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直接染料堅牢性に関する研究(第七報)界面活性剤 の染色への影響についての一考察(1)
著者 稲垣 和子
雑誌名 奈良学芸大学紀要
巻 7
号 2
ページ 129‑133
発行年 1957‑12‑15
その他のタイトル Studies on the Substantiality of the Direct Dye‑stuffs. (No.7) A Study on the Effect of Surface Active Agents upon Dyeing. (1)
URL http://hdl.handle.net/10105/4889
(129)
直接染料堅牢性に関する研究(第七報)
界面活性剤の染色への影響についての・一考察(1) 稲 垣 和、子 (家政学教皇)
(唱和32年10月1日受理)
Kazuko Inagaki : Studies on the Substantiality of the Direct Dye‑stuffs. (No. 7") A Study on the Effect of Surface Active Agents upon Dyeir】Ig. (1)
I 緒
直接染料の堅牢性に関し,先般来,染色時に於けるスルフォン酸基の影響,及び染料の吸収さ れる限度についての実験を進めているが,今回は,界面活性剤が堅牢性にどの様に影響があるも のかについて,実験した結果の一都を報告する。
染色の可能は,染料,助剤,及び機械の三位一体的活用にあるO助剤は界面活性剤を主とするD 故に染色と界面活性剤との関係は極めて密接であり,すべての染浴,すべての処理浴には界面活 性剤が添加され,夫々の工程の円滑な進行が図られている。
界面活性剤の染色への影響は,染料溶液と繊維との接触如何であって,界面活性剤の添加は両 者の接触を速やかに,かつ均等に進行させる。
しかし利用されるのは界面活性だけではない。たとえば羊毛染色に於て均染の目的に使用され るときは,それが副次的にもつ羊毛に対する親和性による。又これとは別の形の界面活性剤が均 染の目的に用いられるが,これは染料と水溶性鑑塩をつくる能力をもつ事を利用したに過ぎないo
又,界面活性剤は可溶化作用をもつが,これは分散染料に巧みに利用される。
以上の様に考えると界面活性剤は次の様な性質を染色に利用することになるo (1)界面活性‑‑‑‑・一一湿潤剤,渉透剤,
(2)繊維親和性 ‑均染剤,
β)染料親和性‑‑‑‑‑均染剤,堅牢度増進剤,色抜剤, (4)可溶化性‑ ‑分散剤,
以上の中で(3)染料親和性につき,殊に堅牢度増進剤の染色への影響について実験したo
I 試料の作製及び実験
(1)供試材料 (a)染 料
Diamme sky Blue FF (c) C omponents‑
*Ammo nophthol
Dianisidme disulphonic acid 2s (alk)
\\ヽ
Amirlo noputuol
disulphonic acid 2s (alk)
C34打24 N6016 S4Na4 S03NQ
(130) 稲 hi 和 子 供試染料は塩析法により十分精製したものである。
OH基2個, NH2基2個 SO3Na基4個からなり MW‑892.52,染料中の灰分51.< であるO (b)供 試 布
綿布 平織金巾 密度 28×32 (lcm平方について) 目方 0.0093gr (lcm平方について) 厚さ 0.185mm
供試布は染色実験前に精練漂白処理をなす。 (第≡報,供試布,精練漂白の項参照) (C)供試堅牢度増進剤
堅牢度増遥剤の目的に最初に採用されたものは,カチオン活性剤である。その作用は繊維に吸 着した染料に作用して不溶性沈澱物をつくるのに在る。つまり,堅牢度増進の第一過程はイオン 交換である。実験に供した堅牢度増進剤は次の如きものである。
アルキルピリヂニクム‑ライド系 Fixanol (ICI) Solid LPC (Hooker)
第3及び第4級酸アマイド系 Sapamine CH, MS, BCH (Ciba) Solidogen B, BS, BSE (Cassela) Fixiersalz (BASF)
Lerogen WW (By) Salldfix A (S¥ndoy) Thinofix A
Fixogene (Francolor) メラミン・フォルムアルデヒド締合物系 Fibrofix (ICI)
Lyofix DE. SB (Ciba)
(d)供試助剤
Na2S04, Nacl 使用。 (何れも化学用純品使用) (2)実 験
染料使用量 3%。 (何れの場合も生地に対して3%使用一定する) 染 色 温度 98。c‑100‑c。
染 色 時間 60分。
助剤使用量 Na2SO4 1596, Nad 。
堅牢度増進剤 11種(前記供試堅牢度増進剤使用) 3彩O 染 液 量 1 :20
染 色 布 一枚の大きさ 8cm平方, 目方 0.6gr。
染 色 液 蒸溜水使用。
染 色 容器 恒温槽使用。
染 色 方法 直接染料基準染色方法に依る。
Ⅱ 測定方法と測定結果及び考察 (1)染色物の堅牢渡測定方法
実験の染色物堅牢度測定は,日本工業規格染色堅牢度試験方法, JIS K4002に従って測定した。
(a)水に対する堅牢度試験
直接染料堅牢性に関する研究(第七報) (131)
① 試料の作製 可検染布の大きさは長さ10cm,巾5cm,添布布は白色木綿(サラシ金巾 第5号5cm平方)でこれを隣接配列し,可検染布と重ねて縫合せる。
⑧ 試験方法 試料の重量(添付布をも含む)に対し50倍量の蒸潜水をとり,これに試料を 室温で30分と15時間にそれぞれ浸潰し,取出して乾燥する。
⑨ 判 定
(b)匪濯に対する堅牢度試験
① 試料の作製 水堅牢度試験に準ずる。
⑧ 試験方法 同一の試料2個を各々異なる温度で操作する。蒸湛水1 1中にマルセル石鹸 5grと結晶炭酸ソーダ3grを含む溶液を,試料に対し50倍量とり40‑Cと90‑Cでそれ ぞれ30分間浸潰し,その間10分毎に一様にガラス棒で授拝する。操作後試料を取出して 水洗,乾燥する。
<:)判'E
・試験条件その他
① 堅牢度の等級及び判定堅牢度の等級は第1級から第5級又は第8級に至るに従って,漸 次堅牢度大とし,又判定に於て染布の変槌色と添付布汚染の程度とが一致しない場合は, その程度の著しい方に従って区分する事とする。
1,3,5級のみ規定の場合に於ても 1,3の中間を第2級とし 3,5の中間を第4級 とする。
⑨ 可換布の乾燥方法 可検布の水洗後に於ける乾燥方法は,試料を漉紙にはさみ,軽く押 した後,特に断らない場合はそのまゝ熱風恒温乾燥器で70‑C‑75‑Cで20分〜30分以内 で乾燥する事とし,この際試験布は汚染布を下方とし白布上におく事とする。
③ 試薬は化学用約品を用う。マルセル石鹸は第一工業製薬株式会社A玄武印使用。
前記の水,洗濯各試験にあっては試験布の原色の変化,及び添布の着色程度により,そ の成績を算1級から帯5級まで5区分する。
(2)染色物の堅牢度測定結果(図表参照)
(132) 稲 垣 和 子 染色物の堅牢皮測定結果表
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