ' 以 後 一 石 = 一■両 を 割 る 低 値 が 続 い て い る 。 (9 ) 入 津 米 畳 の 八 〇 パ ー セ ン ト が 領 主 米 で あ っ た と さ れ る 大 坂

(6)

戸 へ の 米 の 供 給 事 情 に つ い て は 甚 だ 不 鮮 明 で あ り ' 従 っ て 同 地 に お け る 米 価 の 低 落 が 大 坂 同 株 、 供 給 米 過 多 に 拠 る も

の で あ る か ' 或 い は 他 の 事 情 に 起 因 す る も の で あ る か は 明 ら か で な い が ' 米 納 地 代 制 の 下 で の 領 主 階 級 に と っ て ' 米

価 の 恒 常 的 な 低 落 は ' 祖 法 と し て 禁 止 し 続 け て き た 延 売 買 を 解 禁 に 踏 み き ら せ る 程 の 深 刻 な 事 態 で あ っ た と 云 え る 。 「有 徳 院 殿 御 実 紀 」 の 享 保 十 年 十 1 月 の 条 に は ' 上 引 の 町 蝕 を つ ぎ の よ う に 机 案 し て 載 せ て い る .

こ た び 本 材 木 ' 北 新 堀 両 町 の 市 人 三 人 に ' 買 米 の 事 こ ふ ま 1 に ゆ る さ る 。 よ て 合 せ ら る 〜 は ' 府 坂 両 所 に て 米 、価 い か ほ ど 貴 L と い ふ と も ' 三 人 の も の 等 ' 己 が 金 銀 も て 買 と る こ と ゆ へ ' 他 の 米 商 に 一 切 障 る べ か ら す (中 (只 ) 略 ) ' 坂 に て 米 価 定 む る 地 を も ゆ る さ れ た れ ば 其 地 に 中 員 の も の ま か り 売 貿 L t 他 所 へ あ つ ま り 相 場 立 へ か ら

す (下 略 ) 「御 美 紀 」 の 編 者 の 主 観 が ' 当 時 の 施 政 者 の 意 図 を ど の 程 度 正 確 に 代 弁 し て い る か は 計 り 難 い が ' 御 為 替 米 御 用 認

可 の 主 眼 が ' 請 負 人 ら に よ る 江 戸 ・ 大 坂 両 地 に お け る 買 持 米 に あ っ, た と は 云 え ' 享 保 六 年 に 始 ま る 江 戸 に お け る 幕 府

の 物 価 政 策 が 実 効 を 見 ぬ ま 〜 ( 同 じ 直 轄 都 市 と は 云 え ' 全 国 的 な 領 主 米 の 販 売 市 場 堂 島 に 江 戸 町 人 を 進 出 さ せ t よ り

直 接 的 に 堂 島 の 機 能 ‑ 1 米 価 の 決 定 権 を 幕 府 自 身 が 掌 握 し よ う と す る 一 石 二 鳥 の 意 図 が な か っ た と は 云 え な い 。 「 日 本

財 政 経 済 史 料 ﹄ に は ' こ の 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 米 会 所 公 認 の 町 蝕 に 関 し て ' 参 考 と し て 「雑 記 こ の つ ぎ の よ う な 記 事 を (10 ) 収 録 し て い る 。 .

右 之 通 り 披 仰 渡 ' 既 に 御 弛 み 付 病 源 と 奉 存 候 ' 安 房 守 殿 ・ 飛 騨 守 殿 (大 坂 町 奉 行 北 条 安 房 守 ・ 同 鈴 木 飛 脚 守 ‑ 引

用 者 注 ) 維 持 披 致 侯 年 来 之 心 労 水 之 泡 と 相 成 申 候 '

享 保 十 年 乙 巳 十 一 月 ' 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 ' 大 坂 屋 利 右 衛 門 ' 野 村 屋 甚 兵 衛 ' 大 坂 に て 米 会 所 取 立 皮 段 願 済 之

上 ' 同 十 一 年 丙 午 よ り 相 始 侯 処 ' 無 程 相 止 み ' 此 三 人 又 例 之 好 尚 に て 、 表 面 御 為 替 申 立 ' 内 実 米 粒 を 専 に 仕 度

享 保 改 革 期 の 米 価 政 袋 か ら み た 江 戸 の 位 置 (鶴 岡 ) 八 九

(7)

史 料 館 研 究 紀 要 第 一 〇 号

取 巧 願 出 侯 儀 と 被 存 侯 、 尤 一 旦 は 江 戸 大 坂 之 米 権 萱 二 人 之 手 に 撞 り 申 侯 「雑 記 」 J の 成 立 年 代 ・ 編 者 な ど に つ い て は 知 る と こ ろ が な い が ' 後 年 の 記 述 と し て も t 投 機 商 を 嫌 悪 す る 施 政 者 側

の 体 質 が 露 呈 し て お り ' 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 米 会 所 認 可 の 当 時 に あ っ て も 、 幕 閣 内 部 に は 砂 か ら ぬ 反 対 意 見 が あ っ た で あ

ろ う こ と が 推 測 さ れ る L t そ れ だ け 米 価 の 引 上 げ が 幕 閣 要 路 に あ っ て は 焦 眉 の 課 題 で あ り ' 体 質 の 改 善 を 必 要 と し た

こ と が 窺 え る の で あ る 。

と こ ろ で ' こ ゝ で 注 目 さ れ る の は ' 米 価 引 立 て の た め の 米 の 買 持 ち と 御 城 米 為 替 と い う 公 儀 御 用 請 負 の 反 対 給 付 と

し て 認 め ら れ た 請 負 人 の 仲 買 口 銭 取 得 が ' 諸 藩 の 大 坂 へ 廻 送 販 売 さ れ る 蔵 米 を 対 象 と し た こ と で あ る 。 米 価 引 上 げ と

い う 米 納 地 代 制 下 の 領 主 階 級 に と っ て ' 共 通 の 利 害 関 係 の 立 場 に あ る と は 云 え ' そ の 手 段 と し て 上 方 市 場 圏 に あ っ た

諸 大 名 の 蔵 米 の 販 売 に 幕 府 桓 カ の 介 入 が み ら れ た と い う こ と で あ る 。 し か し 前 に も 触 れ た 通 り ' 全 入 津 米 の 八 〇 パ ー

セ ン ト が 諸 藩 の 蔵 米 で あ っ た と さ れ る 大 坂 に お い て ' 幕 府 米 を 建 物 と す る 相 場 建 て を 行 な い 、 従 前 か ら の 堂 島 に お け

る 相 場 立 会 を 禁 止 す る と い う こ と は ' 土 台 無 理 が あ っ た と 思 わ れ る 。 右 の 「雑 記 」 の 記 述 に 示 す 通 り ' 紀 伊 国 屋 源 兵

衛 の 米 会 所 は 1 年 も 保 た ず 失 敗 し ' 早 ‑ も 翌 年 の 享 保 十 1 年 十 二 月 十 五 日 の 大 坂 町 蝕 は ' そ の 相 場 所 の 取 上 げ り 停 止 (ll ) の こ と を 告 示 し て

る 。 「雑 記 」 の 「 一 旦 は 江 戸 大 坂 之 米 権 を 三 人 之 手 に 握 り 申 候 」 と す る 観 測 の 当 否 は と も か く ' 少 ‑ と も 「米 権 の 掌

握 」 を 期 待 し て 認 可 し た で あ ろ う 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 米 会 所 の 実 態 に つ い て は ' ㌧従 来 余 り 知 ら れ て い な い が ' 幸 わ い に '

短 期 間 で 終 っ た 紀 源 の 「御 城 米 為 替 御 用 」 の 内 容 を 修 正 し て ' そ の 跡 請 を 怨 潰 さ れ た 幕 府 の 御 用 商 人 で あ っ た 御 為 替

組 の 1 員 ' 三 井 家 が 入 手 し た 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 の 「米 為 替 」 の 仕 法 の あ ら ま し と ' そ れ に つ い て の 三 井 両 潜 店 の コ メ ソ (12 ) ・L が 残 さ れ て い る の で ' 溜 介 し て み よ う 。

(8)

先 に み た 通 り ' 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 の 米 会 所 停 止 の 大 坂 町 蝕 は 享 保 十 一 年 十 二 月 十 五 日 で あ る が ' 江 戸 の 三 井 両 替 店 か

ら 同 京 店 へ の 通 報 に よ れ ば ' 江 戸 で は そ れ に 先 立 つ 十 二 月 七 日 ' 御 為 替 組 の 面 々 が 御 殿 御 勘 定 所 に 召 喚 さ れ ' 御 勝 手

方 か ら 御 為 替 米 御 用 の 内 容 の 説 明 が あ っ た 上 ' 引 請 の 意 志 の 有 無 が 打 診 さ れ て い る 。

次 掲 の 史 料 は ' 三 井 が 勘 定 所 で の 即 答 を 避 け ' 紀 源 の 仕 法 書 写 を 同 封 し て 京 都 本 店 の 指 示 を 求 め た 江 戸 店 の 書 状 を

京 都 店 で 転 写 L t 更 に 大 坂 の 両 替 店 に 送 っ た と 思 わ れ る も の で あ る が ' 仕 法 香 の 各 条 文 に 付 さ れ た 但 書 ・ 張 紙 が ' 江

戸 店 の コ メ ン ー か ' 京 店 の コ メ ン ー か は 明 ら か で は な い .

是 迄 源 兵 衛 勤 来 侯 米 為 替 仕 様

1 於 江 戸 米 買 納 先 納 致 、 浅 草 御 蔵 奉 行 衆 納 札 取 之 ' 大 坂 へ 為 差 登 ' 大 坂 御 蔵 冶 代 り 米 語 取 申 侯 '

但 ' 是 迄 右 納 札 大 坂 へ 著 申 侯 へ は 御 蔵 へ 不 構 中 男 へ 納 札 敦 ' 相 庭 二 直 二 買 取 ' 中 買 手 前 よ り 御 蔵 之 代 り 米 請 取 焼 之 由 '

1 浅 草 御 蔵 買 納 井 大 坂 請 取 米 共 二 時 之 相 場 丘 時 節 柄 二 億 得 共 、 少 々 掛 り 物 有 之 焼 '

但 ' 是 ハ 源 兵 衛 相 勤 倹 内 ' 大 坂 江 戸 相 場 違 色 々 有 之 ' 当 秋 頃 杯 ハ 却 て 江 戸 先 約 米 よ り 大 坂 請 取 米 直 段 互 由 ' 乍 去 是 ハ 逆 打

同 意 之 義 願 二 不 成 侯 ' 随 分 文 夫 二 見 買 納 謂 取 米 失 却 込 メ 1 割 之 直 逼 迫 と 白 眼 候 得 ハ 宜 侯

1 御 米 高 給 万 俵 、 尤 三 斗 五 升 俵 之 積 ' 石 高 三 万 五 千 石 也

但 ' 月 々 割 有 之 ' 買 納 此 月 割 こ て 致 侯 由 ' 其 内 少 々 不 同 ハ 不 苦 侯 .

張 紙 二

此 御 米 高 ハ 少 々 致 見 申 候 上 に て 御 高 相 増 候 様 三 顧 可 申 哉 と 何 れ も 申 侯 ‑

1 於 大 坂 御 蔵 屋 敷 入 札 米 ' 古 来 丘 中 買 え 取 来 侯 弐 分 宛 之 口 銭 之 内 ' 壱 分 ハ 中 員 札 主 へ 相 渡 ' 残 壱 分 ハ 為 替 米 直 達

之 損 金 償 二 取 来 侯 事 '

享 保 改 革 期 の 米 価 政 菜 か ら み た 些 戸 の 位 置 (鶴 岡 )

(9)

史 料 館 研 究 紀 要 第 一 〇 号

( 首 脱 力 ) 但 ' 御 蔵 屋 敷 入 札 米 壱 ヶ 年 大 坂 へ 登 高 凡 米 高 弐 三 万 石 此 口 銭 銀 高 五 首 貫 目 計

石 之 内 半 分 為 替 米 償 金 取 侯 革 張 就 ニ 九 二

此 蔵 屋 敷 入 札 米 ︼ 方 エ て 承 侯 へ は 百 五 十 万 石 よ り 弐 百 万 石 造 之 由 申 侯 ' 左 侯 へ は 口 銭 之 銀 高 三 四 百 貫 目 之 積 也 '

一 右 御 蔵 屋 敷 入 札 米 之 節 ' 出 入 方 何 角 二 控 米 と 申 も の 少 々 宛 有 之 、 此 分 ハ 弐 分 口 銭 之 ぬ け 荷 之 由 '

但 ' 是 迄 此 所 へ 源 兵 衛 手 届 不 申 侯 ' 張 紙 二 三

此 控 米 此 度 ハ あ の 方 よ り 被 仰 付 侯 御 用 筋 二 侯 へ ば ' 大 坂 御 役 所 こ て も 其 段 申 上 t Ej 銭 之 ぬ け 荷 無 之 様 二 致 様 可 有 之 等 '

1 正 米 売 買 之 相 場 会 所 ' 入 銀 百 石 二 付 三 百 日 宛 ' 双 方 A 預 之 '‑ 日 歩 1 日 二 銀 子 壱 貫 目 二 付 四 分 宛 取 之 ' 尤 幾 日 こ

, て も 此 日 割 之 通 二 取 ' 入 銀 切 レ 侯 得 は 切 落 申 定 之 由 '

但 t. 畢 寛 右 会 所 致 方 ハ 前 康 之 や り く り 両 替 を 一 軒 一l て 致 侯 も の と 被 存 侯 張 紙 二 云 (商 カ ) 此 米 会 所 市 ' 是 迄 ハ 源 兵 衛 軽 き も の こ 御 座 候 故 ' 人 々 入 銀 預 ケ 置 侯 儀 無 覚 束 ' 自 然 と 高 無 数 ' 或 は 大 坂 此 商 人 之 分 ' 西 国

筋 方 々 へ 罷 勉 候 族 有 之 故 と 承 侯 ' 是 迄 源 兵 衛 不 断 入 銀 凡 百 四 五 拾 貫 目 な ら て ハ 預 り 無 之 由 ' 此 度 為 替 組 へ 被 仰 付 侯 ハ 、 慎

二 存 ' 入 銀 集 り 方 格 別 増 可 申 哉 と 奉 存 侯 ' 夫 二 付 日 歩 等 之 義 少 々 減 少 之 筋 有 之 間 数 哉 と 中 浜 も 有 之 侯 ' 但 ' 正 米 売 買 と 申 名 題 こ て 大 様 米 市 と た ん 之 儀 と 御 勘 定 こ て も ロ へ 出 被 仰 侯 故 ' 其 気 遣 ハ 無 御 座 候 '

す な わ ち 、 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 が 請 負 っ た 「米 為 替 」 の 内 容 は ' 前 に み た 通 り 大 坂 御 城 米 の 江 戸 廻 送 分 一 〇 万 俵 を 江 戸

市 中 で 買 納 め ( = 先 納 ' 但 し 月 割 分 納 )' 浅 草 御 蔵 奉 行 発 行 の 納 札 を 受 取 っ て 大 坂 へ 送 り ' こ の 納 札 を 以 っ て 堂 島 に

お い て 入 札 に 付 す 。 落 札 の 仲 買 は そ の 納 札 を 以 っ て 大 坂 の 御 米 蔵 か ら 代 米 を 受 取 る 仕 組 み で あ っ た 。 そ し て こ の 「御

城 米 為 酋 」 請 負 の 代 償 と し て 諸 藩 蔵 米 の 落 札 人 か ら 徴 収 す る こ と を 認 め ら れ た 一 分 口 銭 は ' 従 前 か ら の 堂 島 仲 買 の 既

(10)

得 権 の 半 分 を 犯 す も の で あ り ' そ れ は 江 戸 ・ 大 坂 両 地 の 米 相 場 の 値 違 い か ら 生 じ る 損 金 を 保 障 す る 名 目 と さ れ て い る

か ら ' 当 時 江 戸 米 価 が 大 坂 米 価 よ り 割 高 で あ る と 通 念 さ れ て い た こ と が 察 知 で き る 。

元 禄 四 年 の 公 銀 為 替 の 開 始 後 ' 同 時 期 の 大 坂 御 金 成 の 御 為 替 銀 額 は ' 凡 そ 銀 一 万 五 千 耳 目 程 度 で あ っ た と さ れ て い (13 ) る が ' 大 坂 に 1 且 集 結 さ れ る と 思 わ れ る 上 方 以 西 の 幕 領 年 貢 米 の う ち ' 如 何 程 の 宜 が 大 坂 で 換 金 化 さ れ ' 如 何 程 の 宜

が 江 戸 へ の 廻 送 に 当 て ら れ た か は 明 ら か で は な い 。 た だ ' 同 時 期 の 幕 領 の 物 成 収 納 の 明 細 を 知 り 得 る 享 保 十 四 年 度 の (14 ) 「納 払 勘 定 帳 」 に よ れ ば ' 大 坂 に 集 結 さ れ る 上 方 西 国 地 方 の 米 納 高 は 約 二 十 六 万 石 ' 銀 納 高 一 万 五 〇 二 貫 目 余 を 算 出

し 得 る か ら (後 出 第 8 表 )' 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 が 請 負 っ た 御 城 米 為 替 十 万 俵 ( 三 万 五 千 石 ) が 幕 府 財 政 お よ び 江 戸 の 需 給

事 情 に ' ど の 程 度 の 意 味 を 持 つ も の で あ っ た か は ' 余 り 過 大 な 評 価 は し 難 い よ う に 思 わ れ る 。 三 井 両 替 店 の 内 偵 で は 「運 賃 計 拾 万 俵 こ て 二 千 両 少 々 之 由 御 座 候 」 と あ り ' 米 百 石 に つ き 五 両 三 歩 弱 を 要 す る 大 坂 か ら 江 戸 へ の 運 送 経 史 の

節 約 と ' 海 上 輸 送 に よ る 危 険 ・ 減 石 の 回 避 と い う メ ‑ ツ ト は 認 め ら れ る も の の ' 三 万 五 千 石 程 度 の 江 戸 市 中 米 の 貿 納

め に よ っ て (前 年 の 御 張 紙 直 段 で 換 昇 す る と ' 所 要 経 資 は 約 二 万 五 、 七 千 両 程 )t j 江 戸 米 価 引 上 げ の 効 果 を 期 待 す る

こ と は 疑 念 の 生 ず る と こ ろ で あ る 。

右 に み た 紀 源 の 仕 様 書 写 に 添 付 さ れ た 江 戸 三 井 両 替 店 の 苔 状 に よ れ ば ' こ の 時 の 引 請 人 三 名 の う ち ' 紀 伊 国 屋 源 兵

衛 が 出 願 の 発 頭 人 で 」 他 の 二 名 は 相 仕 で あ っ た ら し い が ' 各 人 の 本 業 が 米 商 に 係 わ り が あ っ た か 否 か は 辞 か で な い 。

た f J 米 会 所 取 上 げ の 理 由 は 「買 納 方 其 外 請 負 候 御 用 向 差 悶 」 え た た め で あ り ' 浅 草 御 蔵 へ の 先 納 の 不 調 に 加 え て ' 請

負 条 件 の 一 で あ っ た 江 戸 相 場 を 冒 俵 ( 三 十 五 石 ) 三 十 両 以 上 に 保 つ た め の 買 持 米 が 不 履 行 に 終 っ た た め と み ら れ る 。

こ の よ う な 請 負 人 の 誤 算 は 大 坂 の 米 会 所 に つ い て も ' 従 来 紹 介 さ れ て い る 享 保 期 の 大 坂 入 津 の 蔵 米 は 激 増 傾 向 に あ っ

た と は 云 え ' 百 万 ‑ 百 五 十 万 石 と さ れ て い る か ら ' 堂 島 仲 買 か ら 取 得 す る 口 銭 高 を 過 大 評 価 し た 嫌 い が あ り ' ま た 米

享 保 改 革 期 の 米 価 改 発 か ら み た 江 戸 の 位 置 (鶴 間 ) 九 三

(11)

史 料 館 肝 究 紀 要 第 1 0 号 , 九 四

市 も 相 場 立 会 の 証 拠 金 と し て 売 月 双 方 か ら 百 石 に つ き 三 百 日 の 入 銀 を 取 極 め た も の の ' 「百 四 五 拾 貫 目 な ら で は 預 り

無 之 由 」 と の 惨 状 を 呈 し た と さ れ て い る 。

因 み に ' 堂 島 米 市 の 開 始 の 時 期 は 明 確 で は な い が ' 帳 合 米 取 引 の 盛 行 と 共 に 欠 か せ ぬ 存 在 と し て あ っ た の が 、 そ の

精 算 機 閑 と し て の 米 方 両 替 = や り ‑ り 両 替 で あ っ た 。 帳 合 米 取 引 に お け る 米 方 両 替 の 供 与 す る 信 用 が ' ど れ 程 の 規 模

の 資 本 を バ ッ ク に し た も の か は 不 明 で あ る が ' 享 保 十 六 年 堂 島 米 仲 買 と 共 に 株 札 を 交 付 さ れ た 米 方 両 替 の 数 は 五 十 で

あ っ た 。 「畢 寛 右 会 所 致 方 ハ 前 庶 之 や り く り 両 替 を 一 軒 こ て 致 侯 も の と 披 存 侯 」 と は ' 三 井 店 の 観 測 で あ る が ' 源 兵

衛 失 凪 後 '・ 当 時 の 最 有 力 両 替 商 で あ っ た 御 為 替 組 に ' そ の 跡 請 を 要 請 し た 勘 定 所 の 認 識 も t は ゞ 同 じ と こ ろ に あ っ た

と 思 わ れ る 。 も っ と も 当 時 の 経 済 吏 億 と し て の 勘 定 所 役 人 に ' 堂 島 の 商 慣 習 に つ い て ' ど れ 程 の 知 識 が あ っ た か に つ

い て は 疑 問 で あ り ' む し ろ 巨 額 の 公 金 の 取 扱 を 委 ね ら れ る 程 の 不 動 産 所 持 者 と し て の 御 為 替 組 の 資 力 が ' 請 負 人 選 考

の 基 準 に な っ た と 思 わ れ る が ' 勘 定 所 が 御 為 替 組 に 提 示 し た 「為 替 米 御 用 」 の 条 件 は ' 次 掲 史 料 の よ う に 紀 源 の 場 合

の 買 納 め 先 納 を ' 公 金 為 替 の 仕 法 に 倣 っ て 九 十 日 か ら 百 四 ' 五 十 日 の 延 納 も 可 と い う 大 幅 な 譲 歩 を 示 し ' 特 に 米 価 操

作 の 面 で 著 し い 変 化 を 示 す も の で あ っ た 。

」 今 日 十 人 組 之 内 六 人 ' 川 口 ・ 糞 尿 ・ 手 前 (三 井 ‑ 引 用 者 注 ) 以 上 九 人 御 殿 へ 参 上 仕 侯 所 ' 御 勝 手 方 御 頭 様 方 衝 立

会 之 上 被 仰 渡 侯 は ' 大 坂 御 廻 米 を 為 替 米 二 道 ひ 候 致 方 望 ハ 有 間 数 哉 '・ 是 迄 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 相 勤 侯 米 為 替 之 儀 ニ (三 拾 両 ‑ 三 井 店 の 符 牒 ) て 侯 ' 右 源 兵 衛 致 方 ハ 於 御 当 地 米 買 納 ' 其 代 り を 大 坂 こ て 御 渡 し ' 扱 相 場 も 御 当 地 マ 敬 両 方 内 二 致 間 数 由 、 俵 マ マ 之 其 代 り を 於 大 坂 米 市 会 所 御 免 被 成 候 ' 委 細 之 儀 ハ 可 及 承 侯 、 此 度 ハ 右 マ 敬 両 と 申 相 庭 之 切 賦 御 講 ひ 無 御 座 t

. 米 請 取 方 も 於 大 坂 請 取 侯 上 ' 金 銀 同 前 九 十 日 過 江 戸 納 成 共 ' 又 ハ 金 銀 と 連 中 候 故 ' 右 目 数 百 四 五 十 日 も 日 延 願

侯 と 成 共 ' 扱 米 市 之 儀 も 相 場 之 た め 差 置 宜 侯 ハ , 其 儀 も 何 様 二 致 度 と 存 入 書 付 可 差 出 俣 ' 勿 論 此 御 用 為 替 組 之

(12)

・ 者 急 皮 相 勤 倹 様 披 仰 付 値 ニ ハ 無 之 険 ' 星 之 者 使 ハ ・ 十 人 組 四 人 絶 え 内 、 川 口 比 等 之 内 監 使 者 計 、 成 敗 違 二 侯 ハ (犀 カ ) ・ 誰 と 誰 と 組 合 侯 と 成 共 、 又 ハ 壱 人 立 侯 て 成 共 ' 存 寄 願 上 可 申 侯 ' 且 又 米 屋 之 内 怯 成 者 相 仕 二 致 致 侯 ハ , 其 義

も 不 苦 段 被 仰 波 侯 '

幕 府 の 大 坂 御 金 蔵 銀 の 江 戸 為 替 送 金 を 請 負 う 御 用 商 人 の グ ル ー プ 御 為 替 組 は ' そ の 創 始 の 元 禄 四 年 以 降 交 替 が 激 し

く ' そ の 構 成 員 の 業 種 も ' 当 初 の 御 用 拝 命 の 必 須 条 件 で あ っ た 両 替 商 以 外 の も の を 含 み ' 必 ず し も 三 都 に 店 を 構 え る

者 に 限 ら れ て い な か っ た 模 様 で あ る .

享保 2 年現在御為替組の構成員

第 2 表

袷 江戸住宅 泉尾 . 三右衛門

〝 大坂屋六右衛

〝 中川.三郎

兵衛

江戸住宅 .p 新町通三条

下ル町

京 .大坂ニ店所持 ∴ 中

川 清三郎

人 江戸住宅 江戸住宅 二 梅 保 半兵衛 海 保 六兵衛

〃 坂倉三郎左衛門

.組

琵 望遠義 朝 田 与兵衛

江戸住宅 成田七郎右衛門

非 望違所持 潮 井市郎右衛門

京 住壷 油′ J 、 路通二条下ル町

江戸 丁大坂ニ店所持 . 三井次郎右

人 衛門

0

、新聖通歪角

三品覧

1

/ /

三 井 元之助

票F ?笑

嘉ニ店所持 差 足 岩之助

坂住宅 近年御用被仰付 侯

ニ店所持1川口茂右衛門 「京都御役所向大概覚書 江戸

」六より 享 保 改 革 期 の 米 価 政 袋 か ら み た 江 戸 の 位 置 (鶴 岡 ) が (第 2 表 参 府 ) ' 「何 分 勤 様 之 工 夫 ハ 御 座 候 へ 共 '

中 々 此 方 丘 好 ,I, 侯 て 頗 上 可 申 了

簡 二 曽 て 以 無 之 事 二 御 座 候 」 と t と

た ん 商 ま が い の 事 業 に 危 快 を 感 じ て

引 請 に 消 極 的 ま た は 拒 絶 反 応 を 示 す

三 井 や 十 人 組 の 中 に あ っ て ' 組 内 の

新 参 者 で 大 坂 に 本 拠 を 持 つ 川 口 の み が 積 極 的 に 引 請 の 意

欲 を み せ て い た こ と が ' 三 井 店 の 書

状 に 報 じ ら れ て い る 。 紀 源 の 失 敗 を 「相 場 所 相 建 '

(13)

史 料 館 研 究 紀 要 第 一 〇 号 九 六

畢 尭 先 年 大 坂 こ て 細 谷 二 逢 侯 や り く り 両 替 を 愚 軒 に て 相 勤 可 申 儀 二 御 座 候 、 夫 故 会 所 工 事 代 其 外 人 夫 多 懸 り 侯 欺 ' 此

〆 り 中 々 働 有 之 侯 者 五 人 七 人 に て ハ 〆 り 申 間 数 故 」 と 判 断 し た 川 口 は 、 「怯 成 両 替 を や り く b 両 替 二 十 四 五 軒 も 付

ケ ' 夫 丘 右 四 分 の 日 歩 の 内 ' 両 替 と 会 所 と 分 ケ 取 二 致 侯 ハ ・ 会 所 二 人 数 無 之 侯 て も ' 両 替 屋 へ 引 付 ' 右 之 趣 二 致 候 ハ

・ 可 相 済 筋 」 と の 成 算 を 以 っ て ' 享 保 十 二 年 二 月 第 二 次 の 大 坂 御 蔵 米 為 替 御 用 の 請 負 人 と し て 登 場 し て い る 。 (為 替 脱 力 ) 1 今 度 大 坂 御 蔵 米 御 用 ' 中 川 清 三 郎 ] 川 口 茂 右 衛 門 ・ 久 保 田 孫 兵 衛 と 申 者 共 江 被 仰 付 侯 事

1 諸 大 名 衆 大 坂 二 両 払 米 入 札 之 節 ' 落 札 之 買 入 Q 米 壱 石 工 付 銀 弐 分 宛 口 銭 為 出 之 ' 壱 分 ハ 右 三 人 之 者 方 へ 請 取

之 ' 壱 分 ハ 当 地 米 仲 買 之 者 共 へ 令 割 符 筈 二 候 間 ' 落 札 之 買 入 共 其 段 相 心 得 ' 無 碍 可 差 出 候 '

1 大 名 衆 払 米 之 内 ' 先 納 米 杯 と 名 付 ' 紛 敷 義 不 仕 ' 口 銭 1 切 ぬ け 不 申 様 可 仕 事 へ

1 於 江 戸 為 御 替 米 ' 当 閏 正 月 Q 三 人 之 者 御 蔵 江 相 納 侯 間 ' 口 銭 も 閏 正 月 丘 商 売 有 之 分 、 三 人 之 者 共 へ 可 相 渡 事 (抄 三 月 ) 1 閏 正 月 Q 之 口 銭 弐 分 之 内 、 壱 分 は 仲 買 手 前 二 残 し ' 壱 分 ハ 三 人 之 者 共 江 相 渡 し 可 申 侯 ' 会 所 出 来 ロ ロ ロ よ り ' (毎 月 ) 弐 分 共 三 人 之 者 江 相 渡 し ' 内 壱 分 ハ ロ ロ 米 会 所 Q 中 買 共 へ 剖 渡 筈 侯 事

1 仲 買 之 人 数 三 人 之 者 共 相 改 ' 札 相 渡 侯 等 二 侯 ' 惣 而 中 買 米 屋 共 ' 三 人 之 者 江 相 対 い た し 相 場 可 相 立 事

1 米 会 所 堂 島 永 来 町 塩 屋 庄 次 郎 屋 敷 二 而 三 月 五 日 Q 商 売 仕 旨 二 侯 問 ' 此 所 へ 中 買 其 外 米 商 売 之 者 共 相 集

致 商 売 ・侯 、 右 場 所 之 外 二 而 相 庭 相 立 侯 儀 堅 仕 間 数 事

享 保 十 二 年 末 二 月 日 向 ・ (15 ) 飛 騨

こ の 大 坂 町 奉 行 の 触 書 に み ら れ る 算 二 次 の 御 者 替 米 御 用 を 請 負 っ た 川 口 は じ め 三 名 は ' 何 れ も 御 為 替 組 の メ ム バ I

で ' 第 1 次 の 仕 法 と ' ど れ 程 の 相 違 が あ っ た か は 窺 え な い が 、 諸 大 名 の 蔵 米 落 札 口 銭 の 仲 買 か ら の 徴 集 は 継 承 さ れ '

(14)

ん か も そ れ は こ の 触 出 以 前 の 江 戸 浅 草 御 蔵 に お け る 買 納 米 着 手 の 前 月 に 遡 っ て 徴 集 す る と あ る か ら t .前 回 同 様 ' 為 替

米 の 償 金 と し て の 性 格 は 変 っ て い な い 。 ま た 堂 島 永 来 町 に 米 会 所 を 開 設 す る た め ' 仲 買 q 登 録 制 を 命 じ て い る の も 前

回 と 同 じ で あ る か ' 大 名 私 米 の う ち 先 細 米 と 称 す る 口 銭 抜 け を 禁 じ る 条 項 が 新 た に 挿 入 さ れ て い る の は ' 籍 1 次 の 失

敗 の 経 験 を 踏 ま え て の 請 負 人 側 の 要 請 に 出 る も の で あ っ 七 こ と は ' 先 に み た 三 井 店 の コ メ ン ト か ら 推 測 さ れ る L t 前

代 の 京 都 町 人 に よ る 大 名 貨 に 代 っ て ' 当 時 の 堂 島 が 未 着 米 を 担 保 と す る 先 納 銀 の 形 の 大 名 金 融 市 場 と し て 展 開 さ れ て (16 ) い た こ と を ホ す 70 の に 他 な ら な い . 「僅 島 旧 記 」 に は ' 紀 源 の 米 会 所 に つ づ く 川 口 座 の 出 現 に よ っ て 堂 島 の 米 仲 買 が 困 窮 に 及 び 甚 だ 迷 惑 の 旨 を 享 保 十

年 以 来 度 々 訴 願 に 及 ん だ が 採 り 上 げ ら れ ず ' 遂 に 享 保 十 三 年 十 月 大 坂 惣 米 仲 買 六 百 四 人 を 代 表 し て 加 嶋 尾 括 兵 衛 ら 玉

名 が 出 府 L t 老 中 水 野 和 泉 守 へ 想 寵 訴 の 上 ' 漸 く 評 定 所 で 採 択 さ れ る と こ ろ と な り ' 同 年 十 1 月 二 十 E [日 川 口 座 は 停

止 さ れ た こ と を 載 せ て い る 。 堂 島 仲 買 の 総 意 と し て 「古 来 無 御 座 全 新 規 の 義 ' 且 中 川 椅 三 郎 ' 川 口 茂 右 衛 門 ' 久 保 田

孫 兵 衛 三 人 之 潤 ひ と 数 万 人 の 困 窮 と に 御 座 候 問 ' 何 分 被 為 閲 召 分 ' 御 慈 悲 を 以 右 米 会 所 御 用 拾 被 為 仰 付 ' 数 万 人 之 渡 (17 ) 世 相 続 仕 侯 様 」 と の 愁 訴 そ の も の に 、 .如 何 程 の 説 得 力 が あ っ た か は ' 第 三 次 の 冬 木 会 所 の 認 可 が ' 二 年 後 の 享 保 十 五

年 五 月 に 再 現 し て い る こ と か ら み て 疑 わ し い 。 た ゞ 享 保 十 五 年 度 の 幕 府 の 会 計 収 支 の 決 算 帳 で あ る 「成 年 御 払 方 勘 定 (18 ) 帳 」 .に は ' 「為 替 措 金 銀 」 と し て 金 弐 千 六 百 六 拾 四 両 ' 銀 五 百 四 拾 壱 耳 八 百 日 が 計 上 さ れ ' そ の 説 明 に 「是 ハ 去 成 年

街 道 方 銀 大 坂 二 両 川 口 茂 右 衛 門 ・ 田 中 惣 七 ・ 久 保 田 孫 兵 衛 為 替 二 相 渡 候 内 ' 江 戸 上 納 相 滞 侯 分 ' 但 追 而 上 納 次 発 成 年

街 道 方 残 二 可 成 分 」 と あ り ' 銀 額 を 六 十 日 香 で 換 算 す る と ' 総 額 で 約 1 万 一 ' 七 〇 〇 両 に の ぼ る 公 銀 為 替 の 焦 げ つ き

を 川 口 ら が 来 し て い る こ と が 知 ら れ る の で あ り ' 算 二 次 の 為 替 米 御 用 ・ 堂 島 米 会 所 経 営 が ' 閉 鎖 の 二 年 後 に 至 っ て

も ' な お 多 額 の 負 債 を 記 録 す る ほ ど の 失 敗 に 終 っ た こ と が 察 知 で き る と 同 時 に ' 一 片 の 幕 令 を 以 っ て は 動 か し 難 い 堂

享 保 改 革 期 の 米 価 政 黄 か ら み た 些 戸 の 位 置 (鶴 岡 ) 九 七

(15)

史 料 館 研 究 紀 要 第 一 〇 号

島 米 市 場 に お け る 猛 烈 な 反 損 が あ っ た こ と が 感 得 さ れ る の で あ る 。

山 師 の 悪 評 の 下 に 1 故 地 に 塗 れ た 算 1 次 の 紀 源 の 場 合 は ' 江 戸 ・ 大 坂 に お け る 買 持 米 に よ る 1 定 以 上 の 米 価 の 引 立

を 約 束 す る 代 償 と し て 堂 島 米 会 所 の 免 許 が 行 な わ れ た と い う 印 象 が 濃 い 。 米 価 の 一 定 水 準 を 保 つ 役 割 を 最 初 か ら 免 除

さ れ ' し か も 買 納 米 の 延 納 の 措 置 ま で も 配 慮 さ れ て い た 第 二 次 の 川 口 座 免 許 が ' 幕 府 自 身 何 を 目 的 と し て い た か は 判

然 と は し な い 。

前 に も 触 れ た 通 り ' 大 坂 御 米 蔵 に 収 納 さ れ る 上 方 以 西 の 幕 領 年 貢 米 の う ち ' 如 何 程 の 量 が 上 方 で 払 米 さ れ ' 残 米 の

江 戸 廻 送 分 が ど れ 程 の 塁 で あ っ た か を 検 出 す る 決 め 手 と な る 史 料 が 見 出 せ な い が ' 先 に も み た 享 保 十 六 年 五 月 に 作 成

さ れ た 幕 府 の 享 保 十 五 年 分 の 払 方 勘 定 帳 に は ' 二 条 ・ 大 坂 ・ 大 津 ・ 長 崎 の 米 大 豆 払 代 が 銀 千 六 百 八 拾 八 貫 六 百 日 ' 二

条 ・ 大 坂 御 囲 米 八 万 石 払 代 が 銀 弐 千 四 百 八 拾 弐 貫 六 百 日 余 と あ り ' 後 者 に つ い て は 石 三 一 匁 〇 三 の 単 価 が 得 ら れ る の

で ' 囲 米 の 処 分 を 通 常 の 払 米 に ス ト レ ー ー に 適 用 す る の は 博 か ら れ る が ' ]前 者 を 同 値 で 換 算 す る と 五 万 四 千 石 (但 し

大 豆 と も ) の 数 倍 が 得 ら れ る 。 こ の う ち ' 長 崎 に お け る 九 州 地 方 の 天 領 米 の 処 分 の 比 重 が 判 明 し な い の で 憶 測 の 域 を

出 な い が 、 大 坂 に お け る 幕 府 米 の 換 金 化 は ' 定 額 七 万 石 の 囲 米 の 詰 直 し の た め の 処 分 以 外 に 、 さ 程 大 量 の も の で は な

か っ た よ う に 思 わ れ る 。 (柑 ) と こ ろ で ' 京 都 町 代 古 久 保 家 文 書 中 に 襲 蔵 さ れ て い る 元 禄 以 降 の 京 都 町 触 留 に は 、 元 禄 五 年 七 月 十 七 日 大 坂 御 蔵 の

元 禄 三 午 年 五 畿 内 米 二 千 六 百 石 の 払 米 入 札 触 を 初 見 と し 、 享 保 二 十 年 十 一 月 二 十 七 日 迄 の 間 に 京 都 市 中 に 触 出 さ れ た

大 坂 ・ 大 津 二 一条 御 蔵 払 米 の 入 札 触 が 記 録 さ れ て い る の で ' 私 米 の 産 年 を メ ド に 区 切 っ て 払 米 石 数 を 集 計 し た も の が

虜 3 表 で あ る 。 西 廻 海 運 の 開 通 に よ っ て 入 津 米 畳 の 激 減 を み た 敦 賀 ・ 小 浜 を 外 港 TU す る 大 津 の 米 市 場 圏 の 縮 小 は ' 必

然 的 に 大 坂 に 対 す る 京 都 の .米 需 要 供 給 の 依 存 度 を 増 大 さ せ て い っ た と 思 わ れ る も の の 二 見 都 の 町 触 と い う 性 格 上 ' 大

(16)

算 3 表 於京都、大坂 ・大津 ・二条城蔵米入札鰯

享 保 改 革 期 の 米 価 政 策 か ら み た 江 戸 の 位 置 (鶴 岡 )

, 年 月 日 .払 石 米 数 旗 合 出 計 産 .. 地 p 孤. 出 蔵 旗 出

回 数

元禄 ‑同 6 . 6 ■ 1 .2ー . 2 3 2 1 石余 , 7 0 0 土佐,五故内,播磨 . 大坂,大津 大 p

〟〟〟

由 : 8∴

元禄 . ‑同閏 7 .1 5 . 2 . 5 1 7 2 0 , 2 5 0 土佐,五畿内 6.

元禄 〜同 8 .2 5 . . 1 2 9 2

元禄 ・ ‑同 9 .1 6 . . 2 1 1 9

元禄 1 5 .1 . 1 7 l 1 5 4 l i , , 3 8 3 2 0 1 0 0 0 ‑ 五故内,播磨,丹波 .

播磨,伊予,作州 8 5 1

享保 ‑同 5 .1 1 0 . . 2 2 2 5 l l , 0 6 0

五紙内,近江,丹後 大坂,大津 6

享保 〜同 6 .1 6 . . l 2 l 4 1 9 , 71 3

五故内,近江,丹波,丹後 大坂,大津 二条 8

享保 6 . 1 0 . 1 7 5 9 , 6 1 0 五故内, 丹後,石見, 近江, 備中 大坂,大枠 l

l

〜同 7 .9 .3 美作, 豊後, 備後, 筑前,甲舎米 二条 ̀

享保 〜同 7 . 8 1 0 .4 .5 8 4 , 8 3 1 五故内,. 美作,紀伊,薩摩 播 磨,越前,豊前, .( 以下同) l l

享保 享保 ‑同 〜同 8 9 .7 .閏 4 1 9.1 0 .1 . 2 . . 1 1 . 1 7 1 9 7 5 2 , 0 6 4 (至竿禦 , B甲 や 九州) 1 8

享保 〜同 1 0 .3 1 1 . . 2 1 5 . 1 7

享保 ・ ‑同 1 1 .◆ 1 2 3 .1 . 2 0 . 1 7

/ 享保 享保 享保 享保 享保 享保 ‑同 〜同 ‑. ‑同 〜同 ‑ 1 1 1 同 1 1 2 同1 2 3 4 9 0 5 .3 .3 .2 1 1 1 ∴3 1 . 1 .閏3 3 2 2 2 1 1 ̲ .1 . . 1 . . . 2 2 2 芦 . . . . 2 0 6 1 1 2 3 1 7 3 . 0 5ー 7 7 .5 1 5 1 1 1 1 1 1 7 0 9 3 1 7 4 6 5 7 2 1 1 4 5 5 8 4 , , , , , , , , , 6 5 0 8 8 1 6 6 1 9 7 2 9 7 6 2 9 5 5 0 6 9 6 3 6 4 5 (

同上 以下略) ‑1 1 2 2 3 3 1 9 6 2 2 9 3 3

4 1 7 8

「古久保家文雷」町飼留より

(17)

史 料 館 研 究 紀 要 第 一 〇 号 一 〇 〇

坂 払 米 の す べ て を 示 す と い う 保 証 は な い が ' 上 方 に お け る 幕 府 米 処 分 の 傾 向 だ け は 窺 え そ う に 思 わ れ る 。 因 み に ' 貞

享 年 間 の 「所 々 御 城 米 並 城 付 御 米 高 十 に よ る と ' 御 城 儲 米 の 定 数 は ' 大 坂 七 万 石 ' 二 条 一 万 七 千 石 ' 大 津 五 万 石 .( 但

し 元 禄 十 一 年 の 地 方 直 し に よ る 近 江 国 蔵 人 地 の 縮 減 に 伴 な い 元 禄 十 二 年 大 津 蔵 奉 行 廃 止 ' ▲翌 十 三 年 大 津 蔵 二 〇 棟 の う

ち 1 四 校 を 破 却 ' 残 六 棟 の 収 容 能 力 は 一 万 五 八 〇 〇 石 ) と さ れ ' 大 坂 ・ 大 津 二 一条 の 三 地 を 合 し て 十 三 万 五 千 石 ・( 元

禄 十 一 年 後 は 十 万 石 前 後 、 う ち 城 在 番 の 幕 臣 ら へ の 給 米 渡 し 等 の 支 出 分 を 含 む ) で あ る が ' 第 3 表 で み ら れ る 通 り '

元 禄 期 の 一 〜 二 万 石 前 後 の 払 米 石 数 は ' 済 価 の 低 落 の 始 ま っ た 享 保 六 年 冬 以 降 ' 払 米 の 入 札 蝕 の 頻 度 を 増 す と 共 に 石

数 も 増 加 し ' 紀 伊 国 屋 源 兵 衛 の 御 城 米 為 替 請 負 の 前 年 ' 前 々 年 に 1 つ の ピ ー ク が あ り ' 享 保 十 .四 年 に は 十 七 万 五 千 石

余 の 最 高 を 記 録 し て 小 る 。 も っ と も ' こ の 数 字 は 断 る ま で も な く 払 米 の 入 札 蝕 の 石 数 の 集 計 で あ っ て ' 現 実 の 落 札 石

数 で は な い 。 入 札 直 段 が 折 り 合 わ な か っ た り ' 望 人 が な い 場 合 に は ' 払 米 を 見 合 わ せ た り ' 再 蝕 の 可 能 性 も あ り 得 る

わ け で あ る か ら ' 実 際 の 数 字 を 上 廻 わ る 可 能 性 を 考 慮 す る と ' 上 方 で の 幕 府 米 の 換 金 化 は 囲 米 の 処 分 以 外 を 多 く 含 む

も の で は な か っ た と 思 わ れ ' 入 札 蝕 の 集 計 数 字 そ の も の に は 単 純 に 依 拠 し 得 な い が ' 同 時 期 に 限 っ て 京 都 に お い て 頻

発 さ れ た 払 米 の 入 札 蝕 が 困 米 の 処 分 の 不 円 滑 さ 長 増 し た 証 左 と す る こ と は 大 過 な い で あ ろ う 。

こ の 幕 府 上 方 蔵 払 米 の 入 札 蝕 を 克 明 に 記 録 し た 「京 都 町 触 」 に は ' 享 保 八 年 五 月 三 日 の 条 に ' 「諸 国 御 城 米 廻 船 運

賃 年 々 高 直 三 成 侯 二 付 此 皮 相 改 入 札 」 制 と す る 旨 の 触 出 が み ら れ ' 「御 城 米 為 替 」 仕 法 開 始 の 背 景 の 1 端 を 窺 わ せ る

が t .払 米 が 不 円 滑 で あ っ た こ と を 窺 わ せ る 記 事 と し て 享 保 九 年 十 月 以 降 ' 二 条 ・ 大 津 両 蔵 の 払 米 蝕 に は 代 銀 三 十 日 か

ら 五 十 日 の 延 納 を 付 帯 条 件 と し て お り ' ま た 同 十 三 年 九 月 二 十 一 日 の 条 に は ' 小 野 寺 三 郎 右 衛 門 ら 三 名 に 対 し て 京 都

井 大 津 に お け る 米 売 買 会 所 を 免 許 L t 相 場 立 会 に は 大 坂 ・ 大 津 相 場 を 以 っ て 行 な う こ と を 婚 示 し ' 道 々 二 条 ・ 大 津 蔵 (却 ) 米 を 私 出 す こ と を 放 出 し て い る 。

(18)

欝 二 次 の 御 為 替 米 徴 用 を 引 措 け た 川 口 塵 の 役 割 は 、 こ の よ う な 江 戸 ・ 上 方 に お け る 瞳 性 的 な 米 価 の 低 落 か ら 生 じ る

幕 府 財 政 の 収 入 減 を 極 力 く い 止 め る と こ ろ に あ っ た と 思 わ れ る が ' 結 果 は 公 金 の 焦 げ つ き を 招 致 し た の み で 終 っ た こ

と は 先 に 述 べ た 。 「京 都 町 触 」 の 享 保 十 五 年 五 月 二 十 八 日 の 条 に は ' 為 替 人 川 口 茂 右 衛 門 が 家 質 と し て 公 儀 へ 差 出 し

て い た 家 屋 敷 を 競 売 に 付 し た が ' 同 人 「不 時 の 仕 儀 多 く 不 屈 」 云 々 の 記 事 が 見 出 さ れ る 。

大 坂 で の 再 度 の 失 敗 の あ と を う け て 登 場 し た の は ' 江 戸 に お け る 冬 木 喜 太 郎 ら 五 名 に よ る 「米 延 売 切 手 売 相 場 会

所 」 で あ る 。

党 .

此 度 冬 木 尊 太 郎 ・ 冬 木 彦 六 ・ 杉 田 屋 新 兵 衛 と 申 者 ' 米 延 売 切 手 売 相 場 会 所 相 願 侯 二 付 厩 之 適 中 付 候 間 ' 望 之 者

ハ 右 会 所 江 対 談 致 し 売 買 可 仕 侯

右 之 通 町 中 不 残 可 被 相 触 侯 ' 以 上

右 之 通 従 町 御 奉 行 所 被 仰 渡 候 問 ' 此 旨 町 中 不 残 入 念 可 被 相 触 侯 (享 保 十 四 年 ) 十 二 月 廿 六 日 町 年 寄 三 人

川 口 座 停 廃 か ら 7 年 を 経 過 し て い る が ' そ の 間 幕 府 は 江 戸 市 中 へ 対 し ' 享 保 十 四 年 五 月 1 日 ' 「近 年 米 沢 山 二 付 」

江 戸 の 米 商 に 買 置 米 を 奨 励 L t 備 蓄 米 資 金 に 限 っ て 相 対 済 令 を 解 除 す る 旨 の 恩 典 を 付 し ' 同 年 十 月 二 十 六 日 借 金 質 物

利 息 の 引 下 げ を 命 じ ' 同 十 二 月 十 日 金 銀 訴 訟 受 理 を 全 面 的 に 認 め を ほ か ' 上 指 の 冬 木 会 所 免 許 告 示 の 四 日 前 の 十 二 月 (22 ) 二 十 二 日 に は 米 直 投 下 直 ' 世 上 難 儀 二 付 幕 府 が 買 上 米 を 実 施 す る 旨 の 入 札 蝕 を 行 な っ て い る 。

享 保 改 革 期 の 米 価 政 策 か ら み た 江 戸 の 位 置 (鶴 岡 )

(19)

史 料 館 研 究 紀 要 第 一 〇 号 、 一 〇 二

こ の よ う な 世 情 を 背 景 に 登 場 し た 冬 木 会 所 は ' 町 蝕 に 従 来 の 「為 替 米 」 の こ と は 見 え ず ' し か も 江 戸 に 始 め て 設 け

ら れ た 点 が ' 前 二 回 と 様 相 を 異 に す る が ' ど の よ う な 成 算 を 以 っ て 請 負 っ た か を 、 冬 木 善 太 郎 の 提 出 し た 願 雷 に よ っ

て 窺 っ て み よ う 。

乍 恐 書 付 を 以 奉 頗 上 侯

1 近 年 米 穀 下 直 二 付 諸 御 大 名 様 御 旗 本 様 方 御 不 勝 手 之 上 ' 金 銀 御 才 覚 等 御 不 自 由 二 相 成 ' 米 穀 高 直 之 節 よ り 還 て

下 々 困 窮 仕 候 二 付 乍 恐 何 と そ 米 穀 直 段 引 上 ケ 侯 様 二 種 々 奉 考 候 ' 畢 克 御 当 地 こ て 売 買 之 致 方 こ よ り 是 非 共 引 上

ケ 可 申 道 理 二 奉 存 ' 万 物 相 場 之 儀 は 惣 て 人 気 を 以 高 下 仕 事 二 御 座 候 所 ' 只 今 之 通 現 金 売 買 計 こ て は 漸 当 用 程 な

ら て は 人 々 相 調 不 申 ' 買 置 囲 米 等 一 切 不 仕 候 間 ' た と へ 国 々 不 作 と 申 年 も 差 て 相 場 引 立 申 儀 は 御 座 有 間 数 と 奉

存 侯 ' 近 年 米 商 人 年 々 損 金 多 元 手 を 失 ひ 罷 在 ' 殊 問 屋 共 売 買 も 現 金 売 仕 候 故 ' 手 金 限 り 之 商 計 仕 候 二 付 ' 第 1

米 之 捌 方 悪 敷 ' 自 然 と 相 場 下 直 罷 成 侯 様 奉 存 侯 ' 依 之 御 当 地 こ お ゐ て 相 場 会 所 奉 腰 上 侯 ' 如 古 来 之 正 米 延 金 売 ・買 仕 侯 ハ 、 元 手 無 数 も の も 相 応 囲 米 等 相 成 ' 其 間 二 売 買 之 徳 益 在 之 候 二 付 ' 仕 手 多 罷 成 ' 大 勢 之 気 分 を 以 売 買

仕 侯 ハ 、 各 別 二 引 上 ケ 何 程 豊 年 競 侯 共 ' 如 当 時 之 大 下 直 二 は 相 成 申 間 数 と 奉 存 侯 御 事 、

1 御 g n.地 え 下 り 米 之 儀 ' 十 ケ 年 以 前 ハ 米 川 岸 上 方 問 屋 よ り 仲 写 空 1十 日 延 二 売 買 仕 来 り 侯 所 、 十 ヶ 年 以 来 金 銀 出

入 御 取 上 ケ 無 御 座 候 二 付 延 売 等 難 仕 、 問 屋 仲 買 共 現 金 売 買 仕 侯 故 ' 少 こ て も 囲 米 等 仕 も の 無 御 座 候 二 付 米 之 捌 (虫 喰 ) 方 少 ク 迫 日 下 直 罷 成 侯 、 然 所 米 代 金 之 儀 御 取 上 ケ 可 被 為 遊 旨 ' 当 五 月 口 為 仰 出 難 有 奉 存 侯 、 然 共 い ま た 人 々 落

付 不 申 侯 問 、 日 延 売 買 等 不 仕 ' 惣 て 米 之 捌 手 狭 御 座 候 付 弥 下 底 二 罷 成 侯 様 奉 存 候 御 事

. 一 相 場 会 所 御 免 被 成 下 侯 ハ 、 小 網 町 辺 こ て 会 所 相 立 ' 米 商 売 仕 侯 も の 共 不 残 立 合 ' 日 々 相 場 相 立 侯 様 二 奉 頗 上

候 ' 売 買 仕 様 之 儀 は 現 金 売 又 は 三 十 日 延 成 ハ 二 月 塵 五 月 延 十 月 延 と 相 克 立 会 相 場 相 立 可 申 候 ' 延 売 之 儀 は 売 手

(20)

買 手 両 方 よ り 金 百 両 二 付 六 両 宛 之 積 り 差 金 を 以 売 買 可 仕 侯 ' 左 侯 ハ 、 御 当 地 惣 分 之 米 屋 井 旅 人 近 国 之 米 商 人 迄

不 残 会 所 え 立 合 申 侯 間 ' 是 非 共 せ り 上 ケ 早 束 よ り 直 段 引 上 ケ 可 申 侯 ' 尤 段 々 せ り 上 ケ 、 金 壱 両 二 付 壱 石 工 罷 成

侯 ハ 、 会 所 立 会 当 分 相 休 可 申 侯 御 事

一 右 会 所 御 免 被 成 下 侯 ハ 、 先 弐 拾 万 俵 程 も 現 金 を 以 毎 日 会 所 え 買 取 可 申 侯 ' 右 弐 拾 万 三 十 万 俵 位 こ て 相 場 上 ケ 中

程 之 儀 こ も 被 為 恩 召 上 間 数 侯 得 共 ' 切 手 売 買 仕 侯 得 は 私 共 之 外 米 持 合 侯 も の ハ 勝 手 成 申 儀 こ て 御 座 候 故 ' 切 手

売 里 中 も の 多 罷 成 申 侯 ' 右 切 手 こ て 売 匿 侯 得 は 其 米 高 程 は 持 送 売 米 二 出 し 不 申 ' 約 束 之 日 限 迄 持 こ た へ 申 候 '

左 侯 得 は 切 手 出 侯 分 ハ 御 当 地 有 米 高 之 内 ーこ て 五 拾 万 七 拾 万 俵 も 囲 米 成 申 候 故 ' 自 然 と 景 気 罷 成 相 場 引 立 申 儀 と

奉 存 侯 御 串

一 上 方 下 り 米 問 屋 壱 ヶ 所 被 為 仰 付 被 下 置 侯 様 奉 煽 上 侯 ' 尤 古 来 よ り 之 問 屋 鎮 株 も 御 座 候 由 及 承 申 候 ' 右 問 屋 奉 栢

上 侯 訳 は 浅 草 御 蔵 前 三 度 之 御 切 米 之 節 ' 私 共 立 会 売 買 相 場 を 以 せ り 立 ' 直 段 引 上 ケ ' 随 分 御 為 二 相 成 候 様 二 相

働 、 若 直 段 相 違 之 儀 も 御 座 候 ハ 、 私 共 方 え 買 請 可 申 候 ' 猶 又 会 所 相 続 任 侠 ハ 、 乍 恐 始 終 御 旗 本 様 方 御 勝 手 御 取

続 改 造 侯 様 ' 御 相 談 申 上 皮 工 面 も 御 座 候 得 共 ' 此 段 ハ 追 て 可 申 上 侯 御 事

右 願 之 通 御 吟 味 被 為 成 下 ' 相 障 儀 も 無 御 座 候 ハ 、 御 当 地 相 場 会 所 御 免 披 仰 付 被 下 匿 候 ハ 、 早 速 会 所 取 立 ' 毎 日

五 百 両 千 両 宛 現 金 を 以 随 分 員 置 ' 惣 米 屋 共 日 々 二 立 会 ' 現 金 売 又 は 延 売 切 手 売 等 広 商 売 仕 侯 ハ 、 早 速 よ り 是 非

共 直 段 引 上 ケ 可 中 と 奉 存 侯 ' 左 侯 ハ 、 乍 恐 御 大 名 様 御 旗 本 様 方 和 弘 米 ハ 勿 論 ' 先 納 御 仕 送 等 惣 て 御 手 廻 し 宜 相 ∴ 成 可 申 と 奉 存 侯 ' 私 共 儀 大 金 差 出 し 大 分 之 米 日 々 買 上 ケ 侯 て も 捌 中 程 も 難 計 ' 囲 匿 侯 内 二 種 々 損 金 も 相 立 ' 井

会 所 諸 入 用 等 多 ' 差 当 り 徳 用 之 筋 見 え 不 申 候 得 共 、 随 分 相 働 ' 是 非 々 直 段 引 上 ケ 候 様 可 仕 と 奉 存 侯 、

願 之 通 会 所 御 免 被 仰 付 被 下 置 侯 枝 番 顧 上 侯 ' 以 上

享 保 改 革 期 の 米 価 政 策 か ら み た 江 戸 の 位 置 (鶴 岡 )

(21)

史 料 館 研 究 紀 要 第 1 0 号

享 保 十 四 年 酉 十 一 月 一'〇 四

頗 人 冬 木 善 太 郎

証 人 冬 木 彦

証 人 杉 田 屋 薪 兵 衛

徹 奉 行 所 様 一

出 願 人 に つ い て は ' 幕 府 の 御 用 材 木 商 と し て 著 名 な 冬 木 と 同 姓 で あ る .こ と を 指 摘 し 得 る に 止 ま る が t . 発 起 人 の 主 旨

は 市 中 米 価 の 引 上 げ を 最 大 の 限 月 と す る . す な わ ち 近 来 米 穀 下 直 の た め 武 家 方 不 勝 手 に つ .き t .米 高 直 の 節 よ り 反 っ て

下 々 困 窮 す る と い う の は 江 戸 経 済 の 」 面 を つ い た も の と 云 え る が ' 盲 の 相 場 下 直 の 原 因 を 昨 今 の 手 金 限 り の 現 金 売 買

の 商 法 に 帰 し (厩 人 は そ れ を 享 保 四 年 十 一.月 に 発 令 さ れ た 相 対 済 令 の 影 響 と み る )' 従 前 の よ う な 正 米 延 金 売 買 復 活

の 要 を 述 べ ' 米 問 屋 の 集 居 す る 小 網 町 辺 二 相 場 会 所 を 設 け て ' 延 売 に つ い て は 金 百 両 に つ き 六 両 宛 の 証 拠 金 を と り '

差 金 売 買 に よ り 元 手 薄 の 者 ま で も 多 人 数 立 会 に 参 加 さ せ れ ば ' 自 然 と 相 場 は 引 立 つ も の と い う 。 そ の よ う な 会 所 が 許

可 に な れ ば ' 会 所 と し て は 毎 日 二 十 万 俵 程 づ つ 買 持 ち ' 切 手 売 買 を 行 な え ば ' 切 手 流 通 分 だ け は 当 地 有 米 の う ち で 囲

米 と な る か ら 景 気 上 昇 に 役 立 つ と 説 明 す る 。 . 更 に 下 り 米 問 屋 の 株 を 一 軒 取 立 て ' 浅 草 御 蔵 前 三 李 の 切 米 渡 し の 際 ' 棉

場 立 会 を 行 な い ' せ り 上 げ れ ば ' 旗 本 の 勝 手 向 も 好 乾 す る 筈 で あ り ' 景 気 の 上 昇 に よ っ て 大 名 ・ 旗 本 の 融 通 も 宜 し ‑

な る と い う も の で あ る 。 「札 差 事 略 」 に よ れ ば ' こ の 願 書 の 提 出 さ れ た 前 月 の 十 一 月 二 十 一 日 ' 浅 草 御 蔵 の 切 米 和 弘

直 段 が 伊 勢 町 ・ 本 船 町 ・ 小 網 町 の 米 河 岸 相 場 よ り 格 段 に 下 直 で あ る と し て 町 奉 行 か ら 三 町 の 札 差 中 へ 答 申 を 求 め た 事

実 が あ り ' ま た 延 売 買 の 限 月 を 春 ・ 夏 ・ 冬 の 三 季 切 米 支 給 期 月 に 合 わ せ る な ど ' 更 に 金 一 両 一 石 を メ ド に 米 価 引 立 て

が 奏 功 す れ ば ' 相 場 立 会 を 当 分 休 止 す る こ と を 条 件 と す る な ど ' 要 路 へ の 迎 合 に 苦 心 の あ と が 認 め ら れ る が ' 当 面 の

主 題 と な る 米 会 所 仕 法 に は 正 米 取 引 と 空 米 取 引 と の 区 別 が あ い ま い で ' 文 脈 を 正 確 に 把 え る こ と は 困 難 で あ る 。 ま た

(22)

三 季 切 米 支 給 の 節 、 相 場 立 会 を 行 な い 直 段 を せ り 立 て る が 、 若 し 思 惑 が は ず れ て 直 段 相 違 の 場 合 は 会 所 で 払 米 を 引 請

け る と い う が ' そ の 際 ' 下 り 米 問 屋 の 株 を 必 要 と す る 理 由 も ' 説 明 不 足 の 感 を 否 め な い 。

な お こ の 冬 木 願 書 の 写 を 入 手 し た 三 井 店 の 記 録 に よ れ ば ' 「右 願 之 外 と ち 木 屋 平 四 郎 と 申 者 会 所 番 付 在 之 ' 跡 よ り 仲 ケ 間

加 り 侯 様 相 潤 え 侯 」 と あ り ' 続 け て 「最 初 願 書 相 添 1 所 出 侯 由 二 侯 」 と の 注 容 を 付 し た 米 延 売 の 仕 法 苔 が 番 写 さ れ て い る . 該 仕 法 書 も 可 成 り 長 文 に 亘 り '・ 前 引 の 願 書 の 趣 意 と 重 視 す る 面 が 多 ‑ ' ま た こ の 後 で 紹 介 す る 会 所 認 可 後 に 米 仲 買 へ 提 示 し

七 仕 法 署 で は 悠 正 箇 所 が 少 な て な い の で 収 載 を 割 愛 す る が ' 当 面 冬 木 厩 雷 を 補 足 す る 部 分 だ け を 紹 介 す る と ' 小 舶 町 辺 に 予 定 さ れ る 会 所 の 規 模 は 間 口 十 丁五 間 柱 の 家 屋 敷 を 購 入 し ' 「米 相 場 会 所 」 の 看 板 を 掛 け ' 米 商 に 熟 達 し た 手 代 を 大 勢 お い て 朝

四 ツ 時 か ら 七 ツ 時 迄 立 会 売 買 を 行 な う と い う も の で あ る が ' 前 引 の 願 書 で は 当 地 惣 米 屋 の ほ か 旅 人 や 近 国 の 米 商 人 ま で 不 抜

立 会 に 参 加 さ せ る と い う の が 後 退 し て ' 会 所 立 会 の 仲 買 人 数 を 二 百 人 に 限 定 し ' 会 所 の 印 鑑 を 交 付 し て ' 無 札 の 者 は 仲 買 を

通 し て の み 売 買 に 参 加 し 得 ' 百 両 に つ i u銀 三 十 匁 の .口 銭 を 支 払 う こ と と し て い る 。 更 に 当 面 二 十 万 俵 と 申 告 し た 買 米 は ' 金 主 と 話 合 の 上 ' 迫 々 三 十 〜 四 十 万 俵 と 増 加 さ せ る 意 向 で あ り ' そ れ ら は 会 所 で 現 金 売 と す る が ' 相 場 下 直 の 際 は 囲 米 と す る

と 述 べ ヽ ま た 売 買 双 方 か ら の 差 金 の 徴 収 は ' そ の よ う な 会 所 米 以 外 の 米 売 買 の 証 拠 金 で あ り ' 会 所 米 切 手 売 の 際 は 買 手 か ら

の み 証 拠 金 を 必 要 と す る と 説 明 し て い る 。

冬 木 願 書 に 添 え ら れ た 「米 延 売 買 仕 法 等 」 の 末 尾 に は 「右 願 乏 通 御 吟 味 被 成 下 ' 被 為 仰 付 被 下 匿 侯 御 儀 御 座 候 ハ

・ ' 乍 恐 一 月 も は や く 披 仰 付 ' 早 速 会 所 取 立 売 買 仕 度 奉 存 侯 ' 左 様 無 御 座 候 て は 御 大 名 様 方 御 旗 本 様 方 当 年 之 御 収 納

米 何 程 下 直 御 座 候 て も ' 当 暮 御 入 用 と し て 段 々 御 払 可 披 遊 侠 t. 左 候 得 は 折 角 御 為 を 奉 存 候 て も ' 御 払 米 無 御 座 候 節 ニ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ 罷 成 侯 て は 来 秋 よ り 内 ハ 御 用 立 不 申 候 ' 畢 尭 此 節 よ り 来 三 四 月 迄 之 相 場 肝 要 と 奉 存 候 ' 毎 年 夏 初 よ り 秋 初 迄 五 六 ケ 月 ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ 之 内 は 御 扶 持 米 御 買 入 被 遊 慎 二 付 直 段 過 分 引 上 ケ 不 申 候 様 仕 度 侯 ' 畢 尭 三 度 之 御 切 米 之 節 又 は 秋 初 よ り 三 四 月 迄 之 内

随 分 直 段 引 上 ケ 侯 様 勘 弁 仕 度 奉 存 侯 」 ( 傍 点 引 用 者 ) と ' 時 宜 を 失 し な い よ う 速 や か な 認 可 を 願 出 て ' 翌 月 の 十 二 月

二 十 六 日 江 戸 市 中 へ の 公 布 と な っ た わ け で あ る 。

享 保 改 革 期 の 米 価 政 末 か ら み た 江 戸 の 位 定 (鶴 岡 )

(23)

史 料 飴 研 究 紀 要 第 1 0 号 1 〇 六

江 戸 に お け る 最 初 の 米 相 場 取 引 所 と な っ た 冬 木 会 所 の 正 式 発 足 に 当 っ て ' 米 仲 買 中 へ 提 示 し た 「会 所 法 書 」 は 次 の

よ う な も の で あ る 。

商 立 之 事

一 相 場 所 ' 中 買 之 御 人 数 百 人 二 相 定 申 侯 ' 則 銘 々 御 印 鑑 を 取 置 ' 此 印 鑑 を 引 合 商 事 為 致 申 侯 ' 印 判 持 参 無 之 方 え

ハ 売 買 不 仕 侯 ' 御 名 代 御 出 し 侯 共 ' 右 之 印 判 こ て 商 事 仕 侯

一 立 物 宇 津 宮 米 舶 競 闘 題 鰯 ⁚前 候 但 切 手 一 枚 八 捨 石 立

右 之 適 切 手 工 出 し 場 所 l‑ て 売 買 致 申 侯 ' 日 切 之 儀 は

二 月 切 五 月 切 九 月 切 十 一 月 切

右 之 通 可 仕 、 二 月 切 を 仕 廻 ' 五 月 切 二 移 り 段 々 商 事 仕 替 申 侯

右 商 立 之 儀 は 宮 米 と 立 t .日 限 二 至 り 米 語 取 渡 之 儀 は 宮 米 之 代 り こ 何 米 を 相 渡 候 共 ' 宮 米 よ り あ ゆ み を 付 ' 代 金

請 取 米 相 渡 し 可 申 侯 ' 尤 米 こ て 御 請 取 不 勝 手 二 御 座 候 ハ 、 立 用 相 場 こ て 勘 定 相 渡 可 申 侯

一 宇 津 宮 米 ‑

立 用 仕 方

或 ハ 広 鴫 米 一 大 坂 こ て 或 ハ 肥 後 米 或 ハ 豊 前 米 何 米 何 升 安 同 同 断 同 同 断 同 同 断

三 口 平 均 シ 直 段 二 五 匁 成 共 七 匁 成 と 〇 運 送 ヲ 入 ' 廿 日 よ り 廿 五 日 迄 之 直 段 を な ら し ' 但 ' 銀 相 場 同 断

(24)

(著カ)

此 江

戸差直段

金 壱 両 二 付 何 程

時 々 二 大 坂 立 物 替 り 申 侯

1 御 当 地 上 方 問 屋 為 登 相 場 ' 地 廻 り 米 之 頭 直 段 ' 廿 二 日 廿 六 日 廿 九 日 之 直 段 を な ら し '

右 大 坂 と 御 当 地 直 段 と 合 二 つ 二 割 ' 是 を 立 用 之 直 段 二 極 ' 差 引 勘 定 仕 侯 '

口 銭 之 儀 は

客 方 よ り 申 買 え 金 百 両 二 付 弐 拾 匁 宛 ' 但 遠 国 之 注 文 口 銭 ハ 三 拾 匁 宛 御 詩 歌 ' 右 之 内 拾 匁 ハ 相 場 所 え 請 取 申 侯

1 差 金 之 儀 は 金 百 両 二 付 六 両 宛 ' 売 手 買 手 両 方 よ り 預 り 置 申 侯 ' 尤 遠 国 注 文 ロ ハ 百 両 二 付 拾 両 宛 ' 中 男 衆 え 請 取

置 内 六 両 ハ 場 所 え 御 出 し 可 披 成 侯 ' 則 此 金 子 ハ 会 所 え ハ 預 り 不 申 ' 中 買 衆 中 御 相 談 之 上 こ て へ 身 上 怯 成 両 替 屋

・ 五 軒 程 え ふ り 込 ' 請 払 為 致 可 申 候 ' 此 儀 ハ 退 て 及 徹 相 談 可 申 侯 ' 尤 両 替 屋 徳 用 之 儀 は 百 両 二 付 目 廻 シ 五 分 宛 買

方 よ り 出 申 候 '

但 ' 右 指 金 ハ 南 街 仕 廻 侯 得 は 直 二 相 返 し 申 侯

差 引 日 之 等

八 日 十 八 日 廿 八 日

右 三 日 は 指 引 定 日 二 御 座 候 ' 此 間 こ も 両 二 五 升 之 高 下 出 来 申 侯 ハ 、 隔 日 こ も 差 引 勘 定 仕 侯

1 商 之 儀 は 毎 月 朝 五 ツ 時 よ り 八 時 迄 二 商 仕 侯 ' 尤 其 日 限 り こ 売 買 御 仕 廻 し ' 指 引 ハ 七 ツ 時 よ り 夜 五 ツ 時 迄 に 持 寄

り 差 引 勘 定 可 被 成 侯 、

右 之 通 相 極 申 侯 、 若 商 立 其 外 こ も 思 召 も 御 座 候 ハ 、 可 被 仲 間 侯 ' 相 互 二 宜 方 二 御 相 談 可 仕 侯 ' 尤 御 相 談 相 済 次

享 保 改 革 期 の 米 価 改 発 か ら み た 些 戸 の 位 置 (鶴 岡 ) 一 〇 七

(25)

史 料 館 肝 究 紀 要 第 一 〇 号

第 商 事 相 始 メ 可 申 侯 ' 以 上 . (享 保 十 五 年 ) 成 正 月 十 一 日 相 場 所

出 厩 の 段 階 で は ' 無 制 限 乃 至 二 百 人 と 見 笥 っ た 立 会 参 加 の 人 数 を ' 仲 買 百 人 に 限 っ た の は ' 請 負 人 の 江 戸 米 両 界 の

現 状 把 操 に 杜 揺 さ を 予 感 さ せ る が ' そ の 印 鑑 を 会 所 に 登 録 し ' 登 録 人 の み の 立 会 を 認 め る 。 建 物 米 は 宇 都 宮 米 と L t

切 手 一 枚 は 八 十 石 立 て と あ る か ら ' 八 十 石 を 売 買 単 位 と す る も の で あ っ た と 思 わ れ る 。 取 引 は 当 初 の 切 米 支 給 月 の 三

李 を 若 干 変 更 し て ' 二 月 ・ 五 月 ・ 九 月 ・ 十 一 月 の 年 四 期 だ て で 行 な わ れ る が ' 必 ず し も 正 米 の 請 渡 し を 必 要 と せ ず '

立 用 直 段 に 法 る 差 金 決 済 を 認 め る 。 そ の 立 用 直 段 は 大 坂 堂 島 に お け る 大 蔵 物 の う ち ' 三 錯 柄 の 二 十 日 か ら 二 十 五 日 ま (f lヵ ) で の 平 均 直 段 に ∵ 江 戸 送 り の 運 賃 を 加 え た 江 戸 差 直 段 と ' 江 戸 に お け る 下 り 米 問 屋 の 為 登 粁 場 と 地 廻 米 の 頭 直 段 の 二

十 二 ・ 二 十 六 ・ 三 十 九 日 の 平 均 直 段 と を な ら し た も の を 用 い る と い う 念 の 入 っ た も の で あ る 。 客 方 か ら の 注 文 に よ っ

て 売 買 す る 仲 買 の 口 銭 は 百 両 に つ き 二 十 匁 (遠 国 注 文 の 場 合 は 三 十 匁 ) で ' こ の 中 か ら 会 所 は 十 匁 を 致 収 す る 。 ま た 「差 金 」 と は 売 買 の 約 定 が 成 立 し た 時 ' 仲 買 が 差 出 す 敷 金 と 思 わ れ る か ら ' 売 買 高 百 両 に つ き 六 両 (遠 国 注 文 の 場 合

は 十 両 ) の 証 拠 金 で 取 引 で き る わ け で あ る ? こ の 仲 買 が 差 出 す 証 拠 金 は 仲 買 が 納 得 す る 確 か な 両 替 へ ' 日 廻 し 百 両 に

つ き 五 分 の 積 分 を 認 め て 預 け る こ と を 約 束 し た も の で あ る 。

堂 島 に お け る 帳 合 米 取 引 の 公 認 は ' こ の 冬 木 会 所 停 止 と 同 時 の 享 保 十 五 年 八 月 で あ る が ' そ の 以 前 か ら 同 地 で は 蔵

米 切 手 の 授 受 を 以 っ て 行 な わ れ る 正 米 取 引 TU 、 米 切 手 を 介 在 さ せ ず ' 完 全 な 空 米 売 買 で あ っ た 帳 合 米 取 引 に よ っ て ' (24 ) 売 繋 ぎ ・ 買 繋 ぎ が 行 な わ れ て い た こ と は 知 ら れ る 通 り で あ る 。 江 戸 に お い て 始 め て 実 施 を 目 論 ま れ た 米 の 定 期 取 引

が ' そ の 堂 島 米 市 場 を 念 頭 に お い て 立 案 さ れ た で あ ろ う こ と を 推 察 す る こ と に 大 過 は な い と 思 わ れ ' 切 手 売 の 導 入 な

ど は そ の 証 左 と も み ら れ る 。 但 し ' 堂 島 に お け る 米 切 手 が 諸 藩 蔵 屋 敷 の 発 行 に か 〜 り ' 一 枚 十 石 立 て で 統 一 さ れ て い

参照

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