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子どもの生活習慣と健康の関係

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子どもの生活習慣と健康の関係

著者 豊田 弘司, 檜垣 志保

雑誌名 教育実践総合センター研究紀要

10

ページ 7‑11

発行年 2001‑03‑31

その他のタイトル Relationship between Habit in daily life and Health in Children

URL http://hdl.handle.net/10105/4138

(2)

豊 田 弘 司 (奈良教育大学心理学教室)

槍 垣 志 保 (奈良市立三碓小学校)

Relationship between Habit in daily life and Health in Children

Hiroshi TOYOTA

(Department of Psychology, Nara University of Education) Shiho HIGAKI

(Mitsugarasu Elementary School, Nara)

Abstract : The purpose of the present study was to investigate the relationships between two habits (habit in daily life and habit about eating) and self‑diagnosed health in children. Elementary school students were required to answer questions which comprised of 12 questions for habits in daily life, 7 questions for habits about eating and 15 questions for physical and mental health. Analysis based on quantification theory type I indicated that habits in daily life (ex."sleep","eating breakfast","watching TV","exercise" etc.) predicted 38

‑55% of physical health and 26‑42% of mental health (irritation) scores for all graders. The above analysis also indicated that habits about eating (ex. "balance of nutrition","preference of taste" etc.) predicted 26‑40

0f physical health and 27‑41% of mental health scores for all graders. These results were interpreted as

showing that habits in daily life and habits about eating were important factors in physical and mental health in children.

Keywords :習慣habits,身体的健康physical health,精神的健康mental health

1.はじめに

養護教諭にとって児童・生徒の健康教育は重要な任 務である。特に、児童・生徒の生活習慣や食習慣に関 する指導は積極的に行われなければならない。という のは、生活習慣や食習慣が児童・生徒の身体的健康や 精神的健康と関連しているからである。

最近、生活習慣や食習慣に関する実態と疲労感の関 係について多くの報告がなされている。例えば、渋井 (1997)は、平成6年度全国都道府県55校の調査結果 から、就寝時間が年齢とともに遅くなり、それに対応 して睡眠時間も短くなること、及びそれに伴う寝っき の悪さや睡眠不足を感じる割合の増加を報告している。

また、富田ら(1998)は、睡眠時間7時間未満の者、

朝食を摂取しなかった者、学校が楽しくない者、悩み 事がある者が顕著に疲労感が高く、 「睡眠時間」、 「学 校の楽しさ」、及び「悩み事の有無」の影響の大きい

ことを示している。さらに、王ら(1999)は、小学4 年生から中学2年生にかけて、眠気を中心とした疲労 感の自覚症状が多く、睡眠時間が8時間以下の者の割 合が学年とともに高くなることを明らかにしている。

同様に、坂下ら(1998)や後和ら(1995)においても、

睡眠時問と疲労感の関連性を兄いだしている。

このように唾眠を中心とした生活習慣が児童・生徒 の身体的健康と関連することは明らかである。ただし、

上述の諸研究では、まだ、食習慣と健康との関連性が 検討されておらず、さらに、生活習慣や食習慣に含ま

れる各要因が健康に関与する程度を客観的数値として 表すこともなされていない。これらの数値を明らかに できれば、生活習慣や食習慣に関する健康教育にとっ て貴重な資料になる。

そこで、本研究では、生活習慣、食習慣に関する調 査項目を作成し、身体的健康に関する自己診断との関 連性を検討する。分析には数量化I類を用い、生活習

(3)

慣及び食習慣に含まれる各要因の身体的健康に及ぼす 影響を偏相関係数、要因を合わせた影響を重相関係数 及び決定係数で明らかにすることが第1の目的である。

さらに、本研究では、「イライラ感」と生活習慣及 び食習慣との関連性に注目することにした。ここでい う「イライラ感」とは、「イライラする」「ムカつく」

「キレる」という言葉で表現される子どもの未分化な 感情である(上野ら,1999)。この定義によれば、イ ライラ感は精神的不健康の指標とみなすことができる。

先に紹介した渋井(1997)では、イライラ感の高い児 童が、就寝時間の遅いことが報告されている。また、

上野ら(1999)は、イライラ感高群、低群に分けて分 析を行い、イライラ感高群は、不安・抑うつ感が高く、

こだわり感が高く、自己肯定感が低いことを示した。

これらの研究からは、睡眠を中心とする生活習慣と精 神的健康の関連性がうかがえる。そこで、本研究の第 2の目的は、生活習慣及び食習慣と精神的健康の関連 性を検討するために、上述と同じ分析を用い、生活習 慣及び食習慣に含まれる各要因の精神的不健康の指標

である「イライラ感」に及ぼす影響を明らかにするこ とである。

2.方  法 2.1.調査対象

調査対象は、奈良市内の公立小学校の1年生83名

(男36、女47)、2年生98名(男54、女44)、3年生104 名(男55、女49)、4年生107名(男63、女44)、5年 生105名(男50、女55)、6年生117名(男58、女59)

であった。

2.2.調査内容

本研究において分析に用いた調査内容は、以下に示 す項目である。

2.2.1.生活習慣に関する項目 1)いっも何時ごろ寝ますか?

(  時   分ごろ)

2)すいみん時間は足りていますか?

(はい ・ いいえ)

3)朝ごはんはいっも食べてきますか?

(毎日食べる・時々食べない・食べない)

4)排便(うんち)はありますか?

(毎日ほとんど同じころ・毎日でるが同じこ ろでない・時々でないことがある・数日出 ないことがある)

5)よく運動したり、外で遊んだりしますか?

(はい ・ ときどき ・ いいえ)

6)テレビは一日どのくらい見ますか?

(   時間くらい)

7)ゲームはいっも何時間くらいしますか?

(1日   時間くらい/一週間 8)塾や習い事をしていますか?

(はい・いいえ)

時間)

はいと答えた人は、それは1週間に何日ですか?

(1日・2日・3日・4日・5日・6日・7日)

2.2.2.食習慣に関する項目 1)食事はゆっくりとよくかんでする。

(はい・いいえ・わからない、以下同様)

2)三食(朝・昼・夕)かならず食べる。

3)間食はしない。

4)栄養のバランスを考えて食べる。

5)できるだけ多くの食品を食べる。

6)ジュース等を飲みすぎない。

7)おかしやスナックがLを食べ過ぎない。

8)塩からいものを食べ過ぎない。

9)牛乳や小魚を食べる。

10)色のこい野菜を食べる。

11)すききらいをしない。

2.2.3.健康に関する自己診断項目 1)朝食はおいしく食べられますか?

(よくある・時々ある・ない、以下同様)

2)目覚めがすっきりしない 3)おなかがいたくなりやすい 4)下痢しやすい

5)風邪をひきやすい 6)体がだるくなりやすい 7)頭がいたくなりやすい

8)急に立った時ふらふらしやすい 9)目が疲れやすい

10)朝からあくびが出やすい

11)朝礼で長い間立っていると気分が悪くなりやす

12)肩こりになりやすい 13)姿勢が悪いとよく言われる 14)いらいらすることがある

15)布団に入ってもなかなか寝つけないことがある

2.3.調査手続

調査対象の1及び2年生については、児童同伴のも と保護者に依頼し、他年生についてはクラス単位によ る集団調査を実施した。調査者は担任の教員にお願い した。調査者は上述したアンケート用紙に印刷されて いる質問項目を読み上げ、被調査児に該当する反応を 記述するように教示した。このアンケート調査に要し

た時間はおおむね20〜30分であった。

(4)

表1 生活習慣が身体的健康に及ぼす効果 表2 「いらいらすることがあるか?」に対する回答の割合

項 目  1年  2年  3年  4年  5年  6年

就寝時間  .36 睡眠不足度 .46 朝食の有無 .05 排便    .33 運動    .13 TV視聴時間 .37 ゲーム強度 .31

.33  .36  .21  .18   .17

.15  .14  .32   .32  .51

.35  .14  .20  .35  .21

.33  .43  .29  .40  .28

.22  .26  .20  .36  .35

.29  .29  .10  .50  .23

.32  .09  .08  .31  .19

習い事   .34  .30  .37  .33  .36  .23

墓相関係数 .64  .63  .65  .62  .74  .65 決定係数  .41 .40  .42  .38  .55  ,42 就寝時間  .40  .30  .40  .21

睡眠不足度 .38      .32  .31

朝食の有無     .34      19 排便    .33  .34  .43  .27 運動        .23  .30  .20 TV視聴時間 .36  .28  .29 ゲーム強度 .30  .32

習い事   .33  .33  .39  .32

36 37 3349 28 34

7   Q U   e U     3   0 4     1     2     3   2

重相関係数 .63  .62  .62  .62 決定係数  .40  .39  .39  .38

3.結果と考察

3.1.生活習慣が身体的健康に及ぼす影響

表1には、生活習慣の8項目を予測変数、健康度得 点を目的変数とする数量化I類の分析結果が学年ごと に示されている。表の上欄は上記8項目をすべて分析 式に入れた場合であり、下欄は偏相関係数が.20以上 の変数のみを分析式に入れた場合の結果が示されてい る。ここでの健康度得点は、上述した健康に関する自 己診断項目それぞれについて、望ましい回答から順に 2、1及び0点としてカウントし、それを合計した得 点である。

3.1.1.全体傾向

表全体をみると生活習慣の8項目それぞれに、いず れかの学年において偏相関係数の値が.20を超えてお り、健康度との関連性が認められる。また、決定係数 の値をみると、8項目をすべて分析式に入れた場合に は.38〜.55の範囲での予測性をもっている。これらの 結果は、ここで取り上げた生活習慣を構成する8要因 がいずれも健康度に関与する重要な要因であることを 示している。

3.1.2.学年による違い

学年ごとにみると、1年生と他の学年とは質的に異 なることがわかる。1年生では睡眠時間や睡眠不足度 といった睡眠に関わる生活習慣が健康度との関わりの 大きいことが示されているが、他の学年においてはお おむね8項目すべてに渡って健康との関連性がある。

したがって、このデータからは、1年生にとって小学 校での生活のリズムを構築する上で、睡眠の習慣は重

1年  2年  3年  4年  5年  6年

ない     .54  .39  .29  .21 .25  .40 時々ある  .40  .50  .36  .50  .44  .41 よくある  .06  .11 .35  .30  .31 .20

ない以外  .46  ,61 .71 .80  .75  .61

表3 生活習慣が「イライラ感」に及ぼす効果

項 目  1年  2年  3年  4年  5年  6年

就寝時問  .32  .13  .28

睡眠不足度 .10  .21 .15 朝食の有無 .13  .19  .34 排便    .27  .17  .33 運動    .18  .13  .29 TV視聴時間 .21 .32  .49 ゲーム強度 .24  .23  .22 習い事   .37  .30  .46

.24  .33  .24

.04  .22  .49

.17  .14  .29

.27  .21  .20

.14  .28  .28

.32  .44  .30

.11  .02  .18

.42  .23  .25

垂相関係数 .51 .51 .65  .59  .62  .62 決定係数  .26  .26  .42  .34  .38  .39 就寝時問      .27

腫眠不足度     .16

朝食の有無 .36

29  .22  ,24

.25  .49

.26

排便    .27      .35  .33  .21 .20 運動       .31      .27  .25 TV視聴時間 .30  .31 .48  .29  .43  .29 ゲーム強度 .25  .14  .19

習い事   .37  .30  .48  .41 .23  .21

垂相関係数 .48  .43  .64  .55  .61 .61 決定係数  .23  .19  .42  .30  .37  .37

要な位置を占めている可能性が示唆されたのである。

それ故、1年生に対する指導では「睡眠」に注目すべ きであるといえよう。

一方、他学年では偏相関係数が.20に至らない変数 もあるが、全体的にはどの要因も健康度に関与してい ることが明らかである。したがって、2年生以降の健 康教育に関しては、生活習慣のいずれについてもきめ 細やかな指導が望まれるといえよう。

3.2.生活習慣が「イライラ感」に及ぼす影響 表2には、「いらいらすることがある」と答えた者 の割合が示されている。1年生の.46以外、他学年では.

61〜.80の範囲でイライラ感を訴えており、高い割合 であることがわかる。表3には、生活習慣項目を予測 変数、イライラ感得点(項目14に対する回答を2〜0 点として得点化)を目的変数とする数量化I類の分析 結果が示されている。表の上欄が上記の8項目をすべ て分析式に入れた場合であり、下欄は偏相関係数が.2 0以上の変数のみを分析式に入れた場合である。

3.2.1.全体傾向

すべての項目にイライラ感との関連性が認められる ものの、顕著なのは、下段の帰宅後の生活習慣を示す 3項目であり、いずれも偏相関係数が.20以上になっ ている。特に、テレビ視聴の時間の長さはいずれの学 年において偏相関係数.29〜.48、習い事の強度も偏相

(5)

表4 食習慣が身体的健康に及ぼす効果

項 目     1年 2年 3年 4年 5年 6年 よくかむ

三食 間食なし 栄養のバランス 多くの食品 清涼飲料水を控える

おやつを食べ過ぎない 塩辛いものを控える 牛乳・小魚の摂取 色の濃い野菜の摂取 好き嫌いなし

.34 .08 .23 .20 .12 .22

.19 .11 .23 .20

.14 .04 .14 .15 .18 .16

.20 .13 .13 .15 .22 .17

.32 .17 .32 .03 .17 .15

.32 .13 .32 .08 .20 .24

.14 .10 .11 ,16 .26 .16

.16 .22 .11 .25 .16 .07

.07 .24 .12 .10 .06 .20

.18 .15 ,09 .11 .20 .15

.16 .10 ,40 .10 .13 .30

重相関係数      .61.51 月3 .48 .54 .56 決定係数        .37 .26 .40 .23 .29 .32

よくかむ 三食 間食なし 栄養のバランス

.39 .28 .27     .24

.23 .23

.22 .22

多くの食品       .33    .30

清涼飲料水を控える  .26    .33    .19 .22 おやつを食べ過ぎない      ,23 塩辛いものを控える      .29    .17

牛乳・小魚の摂取      .28      .13 色の濃い野菜の摂取      .15 好き嫌いなし      .36       ,30 重相関係数      .53 .38 .59 .31.42 .49 決定係数        .29 .14 .35 .10 .17 .24

関係数.21〜.48の範囲の係数であり、イライラ感との 関連性の強いことがわかる。また、上段の基本的な生 活習慣の項目の中では、就寝時間や排便との関連性が 強いことが示唆される(決定係数は.26〜.42の範囲)。

とりわけ3年生〜6年生では.34以上と高い。これら の結果から、生活習慣の中でも、帰宅後の生活習慣が イライラ感に関与している可能性が高いといえる。

3.2.2.学年による違い

学年ごとにみて注目すべき項目は、ゲーム度である。

1〜3年ではイライラ感との関連性が示されているが、

4〜6年ではそれが消えている。低学年では帰宅後の 生活におけるウエイトが高く、ゲームを行う時間(強 度)が子どもの精神的健康に影響する程度は大きいの であろう。一方、高学年になると、帰宅後の生活に加 えて基本的な生活習慣においても関連性が認められる ようになり、生活習慣すべての項目が連鎖的に関連し てくるものと考えられる。これらの結果からは、特に 低学年児童に対してゲームをする時間を抑えるような 指導の必要性が示唆される。

3.3.食習慣が身体的健康に及ぼす影響

表4には、食習慣の11項目を予測変数、健康度得点 を目的変数とする数量化I類の分析結果が示されてい る。表の上欄は上記の11項目をすべて分析式に入れた 場合であり、下欄は偏相関係数が.20以上の変数のみ を分析式に入れた場合の結果である。

10

表5 食習慣が「イライラ感」に及ぼす効果

項 目    1年 2年 3年 4年 5年 6年 よくかむ

三食 間食なし 栄養のバランス 多くの食品 清涼飲料水を控える おやつを食べ過ぎない 塩辛いものを控える 牛乳・小魚の摂取 色の濃い野菜の摂取 好き嫌いなし

.22 .23 .29 .08 .29 .25

.22 .13 .13 .10 .23

.31 .27 .14 .19 .29 .18

.06 .11 .36 .30 .16 .09

.19 .28 .33 .08 .09 .13

.26 .25 .14 .17 .13 .15

.07 .11 .13 .19 .20 .05

.19 .02 .19 .24 .03 .09

.09 .03 .14 .15 .21 .23

.13 .40 .17 .01 .04 .06

.18 .17 .19 .14 .28 、30

垂相関係数      .53 .53 月4 .52 .59 .53 決定係数        ,28 .28 .41.27 .34 .29

よくかむ

三食 間食なし 栄養のバランス 多くの食品 清涼飲料水を控える おやつを食べ過ぎない 塩辛いものを控える 牛乳・小魚の摂取 色の濃い野菜の摂取 好き嫌いなし

.21 .19 .30     .33 .24

.18

,30 .26        .30

.35 .35

.30 ,29

.27 .21

.20

.16

,35

.21

.19 .19

,28 .33

重相関係数       .43 .49 .48 .37 .55 .45 決定係数        .19 .24 .23 .14 ,30 .21

3.3.1.全体傾向

表全体をみると、「よくかむ」という項目において、

4学年の偏相関係数が.20以上となっており、健康度 との関わりが示されている。その他の項目では、学年 によりばらっきがみられるが、多くの食品をとること も含めた栄養のバランスや好き嫌いのないことにおい て、偏相関係数が高いことが認められる。決定係数の 値をみると、11項目をすべて分析式に入れた場合には.

23〜.40の範囲で予測性をもっている。

3.3.2.学年による違い

学年による大きな特徴は違いはみられない。小学生 の食生活においては、親の養育態度(しつけ)の関係 が強く、子ども自身食生活を受身的にとらえているも のと考えられる。ただし、高学年において、間食を中 心とした偏相関係数.20以上を示す項目が増えている。

これは、家庭科や保健の授業が入ってくることもあり、

子ども自身が健康に対する意識をもちはじめ、主体的 な食生活を考える傾向を示している。したがって、高 学年においては、健康意識の高いものほど健康度がよ

いことが考えられる。

3.4.食習慣が「イライラ感」に及ぼす影響 表5には、食生活の11項目を予測変数、イライラ感 得点を目的変数とする数量化I類の分析結果が示され ている。表の上欄は上記の11項目をすべて分析式に入 れた場合であり、下欄は偏相関係数が.20以上の変数

(6)

のみを分析式に入れた場合である。

3.4.1.全体傾向

全体的に「よくかむ」の項目との関連が認められる。

また、多くの食品を含む栄養のバランス項目の変数が 高いことから、バランスのよい食事との関係が示唆さ れている。決定係数の値からみると、11項目をすべて 分析式に入れた場合には.27〜.41の範囲で予測性をもっ ている。しかし、偏相関係数の値が・20以上の変数甲 みを分析式に入れた場合には、決定係数が.14〜.30と 下がってしまうことから、偏相関係数が.20以下の要 因との緩やかな関連性の存在が考えられる。

3.4.2.学年による傾向

低学年では、清涼飲料水と間食との関係が認められ る。これまではある程度の間食は必要であるとされて いたが、この分析ではむしろ間食をしない方がイライ ラ感が少ないという結果になった。おやつにこだわる ことなく、子どもが楽しめる何かを用意することが精 神的な安定につながっていくと考えられる。一方、高 学年では、「好き嫌いなし」や「カルシウム摂取」と の関係も明らかになった。カルシウム不足がイライラ 感との関係が、この結果から示されている。

4.まとめ

本研究では、生活習慣及び食習慣と自己診断される 健康度の関係を検討した。調査対象は小学1〜6年生 の児童であった。数量化I類による分析の結果、生活 習慣及び食習慣を構成する要因と健康度との間に関連 性のあることが示された。さらに、精神的健康度を反 映する「イライラ感」に関しても、両習慣との関連性

附表1.就寝時間

8時台  9時台 10時台 11時台 12時以降 1年   .19   .66   .13   .01  .00 2年   .17   .56   .23   .03   .00 3年   .07   .57   .31  .04   .01 4年   .03   .47   .37   .12   .01 5年   .00   .16   .50   ,23   .11 6年   .00   .15   .43   .34   .09

附表2.習い事

0日  1日  2日  3日  4日 5日以上

1年  .07  .27  .24  .20  .11 .11 2年  .10  .16  .26  .29  .12  .06 3年  .13  .15  .23  .22  .16  .13 4年   カ9  .19  .16  .18  .16  .21 5年   .08  .17  .10  .26  .17  .22 6年  .12  .20  .12  .25  .18  .13

のあることが明らかにされた。これらの結果は、これ まで養護教諭が積極的に行ってきた健康教育における 生活習慣と食習慣の指導の重要性を再認識させる客観 的かつ貴重な資料を提供した。なお、参考資料として、

附表には、就寝時間、排便、習い事及びテレビ視聴時 間の学年ごとの割合が示されている。

参考文献

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武田真太郎 児童・生徒の生活実態をめぐって第 42回日本学校保健会1995年、189頁。

王天杢・森岡郁晴・宮下和久・後和美朝・鹿島明子・

藤原美津子・吉村智子・坂本民意子・今出悦子・

武田真太郎児童・生徒の生活習慣と自覚症状の 関連 第46回日本学校保健会1999年、298−299 貢。

坂下昇次・中村和彦・前橋明・山田七重・柴野太枝子 児童の学校生活における自覚疲労症状の変化 第45回日本学校保健会1998年、226−227貢。

渋井佳代 生体リズムと睡眠 第38回学校保健ゼミナー ル講演集 健康教軍11月増刊、1999年 58−79貢。

富田勤・佐々木胤則・五十嵐直子・須田美由紀・津村 直子1998 小学校高学生におけるライフスタイ

ル 及び生活の質的満足度と疲労自覚症状との関 連 第45回日本学校保健学会 208−209貢。

上野純子・阿部茂明・天木和子・石田かづ子・小野喜 栄子・加藤秀子・坂本玄子・野井真吾・正木健 雄 子どものからだと心白書 99 子どものから

だと心・連絡会議1999年。

附表3.排便

毎日・定時毎日・不定時時々出ない 数日しない

1   2   3   4   5   仁 U

,32     .24

.40     .29

.22     .31

.38     .33

.27     .36

.30     .33

.33     .05

.26     .05

.42     .05

.25     .05

,29     .09

.33     .04

附表4.テレビの視聴時間

見ない 欝霜 謡霜霜曹

1    2    3   4    5    6

0

5

0

0

2

6 0     0  

1     2

    2    

0 0   3    

5     9

    1    

9 0

0

1

0

1

0 2

4

3

1

8

0 0     1     ハ ソ H l   l   h ソ H 1     2

0

3

5

7

c

U

 

O

O

1

3

2

2

2

2

0

0

4

5

5

5

2

4

3

2

2

0

2

6

0

2

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