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シュタイン空間における有理型凸性の研究

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Academic year: 2021

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熊本大学学術リポジトリ

シュタイン空間における有理型凸性の研究

著者 阿部, 誠

発行年 2008‑03

URL http://hdl.handle.net/2298/11148

(2)

函数論分科会講演アブストラクト,日本数学会2007年度秋季総合分科会,東北大学,20079 21–24日,pp. 55–56.

23

強い有理型近似性質をもつ領域について

阿部 誠

複素空間はつねに被約かつ第2可算と仮定する.複素空間X のコンパクト集合 K について,集合

K˜X:=©

x∈X |任意のf ∈O(X)に対しf(x)∈f(K)ª

K X における有理型凸被(meromorphically convex hull)とよぶ.複素空 X の開集合Dが有理型O(X)-凸(meromorphicallyO(X)-convex)とは,D 内の任意のコンパクト集合K に対し,集合K˜X∩Dがコンパクトなことである.

注意1. Cnの開集合Dについて,有理型O(Cn)-凸有理凸(rationally convex)

定理2 ([1]). Stein多様体X の開集合Dについて,次の2条件は同値である.

(1) Dは有理型O(X)-凸である.

(2) DSteinであり,かつ任意のφ∈O(D),コンパクト集合K ⊂D,ε>0に対 し,f ∈O(X)g∈Ac(X)が存在して,K 上でg ̸=0かつ°°φ−¡

f/g¢°°

K<ε.

複素空間X の開集合Dについて,f ∈O(X),gAc(X),かつD上でg̸=0 h=¡

f/g¢

|D 全体をQX(D)で表す.

命題3 ([3]). Stein空間X の開集合Dについて,次の2条件は同値である.

(1) DQX(D)-凸である.

(2) DSteinであり,かつ任意のφ∈O(D),コンパクト集合K ⊂D,ε>0に対 し,f ∈O(X)g∈Ac(X)が存在して,D上でg̸=0かつ°°φ−¡

f/g¢°°

K<ε.

次はRungeの有理近似定理の一般化である(cf. Behnke-Stein [4, Satz 13])

命題4 ([3]). D1次元Stein空間X の開集合とする.任意のφ∈O(D),コン

パクト集合K⊂D,ε>0に対し,m∈M(X)∩O(D)が存在して,°°φ−m°°

K<ε.

一般に,複素空間X の開集合Dは,QX(D)-凸ならば有理型O(X)-凸であるが,

X が既約Stein空間の場合に限定しても,dimX 2のとき,逆は正しくない.

定理5 ([3]). Cnの開集合Dについて,次の包含関係が成り立つ.また,n2

のときは,いずれのも逆は成り立たない.

多項式凸 (1) R(D)-凸 (2) QCn(D)-凸 (3) 有理凸 (4) Stein

862-0976 熊本市九品寺4-24-1 熊本大学医学部保健学科

– 55 –

60

(3)

ただし,R(D) :=C(z1,z2, . . . ,zn)∩O(D).

逆が成り立たない例(n=2の場合)

(1) Hartogsの三角形D:={(z1,z2)| |z1| < |z2| <1}.Nishino [5, 6]の例.

(2) D:=C2\S,SC2の超越的既約超曲面.

(3) D:=C×C\S,S:=©

(z1,z2)|z2=e1/z1ª

D:=(∆×C)³³

C\∆´

×

,∆:={zC| |z| <1}.

(4) Stein [8]の例.Oka [7]の例.Wermer [9]の例.

定理6 ([2]). Stein空間X の開集合Dについて,次の2条件は同値である.

(1) Dは有理型O(X)-凸である.

(2) DνQX(Dν)-凸であるようなX の開集合の単調増加列{Dν}ν=1が存 在して,Dはその極限である.

定理7 ([2]). Cnの(連結な)開集合Dについて,次の2条件は同値である

(1) Dは有理凸である.

(2) Dν R(Dν)-凸であるような Cn の(連結な)開集合の単調増加列

{Dν}ν=1が存在して,Dはその極限である.

参考文献

[1] Abe, M.: Meromorphic approximation theorem in a Stein space. Ann. Mat. Pura Appl. (4)184, 263–274 (2005)

[2] Abe, M.: A note on the meromorphicO(X)-convexity. Kumamoto J. Math.18, 17–

23 (2005)

[3] Abe, M.: Open sets satisfying the strong meromorphic approximation property.

Toyama Math. J.29, 7–23 (2006)

[4] Behnke, H., Stein, K.: Entwicklung analytischer Funktionen auf Riemannschen Flächen. Math. Ann.120, 430–461 (1949)

[5] Nishino, T.: Un exemple concernant la convexité par rapport aux polynômes. J.

Math. Kyoto Univ.6, 85–90 (1966)

[6] 西野利雄:単連結で有理凸状であるが多項式凸状ではない例. In:函数論分科会講演 アブストラクト,日本数学会2003年度年会, pp. 67–68.東京大学(2003)

[7] Oka, K.: Sur les fonctions analytiques de plusieurs variables. IV – Domaines d’holomorphie et domaines rationellment convexes. Japan. J. Math.17, 517–521 (1941)

[8] Stein, K.: Topologische Bedingungen für die Existenz analytischer Funktionen komplexer Veränderlichen zu vorgegebenen Nullstellenflächen. Math. Ann.117, 727–757 (1941)

[9] Wermer, J.: On a domain equivalent to the bidisk. Math. Ann.248, 193–194 (1980)

Oka [7]では,(2)が有理凸性の定義である.

– 56 –

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